著者
大髙 崇
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.2-23, 2021

再放送に対する視聴者への意識調査(WEBアンケート,グループインタビュー)の結果を詳述する2回シリーズの前編。第1章で‚政府の緊急事態宣言が発出された2020年4月以降のテレビ番組の「再放送化」を概観。5月下旬には夜間プライムタイムでも多くの番組が再放送‚ないし‚過去映像素材の再利用による放送であった。意識調査の結果からは‚主に以下の傾向が抽出できた。●再放送に対しては概ね好意的であり‚時間帯も平日のゴールデンタイムなどでも構わないという傾向が強い。●見たい番組であれば再放送であるか否かはあまり気にしない。番組表の表示も特段のこだわりは感じられず‚放送のタイミングでも「季節感」などは重要視していない。●再放送へのニーズの中には,最近の放送番組に対する物足りなさも含まれている。●特に‚積極的な視聴者層は‚再放送番組に対して様々な付加価値を求めている。●再放送の情報は‚若年層がインターネットで‚高齢層が新聞で得る傾向がある。●不祥事を起こした芸能人の出演する番組の再放送には概ね寛容。調査の分析・考察は後編に続く。
著者
木宮 敬信
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.237-246, 2016-03-31

2014 年度~ 2015 年度にかけて、看護系学科、理学療法系学科、法律系学科に所属する大学生を対象に出生前診断に関するアンケート調査を行った。その結果、出生前診断に関する認知は、所属する学科の教育内容に影響を受けるものの、受診希望については教育の影響を受けないことが明らかとなった。ダウン症候群についての理解との関連では、理解している人に、出生前診断の受診を希望する人の割合が高いことが明らかとなった。また、出生前診断の受診を希望する人ほど、胎児に障害がある場合に中絶したいと回答する人の割合が高くなる傾向があり、逆に受診を希望しない人ほど出産したいと回答する人の割合が高くなることが明らかとなった。この結果から、妊婦の自己決定の重要性とともに、十分な教育なしにマススクリーニング検査化していくことへの危倶が指摘された。
著者
陳 介余 宮里 満 石黒 悦爾
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.65-72, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15

スイカを完全弾性球体モデルと仮定し, その質量, 周波数, 伝播速度とセン断弾性係数の関係を理論的に解析し, 内部品質判定の指標を導いた。試料の打撃音および振動波形をFFTアナライザで解析し, これらの結果を判定措標に用いることにより簡便にスイカ内部の空洞や煮え等の内部品質の検出が可能であることを示した。さらにパワースペクトル解析により第1ピークと第2ピークの振幅差と第1ピークの振幅の比と重量の関係を利用すると空洞の大きさの推定が可能であった。
著者
坂本 考弘 木村 光 矢崎 善一
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.860-863, 2016-01-30 (Released:2016-03-16)
参考文献数
3

急性冠症候群は致死的疾患の代表的疾患であるが, 救急外来を受診した患者の1~8%は帰宅させられている。その原因の一つとして無痛性心筋梗塞が挙げられるが, 急性冠症候群の25%は胸痛以外が主訴で来院すると言われており, 悪心嘔吐のみの主訴は1%程度である。嘔気嘔吐のみの症状にて内科外来受診し, 前壁中隔心筋梗塞と診断され冠動脈バイパス術の適応となった1例を提示し, 本症例について診断学を中心に文献的考察を含めて検討した。高齢者はリスク要因が少ないからといって急性冠症候群を否定できず, 本症例のように他の随伴症状を認めない場合には鑑別に挙げる必要がある。鑑別に挙げることで致死的疾患である急性冠症候群の見逃しを防ぐことに繋がると考えられる。
著者
野地 秩嘉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.70-73, 2011-03-01

最も高い壁は店の売り上げを上げることで、次は部下を掌握することだろう。この2つは常に店長の頭を悩ます壁だ。ただし、それだけではない。 初めて店長になり、何から手をつけたらいいのか分からないといったことも高い壁だろう。また、男性だけ、あるいは女性だけの部下を持って戸惑うこともあるに違いない。
著者
佐々木武彦
雑誌
宮城県古川農業試験場研究報告
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-17, 1994
被引用文献数
1
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.678, 2017-12-25

リニア中央新幹線の建設工事の入札で不正があったとして、東京地検特捜部が大林組に偽計業務妨害の疑いで強制捜査に入ったことが12月9日に分かった。2027年の先行開業を目指す東京─名古屋間では各地で工事が始まっており、進捗に影響が出る恐れもある。
著者
秋野 卓生
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1147, pp.26-28, 2019-07-11

2019年5月、国会で改正意匠法が成立した。建築デザインについてもビジネスにおけるブランドイメージの一環として保護するものだ。改正のきっかけとなった紛争から、建築設計への影響を考察する。
著者
上田 昌宏 恩田 光子
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
pp.2021-028, (Released:2022-01-26)
参考文献数
5

1次資料を含めた医薬品情報の評価と,患者情報を踏まえて最適な医療を提供し,EBMを実践できる薬剤師の養成が求められている.大阪薬科大学(現大阪医科薬科大学薬学部)では,実務実習でEBMを実践できるように4年次にチーム基盤型学習を用いたEBM演習を行っており,演習の中で患者問題を抽出し,医学論文の評価,適用へとつなげている.2020年度は,新型コロナウイルスの影響による制限で,2019年度に比べ演習内容を縮小しての実施となった.本シンポジウムレビューでは,演習前後で行った理解度確認試験を年度毎に検証することで,本演習の教育効果を報告する.また,EBM演習での学習内容を評価するために,臨床準備教育における概略評価表(例示)〈近畿地区版〉を用いた評価について述べる.
著者
本田 勝亮 稲垣 啓太 大貫 よし子 釋 悦子 中村 みどり 志智 大介
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 = Japanese journal of pharmaceutical health care and sciences (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1120-1126, 2008-12-10
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

We established a reporting system for the use of antimicrobial agents for methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA) infections in January 2003 to help ensure they are used properly.Then,in October 2005,we set up an infection control team (ICT) to monitor the use of four agents for MRSA infections : vancomycin,teicoplanin,arbekacin and linezolid.Changes in the antimicrobial use densities of the agents,the number of patients receiving them and the therapeutic drug monitoring (TDM) execution rate were investigated for three periods : I : before the reporting system (2002),II : while reporting system was in use (2004),III : during ICT monitoring (2006).<br>There was no significant change in the antimicrobial use densities of the agents for MRSA infection,while the number of patients receiving them decreased significantly in period III (p<0.05).Also in period III,the antimicrobial use density of teicoplanin increased significantly (p<0.05),there was a marked decrease in the number of patients receiving vancomycin (p<0.01)and the TDM execution rate increased significantly (p<0.01).<br>The systematic activities performed by the ICT were effective in ensuring the proper use of antimicrobial agents for MRSA infection.Further,by enabling us to share information with other medical staff and conduct rapid interventions,they have been playing an important role in infection control in our hospital.