著者
泉舘 辰太郎 二川 佳央 石原 豊彦 筧 正兄 窪田 宣夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

電波の人体に対する作用は熱作用が支配的であるとされおり、これを基に防護指針が決められている。これに対して、非熱作用については未知な部分が多く残されている。本研究では主としてマイクロ波パルスの影響について細胞レベルで調査するための準備及び基礎実験としてV,UHF帯における培養細胞の培養液の複素誘電率を測定し、また細胞へ適切に電波が照射されるための装置の開発を行った。
著者
井之上 瑞紀 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J97-C, no.5, pp.218-224, 2014-05-01

近年の手術に広く用いられている止血方法の一つに,組織凝固デバイスを用いた手法がある.現在臨床で多く用いられている組織凝固デバイスには,MF帯からHF帯の比較的低い周波数帯の電流を用いた電気メスと,超音波を用いた超音波凝固切開装置がある.これらのデバイスは迅速かつ簡便に止血を行うことができるといった利点があるものの,幾つかの問題点も抱えている.そこで筆者らは,2.45 GHzのマイクロ波を用いた新しい組織凝固デバイスの開発を行った.本論文では,提案するマイクロ波アンテナが組織凝固デバイスとして有用であることを示すため,FDTD法を用いた数値解析による加温特性の評価を行った.更に,実際の使用状況に近い条件下での検討を行うため,ブタを用いた動物実験を行い,提案アンテナが組織凝固及び止血に有効であるかを検討した.その結果,提案するマイクロ波アンテナは組織凝固デバイスとしての機能を十分に果たすことを確認した.
著者
黒木 宏明 磯田 定宏
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.834-835, 1988-09-12

一般にソフトウェアの設計書は日本語文章を用いて記述される。したがって、日本語文章から用語間の関係を自動的に抽出することができれば、設計書に関するインタフェースミスや矛盾等のチェックを効率化できる可能性がある。本稿では、日本語設計テキストを解析し、用語間の関係情報を自動抽出する方式について述べる。
著者
原田 忠
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.2173-2179, 1987-12-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
10

生体にマイクロ波を照射し, その熱作用を利用しようとする場合, 生体内で温度分布がどのようになっているかを知ることは重要である. アプリケータからのマイクロ波照射パターンを基礎的に検討する場合には, ファントームを用いた実験が行われる。また温度分布を測定する方法にもいくつかあるが, 今回は泌尿器科用アプリケータ3種を用いて, ファントームおよび温度測定方法について検討を加えた. 用いたファントームは, 牛肝, 食肉ハム, 0.25. 50および75%の生理食塩水を含有したガーゼ, および卵白で, 温度分布の測定は赤外線サーモグラフィー, 液晶プラスチック板, および卵白凝固法を施行した. アプリケータをファントーム内に埋没するように設置し, 2,450MHzのマイクロ波を100w, 30~120sec照射し, アプリケータ設置部のファントーム断面の温度分布測定を行い比較し, 以下の結果を得た. (1) 牛肝と食肉ハムの温度分布はほぼ同じ大きさであった. (2) ガーゼでは生食の含有率が高くなると温度分布も大きくなっていったが, 50~75%の生食含有ガーゼがほぼ牛肝と同じ大きさの温度分布であった. (3) 赤外線サーモグラフィー法による温度測定は, 非接触性に正確に測定できるが, 機器が大がかりで簡便性に欠けていた. (4) 液晶プラスチック板は手軽に正確に測定できた。(5) 卵白凝固法は三次元で照射パターンをとらえることが可能であったが, 発生する気泡によって変形したり, 測定温度に幅があることが欠点であった.以上の結果から, アプリケータを基礎的に検討する場合には, 食肉ハムを用い赤外線サーモグラフィー法で測定する方法が優れており, 臨床的応用直前にアプリケータの照射パターンを確認する場合などには生理食塩水50~75%を含ませたガーゼをファントームとして液晶プラスチック板で温度分布を調べる方法が適していると考えられた.
著者
小杉 幸夫 高倉 公朋 黄 明聰 岡部 隆博
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.86-93, 1973-04-30 (Released:2011-07-05)
参考文献数
11

For successful operation of brain tumors, it is essential to minimize hemorrhage during neurosurgical operation, and to destroy any adjacent tumor cells. A newly developed technique for coagulating brain tumors as an operative procedure by using microwave was investigated. It penetrates a distance and destroys the tumor tissue with its thermal effect.For successful tissue coagulation, it is required to concentrate microwave energy to a narrow region. For this purpose, a kind of antenna was contrived and the thermal distribution in the vicinity of the antenna was investigated both theoretically and experimentally. It revealed that the near-by field of the antenna could make an adequate thermal distribution for local tissue coagulation. An experimental equipment was made for 2.45 GHz using magnetron as the microwave source.The desirable local coagulation on a dog's brain tissue was achieved with this experimental equipment. This method of local coagulation by microwave will facilitate more effective operation on tumors without unnecessary bleeding and scattering of tumor cells and will destroy as much tumor tissues as possible This method of tissue coagulation is considered applicable to treating not only brain tumors but also many other tumors and diseases.
著者
太田 慧 杉本 興運 上原 明 池田 真利子 飯塚 遼 磯野 巧 小池 拓矢
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.165-179, 2018

