著者
高木 斗希夫 藤井 範久 小池 関也 阿江 通良
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.216-224, 2010 (Released:2016-04-15)
参考文献数
21
被引用文献数
10 1

本研究では,野球における速度の異なるボールに対する打撃動作に影響を及ぼす力学的要因を明らかにすることを目的とした.速度の異なるボール(75-80km/h,100-105km/h,125-130km/h)を被験者に打撃させ,3 次元自動動作分析システムを用いて動作を計測するとともに,2 台のフォースプラットフォームを用いて両足下の地面反力を計測した.下肢及び体幹部に作用する関節力および関節トルク,さらに股関節トルクを下胴の長軸周りの軸へ投影した成分(下胴回転成分)などを算出した.その結果,ボール速度の大きい条件では,投手方向への身体の移動に関与する力積が小さく,この要因として踏出足接地から身体重心速度が最大値に到達する時点までの動作時間の短さが大きく影響を及ぼしていた.また,ボール速度の大きい条件では,軸足側では股関節外転トルクの下胴回転成分,踏出足側では股関節屈曲トルクの下胴回転成分が大きく作用していた.

1 0 0 0 OA 漢文叢書

出版者
有朋堂
巻号頁・発行日
vol.第3 (国語), 1927
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.34-37, 2010-05

団体戦の1つ目のパターンは、営業部門と他部門のメンバーで組織するチームだ。アビーム コンサルティングの近藤敬プリンシパルは「キャプチャー(顧客獲得)チームを組織して、顧客ニーズと自社のリソースをつなげやすくすることが提案力強化に有効だ」と話す。
著者
杉本 昌子 槇田 浩祐 吾妻 有貴 福田 典子 先田 功
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.117-124, 2022-02-15 (Released:2022-03-02)
参考文献数
29

目的 マンモグラフィ(MMG)単独検診の推進に向けて,問診内容を含めた住民検診データを用いて,視触診で見つかるMMG非検出乳癌の実態を明らかにし,乳癌との関連要因を検討することで,視触診省略によるMMG非検出乳癌への対応策について示唆を得ることを目的とした。方法 西宮市においてデータ化が可能であった2014, 2016, 2017年度の乳がん個別検診のデータベースから,個人情報をすべて削除し,連結可能匿名化したデータファイルを用いた。MMG非検出乳癌は,視触診判定のみで要精密検査(MMG判定はカテゴリー2以下で異常なし)となった者のうち,精密検査で「乳癌」と診断された者により把握した。乳がん検診の精度管理指標(プロセス指標)は,受診者全体に加え,視触診判定のみで要精密検査となった者についても算出した。乳癌と各項目との関連は,χ2検定またはFisherの正確確率検定等により分析した。結果 受診者13,504人のうち,要精密検査者は1,247人(9.2%)であった。精密検査の結果,乳癌と診断された者は44人(3.5%)であり,このうち,MMG非検出乳癌は4人であった。また,プロセス指標はいずれも許容値を満たしていた。MMG非検出乳癌症例を検討したところ,4例中3例は乳房で気になることとして「しこり」と答えていた。乳癌と各項目との関連を分析した結果,乳癌と有意な関連が認められた項目は,「乳房で気になることの有無」であり,「しこり」と「分泌物」に有意な差異が認められた。結論 MMG非検出乳癌の4例中3例はしこりを自覚しており,しこりと分泌物の自覚症状は乳癌と有意に関連していた。視触診省略によるMMG非検出乳癌への対応策として,これらの自覚症状に着目した受診勧奨の啓発,問診の徹底と観察,医師への伝達など多職種による連携,ならびにブレスト・アウェアネスの普及が重要であることが示された。
著者
高橋 裕介 川久保 篤志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.66, 2007

<BR> I .はじめに<BR> 本発表でとりあげる神楽とは,能の影響を色濃く受けた演劇風の里神楽のことである.近世初頭に佐太神社(松江市)で成立した神能(演劇風神楽)は,徐々に伝播し現在では出雲はもちろん西日本全域で広く舞われている.1970年に行われた大阪万博,1975年の文化財保護法改正などを契機として,島根県では現在でも大きな盛り上がりを見せている.江戸時代における神楽は神職のものであったが,1871年(明治3年)に松江藩から神能演舞禁止令が出されると,担い手は農民へと移行し,その後今日まで農村を中心に伝承されてきた.しかし戦後,高度経済成長期を通じて農村社会は大きく変貌し,その影響は神楽社中にも及んだ.そこで今発表では,神楽社中の変化を農村社会の変化を関連付け分析を進めていく.<BR> II .対象地域と対象社中<BR> 研究対象地域は,島根県雲南市大東町である.大東町は松江市から南へ車で30分ほどの山間部に位置する.大東町ではかつて林業が盛んであったが,現在は兼業化が進み成人の多くがへ通勤している.<BR> 現在大東町には活動を行っている神楽社中5つある.神楽社中はおよそ10~20人で組織されており,平均年齢は50歳代である.主な活動としては,秋祭りで神楽奉納,各種イベントへの出演,また最近では神楽の演大会へのなども行っている.<BR> III .社中構成員の属性と神楽社中の変容<BR> 大内(2002)はイエ制度のもとにある戦後農村社会において,昭和ヒトケタ世代(世帯主),後継者,高齢者,女性という4つの社会層を確認し,昭和ヒトケタ世代はイエ制度のライフサイクルに従った最後の世代であり,後継者のライフコースはイエ制度から離れていったと述べた.筆者が,小河内社中の拠点とする下小河内集落において実施した神楽経験を中心としたライフヒストリー調査の分析によると,昭和ヒトケタ世代(第一世代),後継者世代(第二世代),さらにその次の第三世代という3つの異なるライフコースを確認することができた.神楽社中の活動のあり方は,どの世代を中心に社中が結成されているかに強い影響を受ける.小河内社中は,大正時代に結成された神楽社中で,その中心となっているのは,山上さん講に参加しているイエ出身のものである.しかし1980年代以降そのような枠組みは変化し,現在では集落外から社中に参加するものもいる.<BR> 本発表では小河内社中の社中員のライフヒストリー分析を中心に神楽社中の変容を述べていく.
著者
奥田 安弘 ライアン トレバー
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.45-77, 2019

