著者
佐竹 直喜
出版者
四国英語教育学会
雑誌
四国英語教育学会紀要 (ISSN:09145850)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-84, 2016 (Released:2020-01-07)

This paper reports on English writing lessons on a machine translation application. Currently, many students tend to use machine translation for completing their English writing assignments. It is difficult for them to revise the English composition output from machine translation engines due to their low proficiency level. Consequently, the completed assignments submitted by the students are sometimes difficult to understand or are unreadable. Students who belong to National Institute of Technology, Kagawa College, Takuma Campus (aged from 15 to 18 years old) are taught how to modify their original Japanese text so that machine translation engines can output more readable English translations. The use of machine translation reduced the students’ anxiety about writing in English, and consequently, their writing performance was qualitatively and quantitatively improved. The results of writing scores in GTEC tests support that this approach was to some extent effective.
著者
今村 武史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.136, no.4, pp.225-228, 2010-10-01
参考文献数
8

メタボリック症候群や糖尿病の成因・増悪因子と考えられるインスリン抵抗性は,インスリン作用の中でも特に,血糖降下作用の障害を主徴とする.血液中の糖は細胞内に取り込まれることによって減少することから,インスリン抵抗性の機序は最終的に,細胞内への糖取り込みというインスリン作用の障害に帰結されると言える.脂肪細胞などのインスリン標的細胞を用いたインスリン依存性糖輸送の分子機構は,これまで数多くの研究報告が蓄積され,全体像が次第に明らかとなってきた.これらの細胞ではインスリン刺激に反応して,糖輸送体タンパク質GLUT4に特異的な小胞が細胞膜表面へ輸送され,GLUT4タンパク質が細胞膜表面へ発現することによってはじめて細胞内への糖取り込みが可能となる.このインスリン依存性糖輸送のステップは,糖代謝におけるインスリン作用の律速段階であり,GLUT4タンパク質の細胞膜発現量はインスリン抵抗性の程度と逆相関することが知られている.つまり,GLUT4輸送に対するインスリン作用機構を理解することは,細胞レベルでのインスリン抵抗性機序の解明につながるものと考えられる.一方で,これまで糖輸送体GLUT4に関する多種多様な実験法が報告されてきたため,各実験結果によって示される範囲が曖昧になりやすく,目的を得るのに適した実験法の取捨選択に戸惑うところでもある.この稿では,糖輸送に関する細胞内インスリン作用の解析を行うための種々の実験法を紹介し,相違点とその長短を概説した.
著者
宮本 毅
巻号頁・発行日
no.55,
著者
成田 亜希
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【目的】</p><p></p><p>近年,理学療法士学生の学力や学習動機づけの低下が目立っている。このような学生の学力や学習動機づけを向上させ,国家試験合格へと導くことは教員の責務であると言える。そこで本研究では的確な学習支援を行うため,卒業生を対象に卒業時成績や卒業時の学習動機づけが入学前学力や在学時成績とどのような関係にあるのかを探索した。また成績不振者を出さないような学習指導をどのタイミングで行っていくのかを検討した。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>理学療法士養成校を卒業した88名を対象に調査を実施した。卒業時成績は模擬試験成績を用いた。入学前学力は高校偏差値,入試区分,入学前実力テスト(国語)の成績を用い,在学時成績は入学後初回小テスト,主要科目において毎時間行う復習テストの月集計,各学期末に行う模擬試験成績を用い,卒業時成績と比較した。自己決定理論に基づく学習動機づけに関する質問紙調査は3年次国家試験直前に実施した。その学習動機づけタイプと入学後に専門的学習を開始し初めて挑んだ小テスト成績とを比較した。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>卒業時成績と高校偏差値の間にやや相関がみられたが,卒業時成績と入試区分・入学前実力テストの間に相関はみられなかった。次に卒業時成績は1年次4月初回小テスト成績の間にやや相関がみられ,1年次前期各月末・1年次前期~3年次前期の各学期末成績の間にそれぞれかなりの相関がみられた。また卒業時成績と1年次基礎医学科目(解剖学・運動学・生理学)成績との間でもかなりの相関がみられた。そして卒業時に学習動機づけが外的調整の学生は1年次4月初回小テストで一番低い成績であった。また1年次4月末成績で留年・退学者のうち66.7%が平均点より標準偏差以上,下回っていた。留年・退学・国家試験不合格者のうち81.8%が基礎医学科目成績において平均点より標準偏差以上,下回っていた。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>入学前の学力は卒業時成績には影響しない。入学後の1年次前期成績,さらに1年次4月末成績ですでに卒業時成績とかなりの相関があり,1年次4月末には成績不振者を発見できることが示唆された。ゴールデンウィーク前には成績不振者を特定し,連休中に知識を整理し直すような課題の提示が必要である。また連休明けには補習を実施し,学習時間の確保,学習方法の指導を行うべきである。理学療法学のように基礎分野,専門基礎分野,専門分野という積み上げ型の学習では,入学直後から適切な学び方をすることが大切である。特に理学療法学の根幹である基礎医学科目ができていると卒業時にも良い成績であることが明らかとなった。また1年次4月初回小テストで成績が悪い学生は卒業時にも学習動機づけが低いことがわかった。入学当初から学習は単なる暗記ではなく理解し自分で説明できる「生きた知識」を備えることを指導し,小テストで良い成績が取れるよう導くべきである。それによって学生は有能感をもち,学習動機づけも高めていけると考える。</p>
著者
永塚 守 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1550-1556, 1999-11-20
被引用文献数
6

