著者
齊藤 了文
出版者
日本金属学会
雑誌
まてりあ : 日本金属学会会報 (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.696-699, 2003-10-20
参考文献数
4
被引用文献数
1

エンジニアという専門家は、専門家として非常に奇妙な位置づけにある.これは,医者や弁護士というよく知られた専門家と比べてのことである。専門的知識を駆使し,素人ではおよびもつかない専門的な職業であることはこの3つの職業で共通する。しかし、倫理的行為(他人を配慮する行為)に関しては、エンジニアは少し奇妙な専門家と言われざるを得ない.(もちろん,このことは,エンジニアに変わり者が多いということを言おうとしているのではない.哲学研究者と日ごろ付き合っている私とすれば,エンジニア,工学者は,よほど社会常識をわきまえた人々のように見える.).このように言えるのは,大きく分けて3つの側面がある.一つは,人工物をつくるということを職業にしているという側面である.二つめは,企業内のエンジニアという側面である.三つ目は,公衆を考慮するということが要請されるところから由来する.以下,この3つの側面がどのような論点を含んでいるかを明らかにすることにしよう.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1922年08月25日, 1922-08-25

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年08月06日, 1924-08-06
著者
津田 良樹 Tsuda Yoshiki
出版者
神奈川大学日本常民文化研究所 非文字資料研究センター
雑誌
年報 非文字資料研究 (ISSN:18839169)
巻号頁・発行日
no.7, pp.245-256, 2011-03-20

個別共同研究4持続と変容の実態の研究 -対馬60年を事例として
著者
安部 武宏 糸山克寿 吉井 和佳 駒谷 和範 尾形 哲也 奥乃 博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1054-1066, 2009-03-15
被引用文献数
1

本稿では,ある音高を持つ楽器音をもとにして,音色の歪みを抑えながら任意の音高を持つ楽器音を合成する手法について述べる.我々は音色の聴感上の差に関する音響心理学的知見に基づき,楽器音のスペクトログラム上で観察される音色特徴量として,(i) 倍音ピーク間の相対強度,(ii) 非調波成分の分布,(iii) 時間方向の振幅エンベロープの3つを定義する.まず,もとになる楽器音の音色特徴量を分析するため,糸山らの調波·非調波統合モデルを用いて楽器音を調波構造と非調波構造に分離する.音高操作時には,特徴量(i),(ii) の音高依存性を考慮しなければならない.そのため,音高に対する特徴量を3次関数で近似し,所望の音高における特徴量の値を予測する.32種類の楽器に対して音高操作を試みたところ,音高依存性を考慮しない場合と比べて合成音と実際の楽器音との距離が,スペクトル距離尺度では64.70%,MFCC距離尺度では32.31%減少し,手法の有効性が確かめられた.This paper presents a synthesis method that can generate musical instrument sounds with arbitrary pitches from a given musical instrument sound while constraining distorting timbral characteristics. Based on the psychoacoustical knowledge on auditory effects of timbre, we define timbral features on the spectrogram of a musical instrument sound as (i) relative amplitudes of harmonic components, (ii) distribution of inharmonic components, and (iii) temporal envelopes of harmonic components. First, to analyze timbral features of a seed, it is separated into harmonic and inharmonic components by using Itoyama's integrated model. In pitch manipulation, it is necessary to take into account the relation of pitch and features (i) and (ii). Therefore, we predict the values of each feature by using a cubic polynomial that approximates the feature distribution over pitches. Experimental results showed the effectiveness of our method; the spectral and MFCC distances between synthesized sounds and real sounds of 32 instruments were reduced by 64.70% and 32.31%, respectively.
著者
植田 貴宏 西田 哲也 大原 順一 田中 辰彦 浦 啓助 浦田 和也 池上 康之
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.75-83, 2014-03

このように,日本近海においてもOTECの設置に有望な海域は存在するが,特に沖ノ鳥島は日本の排他的経済水域内で唯一熱帯に区分され,日本近海におけるOTECシステム設置可能な候補地の中で最も適した地域の一つと考えられる。しかし,実際に沖ノ鳥島近海におけるOTECを用いて海洋エネルギーの利用と水産資源の開発を行う場合,まずOTEC設置のための設計資料としての海洋物理データ(水温,塩分,溶存酸素等)が必要であり,OTECの副次的な多目的利用として水産資源開発を行う場合には,海域における栄養塩類の鉛直分布等の把握が必要となってくる。しかし,沖ノ鳥島における気象,海象調査や表層の海洋物理データについては,他研究機関により継続的に行われているが,その周辺海域における各層における海洋物理データ,栄養塩類についての海洋調査は,ほとんど行われていない。本報は,2006年1月に水産大学校練習船耕洋丸を用いて沖ノ鳥島海域での海洋調査を行い,OTEC設置のための設計資料と水産資源開発に必要な各調査点における各層海洋物理データ及び栄養塩等の調査結果について報告する。
著者
渡辺 哲也 丸岡 陽 松川 寿也 中出 文平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.490-497, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本研究では、立地適正化計画を策定した地方都市を対象に、規制の厳しい用途地域の場所を都市機能誘導区域とした経緯を明らかにし、今後の区域設定に示唆を与えることを目的とする。施設の立地現況を踏まえた詳細対象8都市への分析及びヒアリング調査の結果、規制の厳しい用途地域の場所を誘導区域としたのは、その用途地域に立地可能な施設を誘導施設としたためであることが明らかになった。それ以外にも、将来利用できる可能性のある場所であったため規制の厳しい用途地域の場所を誘導区域とした事例もあった。広域的な利用が考えられる施設が立地する場合や、将来的に利用が考えられる場合のみ、規制の厳しい用途地域の場所は誘導区域に含めるべきである。