本稿は,重国籍者の国会議員資格に関する日豪の事例を比較し,その法的分析を試みるものである。第1章では,台湾人の父と日本人の母から生まれた蓮舫議員の事例を中心として,日本法上の問題点を分析する。すなわち,中国では,中華民国政府が存在していたが,新たに中華人民共和国政府が成立し,日本は,1972年に中華人民共和国政府を中国の正統政府として承認した。そこで,蓮舫議員が中国国籍をも保有する重国籍者であるか否かを判断するにあたり,いずれの政府の国籍法を適用するのかという問題が生じる。また,仮に蓮舫議員が重国籍者であるとすれば,日本の国籍法上,国籍選択の義務を負うとされるが,国籍選択をしなかった場合に,どのような効果が生じるのか,という問題に目を向ける必要がある。さらに,現行の日本法において,重国籍者が国会議員となる資格が制限されていないことを確認したうえで,立法論として,将来制限されるべきであるのかも考察する。第2章では,オーストラリア法における連邦議員の重国籍問題を取り上げ,現行法上の制限を緩和するための改正が必要であることを明らかにする。まず,連邦議員の資格剥奪の手続および要件を考察する。つぎに,オーストラリアがイギリスの旧植民地であること,連邦制を採用すること,権利章典を有しない国であることから派生する法律問題を扱う。さらに,従来からの法改正の動向を紹介しながら,現行規定が恣意的であり,明確性を欠き,政治に左右されやすいため,全面的に廃止するか,またはより忠誠の衝突の防止という目的に適した制度に改めるべきであることを主張する。最後に,以上の日本法およびオーストラリア法の考察から,両者に共通する面があることを明らかにし,重国籍者の国会議員資格について,将来あるべき法律論への展望をもって,本稿のまとめとする。
著者
奥田 安弘 ライアン トレバー
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.1-30, 2020

本稿は,重国籍者の国会議員資格に関する日豪の事例を比較し,その法的分析を試みるものである。第1章では,台湾人の父と日本人の母から生まれた蓮舫議員の事例を中心として,日本法上の問題点を分析する。すなわち,中国では,中華民国政府が存在していたが,新たに中華人民共和国政府が成立し,日本は,1972年に中華人民共和国政府を中国の正統政府として承認した。そこで,蓮舫議員が中国国籍をも保有する重国籍者であるか否かを判断するにあたり,いずれの政府の国籍法を適用するのかという問題が生じる。また,仮に蓮舫議員が重国籍者であるとすれば,日本の国籍法上,国籍選択の義務を負うとされるが,国籍選択をしなかった場合に,どのような効果が生じるのか,という問題に目を向ける必要がある。さらに,現行の日本法において,重国籍者が国会議員となる資格が制限されていないことを確認したうえで,立法論として,将来制限されるべきであるのかも考察する。第2章では,オーストラリア法における連邦議員の重国籍問題を取り上げ,現行法上の制限を緩和するための改正が必要であることを明らかにする。まず,連邦議員の資格剥奪の手続および要件を考察する。つぎに,オーストラリアがイギリスの旧植民地であること,連邦制を採用すること,権利章典を有しない国であることから派生する法律問題を扱う。さらに,従来からの法改正の動向を紹介しながら,現行規定が恣意的であり,明確性を欠き,政治に左右されやすいため,全面的に廃止するか,またはより忠誠の衝突の防止という目的に適した制度に改めるべきであることを主張する。最後に,以上の日本法およびオーストラリア法の考察から,両者に共通する面があることを明らかにし,重国籍者の国会議員資格について,将来あるべき法律論への展望をもって,本稿のまとめとする。
著者
清水 寛太 山田 義智 肖 春彦 小山 智幸
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.68, pp.76-80, 2022

