著者
烏賀陽 梨沙
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.99-112, 2010

本稿の目的は,総合大学と美術館という二つの学際的な機関が連携して実現した「福岡道雄プロジェクト(2007年度)」の中で,学生とアーティスト(すなわちダイアローグ),学生と美術館のコミュニケーションが実際どのように行われたかを描出すると同時に,アート,特に同時代性のある「現代美術」の関与が,学習者の思考態度にどのような影響を及ぼすかという認知的視点からも事象を描出し,その教育的な意味や現代美術への教育的アプローチを考察することである。「福岡道雄プロジェクト」とは,龍谷大学・国際文化学部と滋賀県立近代美術館との連携により,「『福岡道雄展』での教育プログラムを企画・立案する」ことを目標に組まれた一連のプロジェクトである。本稿はその活動の実践報告のみならず,「現代美術」を思想の伝達視覚媒体として捉えた時の鑑賞教育のあり方と発展性を検証する。
著者
マンソン ベンジャミン コイン アレキサンダー
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.48-59, 2010

/s/から/∫/の連続体が聴取者に提示される場合,摩擦音は女性が発した母音と組み合わせた場合のほうが男性の発した母音と組み合わせた場合よりもより/∫/と同定されることが先行研究から明らかになっている。また,その効果が最も顕著に現れるのは,話者が非典型的な女性や男性と判断される場合よりも典型的な女性や男性の声と判断される場合であるとされている(Strand and Johnson 1996,Munson et al.2006)。本研究では/sigh-shy/と/sigh thigh/の連続体の聴取者の判断を測定することによってこの現象について更に検討した。刺激語は男性と女性が自然に発話した/<aI>/に/s/-/∫/と/s/-/θ/の連続体を結合し,基本周波数やフォルマント周波数を上下にデジタル修正して作成した。実験は話者情報を何も知らないグループ(/unbiased/),刺激語は全体的な声の高さが変化していると告げられたグループ(/height biased/),そして刺激語は話者のさまざま年齢が違うと告げられたグループ(/age biased/)という3つのグループで行われた。その結果,二種類の摩擦音の連続体は男性と女性の/<aI>/と組み合わされた場合に異なる知覚がなされることが明らかになった。フォルマント周波数と基本周波数の変化度合いは両方の刺激語の連続体の知覚に影響を及ぼしたが,/s/-/∫/のほうが/s/-/θ/よりもその影響が強かった。また,年齢にバイアスがあるグループは声の高さにバイアスがあるグループよりもバイアスがないグループと反応パターンに類似していた。このことから,フォルマント周波数と基本周波数の変化は声の高さの違いよりも年齢の違いにあらわれていると解釈することができる。
著者
井藤 元 山下 恭平 徳永 英司 GEN ITO Kyohei Yamashita Eiji Tokunaga
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-40, 2019-03-29

本研究はシュタイナー教育の意義を科学的アプローチによって明らかにすることを目指すものである。具体的には本論考において、シュタイナー教育独自の実践である「フォルメン線描(Formenzeichnen)」の意義を線描実践者の脳波測定によって明らかにしてゆくが、ここでは問題を絞りこみ、画用紙上で行った場合とデジタルペンタブレット上で行った場合の脳波の違いを検討する。シュタイナー学校におけるフォルメン線描は通常、画用紙上で行われるものであるが、それをデジタルペンタブレットで行った場合、実践者の脳波がいかなる状態にあるか分析を試みた。
著者
野崎 あさみ 遠藤 由香 松尾 良子 三石 淳之 塚本 健二 Reva Ivan 高野 智洋 岩尾 泰久 樋口 渉 西山 晃史 山本 達男
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.125, no.12, pp.686-690, 2011-12

平成17年度から山本正治医学部長 (当時) の支援のもと, 日露学生交流を従来の直流から交流に変えるべく, 学生の訪ロ計画を再開した. 内山聖医学部長 (当時) のもとではレベルアップとchangeに取り組み, 高橋姿医学部長のもとでは最大規模の日露ワークショップを開催した. 活動の基本方針 (キーワード) は強い信念と最低限の費用. この方向性のもとで, 学生交流については部活の趣を前面にだし, 学生は学生目線でロシアを見つめてきた. 活動6年間の軌跡をまとめた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1029, pp.142-146, 2000-02-21

今年1月に開かれた自動車展示会、米デトロイト・オートショーの会場。中央ホールを離れた小さな一室でカルロス・ゴーン日産自動車最高執行責任者(COO)は世界の記者団と向き合っていた。 目的は、昨年10月に発表した再建計画「日産リバイバルプラン」の進行状況についての説明。「米国はとても大切で、かつ儲かる市場。
著者
梅原 猛
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.1, pp.p13-23, 1989-05

アニミズムはふつう原始社会の宗教であり、高等宗教の出現とともに克服された思想であると考えられている。タイラーの「原始文化」がそういう意見であり、日本の仏教はもちろん、神道もアニミズムと言われることを恥じている。しかし私は、日本の神道はもちろん、日本の仏教もアニミズムの色彩が強いと思う。それに、アニミズムこそはまさに、人間の自然支配が環境の破壊を生み、人間の傲慢が根本的に反省さるべき現代という時代において、再考さるべき重要な思想であると思う。
著者
秦野 節司
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.119-130, 1973-05-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
59
著者
塩澤 友樹 須藤 雄生
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1151-154, 2012

本研究の目的は,生徒自身が標本抽出におけるランダム性と標本サイズの重要性を実感できる教材を開発し,その教材を用いた授業実践を行うことで,標本調査の指導への示唆を得ることである。この目的に対して,本研究では,「標本調査のウソ」,「標本調査の仕組み〜視聴率調査の模擬実験〜」の2つの教材を開発し,その授業実践を行った。その結果,本教材を通して,生徒達は自分達なりに調査の問題点を議論し批判的に検討できること及び,実験を取り入れることで,実感を伴ってランダム性と標本サイズに対する理解を深めることができることの2つが示唆として得られた。
著者
竹本 喜一
出版者
日本建築協会
雑誌
建築と社会 (ISSN:09128182)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.59-60, 1969-09