近年,日本におけるクルーズ需要は高まっており,都市におけるナイトクルーズも都市観光におけるナイトライフの充実を図るうえで重要な観光アトラクションとなっている。本研究は,東京におけるナイトクルーズの一つとして東京湾納涼船をとりあげ,東京湾納涼船の歴史と運航システムを整理し,東京湾納涼船の集客戦略と若者の利用特性を明らかにした。1990年代以降の東京湾納涼船の乗船客数の減少に対して,2000年以降に若者をターゲットとした集客戦略の転換が図られ,ゆかたを着た乗船客への割引や若者向けの船内コンテンツが導入された。その結果,2014年以降の年間乗船客数は14万人を超えるまでに増加した。乗船客へのアンケート調査の結果,東京湾納涼船は大学生を中心とした若者にとって金銭的にも心理的にも乗船する際の障壁が低いことが明らかになった。つまり,安価で手軽に利用できる東京湾納涼船は学生を含む若者にナイトクルーズ利用の機会を増やしている。
著者
我妻 沙紀 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.199-202, 2012 (Released:2013-01-30)

近年,企業等の組織体にとってソーシャルメディアを利用した情報発信が重要となっている.しかし,情報を的確に発信しその効果を得るには,数あるソーシャルメディアの中から自社に適したものを選択し,それぞれの特性を把握した上で発信する情報を十分に検討する必要がある,継続した情報発信のための体制作りなど,課題も多い.また,成功事例も多数報告されているが,それらは主に規模の大きな組織や知名度の高い企業によるものである.よって本研究では,先行事例を調査した上で,小規模な組織における情報発信法について提案する.また,実際にこの方法を用いて川崎市多摩区役所におけるイベント情報の発信を行った結果について考察する.
著者
白井 嵩士 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.DOCMAS-B102, pp.06, 2012-03-11 (Released:2021-08-28)

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, and discuss how to prevent a false rumor diffusion.
著者
片山 慎也 菅 愛子 高橋 大志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.BI-013, pp.03, 2019-10-05 (Released:2022-02-03)

The influence of SNS or the impact of influencers is expanding on our society. This studyanalyzes the relationships between tweets and news text of influencers in the Japanese stock market. Roleof social media in the financial market is also examined by extracting the data related to the tweetsinformation.
著者
高橋 伸
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.72-76, 1987-03-01 (Released:2010-03-19)
著者
内田 あゆみ 陶 慧 荻原 淳 松藤 寛 太田 惠教 櫻井 英敏
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.549-558, 2008-11-15
参考文献数
23
被引用文献数
3 4

イヌリン含量の高いジャンボリーキの生理学的機能を調べるため,ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病ラットの血糖値および血液生化学的指標とアセトアミノフェン(AAP)投与により発生する肝障害に対するジャンボリーキの凍結乾燥粉末(イヌリン含量60%)(PSII)の影響を検討した.最初の実験ではPSIIをラットのSTZ(60mg/kgbw)処理の1週間後から,2週間投与した.糖負荷試験は7日目と14日目に行った.血液の生化学的指標は14日目に測定した.2番目の実験では2週間,PSIIを投与した後にAAP(500mg/kgbw)を投与し肝障害を発生させた.投与24時間後に肝障害の指標である血中ASTとALTの活性を測定し,また摘出した肝臓の病理組織学的検査を実施した.<BR>最初の実験の糖負荷試験において,1日あたり8.3g/kg(イヌリンとして5.0g/kg)のPSIIの投与により食後血糖値の上昇は抑制されることが確認された.血液の生化学的指標において,総コレステロールとトリグリセリドはSTZ処理により上昇したが,PSIIの投与によりSTZ無処理の値以下に低下した.またASTとALTの活性に低下傾向が観察された.第二の実験において,ASTとALTの活性は低下し,肝臓の壊死と空腔は抑制され,PSIIの肝障害保護作用が確認された.
著者
和田 博夫 伊藤 潔 大見 士朗 平野 憲雄
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.671-680, 2002
被引用文献数
1

上宝観測所では観測網の充実によって,多点のデータの収録解析が可能になったので,2001年10月以降,M0.5以下の極微小地震の震源を多数決定してきた。このことによって,跡津川断層や飛騨山脈での地震活動の様子がこれまでより短期間で明らかにできるようになってきた。M0.5以下の地震によって,飛騨山脈ではこれまでわからなかった多数の群発地震が見いだされるようになった。しかし,それ以外の地域では,空間分布は,深さ分布も含めてこれまで長期間に得られたものとほぼ同じであることがわかった。一方,時間変化については,検知率の問題はあるが,御岳付近の地震の減少と同時に焼岳以北の地震の増加が見られるなど,飛騨山脈で指摘されてきた地震発生の移動が検出された。また,M1.5程度の地震の発震機構を求めることが可能になり,跡津川断層付近の詳細な応力の地域的変化が得られた。
著者
栗原 毅
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement2, pp.1-28, 2002-07-15 (Released:2016-08-07)
参考文献数
105
被引用文献数
5 4

