著者
美崎 栄一郎 池田 浩 今井 健雄
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.108-112, 2014

われわれは専門家として,メイクやヘアメイクの仕上がりなど使用実態を調査している。その使用実態観察研究の一環として,本研究では観察者の視線の動きに着目した。化粧直後の仕上がり写真を刺激画像とし,それを観察する視線の動きを調べた。今回の検討により,化粧における専門家であるメイクアップアーティストは左右上下のバランスを測るように広い範囲に視線移動をし,仕上がりを短時間で評価していることがわかった。一般女性は顔の中心や個々のパーツなどの気になる部分に視線が片寄りがちになる傾向にあった。視線の移動を可視化することで,暗黙知として専門家がもっている美しい仕上がりへの知見を引き出せる可能性が示唆された。
著者
Hiroki Watanabe Kazuki Hayashi Tomonori Sato Takao Kondo Fumio Teraoka
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.640-648, 2021 (Released:2021-10-15)
参考文献数
25
被引用文献数
2

In the age of edge/fog computing, it is important to consider not only computing resources but also network resources when hosting services. Since service is composed of multiple small functions in the microservice architecture, we treat a service as a set of BFs (basic functions) that fulfill a single task. It is required to place BFs at edge/fog nodes considering the computing resources and network requirements within a practical time. This paper proposes a MANO (Management and Network Orchestration) for deploying services composed of multiple BFs with requirements to computing and network resources of distributed nodes. The proposed MANO considers the computing resources of edge/fog/cloud as well as the network delay and the bandwidth between them. This paper proposes an optimal method and a heuristic method for calculating the placement of BFs. The evaluation results show that the placement calculation time for a service composed of four BFs is about 10 seconds with the optimal method and about 20 seconds with the heuristic method. The calculation time is within the practical range.

1 0 0 0 OA 東京の源氏節

著者
倉田 喜弘
出版者
日本歌謡学会
雑誌
日本歌謡研究 (ISSN:03873218)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.22-27, 1972-03-20 (Released:2021-03-31)
著者
伊藤 昌毅 諸星 賢治 太田 恒平 森山 昌幸 神田 佑亮 藤原 章正
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_1465-I_1475, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
15

2018 年に発生した西日本豪雨の被災地では多くの道路や鉄道が寸断され,住民や訪問者の移動に困難が生じた.バスや鉄道などは運行を確保にできる限りの手を尽くしたが,Web や乗換案内アプリケーションでは正確な案内が出来ておらず,公共交通の利用は困難であった.本論文では,災害時に公共交通情報を地域住民や訪問者に届ける方法を論じ,西日本豪雨における実践を通じて有効性を示す.情報を一箇所に集約することは災害時には現実的ではないため,それぞれの交通事業者が出来る範囲で情報発信を行い,乗換案内などからリンクを張るという自律分散的な情報提供を実現した.時刻表通りの運行が困難な状況で役に立つバス運行実績情報や代行バスの位置情報といったリアルタイム情報を提案手法でまとめ,総合的な交通情報の把握を可能にした.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.579, pp.36-38, 2013-11-11

宮崎県小林市の国道268号紙屋大橋で2012年、舗装したばかりの新しい路面に相次いでひび割れが発生した。この橋では床版の補強工事を実施しており、それに伴って舗装を敷設し直したところだった。 紙屋大橋は1965年に完成した長さ236mの8径間鋼桁橋。
著者
香川 真二 千田 廉 木村 愛子 前田 真依子 米田 稔彦 星 信彦 岡田 安弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.C0457, 2006

