著者
本多 啓
出版者
駿河台大学
雑誌
駿河台大学論叢 (ISSN:09149104)
巻号頁・発行日
no.23, pp.139-157, 2001
著者
沢井 勝三 椎野 瑞穂 木村 明彦 五味 敏明 岸 清
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.165-174, 1993
被引用文献数
1

刺鍼の深さを考察するにあたり, 局所における臓器および組織の位置関係を充分把握しておくことは大切である。そのために足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回までは大椎穴 (督脈) より胆兪穴 (足の太陽膀胱経) まで調査した結果を報告した。<br>今回は, 脾兪穴 (足の太陽膀胱経) より気海兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索したのでこれを報告する。<br>脾兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第12胸椎横突起に鍼先が達した。体表より第12胸椎横突起まで39mmを計測した。<br>胃兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫いて, 固有背筋群を28mmで貫き第1腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第1腰椎横突起まで36mmを計測した。<br>三焦愈穴を基準とした横断面では,鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き,皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を26mmで貫き第2腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第2腰椎横突起まで36mmを計測した。<br>腎兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を32mmで貫き第3腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第3腰椎横突起まで41mmを計測した。<br>気海兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第4腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第4腰椎横突起まで39mmを計測した。<br>以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。
著者
河村 隆 梅崎 健夫 水谷 俊明 早川 典 石井 大悟 志賀 信彦
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.183-191, 2014 (Released:2015-04-27)
参考文献数
14

閉鎖性水域における富栄養化の原因物質の一つである水中のアンモニア態窒素を吸着できる天然ゼオライトをパルプに担持させたゼオライト機能紙を用いた水質浄化対策を提案した.本対策は,ゼオライト機能紙とジオシンセティックスを用いて作製した簡易浄化ユニットを,富栄養化が問題となっている湖沼の流入河川に繋がる小規模な水路などに設置するものである.本文では,簡易浄化ユニットの適用性を検討するために,ゼオライト機能紙の流水に対する耐久性試験と簡易浄化ユニットの小型模型にアンモニア態窒素を含む水溶液を通水させる吸着試験を実施した.それらの結果に基づいて,簡易浄化ユニットを用いた富栄養化対策としての適用が期待されることを明らかにした.
著者
青柳 寛司 後藤 晶子 藤野 竜也 伊永 隆史
出版者
日本食品科学工学会
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.138-141, 2013 (Released:2013-12-26)

国内に流通する国産ブランド牛肉の産地判別を念頭に,2つのブランド牛(松阪牛と飛騨牛)の炭素,窒素,酸素の安定同位体比を調査した。その結果,炭素安定同位体比において両者の間で明確な差が認められ,その差の大きさは両者の飼料の炭素同位体比の差とほぼ一致した。このように,松坂牛や飛騨牛に限らずブランド牛では,それぞれの生育環境に加え,ブランドごとで管理されている飼料の同位体比を強く反映することが予想される。
著者
谷津 麻子 湯川 夏子 中西 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.72, 2011

【<B>目的</B>】サツマイモの加熱調理器具としては、蒸し器、オーブン、電子レンジなどが広く使われてきた。これらに加えて今回、炊飯器を利用したサツマイモの加熱調理に着目した。炊飯器調理の利点は、材料をいれてスイッチを押したら、あとは自動的に仕上がるという点である。サツマイモを炊飯器加熱すると、「蒸し物(ふかしいも)」と「煮物」の中間の食感に仕上がる。本研究では炊飯器を利用し、サツマイモを加熱調理する際の最適条件を検討した。<BR>【<B>方法</B>】徳島県産の鳴門金時(平均重量170g)を購入し、使用した。炊飯器加熱はナショナル電気炊飯器(SR-W100)(5合炊き)を使用し、釜に一定量の水とサツマイモ(横1/2に切ったもの3ケ)を入れ、スイッチが切れるまで加熱調理を行った。測定項目は、加熱時間、内部温度、Brix糖度、硬さなど。<BR>【<B>結果</B>】加水量を150ml~400mlまで変化させて加熱時間を測定したところ、加水量150mlでは24分、200mlでは30分、300mlでは38分、400mlでは53分となり、加水量にほぼ比例して加熱時間が長くなった。サツマイモの内部温度が90℃以上に保たれていた時間は、加水量150mlでは3分、200mlでは10分、300mlでは19分、400mlでは29分であった。加熱終了時のサツマイモの糖度は加水量150mlですでに17%に達しており、さらに加水量を増やしてもほとんど変化は見られなかった。一方、硬さは、加水量増加とともに減少したが、試食による官能評価では、加水量150mlではまだ硬く、食べるには不適であった。以上、今回使用した炊飯器では、少なくとも200ml以上の水量での加熱が適切と判断した。
著者
田中 啓之
出版者
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所
雑誌
メディア・コミュニケ-ション (ISSN:13441094)
巻号頁・発行日
no.54, pp.127-136, 2004-03

1 はじめに2 IP電話の類型3 米国, 英国におけるIP電話の規律4 日本のIP電話に関する規律5 IP電話と公益性の確保に係る規律6 IP電話と公正競争の推進に係る規律7 IP電話と利用者利便の向上に係る規律8 IP電話に関する制度設計の在り方9 おわりに
著者
田中 早津紀 前田 康司 奥田 譲治 門田 一郎 西村 治男
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.747-752, 2002-10-30
参考文献数
20

