著者
Miwako Maeda Tomoki Maeda Kenji Ihara
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.63056, (Released:2022-01-29)
参考文献数
22
被引用文献数
4

Aims: We assessed 27-year trends in obesity and blood lipid levels of 10-year-old children to estimate the risk of metabolic syndrome in adulthood. Methods: Based on a screening program for lifestyle-related diseases in school children in Oita City, Japan, we evaluated secular trends in height, weight, percentage of overweight (POW), total cholesterol (TC), triglyceride (TG), HDL cholesterol (HDL-C), and non-HDL cholesterol (non-HDL-C) of fifth graders (median age: 10.8 years) in Oita City from 1991 to 2017. We focused on the secular trend in the percentage of children with inappropriate serum levels of each lipid. We also evaluated the long-term trends in the 95th, 50th, and 5th percentiles for each parameter, as dependent variables, with the calendar year as an independent variable. Percentages of children with mild obesity (POW-20), moderate obesity (POW-30), and severe obesity (POW-50) were set as dependent variables. Results: A total of 58,699 boys and 56,864 girls were evaluated during the study period. The percentage of children with severe obesity (POW-50) consistently increased during these years, and the 95th percentile of degree of obesity significantly increased in both boys and girls. The plot of percentages of children with inappropriate levels of TC, TG, and non-HDL-C showed a mild inverted U shape during the study period. The HDL-C level typically decreased in the study period, and the TC, TG, and non-HDL-C levels were markedly higher while the HDL level was lower in obese children than in non-obese children. Conclusion: The number of children with severe obesity increased, and obese children had higher percentages of inappropriate lipid levels than non-obese children. The rate of dyslipidemia with low HDL levels gradually increased in all children in Oita City, Japan, over the past 27 years.
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.573, pp.107-111, 2002-06

1998年2月21日,東京・浜松町のNASDA本社コントロールルームには,NASDA幹部の面々がずらりと顔をそろえていた。彼らの視線の先にあるのはテレビモニタの画面。そこには,雨の種子島宇宙センターに凛りんと立つH-ロケット5号機が大きく映し出されている。
著者
平井 卓也
出版者
日経BP
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.1054, pp.26-31, 2021-10-28

石倉さんはもともとデジタル庁のアドバイザー的な立場でした。デジタル庁をつくるに当たって、どんな組織にしたらいいのか、(2021年8月までの)この1年間、いろいろな人から助言をいただいたのです。 日本のデジタル化は世界的にも遅れていますから、グロー…
著者
板垣 大雅 西村 匡司
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.605-612, 2017
被引用文献数
1

患者-人工呼吸器非同調(以下,非同調)は,人工呼吸中に見られる頻度の高い事象である。人工呼吸器のガス供給パターンと,患者の呼吸パターンにずれがある場合,非同調が生じる。非同調は,ガス交換障害,肺過膨張,呼吸仕事量の増大,人工呼吸期間やICU滞在期間の延長をきたし,患者予後への影響も指摘されているが,その認識は高いとは言えない。非同調は,(1)患者の吸気努力に一致して人工呼吸器の送気が開始しない不適切なトリガー(オートトリガー,ミストリガー,二重トリガー,逆行性トリガー),(2)吸気から呼気へ転じるタイミングのずれ(送気の早期終了,送気の終了遅延),(3)人工呼吸器の送気流量と患者の吸気流量の過不足,の3つに大別される。ベッドサイドの医療者には,これら非同調の原因,グラフィックモニタ波形上の特徴,対処方法について深い理解が求められる。
著者
宮田 佳樹 吉田 邦夫 中村 俊夫 南 雅代 堀内 晶子 久保 謙哉 北野 博司 上條 信彦 遠部 慎 村本 周三 リチャード エバーシェッド
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

①土器付着炭化物の炭素年代測定や安定同位体分析による食性解析法,②土器残存有機物組成や分解生成物を同定するバイオマーカー分析,③土器から抽出した炭素数16,18の直鎖状飽和脂肪酸の炭素同位体比を現生生物と直接比較することにより,起源物質を推定する手法,これら三つの手法(①,②,③)を法補的に組み合わせることにより,土器付着炭化物と土器胎土吸着物を用いて,土器で調理された食材を復元することができた。つまり,新しい縄文土器を用いた古食性研究手法を確立した。
著者
富永 隆治 吉利 用和 麻生 俊英 益田 宗孝 河野 博之 木下 和孝 川内 義人 田中 二郎 徳永 皓一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.19-22, 1987