【目的】<BR>近年、歩行解析に三次元加速度計が広く利用されている。しかし、定量的な加速度解析や歩行周期の特定に関する報告は少ない。そこで、三次元加速度センサとデジタルカメラ映像を同時にパーソナルコンピューター(以下、PC)へ記録できるシステムを用いて、腰背部に取り付けた加速度データと歩様の関係を詳細に検討した。さらに、健常者と変形性股関節症(股OA)患者の加速度変化をリーサージュ図形により可視化し、各方向へのバランス評価を行った。また、各軸の加速度変化を周波数解析し、OA患者と健常者間の定量的な比較を行った。<BR>【方法】<BR>20人の健常者(平均年齢: 62.2)と20人のOA患者(平均年齢: 58.3)を対象とした。全ての対象者に研究趣旨を説明し同意を得た。被験者全てに腰背部中央に無線型加速度センサ(サンプリング周波数:600Hz, Microstone)を取り付け、さらに、主要関節部位に発泡スチロール製マーカー(直径: 3 cm)を装着し、自由歩行として約20mの歩行をサンプリングした。加速度センサデータと歩行動作画像は同時にデジタル化しPCへ記録した(Digimo)。<BR>【結果】<BR>加速度変量のピークと各歩行動作は単純には一致せず、個体間でも共通した傾向は見られなかった。しかし、健常者およびOA患者とも左右・上下での加速度がmid stance時に0に近い値を示し、この時点において「等速状態」であることが示された。PC上に加速度変量をリサージュ図形として可視化し、左右、前後および上下のバランスを視覚的かつ定量的に比較した。OA患者は左右・上下・前後とも健常者より、不規則かつ大きく変動した。2次元の加速度で合成される2次元ベクトル値(スカラー)の総和平均を比較すると、OA患者は健常者より有意に増加していた(p<.01)。mid stance時を基準にし、Fast Fourier 変換 (FFT)を用いて、加速度のパワースペクトルを算出した。OA患者における左右および前後方向での高周波領域(5-20Hz)のパワー値は、健常者より有意に高い値を示した(p<.05)。<BR>【考察】<BR>今回の結果から三次元加速度計波形の左右・上下成分加速度よりmid stanceの特定が可能となり、mid stanceを起点として歩行解析を行うことが、定量的解析方法の基準となることが期待される。加速度変化の可視化により、視覚的に歩様バランスを判断できる可能性も示唆された。患者への説明用データとしても有用であると考える。左右・前後成分でOA患者の高周波領域のパワー値の有意な増加は、体幹・骨盤の挙動を代表した異常歩行と関係することが示唆される。定量的加速度波形解析は、時間的変化を比較できることから、リハビリ過程の評価の一つとして有効であると考えられる。
著者
中本 順 傳 秋光 松本 大輔 西山 花生里 池添 冬芽 田野 香菜 松井 尋美 中山 知未 坂元 真由美 山下 修司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.D0482, 2006

【目的】<BR>今日わが国の慢性透析患者は20万人を超え、さらに透析療法の進歩により、透析治療の長期化、透析者の高齢化といった新たな問題が生じている。また、透析患者の主な原疾患は糖尿病性腎症が第1位となった。こういった背景から、昨今、慢性腎不全血液透析患者(以下、CRF-HD患者)に対するリハビリテーション医療の考え方が適用されつつある。そこで、今回我々はCRF-HD患者に対するリハビリテーション医療のための基礎検討として、CRF-HD患者の日常の運動量とQOLの実態を検討した。併せて、透析導入となった原疾患(慢性腎炎&lsaquo;非DM群&rsaquo;と糖尿病群&lsaquo;DM 群&rsaquo;)により差があるのか、あるとすればどのような差異がみられるのかを検討した。<BR>【方法】<BR>対象は、姫路市内の某病院で外来維持透析を受けている、調査に同意したCRF-HD患者で、50〜60歳男性13名である。透析導入となった原疾患(慢性腎炎&lsaquo;非DM群&rsaquo;と糖尿病群&lsaquo;DM群&rsaquo;)の2群に分類した。4週間以上装着されたLifecorder EXデータとSF-36の下位尺度項目評価データなどを、Peasonの相関係数、unpaired Student-t検定で検討した。<BR>【結果】<BR>1)両群の年齢、透析期間、体格、ルーチン血液検査には有意差を認めなかった。2)全体的(n=13)には、身体機能と運動量(1日平均消費カロリー)は正相関した(R=0.738, p=0.0039)。しかし、群別では非DM群(n=6)では相関せず(R=0.593, p=0.215)、DM群(n=7)で正相関した(R=0.821, p=0.0237)。3)身体機能などでは非DM群と有意差なし(身体機能;DM: 60±16.33S.D., 非DM:72±17.664S.D., p=0.2294)にも関わらず、DM群では全体的健康観のみが有意に低かった(DM: 34.282±4.499S.D.,非DM:42.5±7.583S.D., p=0.0339)。4)非DM群とDM群間には、運動量に有意差は認めなかった(非DM:85.833±37.706 Cal/day,DM群:61.143±56.893 Cal/day,)。(1日平均歩数は、非DM:3577±1497歩, DM群:2328±1794歩と有意差は認めなかった。)<BR>【結論】<BR> 1)今後は自己判断の身体機能を実際に心肺持久力などの体力検査で検討し、可能な症例には体力改善を通じて自信をつけさせ、DM群のQOL改善を図ることが重要と考えられた。2)透析導入後の運動制限継続は昨今否定され、運動による透析合併症予防効果も期待されつつある。健常人の健康維持向上には、1日1万歩が推奨されている。従って、透析患者は非DM 、DMに関わらず可能な限り運動量を増加させる必要があり、適切な運動処方を作成して実践し検証する必要があると考えられた。<BR>
著者
大野 瑞男
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

