著者
国里 愛彦 高垣 耕企 岡島 義 中島 俊 石川 信一 金井 嘉宏 岡本 泰昌 坂野 雄二 山脇 成人
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-31, 2011

本研究は、環境中の報酬知覚について測定する自己記入式尺度の EnvironmentalReward Observation Scale (EROS) 日本語版を作成し、信頼性と妥当性の検討を行うことを目的とした。大学生と専門 学校生を対象に調査を行い、414名(男性269名、女性145名;平均年齢18.89±0.93歳)を解析対象 とした。探索的・確認的因子分析の結果、日本語版EROSは1因子構造を示した。信頼性において、 日本語版EROSは十分な内的整合性と再検査信頼性を示した。項目反応理論による検討を行った結果、 広範囲な特性値において測定精度の高いことが示された。日本語版EROSは、抑うつ・不安症状や行 動抑制傾向との負の相関、行動賦活傾向と正の相関を示した。不安症状を統制した場合、日本語版 EROSはアンヘドニア症状との相関が最も強い値を示した。以上より、日本版EROSの構成概念妥当 性が確認された。
著者
鈴木 正崇
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.131-157, 2018

<p>修験道は、江戸時代には民衆の中に神仏混淆の形態で深く定着していたが、新政府による慶應四年(明治元年)のいわゆる神仏判然令以後、急速に崩壊へと向かった。神仏判然令で最も甚大な影響を被ったのは権現に社僧や別当として奉仕してきた修験道であり、その解体は神道国教化を進める新政府から見て必然であった。修験は政府の指令に基づき、寺院として存続する、復飾(還俗)して神主になる、帰農するなどの選択を迫られた。そして、明治五年に出された修験宗廃止令によって天台宗か真言宗への帰属を迫られて事実上、解体された。本稿は明治維新に大変動を被った修験道に関して、神仏判然令の及ぼした影響を修験道の本山と在地修験の双方から広く考察する。在地修験では東北の法印様の歴史的変化を考察し、本山では羽黒、吉野、英彦山の事例を中心に、神と仏の分離の展開を比較検討する。最後に学術用語として神仏習合と神仏分離の概念について再検討する。</p>
著者
綿貫 ゆり
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学人文公共学研究論集 = Journal of studies on humanities and public affairs of Chiba University (ISSN:24332291)
巻号頁・発行日
no.37, pp.42-54, 2018-09

[ABSTRACT] In January 1946, a new literary coterie magazine "Kindai Bungaku" was launched. The coterie shared an awareness of issues, and this awareness caused a dispute about "Politics" and "Literature". There have been a few studies that refer to the argument in the field of literature. However these studies ignore its historical context. On the other hand, in the field of history, the philosophical meaning of the controversy has never been analyzed. The aim of this article is to see the dispute in the context of Japan's before and during the war history, focusing on the coterie's awareness of issues, especially on two authors, Ara Masato and Hirano Ken.
著者
石川 捷治
出版者
反戦情報編集部
雑誌
反戦情報
巻号頁・発行日
no.434, pp.9-12, 2020-11-15
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー = Nikkei information strategy (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.64-67, 2016-05

清掃員がiPadで報告しているものは多岐にわたる。巡回清掃や基本清掃といった作業をそれぞれ何時から何時まで行ったのかという作業の詳細や、トイレットペーパーの使用量、日報など様々だ。冒頭のような忘れ物のほか、「タバコの火で壁面が焼かれる」などト…
著者
Takahiro Noda Kaoru Daiou Takashi Mihara Yukio Nagano
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
Breeding Science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
pp.21021, (Released:2021-10-12)
被引用文献数
7

We previously developed insertion-deletion (InDel) markers that distinguish three genotypes (two homozygous and one heterozygous) of diverse citrus cultivars. These InDel markers were codominant and could be clearly detected by using simple agarose gel electrophoresis. We sought to establish a method for cultivar identification using these 28 InDel markers to genotype 31 citrus cultivars. The results revealed that a minimum of 6 markers were required to identify individuals using the three-genotype classification method. Furthermore, we found that a simple method for distinguishing between two genotypes (homozygous and heterozygous) could be used to identify individuals using a minimum of 7 markers. Our findings provide a basis for the development of simple and rapid citrus cultivar identification methods.
著者
垣江 竜雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.389-395, 1974

