著者
Masaki TERAHARA Yoshitaka NAKAMURA Misato TSUBOI Shinji JINNO Takamitsu TSUKAHARA Takao MIYAKE Naoki SHIMOJO
出版者
BMFH Press
雑誌
Bioscience of Microbiota, Food and Health (ISSN:21863342)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.196-203, 2021 (Released:2021-10-01)
参考文献数
41
被引用文献数
2

Bifidobacterium bifidum OLB6378 (OLB6378) was selected as a strain that enhances the production of secretory immunoglobulin A (IgA) in vitro. This ability of non-live OLB6378 has been shown by a clinical trial in preterm infants. In the present study, we examined whether non-live OLB6378 also enhances the production of secretory IgA, even in full-term infants. One hundred full-term infants were allocated to receive formula with (BbF group, 49 infants) or without non-live OLB6378 (PF group, 51 infants). Breastfeeding was prioritised, so infant formula was used for infants with breastfeeding difficulties. The intervention was initiated by five days of age. The faecal IgA concentration and OLB6378 level were determined at one, two, four, and eight weeks of age. Faecal IgA in the BbF group (1.04 ± 0.47 mg/g of faeces, n=45) was significantly higher than that in the PF group (0.85 ± 0.42 mg/g of faeces, n=49) at four weeks of age (p=0.047). OLB6378 was not detected in faeces at any age. This indicated that production of secretory IgA in full-term infants may also be enhanced by non-live OLB6378 intake.
著者
天池 庸介 増田 隆一 佐々木 瑞希 中尾 稔
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

近年、北海道において都市に定着するキツネ(“都市ギツネ”)の個体数が増加しており、キツネと野ネズミを宿主とする寄生虫エキノコックスのヒトへの感染リスク増加が懸念されている。そこで本研究では、都市部におけるエキノコックスの感染リスク評価とその伝播メカニズムの解明を目的として、都市ギツネと野ネズミを対象に生態遺伝学的および疫学的調査を実施し、個体群密度や分散パターン、地域毎のエキノコックス感染率などを明らかにする。本研究の成果は感染症予防対策の構築に寄与する。
著者
伊藤 英臣 菊池 義智 佐野 友紀
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では魚類腸内細菌叢の機能解明モデル開発に向け、優れたモデル魚類のメダカに着目し、その腸内細菌叢に関する基礎情報を得ることを目的とした。室内飼育メダカと野生メダカの腸内細菌叢の群集構造を比較解析した結果、人工的な飼育環境下では本来の野外環境下とは大きく異なる腸内細菌叢が形成されることが示唆された。またメダカの、エラ、表皮粘膜、背ビレ、腸、腸内容物、そして卵の細菌叢を比較解析した結果、各組織にはそれぞれ特異的な細菌叢が形成されることが示唆された。
著者
藤田 憲一 フジタ ケンイチ Kenichi Fujita
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
no.15, pp.127-138, 2015-03-31

1978年に、ポーランドのマウォポルスカ県に位置しているヴィエリチカ岩塩坑が、ユネスコから世界遺産の指定を受けた。これは世界遺産の最初の指定が行われた際に、他の11の遺産とともに選ばれたものである。私は共同研究者とともに、2013年にこのヴィエリチカ岩塩坑を訪れ、視察を行った。この論文では、特にヴィエリチカ岩塩坑のツアーコースに展示されている展示物の主要なものに焦点を当てて、その産業遺産としての意義を分析する。また、この鉱山の観光資源としての利活用について述べる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1651, pp.34-37, 2012-07-23

7月27日、40億人の視聴者と6万人の観衆が見守る中、ロンドン東部の五輪スタジアムに世界中から参加した約200の国・地域の選手団が続々と姿を現す。英国の歴史や伝統を表現するパフォーマンスが繰り広げられた後、フィナーレを飾るのは、ポール・マッカートニーさんの熱唱だ。
著者
武田英二
雑誌
臨床栄養
巻号頁・発行日
vol.92, pp.22-24, 1998
被引用文献数
1
著者
本橋 裕之 萩原 直人
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.184, 2005

マッチング度合いの異なる3種類の周溶接継手に対して、溶接部中央に表面切欠きを有する広幅引張試験を行った。直流電位差法により検出された延性き裂の発生挙動は、強度ミスマッチの影響を強く受け、強度マッチングの度合いが小さいほど、延性き裂発生までの変形量が小さくなった。
著者
咲間 妙子
出版者
帝京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

レム睡眠行動障害(RBD)は,約80%がパーキンソン病やレビー小体型認知症などのアルファシヌクレイノパチーに発展する.本研究では,中枢性過眠症であるナルコレプシーへのRBD合併率を明らかにした.また,RBD患者においてレビー小体型認知症の中核症状である幻視と類似現象である錯視がみられることを明らかにした.次いで,錯視誘発検査と嗅覚検査・認知機能検査をナルコレプシーおよびRBD合併型ナルコレプシー患者に実施し,RBD/アルファシヌクレイノパチー関連所見がどの程度みられるのかを検討し,ナルコレプシー合併型RBDは特発性RBD例とは異なり同所見は認められず病態が異なることを明らかにした.
著者
田村 淳 砂原 秀樹 加藤 朗 石戸 奈々子
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.1075-1086, 2021-06-23