江戸幕府の財政史料は明治政府に引き継がれなかったために散逸が甚だしく残存量も少ない。そのためその研究は勝海舟・向山誠斎・大田南畝らが編纂した史料と、第二次大戦後発見・紹介された史料を利用するが、分散的で多岐にわたり利用しにくい。この現状を打破するために、江戸幕府財政史料の全てを調査し、最も良質な底本をもって原稿を作成、原本照合と校訂、索引作業および史料学的研究を行った。江戸幕府財政史料は財政改革に際してその資料として作成されることが多く、大老・老中を勤めた大名家に控写本として残された史料をも調査して、全史料の性格、位置づけ、相互関係を検討し、江戸幕府財政史料の構造ないし組織について体系化を試みた。調査・収集対象は、東京大学史料編纂所所蔵「近藤重蔵関係資料」「維新史料引継本」「向山誠斎雑記及雑綴」、国立国会図書館所蔵「収蔵大原」、国立公文書館内閣文庫所蔵「看益集」、同大田南畝「竹橋蠧簡」 「竹橋余筆」「竹橋余筆別集」、大河内元冬氏所蔵・国文学研究資料館受託「大河内家記録」、豊橋市美術博物館受託「大河内家記録」、姫路市立城郭研究室所蔵「酒井家記録」、徳川恒孝氏所蔵「徳川宗家文書」、笠間稲荷宮司塙東男氏所蔵「笠間牧野家文書」、彦根城博物館所蔵「彦根藩井伊家文書」、首都大学東京図書情報センター所蔵「水野家文書」、江戸東京博物館所蔵勝海舟編「吹塵録」、三井文庫所蔵旧大蔵省文書写本、大阪市史編纂所史料、神宮文庫史料、その他で、新たな史料の発見もあり、それらを複写し、既刊の活字本との照合・校訂を行い、釈文原稿を作成し、人名註、解説、史料解題、索引(人名・地名)、史料編年一覧を付し、大野瑞男編著『江戸幕府財政史料集成』(上下2巻・吉川弘文館・2008年)として出版を行った。本研究の成果は全てここに凝縮されている。
著者
小林 裕子 村田 晋太朗 永田 智子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