1 0 0 0 OA 片岡健吉

著者
松永文雄 著
出版者
中庸堂
巻号頁・発行日
1903
著者
石黒 順哉
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.95-96, 2001-03-31

本発表は,これまでの「ところで」の研究の問題点をふまえ,「ところで」の用法を整理し,その基本的機能を解明することを目的とする。考察は,「ところで」によって接続できる段落には制限があるという事実から,文章・談話において何に依存し何を承けているのかという接続的な観点と,川越(1995)を参考にして「話題レベルのシフト」「次元のシフト」というディスコース的な観点の両側面から行う。「ところで」の用法としては「既出要素の話題への拡張」「現場事物の持ち込み」「スクリプトの実行」という三つの用法が挙げられる。これらの用法間の共通性から「ところで」の基本的機能を導き出すと,「ところで」は依存対象の中の一部に注目して,そこから次の話題を形成する何らかの要素を取り出し,それを当該の文章・談話に持ち込むことによって話題をシフトすると結論づけられる。依存対象が言語的文脈であれば,言語的要素が取り出され,それが新たな話題へと拡張される。この場合,前後の話題間には関連が認められ,全く別の話題に移行するという従来の説明は不十分であるといえる。先行するテクストとの関連を示す語や表現の存在や寺村(1984)のトコロの意味,そして後続文に疑問文が来やすいという現象からもこの用法の性格が示唆される。一方,依存対象が非言語的文脈中のものであれば非言語的要素が取り出され,それまでの話題と関連のない話題へと突然変更することになる。この時「ところで」は「場面に存在する話題」「話し手の観念に存在する話題」へと話題内容だけでなく次元をもシフトする。言語的文脈だけでなく非言語的文脈までも依存の対象にできるという点は,他の接続詞と大きく違う点であり,「ところ」という形態の意味が非常に抽象的な概念であることと関係していると思われる。
著者
大田 修平 河野 重行
出版者
日本植物形態学会
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-23, 2019
被引用文献数
1

<p>植物や藻類のカロテノイドは光合成のアンテナ色素や抗酸化作用などの役割をもつことで知られている.単細胞緑藻の一種であるヘマトコッカスはβカロテンを前駆体としてアスタキサンチンと呼ばれる赤いカロテノイドを産生し細胞内に蓄積する.最近の研究によりこのアスタキサンチンは油滴に含まれ,βカロテンやルテインなどのカロテノイドと異なり葉緑体の外側に存在していることが明らかになった.このことからアスタキサンチンは葉緑体に局在するカロテノイドとは本質的に異なる機能を有することが示唆される.タイムラプスイメージング解析を行うと,油滴に含まれるアスタキサンチンは光に応答して細胞内を能動的に移動し,強光を遮断している現象が見られた.ハイパースペクトルカメラやフリーズフラクチャーレプリカ法によるイメージング解析の結果,ヘマトコッカスはアスタキサンチンを用いて光の強弱に対する巧妙な適応戦略を発達させ,強光を回避していることが明らかになった.</p>
著者
小山 茂
出版者
島しょ医療研究会
雑誌
島しょ医療研究会誌
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-29, 2014

一昨年 2012 年(平成 24 年)1 月 1 日、鳥島近海を震源とするM 7.0 の地震が発生した。 かつて居住者がいたが現在は無人島になっている東京の島として、八丈小島を以前紹介した。今回取り上げる伊豆諸島南端の鳥島は明治中期より移住者が住みついたが、1902 年(明治 35 年)に噴火で在島住民全員が死亡するという痛ましい出来事があった。しかしそれ以来無人島状態が続いたわけではなく、その前後に様々な経緯ある歴史の投影された島だった。調査等で今も在島者がおり、緊急搬送も想定されうる(?)鳥島の過去から現在の姿を紹介する。
著者
牧野茂 福井静夫編
出版者
今日の話題社
巻号頁・発行日
1987
著者
森 禎三郎 藤村 匠 山田 洋平 狩野 元宏 佐藤 健二 浅沼 宏 星野 健 長谷川 奉延 黒田 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.841-849, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
38