The present paper will describe guidelines for a malaria vector survey by public health personnel engaged in entomological work. The history of the past 100 years of taxonomic studies on Anophelini mosquitoes in Palearctic Japan is reviewed. Among the mosquitoes recorded in the area, Anopheles sinensis was considered the main vector. However no survey designed to systematically assess the presence and abundance of malaria vectors has been carried out since malaria transmission was interrupted in the Islands. There is uncertainty about many aspects of a suspected vector Anopheles lesteri, particularly its distribution. It is recommended that an occasional survey should be carried out in this region considering the possible reintroduction of malaria to the Islands.
著者
藤生 慎 大原 美保 中山 晶一朗 髙山 純一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_865-I_872, 2015

大規模地震災害時に発生しうる莫大な数の建物被害認定調査を効率的かつ迅速に実施するための遠隔建物被害認定システムのうちスマートフォンを用いた建物被害認定の学習アプリを作成した.アプリの作成にあたり,いくつかの被災住宅を3Dモデル化し,地震動による被害を自動で生成できる建物被害生成システムを開発した.さらに,建物被害生成システムの結果をムービーとして出力し,iphoneやipadなどのモバイル端末で建物被害認定調査の学習ができるアプリを開発した.
著者
筧 祐未 金谷 悠司 宮下 和也 真柴 久実 光井 康博 小川 浩平 宮川 史 浅田 秀夫 竹内 三佳 宮田 梨世 萬木 聡 桑原 理充
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.295-299, 2019 (Released:2020-05-20)
参考文献数
19

72歳,男性。約50年前に工場の爆発で熱傷を受傷した。その後左大転子部外側の熱傷瘢痕部に変化が生じてきたため当科を紹介され受診した。初診時,左大転子部外側に手掌大の淡紅色局面を認め,表面には鱗屑・痂皮が付着していた。また辺縁は全周性に黒色調を呈しており,病変周囲には拘縮と瘢痕を認めた。皮膚生検を施行したところ,表皮から連続して真皮浅層に腫瘍細胞が胞巣を形成していた。胞巣辺縁は柵状配列を示し胞巣周囲にムチンの沈着を認め,真皮内には瘢痕形成が著明であった。病理組織学的所見から基底細胞癌と診断し,5mmマージンで皮膚腫瘍切除術と左遊離広背筋皮弁術を施行した。全切除標本の病理組織学的所見からは,基底細胞癌と真皮から皮下に広範囲の瘢痕形成を認めた。熱傷瘢痕上に有棘細胞癌が生じることは良く知られているが,熱傷瘢痕癌の中では基底細胞癌は比較的まれである。 (皮膚の科学,18 : 295-299, 2019)
著者
李 知炯 小柳 貴寛 松尾 勇輝 草場 志帆里 福本 悠斗 山越 健弘
出版者
福岡工業大学情報科学研究所
雑誌
福岡工業大学情報科学研究所所報 = Reports of Computer Science Laboratory (ISSN:13446169)
巻号頁・発行日
no.28, pp.19-24, 2017-10-31

We compared the pulse rate (PR) derived from the ear photoplethysmogram (PPG) using a green light with the heart rate (HR) derived from the electrocardiogram (ECG) as a reference. In 20 young healthy participants (21.7 ± 2.7 S.D. years), simultaneous measurements of the ECG (chest lead II), peak green light (525 nm) PPG, and peak near-infrared light (810 nm) PPG from the two sites of the ear (tragus and helix-crus) and index fingertip, respectively, were made. We used a treadmill for walking task, at speeds of 0, 2, 4 and 6 km/h. The results showed that the PR derived from the green light PPG from the ear significantly related to HR derived from ECG (tragus: r = 0.984, helix-crus: r = 0.972, respectively). In addition, the limit of agreement (± 1.96 S.D.) in Bland-Altman plots between PR and HR were ± 5.960 bpm and ± 7.944 bpm. In conclusion, these findings suggest that green light ear PPG could be the basis of a suitable, practical, method for monitoring PR in normal daily life.
著者
冨士 貞吉
出版者
日本熱帯医学会
雑誌
熱帯 (ISSN:2186179X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.13, pp.44-56, 1969-07-15 (Released:2011-05-27)

1. 可視光線, 赤外線は木質, 生理的, 病理的 (動物および人体) 組織をよく透過する。2. 生体では特に骨質, 脂肪組織をよく透過する。3. 透過力は可視線では長波寄りに, 赤外線では短波部位, すなわち近赤外線の部位に著しい。4. 局所組織においてもよく透過する。