An OFDM signal is easily is degraded by amplifier nonlinearity. A method for measuring such nonlinearity has been developed and tested in two ways: vector measurement using the two-tone method and comparison between a sinc-shaped input signal and the output signal. Four amplifier characteristics were measured with the methods and represented as AM-AM/AM-PM conversion characteristics. Using these results, computer simulation was run to determine the effect of nonlinearity. OFDM signals were generated and the CN ratios were measured. The results agreed with those of the experiments. Testing of the predistortion in the amplifier with most remarkable AM-PM characteristic confirmed the simulated predistortion.
著者
川﨑 惣一
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.31-44, 2011

近年、いわゆる環境問題やエネルギー問題が深刻さを増していることと相まって、さまざまな学問分野において、人間と自然との関わりを問い直す研究が実践されている。本論の目的は、シェリング、レーヴィット、メルロ=ポンティのそれぞれが展開している、近現代ヨーロッパの哲学における自然哲学の三つのアプローチをとりあげて検討することで、人間と自然との関わりを哲学的に分析していくにあたって、どのような観点をとるのがふさわしいかを考察することである。人間は自然の一部であるが、同時に、自然を超越した存り方をしてもいる。これによって人間は自然を対象化することができるが、同時に自然から疎外されてもいる。こうした根本的な事態を踏まえつつ、人間と自然との関わりに関する哲学的考察を深めていくためには、人間と自然との同一性を前提したり、人間に対する自然の自立性を強調したりすることは、ふさわしいことではない。人間が人間独自の存在構造を解明したうえで、自然との関わりに関する考察を進めることが必要となる。これによって、「自然」という言葉でわれわれが何を理解するのがふさわしいか、という問いに関する洞察もまた、深まっていくと思われる。

1 0 0 0 十年

著者
佐藤春夫 等編
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1929
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.458, pp.71-78, 2012-09

最近、簡単に予約をキャンセルする人が多くて、困っているという店の声を聞きます。ネットを使って手軽に飲食店の情報を調べられるため、複数の店に予約を入れて、実際に行く店を後から選ぶお客もいます。店にとって、直前のキャンセルは大きな損失につながるだけに、できるだけキャンセルを出さない工夫が必要になります。
著者
織田 憲嗣 宇土 昌志
出版者
独立行政法人 日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
JAPANESE JOURNAL of ELITE SPORTS SUPPORT (ISSN:21888183)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.43-49, 2013

本報告では,マルチサポート事業により,ロンドンオリンピックへ向けてフェンシング男子フルーレナショナルチームを対象に行われた心理サポートの概要を報告した. 2009 年,フェンシング男子フルーレがチーム「ニッポン」マルチサポート事業の強化対象種目となり, 2009 年からロンドンオリンピック終了の 2012 年まで,上記種目選手を対象に心理サポートを行った.心理サポートにおいては,個別性を重視し,各選手に対して個別相談形式(個別心理サポート)で対応した.その期間に行ったセッション数は,対象者 7 名に対して,のべ 380 セッションであった.また,行われた個別心理サポートの内容をより具体的に説明するた めに,実際のケース 2 事例を選別して提示した.