症例は65才男性。心筋梗塞発症9時間後に心室中隔穿孔を併発、ショック状態に陥いる。このため昭和60年10月7日、緊急手術を施行した。中隔穿孔部パッチ閉鎖、自由壁梗塞部切除、パッチ形成術を施行。再灌流後、心拍動微弱で人工心肺よりの離脱は全く不可能と判断、LVADポンプを縫着(右側左房、上行大動脈)、PBP駆動装置に接続した。LVAD装置により人工心肺よりの離脱は容易であった。PBP駆動装置は58時間使用、この間心電図トリガーミスがあり、LVADが一時停止、back up機構の必要性を痛感したが、LVAD作動そのものは良好で充分使用可能であった。術後16日目にLVADを除去したが両心不全、感染、多臓器不全にて失った。剖検では、LVAD systemに血栓を認めなかったが、ヘパリン使用に関わらず左室内パッチを中心に多量の血栓形成を認め、より厳重な抗凝固療法を要すると考えられた。
著者
石川 亮
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.241-248, 1982 (Released:2012-09-28)
被引用文献数
1 1

筑波大学附属図書館における, TULIPS (Tsukuba University Library Information Processing System) は昭和55年度末に導入された汎用データベースマネージメントシステムを用いて本格的に動き出した。1) TULIPSの構造と業務ファイル, 2) ファイル内容とレコード構造事例, 3) 業務プログラムとファイルの関連などについて, その概要を述べている。
著者
望月 輝 藤本 暢宏
出版者
近畿大学工学部
雑誌
近畿大学工学部研究報告 = Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University (ISSN:0386491X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.73-78, 2010-12-01

[Synopsis]A simple and high-speed modulation technique using a white LED for illumination light communication are proposed to enable Ubiquitous Network. The proposed modulation technique enable a 110Mb/s operation. Experimental results show that the proposed system can play a key role in high-speed illumination light communication.
著者
小田 力
出版者
長崎大学風土病研究所
雑誌
長崎大学風土病紀要 (ISSN:00413267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.136-144, 1966-10

長崎県大瀬戸町松島の外平部落(115戸)で1961年9月(実験1)に,長崎市郊外の六枚板部落(27戸)で同年10月(実験2)に,及び外平部落で1963年7月(実験3)に,計3回の記号放遂法によるイエバエの分散実験を行なった.放遂バエは25℃の実験室で飼育,羽化後4~6日目のもので,放遂前24時間, P^<32>を含む餌を与えて記号を附し,更に実験3では3ケ所から略同時に放遂したハエを区別できるように,3種類の色素の2%水溶液を噴霧した.放遂後6日間毎日(実験2では放遂後1, 2, 3, 5, 8日に),屋内に設置したハエトリガミとハエトリリボンに附著した記号バエ数及び無記号バエ数を記録した.これらの実験結果から次のことがわかった.1.記号バエの回収数は,放遂後の日数の経過に伴なって減少する.2.記号バエは一般に放遂場所に近い人家で多く回収されるが,放遂場所からの距離が同じ場合には,無記号バエの採集数から判断して,屋内への侵入が容易でありハエの餌が散在している,人家で,回収バエが多く得られる.3.記号バエの分散距離は,放遂地点が人家に囲まれている場合には短かく,放遂地点の一方にのみ人家がある場合や,特に放逐地点が人家から離れている場合には長い.4.イエバエの分散には,ランダムな行動に基づく比較的小規模の分散と,分散飛翔とも呼ぶべきものによる,より規模の大きい分散とがあると推測され,後者は,放遂地点が人家と畠地や荒地との境にある場合や,人家から離れている場合に見られるようである.
著者
飯塚 崇 神谷 和作
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