総排泄腔遺残症・外反症や性分化異常症では,生命予後やQOLは改善されてきたが,生殖機能における長期的予後は十分に改善されているとは言えない.当院では小児外科,小児科,泌尿器科,産婦人科でチームを形成し,症例ごとに治療を行っている.今回,外陰部形成術を施行した5例を後方視的にまとめ,術式の選択と至適な手術時期について検討した.原疾患は総排泄腔遺残症が2例,総排泄腔外反症,先天性副腎皮質過形成症,原発性性腺機能低下症が1例ずつであった.外陰部形成には,結腸間置法,skin flap法,pull-through法,total urogenital mobilization,骨盤腹膜利用法をそれぞれ用いた.外陰部形成術を行う疾患は多岐にわたり,病態も多様なため,症例に応じたアプローチが必要である.疾患に応じて手術時期を設定し,乳児期より多科連携による治療戦略のロードマップを描くことが重要である.
著者
高倉京子 藤本晃司 木戸晶 伏見育崇 岡田知久 坂下尚孝 木村徳典 富樫かおり
雑誌
第42回日本磁気共鳴医学会大会
巻号頁・発行日
2014-09-11

【背景・目的】ASL(Arterial Spin Labeling)は造影剤を用いない灌流画像取得法であり、非侵襲的で繰り返し撮像が可能である。脳のみならず、腎臓においても様々な定量方法が研究、報告されている。ASLの撮像手法はRFパルスの印加方法によりPASL(pulsed-ASL)とCASL(Continuous-ASL)があり、異なるモデルを用いた定量評価がなされている。ASL画像の信号強度のシミュレーションは行われているが、PASLを用いて得たASL画像のカーブフィッティングを行ったという報告は少ない。今回我々は、前回の本大会で発表した定量評価についての検討を継続し、3D-SSFP-ASL(ASTAR法)の定量評価法として各TI(Inversion Time)におけるASL画像における腎実質の信号強度のカーブフィッティグを行うことによる腎血流量の計測を試みた。【方法】3T MRI装置(東芝メディカルシステムズ社)において、同意の得られた11名の健常ボランティアの撮像を施行。呼吸同期でASL画像を取得。ASLの撮像条件は、TR/TE:4.3/2.2 ms, フリップ角:94-116度, バンド幅:±390 Hz, FOV:36 cm,スライス厚:4 mm, matrix:192×192, SPEEDER Factor:2, 積算回数:2,非選択IR(nSSIR): 2とし、TIを800-2400まで400 ms毎に撮像。また、プロトン密度強調画像を取得。自作Matlabソフトを用い、腎皮質の信号強度を測定し、TI 5点の計測から、single compartment modelに基づいたASL信号強度のカーブフィッティグを行い、ラベルされたスピンが腎臓に到達する時間を考慮したみかけの腎血流量を算出した。【結果】全被検者の平均のみかけの腎血流量は、188.97±47.02[ml/100cc/min]であり、変動係数は25%未満であった。【結論】3D-SSFP-ASL手法による、腎血流量の計測方法としてカーブフィッティグは妥当な方法であると考えられる。
著者
野島 美保
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.44-55, 2008 (Released:2021-07-01)
被引用文献数
2

本論文の目的は、 MMOの収益性の問題を、利用動機・ゲーム内行動といった消費者行動から説明する枠組みを提示することである。 MMOパブリッシャーのマーケティング戦略という経営学的な視 点に立ち、ゲームの収益性に影曹する要因を洗い出す。 まず、収益性を示す指標を導くために、バッケージ販売・定額制・アイテム課金の料金制度の違いを分析し、利用期間(定着性)。単価に着目した。次に、MMOユーザーの利用動機と行動を測定し、その変数化を試みた。日本のMMOユーザーに対してアンケート調査を行い、3つの潜在変数(成長、コミュニケーション、アイデンティティ)を導いた。最後に、 MMOユーザーの利用動機・行動によって定着性・単価がどの程度影曹されるかを知るために、構造的な定量分析を行った。 その結果、「成長」動機はゲームヘの熱中度を増加させるものの収益性に直接的に影響せず、利用期間と単価に直接的に影響しうるのは「コミュニケーション」動機であることが示唆された。

1 0 0 0 OA さば(鯖)

著者
太田 静行
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.175-178, 1982-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
著者
浅野 文 島谷 幸宏 渡辺 裕二 渡辺 昭彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.303-312, 1996-08-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14
被引用文献数
2

都市における鳥類と人間との関係を調べるために、1993年に農村域として小貝川、1994年に都市域として多摩川で、鳥類の避難行動 (逃避行動、回避行動、警戒行動) 開始時の距離を測定した。測定された距離の結果は、(1) 地域による相違 (小貝川に対する多摩川での距離の短縮化)、(2) 経時的な相違 (1976年の既存データに対する1994年の測定距離の低下)、(3) 種の特性による相違 (体長と距離の相関性、水鳥 (W1) と都市鳥 (U) の分布状況と位置の変化) で特徴づけられる。以上の結果は、都市域は鳥類にとって必ずしも生息しにくいだけの環境ではなく、有効な側面を持っていることを示しており、その結果に基づき、人間と鳥類との共存関係について考察した。