黄色種タバコの火力乾燥と在来種タバコの空気乾燥におけるグルコース,フラクトースならびにショ糖の挙動と呼吸によるグルコース代謝を知るため,乾燥経過中の葉から採ったディスクに<sup>14</sup>C-標識糖を供与し,その代謝を追求した.<br> 1. 乾燥経過中の葉に供与されたグルコース-U-<sup>14</sup>C,フラクトース-U-<sup>14</sup>Cならびにショ糖-U-<sup>14</sup>Cの挙勤:ヒックスを用いた火力乾燥葉にグルコース-U-<sup>14</sup>Cあるいはフラクトース-U-<sup>14</sup>Cを供与すると,供与糖からショ糖が合成され,とくに黄変期に著しかった.色沢固定期以降では,大部分が供与糖の形態で留まった,ショ糖-U-<sup>14</sup>Cの場合は,乾燥期間を通じて大部分が供与形態で存在した.<br> 一方ダルマの空気乾燥では,両単糖の供与については火力乾燥と同じ現象が認められたが,ショ糖-U-<sup>14</sup>Cの場合にはグルコースとフラクトースへの加水分解ガ起こり,とくに褐変期に,おいて著しかった.<br> 2. 乾燥経過中の葉の呼吸による炭酸ガスの放出とグルコースの代謝:乾燥葉の炭酸ガスの放出は,MCの火力乾燥では黄変末期まで増加し,それ以降は減少した.これに対して,ダルマの空気乾燥葉では漸次減少するが,褐変期においてもなお炭酸ガスの放出が続いた.<br> またグルコース-1-<sup>14</sup>Cとグルコース-6-<sup>14</sup>Cによる放出<sup>14</sup>CO<sub>2</sub>放射活性の比から呼吸類型を調べたところ,乾燥前ではMC,ダルマの両品種ともEMP-TCAとHMP経路の働きがほぼ半ばであったが,乾燥が進むとHMPの役割が高くなる傾向が認められた.
著者
英 真希子 中川 浩一 加茂 理栄 石井 正光
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin cancer : official organ of the Japanese Society for Skin Cancer = 皮膚悪性腫瘍研究会機関誌 (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.146-150, 2006-10-31
参考文献数
20
被引用文献数
1

71歳, 男性。平成13年11月, タバコの火にて右栂指に熱傷を受傷。平成15年6月頃より潰瘍化し, 近医にてbasic-FGF製剤などにより加療を受けるも改善せず, 同年12月当科に紹介された。右担指に5×2.5cm大の潰瘍が存在し, 辺縁は堤防状に隆起し, 浸軟していた。病理組織検査により基底細胞癌と有棘細胞癌のそれぞれの特徴を持った部分が混在し, それらの間に移行部がみられた。また, サイトケラチンを抗原とするKレ1抗体を用いた免疫組織学染色において染色性の違いを認めた。以上, 自験例をBasosquamous cell carcinomaと診断した。腫瘍辺縁より1cm離して腫瘍を摘出し, 植皮術を行った。症例の概要を記載するとともにBSCCの位置づけ, 本邦の報告例などについて, 若干の文献的考察を行った。
著者
佐藤 貴子 町田 隆一 大塚 功 原 寛美
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.620-624, 2006 (Released:2006-10-26)
参考文献数
12

急性期脳卒中リハビリテーションでのラクナ梗塞の治療成績について調査した.対象は2004 年1 月から2005 年5 月までに当院へ入院し,リハビリテーション科へ入院あるいは経過で転科し,急性期リハビリテーションを実施した急性期ラクナ梗塞患者51例で,電子カルテより後方視的に調査した.その結果,患者全体の平均在院日数は31.9±15.6日であった.入院時のmotor FIM平均は41.0±18.4 点で退院時のmotor FIMの平均は68.7±19.9 点,motor FIM gainの平均は,27.7±15.3 点で,motor FIM gain/dayは1.3±0.9であった.ADLは,入院時は82%がmodified Rankin Scale(mRS)4以上の症例であったが,退院時はmRS3以下86%の歩行獲得率であった.退院時の転帰は51 例中43 例(84%)が自宅退院,残り8 例が回復期リハ病棟へ転院という結果であった.今回の調査から,ラクナ梗塞では早期にリハビリを処方し離床開始を実施することで約1 カ月の入院期間で歩行獲得および自宅復帰までが十分可能であると推察された.
著者
木下 和朗
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.1-35, 2008-02-29

本稿では、憲法学の一分野である議会法学の観点から、党首討論制の理念、内容及び機能条件を検討するものである。併せて、①理念、内容及び機能条件という実体論に加えて、②議事手続改革のあり方として、憲法上どのような政治過程を通じて党首討論制の内容及び運用に係るルールが形成されるべきかという手続論に係る考察も試みることにしたい。

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著者
宇垣一成著 橋本文吉編
出版者
實業之日本社
巻号頁・発行日
1935