現在の日本社会では,死と向き合うことが少なく,遺書というものは敬遠されている.これまで遺書は死期の近い人が家族や親しい人たちのために遺す文書と考えられていたが,近年エンドノートなどの名称で思考もはっきりし身体も元気なうちに本人の意思を示したり,家族や親族,知人にメッセージを遺したりすることが考えられるようになってきている.著者らは,このように元気なうちに遺書を作成した際の作成者本人に及ぼす効果に着目し,新しい概念に基づく遺書という考え方を構築し,それらをサービスとして実現することを目指した.本研究では,遺書を作成することで作成者本人にどのような影響を及ぼすかについて調査を行い,それらの結果から遺書動画サービスITAKOTO を構築し提供を開始した.本稿では,特に遺書を作成することの効果の調査結果を示すとともに,構築したサービスを紹介し,また現状で明らかとなっている課題について議論する.
著者
植松 孝悦
出版者
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.231-235, 2021 (Released:2021-10-01)
参考文献数
13

症例は医療従事者30歳代女性。右皮膚温存乳房全切除術とシリコンインプラントで乳房再建後,術後ホルモン療法継続中に新型コロナワクチン2回目接種後にワクチン接種側である左鎖骨下に腫瘤を自覚。2回目ワクチン接種4週間後の定期受診時の超音波検査で左鎖骨下に集簇する2個の10mm のリンパ節腫大を認めた。いずれも楕円形で,リンパ節皮質のび漫性かつ均一な肥厚とわずかであるがリンパ節門が確認され,反応性リンパ節腫大,特に新型コロナワクチン接種後の反応性リンパ節腫大と診断して経過観察とした。2回目ワクチン接種12週間後に施行した超音波検査で左鎖骨下リンパ節の縮小が確認された。新型コロナワクチン接種に伴うワクチン接種側の片側性リンパ節腫大,特に腋窩リンパ節腫大は,医師をはじめとする医療従事者が知っておくべき新型コロナワクチン接種後の臨床所見として,世界中の乳がん検診や乳房画像診断に関係する学会や団体で注意喚起が始まっている。新型コロナワクチン接種後,早くて1~2日でワクチン接種側の片側性リンパ節腫大が発症し,10週間後まで持続することが現在までに報告される。検診マンモグラフィや検診超音波検査は,ワクチン接種前に施行するか,2回目ワクチン接種後少なくとも6~10週間の間隔をおいてから施行することが推奨される。乳癌患者の術前,術後の必要な画像検査は延期することなく積極的に施行すべきであるが,その場合の新型コロナワクチン接種は健側の三角筋もしくは大腿部に接種を勧めるように助言する。基本的に2回目ワクチン接種後6~10週間以内のワクチン接種側の片側性リンパ節腫大の患者に対して,積極的な画像検査は不要で,臨床的な経過観察が推奨される。2回目ワクチン接種後6~10週間を超えて持続するか増大するリンパ節腫大は,超音波検査をはじめとする積極的な画像検査による精査が必要である。ワクチン接種に伴うリンパ節腫大は,反応性リンパ節腫大の典型画像を呈するので,ワクチン接種歴と接種部位の情報があれば,その診断は容易である。したがって,ワクチン接種歴と接種部位の検査前問診が重要である。国民に対しては,新型コロナワクチン接種後の反応性リンパ節腫大は,病気ではなく,心配ない自然な症状と所見であり,むしろ良好な免疫反応を獲得している徴候であることを説明して,安心してもらうことが大切である。
著者
福田 恒康 遠西 昭寿
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.333-340, 2014

本研究は中学校において, イオン概念のような不可視な概念をどのように指導すればよいかを提案する実践的研究であり, 経験によって審判を受けるのは個々の理論ではなく科学理論の体系的全体であるというクワイン(1992)の主張に依拠している。このような観点からの指導事例には粒子の熱運動(遠西・佐野, 2012)や天動説に対する地動説の優位性(福田・大嶋・遠西, 2013)が報告されている。本研究では上述したクワインの理論をイオン概念の習得に適用している。クワインの主張に従えば, イオンは見えないが, イオンの存在を信じることによって構成される理論体系全体が経験の審判を受け, 理論体系全体にコミットできるとき, その構成要素であるイオンの存在を確信できると考えられる。観察や実験による経験的事実は理論体系における周辺的な事実であってイオン概念の説明にはほど遠いが, 理論体系全体にコミットできれば, このような事実も十分にイオン概念を確証できることを示した。このための方略としてコンセプトマップは有用なツールとして機能する。