【研究の背景と目的】<br><br> 平成29年告示の学習指導要領では,中学校家庭科において新たに「B衣食住の生活(5)生活を豊かにするための布を用いた製作」で「衣服等の再利用の方法」を扱うことになった。中学校学習指導要領解説技術・家庭編(2018)には「着用されなくなった衣服を他の衣類に作り直す,別の用途の物に作り替える」などが例として示されている。しかし,現在中学校で使用されている家庭科教科書(開隆堂・東京書籍・教育図書)の内,2冊はリフォーム・リメイク等の単語がイラスト付きで簡単に紹介されているのみ,1冊は古着を持ち寄り衣服や小物にリメイクしている団体の取り組みに関する内容であり,実践的で具体的な内容や方法は記載されていない。<br><br> 衣服等の再利用に関する研究として,高森(1999)や赤塚ら(2016)による「衣服等の再利用」に関する調査がある。中高生は衣服の再利用やリメイクに関心がない訳ではないが(赤塚ら2016),着用しなくなった衣服をリメイクする生徒は僅かである(高森1999)ことが分かっている。高等学校段階では消費生活やESDと関連づけた研究調査や実践があるが,中学校段階ではほとんど見当たらない。<br><br> そこで,中学校家庭科「衣服等の再利用の方法」の教材開発を目指し,本研究では中学生対象に「不要になった布製品の活用について」の質問紙調査を実施し,家庭で不要となっている布製品の実態や対処方法・リメイク経験や興味関心等について,中学生の実態を把握することとした。<br><br><br><br>【研究の方法】<br><br> 質問紙調査の内容は(1)家庭で不要になっている布製品の種類,(2)不用になった布製品の家庭での対処方法,(3)不要になった布製品を何かに作り替える(リメイク)ことへの関心度,(4)不要になった布製品を何かに作り替える(リメイク)ことの経験について,(5)何かに作り替えて(リメイク)みたい布製品の種類,(6)具体的なリメイクのアイデア(自由記述)である。<br><br> 2018年3月,兵庫県M市と大阪府S市の中学1・2年生422人(M市275人,S市147人)を対象に行った。<br><br><br><br>【結果】<br><br> (1)家庭で不要になっている布製品として,「Tシャツ(59.5%)」が最も多く,次いで「靴下(48.1%)」が家庭にあることがわかった。(2)不要になった布製品の家庭での対処方法は,「誰かにあげる・譲る(62.5%)」が最も多く,次いで「捨てる(59.5%)」となった。(3)要になった布製品のリメイクへの関心度は,「とてもある・少しある」と「あまりない・ない」がともに50.0%であった。(4)不要になった布製品のリメイク経験は「ある」の回答が31.3%,「ない」が68.7%であった。(5)リメイクしてみたい布製品は「Tシャツ(46.0%)」が最も多く,次いで「ジーンズ(41.5%)」,「タオル(36.7%)」,「ハンカチ(29.1%)」の順となった。<br><br><br><br>【考察と今後の課題】<br><br> 質問紙調査の(1)と(5)の結果から,家庭で最も不要になっている布製品であり,生徒が最もリメイクしてみたいと考えているものが「Tシャツ」であった。「Tシャツ」は,生徒が自宅から持参しやすく,リメイクに対して関心も高いことから,次期学習指導要領で新たに示された「衣服等の再利用の方法」を扱う授業の教材として適切であることが示唆された。<br><br> 今後は,不要になったTシャツをどのようにリメイクすることが中学生の発達段階に適し,かつ資質能力の育成に寄与するか,具体的なリメイクの方法を検討し教材化することが課題である。
著者
篠崎 有三
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.724-731, 1955-10-10 (Released:2011-02-22)
参考文献数
12

Studying the thiamine metabolism in blood and urine of pulmonary tuberculosis patients, I got results as Follows:1) Thiamine is laeking in pulmonary tuberculosis, and the worse is the disease, the less is thiamine in the body.Thiamine increases by dosing thiamine preparations in general, but it is apt to decrease to the previous amount after dosing in serious cases.2) Many of pulmonary tuberculosis patients have beriberoid-complaints, but none of them could be diagnosed to have evident Beriberi as complication.3) Composite Vitamine and T. P. D. are more effective to cure the beriberoid-complaints of pulmonary tuberculosis than simple B1 hydrochloride.
著者
北海道庁 編
出版者
北海道庁
巻号頁・発行日
vol.後編, 1924
著者
萩谷 昌己
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.e62-e66, 2021-10-15

2021年7月30日,文部科学省は2025年の大学入学共通テストに「情報」を出題教 科として,「情報I」をその科目として定めることを正式に発表した.これに呼応して本会では2021年8月4日に以下の意見を会長名で表明した.本稿では,この意見の背景を説明するとともに,多くの大学が入試に「情報」を採用すべき理由を述べる.すなわち,情報分野の素養は「情報社会に生きる市民」が共通して身につけておくべきものであり,すべての大学学部学科において,それぞれの学習および研究はその基礎の上に展開されていることを鑑みるならば,その定着を大学入試で測ることは高等教育にとってまったく適切である.
著者
酒井 美里
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.325-330, 2016

スマートフォン知財訴訟や体重計の意匠,腕時計の商標など,身近な製品に関する知財訴訟を目にする機会が多くなっている。また,平成27年より特許異議申立制度の運用が開始されるなど,審判制度にも新たな動きが発生している。しかし日本だけを例にとってみても,審判や訴訟に関する情報としての審決公報や審判記録情報,判決文などは,その管轄が特許庁審判部,知財高裁,高等裁判所と多岐にわたり「ここさえ見ればすべての情報を簡単に入手可能」とはいかないのが現状である。したがって一般の特許情報利用者には,その入手や利用方法の把握が難しく,ましてや審判や訴訟の情報整理など,より敷居が高く感じられる,といった状況にもある。本稿では日本及び米国を中心に,知財審判・訴訟に関する情報の種類ならびに情報入手方法を概説する。