著者
河野 敬雄
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.195-209, 2002-10-31 (Released:2009-02-10)
参考文献数
14

社会問題としての大学入試制度を分析する枠組みとして,「複数の意思決定主体が複数の選択肢を持ち,かつ相手の選択肢の結果を想定した上で,何らかの意味における合理的な選択をするメカニズムを分析する枠組み」としてのゲーム理論的視点が有効であることを大学審議会報告(1993)等の分析を通して明らかにする。 次に,大学審議会答申(2000)の提唱する「資格試験化」と「受験機会の複数化」に関して,(1)試験を資格試験とみなした場合,(2)2回受験可能な現行の2次試験の場合,(3)センター試験で2回の得点の良い方の点数で比較する場合,を確率変数を用いて表現される数理モデルに基づいて検討する。結果として,特に(3)の場合,答申の意図する「主観的合理性」が必ずしも客観的評価に耐えられないことを指摘する。
著者
斎藤 金兵衛
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-13, 1959 (Released:2012-08-30)
著者
藤原 晴 敷田 幹文
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.5, pp.1-6, 2020-08-27

昨今の社会情勢によりビデオ会議ツールの需要が増加し会社の会議や学校の授業などで利用されている.そんななか急速なビデオ会議の導入に伴い,ネットワーク環境の整っていない利用者がパケットロス等によって円滑なビデオ会議ツールの利用が困難になる.また,ビデオ会議ツールには数多くの種類が存在し帯域要件も示されているが提供元の違いにより指標が統一されていないという課題がある.そこで,本研究ではZoom,Webex,Google Meet のトラフィック量を機能とデータの送受信条件ごとに分析し比較を行うことで各ツールのトラフィック制御傾向の特徴を示した.加えて,帯域制限を行った際の音声データを聞き取り可能であるか調査を行うことで,大規模なツール利用においての各ツールの有用性とデータ処理の違いを示した.
著者
大塚 健洋
出版者
日本政治経済史学研究所
雑誌
政治経済史学 (ISSN:02864266)
巻号頁・発行日
no.217, pp.p40-46, 1984-08
著者
三輪 宗弘
出版者
特定領域研究「日本の技術革新―経験蓄積と知識基盤化―」総括班
雑誌
第5回シンポジウム「日本の技術革新―経験蓄積と知識基盤化―」研究論文発表会論文集
巻号頁・発行日
pp.27-30, 2009-12-15

ドイツは本当に石炭液化法で航空機用ガソリンを製造していたのであろうか。日本海軍はドイツが石炭液化で航空機燃料を製造していると考えていた。しかしPBレポートを検討すると、日本海軍が低く評価していた低温乾留で得られたコールタールやピッチを原料にして、水素添加し、さらにDHD法やアルキレーション法などを駆使して、オクタン価の高い航空機燃料を製造していたことがわかる。日本と同じくドイツもベルギウス法によってまったく生産していなかった。ここには日本の技術開発における技術情報の大切さというものを、失敗の事例から学ぶことができる。
著者
宮平 賢 河野 真治
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.4, pp.1-6, 2020-08-27

情報技術の普及に伴い情報系の学生が課題や演習を行う学習環境が必要である.この学習環境では,課題や演習によっては並列処理により,CPU より GPU が必要となる場合がある.このような学習環境を複数の学生に提供する方法として,VM やコンテナがある.しかし,琉球大学工学部で運用している VM 貸出サービスでは,GPU を共有に対応していない.そこで,コンテナを利用することができる Docker と Singularity を用いて,オンプレミス環境でコンテナ貸出サービスを提供する.また,PC 上からコンテナへの操作を可能にするために Kubernetes でのコンテナ作成にも対応する.コンテナ貸出サービスは LDAP で管理された学生のアカウントを使用することで,適切にコンテナの管理を行う.本稿ではサービスを実装する上で必要な技術概要を延べ,サービスの設計・実装を行う.
著者
土田 一樹 石田 貴子 石川 哲夫 齋藤 理 西井 亜紀
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.110-116, 2017-03-25 (Released:2017-03-29)
参考文献数
11

国内の糖尿病患者数が増加傾向にある中,血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose;以下,SMBG)器は患者自身による日常的な血糖コントロールの手段として,ますます重要性を増している。メーカー各社から販売されているSMBG器の多くは,2013年に改訂されたISO15197に準じて精度向上が図られているが,それらの測定値には機種間差が存在することが報告されている。そこで今回,医療スタッフが正しい知識を基に機種選択を行い,患者が安心してSMBG器を使用できる環境整備に貢献するべく,SMBG器7機種を用いて精度試験を実施し,新ISO15197(2013年)の基準に沿って基本性能を評価した。
著者
西嶋 一欽 丸山 敬 林 泰一 高橋 徹 友清 衣利子 伊藤 耕介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、台風に先回りして容易に設置可能な風圧計測デバイスを開発することで、台風通過時に建築物が密集した都市部に位置する低層建築物に作用する風圧を実測する。さらに、実測した建築物に対して、その周辺の遮蔽物の有無を段階的に変化させた風洞実験を実施し、実測値と比較することで、都市部に位置する低層建築物に作用する風圧特性を決定づける要因を類型化し、周辺環境の何をどこまで再現すれば十分な精度で風圧を評価できるかを明らかにする。得られた知見を用いれば、都市のどこに大きな風圧が作用し得るかを明らかにすることが可能になり、都市型強風災害リスク分析の高度化や耐風補強に関する意思決定に貢献できる。
著者
Yuji Naito Tomohisa Takagi Tetsuro Yamamoto Shaw Watanabe
出版者
SOCIETY FOR FREE RADICAL RESEARCH JAPAN
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
pp.20-102, (Released:2020-08-21)
参考文献数
16
被引用文献数
22

The purpose of this study was to propose a hypothesis that there is a potential association between the incidence of selective IgA deficiency in various countries and COVID-19 cases. The number of deaths due to COVID-19 increased in clear proportion to the number of infected patients, and the difference in the number of deaths by country was due to the difference in the number of infected patients. The frequency of selective IgA deficiency has a strong positive correlation with the prevalence of COVID-19 per population. The low infection rate contributed to the low death rate from COVID-19 in Japan, suggesting that the extremely low frequency of selective IgA deficiency may be a contributing factor.
著者
及川 真人 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.843-846, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

〔目的〕地域在住脳卒中片麻痺者の屋外活動可否を決定する要因を明らかにすることとした.〔対象〕発症後180日以上経過し,当院に通院している60歳以上の脳卒中片麻痺者65名とした.〔方法〕Life-space Assessment(LSA)から最大自立活動範囲が寝室・屋内の者を屋内活動群,それ以上の者を屋外活動群の2群に分類し,10 m歩行時間(10 m歩行),6分間歩行(6MD),30秒立ち上がりテスト(CS-30)の群間比較を行った.また,有意差が認められた変数について,カットオフ値を算出した.〔結果〕10 m歩行,6MD,CS-30について有意差が認められた.それぞれのカットオフ値は10 m歩行が22.9秒,6MDが112 m,CS-30が5.5回であった.〔結語〕10 m歩行,6MD,CS-30から屋外活動の可否が検討できることが示唆された.