症例は64歳, 14年来の糖尿病の男性, 1999年 (平成11年) 11月, 血糖コントロール目的で当科入院.入院時, gllbenclamide2.5mg, voglibose0.6mgにて空腹時血糖182mg/d<I>l</I>, HbA<SUB>1</SUB>c8.1%と血糖コントロール不良であり, 空腹時IRI6.9μU/m<I>l</I>, 尿中CPR90μg/day, 抗GAD抗体陰性, 抗インスリン抗体陰性であった, 高身長, 肥満, 女性化乳房を認め内分泌学的に原発性性腺機能低下症を認めた.染色体検査で47XXYの核型を認めKiinefelter症候群と確定診断した.血糖コントロールのため経口血糖降下薬からインスリン強化療法へ切り替えたが, 合計46単位/日と大量のインスリンを要しインスリン抵抗性が示唆された.血糖コントロールが良好になってから施行したグルコースクランプ法でMCR (Metabolic clearance rateof glucose) 1.0ml/kg/minと著しいインスリン抵抗性を確認した.2000年 (平成12年) 1月よりtroglitazone200mgを開始 (途中pioglitazone 30mgへ変更) したところ効果を示しインスリンが不要となった.2001年 (平成13年) 4月現在gliclazide 120mg, piogiitazone30mgでHbA<SUB>1</SUB>c6.1%と血糖コントロール良好である.<BR>Klinefelter症候群は, 原発性性腺機能低下症を呈する染色体異常で, 高率に糖尿病を合併する.糖尿病の成因は不明であるが, インスリン抵抗性が主体と考えられている, 今回の報告は, Kiinefelter症候群におけるインスリン抵抗性をグルコースクランプ法で確認したはじめてのものであり, チアゾリジン誘導体が効果を示したことと併せて報告する.
著者
安里 豊 野中 薫雄 青木 武雄
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.559-563, 2004-12-01
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

46歳の男性。27歳頃より両下肢に慢性湿疹と静脈瘤が出現して, 時々疼痛を自覚するようになった。30歳頃, 近医にて静脈ストリッピング術を受けたが, その後も湿疹症状が持続していた。2003年4月, 左足関節の疼痛を主訴に当院皮膚科を受診した。当初, うっ滞性皮膚炎の悪化と診断したが, 患者の外見から何らかの合併症の存在を疑った。さらなる精査を行った結果, Klinefelter症候群であることが判明した。30歳頃に既に診断され, それ以後よりテストステロンの補充療法がなされていた。Klinefelter症候群は47 XXYなどの性染色体異常が主な原因であると考えられており, 一般的に高身長, 長い四肢, 女性化乳房, 睾丸の発育不全などの症状が認められるが, うっ滞性皮膚炎, 静脈瘤, 下腿潰瘍等の報告例は比較的少ない。本邦では下腿潰瘍の報告例は21例, 静脈瘤との合併の報告例は自験例を含め5例, うっ滞性皮膚炎の報告例は5例であった。本症例では, うっ滞性皮膚炎に対してプレドニゾロン内服療法を行い, 皮疹は軽快した。
著者
木山 実
出版者
同志社大學經濟學會
雑誌
経済学論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.1312-1282, 2013-03

明治9年に設立された三井物産は、先収会社と三井組国産方という2つの源流が合流して成り立つものであった。本稿は、その源流の1つである先収会社および草創期三井物産には、どのような人材が勤務していたのかを明らかにしたものである。本稿では、先収会社には従来想定されていたよりも多くの人員が勤務していたこと、また先収会社時代から慶応義塾出身者が何人か雇用されていたことを示した。義塾で近代的な西洋式簿記や外国語の知識を身につけた彼らは、貿易商社たる三井物産の基礎を構築するのに貢献したと考えられるのである。論説(Article)

1 0 0 0 IR パソコンLAN

著者
木村 春彦
雑誌
Cures newsletter (ISSN:09137181)
巻号頁・発行日
no.3, 1987-05-15
著者
石松 紀子
出版者
カルチュラル・スタディーズ学会
雑誌
年報カルチュラル・スタディーズ (ISSN:21879222)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.169-192, 2018

1973 年、ブルガリアで開催された国際造形芸術連盟(IAA)の会議で、各国・地域における「カルチュラル・アイデンティティ」を重視する決議がなされる。この「カルチュラル・アイデンティティ」の概念は、1979 年に開催された福岡市美術館の開館記念展「アジア美術展」を実現させる上で大きな指針を与えるものとなる。同展は、日本でアジアの現代美術を紹介する先駆けとなり、以後ほぼ5 年ごとに実施され、第1 回(第1 部1979 年/第2 部1980 年)、第2 回(1985 年)、第3 回(1989 年)、そして第4 回展(1994 年)まで続く。第1 回から4 回までの「アジア美術展」を検証すると、さまざまなアイデンティティの捉え方がみえてくる。第1 回展から第3 回展までは、アジアにおける「文化の独自性」「民族的な特質」といったスローガンのもとに「アジアの共通性」を模索するが、第4 回展においては、個々の作品や美術家を重視する姿勢へと転換する。第2 次世界大戦後、アジアの多くは宗主国の支配から解放され国家として独立を果たすが、自立した国家を構築する過程で、美術分野においても「アイデンティティ」の形成は重要な課題として考えられるようになる。本稿では、「アイデンティティ」の概念が日本におけるアジアの現代美術の展覧会で語られた初期の例として「アジア美術展」を取り上げ、その概念の受容と変遷について考察する。その上で本稿は、「アジア美術展」において、IAA が提唱した「アイデンティティ」概念が、アジアの現代美術を受容する枠組みとなっていったプロセスや、各展覧会におけるその概念の捉え方や変化を検証する。また、「アイデンティティ」を考察することで、アジアにおける日本の立ち位置や、日本がアジアに向けるまなざしについても検討する。そうすることで、アジアの現代美術を語る上で、美術言説を形成することの重要性や、改めて日本をみつめる視点の必要性を明らかにする。