遺伝性難聴は1600出生に一人と高頻度に発生するが、その根本的治療法はなく次世代の治療法開発が期待されている。遺伝性難聴の原因遺伝子として世界中で圧倒的に検出頻度が高いのがギャップ結合タンパク質Connexin (CX) 26をコードするGJB2遺伝子である。CX26は蝸牛ギャップ結合の主要構成要素として蝸牛リンパ液のイオン組成を高電位に維持することで音の振動から神経活動への変換を可能としている。申請者はアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターを用いたCX26欠損マウス内耳への遺伝子治療実験により、CX26欠損マウスにおける高度難聴を優位に回復させることに初めて成功した。しかし、この実験において聴力回復に成功したマウスは生後0日齢であり、ヒトの内耳では胎生期に相当する。当時の方法による遺伝子治療法では成熟マウスの聴力回復には至らなかった。本研究ではベクター投与法を改良することによりヒト臨床応用への対象として現実的である成熟マウスでの聴力回復を実現させる新たな遺伝子導入法の開発を目指す。当該年度は従来型のAAV1-Gjb2との比較実験により感染能と感染指向性の解析をおこなった。生後4日齢のマウスから蝸牛を摘出し、蝸牛器官培養を行った。この培養系にて既存の血清型AAVでのin vitro感染を行った。これにより標的細胞への感染効率の良いベクターを選抜した。蝸牛器官培養での結果を元にAAVベクターの配列を比較し標的細胞であるCX26ギャップ結合形成細胞への効率の良いベクターが選抜された。このAAVベクターをマウス蝸牛に効率よく導入するための投与法の検討を行い5~10ulのウィルス液を効率よく外リンパ液へ導入する手技を確立した。
著者
吉門 洋 椿 貴博 佐々木 寛介
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.15-26, 2006

メソスケール気象モデルにオイラー型の物質輸送拡散モデルを組み合わせた濃度分布シミュレーション手法を用いた大気汚染の長期評価手法の可能性を検討した。本稿ではその手法のオゾン (光化学オキシダント) への適用を試みて, 関東地方における濃度実態の解析と合わせ, 必要なモデル性能について考察した。<BR>オゾンに関する長期評価の対象は高濃度日 (日最高濃度が注意報レベル120ppb以上) の出現頻度とした。<BR>関東地方のうちでも特に東京都とその風下にあたる埼玉県および群馬県南部を対象として, 1999~2001年の高濃度出現時期6~8月について域内のオゾン濃度と広域的な気象パターンの関係を解析した結果, 54種類中10種類の気象パターンの日に高濃度日の75%が, また高濃度時間数の90%程度が含まれていた。<BR>頻度の低い2パターンを省き, 上位8気象パターンに属する日からそれぞれ代表日を選出して, メソスケー・ル気象モデルANEMOSと有機光化学反応モデルCBM-IVによる8日分の濃度シミュレーションを行った。計算された日最高オゾン濃度と実測から得られたその平均的ばらつき, および各気象パターン出現頻度を集成して域内のオゾン高濃度日数の分布を算定した。結果は, 実測と比較して内陸地域での高濃度出現が過剰で, さらに気象モデル, 発生源データ, 反応モデルの精度とシミュレーション代表日選択方法に検討の余地があるが, この評価手法により有用な分析が可能であることが示された。
著者
小塩 隆士 浦川 邦夫
出版者
岩波書店
雑誌
経済研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.42-55, 2012-01

幸福感や健康感など主観的厚生は,自らの所得水準だけでなく他人の所得との相対的な関係によっても左右されると考えられる.本稿では,この「相対所得仮説」が日本においてどの程度当てはまるかを大規模なインターネット調査に基づいて検証する.具体的には,性別・年齢階級・学歴という3つの個人属性に注目して合計40の準拠集団を定義し,自らの所得と準拠集団内の平均所得との差が幸福感・健康感・他人への信頼感とどのような関係にあるかを調べる.さらに,最後に通った学校の同級生の平均年収の推計値との比較など,主観的な相対所得の重要性についても検討する.推計結果は全体として相対的所得仮説と整合的だが,(1)女性は男性と異なり,本人所得ではなく世帯所得の格差を気にしていること,(2)健康感や他人に対する信頼感は幸福感より相対所得,とりわけ準拠集団の平均所得を下回る状況に敏感に反応すること,などが確認された.