<p>In this study, we survey on ready-mixed concrete shipped in Okinawa prefecture, including material temperature, concrete temperature at the time of kneading and unloading, and outside temperature. As a result, It was found that the concrete temperature at the time of unloading must be about 33℃ or less so that the concrete temperature at the time of kneading does not exceed 35℃. We also showed that random forest and LightGBM, which are a type of machine learning, can estimate concrete temperature at the time of kneading and unloading with high accuracy from the unit quantity of material, material and outside temperature.</p>
著者
近藤 了嗣 山 活成
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.159-166, 2022

<p>A multi-scale analysis of elasto-plastic deformation and dislocation movement and accumulation of tri-crystalline models during cyclic deformation was performed. The accumulation of dislocations in geometrically necessary dislocations (GNDs) and statistically stored dislocations (SSDs) was investigated in detail. Experimental observations have shown that fatigue life and fatigue crack propagation are also deteriorated when the material is subjected to overload or underload. However, in the microscopic and mesoscopic regions, where the effects of the crack tip shape change are not related to the size of the crack tip, a different phenomenon is essentially occurring. In this paper, the effects of overload and underload are investigated using a simple model without a crack. From the analysis results, it was found that the dislocation structure generated in the material subjected to overload or underload affects the subsequent deformation behavior. However, even though the absolute values are the same, the effects of overloading and underloading on the subsequent deformation are different, and underloading increases the non-uniformity of the subsequent deformation, which is on the dangerous side, while overloading decreases with increasing the number of repetitions. </p>
著者
福地 伊芙映 立原 一憲
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
2022

<p>The Daito (Borodino) islands, comprising three riverless oceanic islands (Minami-daito, Kita-daito and Oki-daito Islands) mostly bounded by rocky coasts, are the only southern Japanese islands located between the Ryukyu Archipelago and the Ogasawara islands. Identification of the mullet fauna on such oceanic islands should provide a clue to the dispersal ability of the family. Field surveys at Minami-daito and Kita-daito Islands were conducted in October 2019 and March 2020 resulting in five (<i>Chelon macrolepis</i>, <i>Crenimugil crenilabis</i>, <i>Ellochelon vaigiensis</i>, <i>Mugil cephalus</i>, <i>Oedalechilus labiosus</i>) and four mugilid species (<i>Ch. macrolepis</i>, <i>Cr. crenilabis</i>, <i>Neomyxus leuciscus</i>, <i>O. labiosus</i>) being collected from the respective islands. In addition, a specimen of <i>Moolgarda seheli</i> previously collected from Minami-daito Island, was found in the collection of the National Museum of Natural and Science (NSMT). All seven mugilid species are here recorded for the first time from the Daito Islands, supported by voucher specimens. A detailed description is provided for each species.</p>
著者
石見 利勝 小宮 一真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.355-360, 1989-10-25 (Released:2020-08-01)
参考文献数
4

The objective of this study is to identify who use the apartments in center area of Tokyo and what conditions attract them. Each two hundred questionaires were delivered to three districts in center area. Through analysis of the data, mixed use of apartments by households and offices, items which attract households and offices and their evaluation system of the items are identified.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス = Nikkei electronics : sources of innovation (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1186, pp.30-35, 2017-12

2020年ごろを境にして、急速に進むとされる自動車の電動化。それに伴い、電動車両の「走る」「曲がる」「止まる」といった足回りの性能やコストを左右する駆動システムも急成長する見込みだ。
著者
大脇 良成
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.555-563, 2002
参考文献数
100

高等植物の鉄獲得機構はIとIIに大きく分けられる。このうちIIはイネ科植物が持つメカニズムで、根からのファイトシデロフォア(ムギネ酸類)の分泌とそれによる土壌中での3価鉄の可溶化、および3価鉄ムギネ酸の吸収が含まれる。このIIの鉄獲得機構に関しては、Takagiによるイネ科植物の根から分泌される鉄可溶化物質の発見に端を発して、その後のムギネ酸の構造決定を経て、近年におけるムギネ酸生合成系の解明、および3価鉄ムギネ酸トランスポーターのクローニングなど、その詳細が分子レベルで解明されつつある。このIIの鉄獲得機構の解明における日本人研究者の寄与は極めて大きく、その過程については森により解説されている。一方、Iはイネ科以外の大部分の陸上植物が持つ鉄獲得機構である。イネ科以外の植物は根の表面で3価鉄を2価に還元した後に、細胞膜にある2価鉄のキャリアーにより細胞内に鉄を取り込む、また、土壌中の不溶態鉄の可溶化には、鉄欠乏に応答したプロトンポンプの活性化による根圏の酸性化が関与している。近年これらIの鉄獲得機構を構成する細胞膜の3価鉄還元酵素、2価鉄トランスポーター、プロトンポンプなどに関する研究が進み、その実態が分子レベルで明らかにされつつある。本稿では、高等植物の鉄獲得機構のうちIに関して近年の研究の進展を開設するとともに将来展望について述べる。IおよびII以外の鉄獲得機構については近年、エンドサイトーシスを基本にしたIIIの可能性が提唱されている。