著者
日向 進
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.396, pp.55-66, 1989-02-28 (Released:2017-12-25)

Although religious architectures in Tamba and Tango had stayed in conservative style, from the middle of modern period onward they turned to decoration oriented style. At this time, Nakai family in Tamba Kaibara (Kaibara-cho, Hikami-gun, Hyogo) commenced their career as an engraving carpenter. At the same time, the influx of Banshu carpenters to this area increased. This research aims at consideration on the chief subject which brought this transition to the architecture in Tamba and Tango of modern period, and on their role in modern architectural scene.
著者
田代 幸子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.25-36, 2006

『管絃音義』は院政期に成立した楽書である。従来、五行思想的な部分にのみ着目され、音楽性からは程遠い書であると目されてきた。だが、四つの円形図を手がかりに音楽要素に着目して内容を読み解くと、不可解な独自の用語もすべて音楽意識ゆえに創作されたものであり、音の輪転は完全協和音に整えられたものと分かる。観念のみにとどまらず、楽理の上からも音のコスモロジーを構築する『管絃音義』。本稿ではこの再評価を目的とする。
著者
薛 化元
雑誌
中京法学 = Chukyo Hogaku
巻号頁・発行日
vol.51, no.2.3, pp.155-176, 2017-03-10

1 0 0 0 OA 筑前旧志略

著者
末永茂世 編
出版者
末永茂世
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1887
著者
桐野 耕太 安彦 鉄平 川添 里菜 小澤 美奈 和田 真紀 白岩加代子 堀江 淳 阿波 邦彦 窓場 勝之 村田 伸
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.65-69, 2015-07-31 (Released:2015-09-01)
参考文献数
14

本研究の目的は,登山前後における大腿四頭筋の筋疲労について,筋力および筋活動量を用いて検討することである。対象は健常成人15名であった。測定は,登山前と登山後に最大努力下(100%MVC)での等尺性膝関節伸展時の筋力および筋活動量を計測した。さらに,4種類の負荷量(10%,30%,50%,70%MVC)別の筋活動量を測定した。測定値は,ハンドヘルドダイナモメーターを用いた筋力値と,筋電図を用いた大腿直筋,内側広筋および外側広筋の筋活動量とした。その結果,登山後に大腿四頭筋,特に内側広筋と外側広筋に筋疲労が生じる可能性が示された。この要因は,単関節筋である内側広筋と外側広筋が登山において繰り返し使用されたためと考えられた。
著者
大友 隆秀 望月 信哉 石井 英里子 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-42, 2020 (Released:2020-03-20)
参考文献数
23

コンシューマー向けの低価格な非接触型の視線入力装置が販売されるなど視線インタフェースには大きな注目が集まっている。我々はこの非接触型の装置を使用した新しいユーザインタラクションシステムの開発を試みた。提案するインタラクションシステムは注視点と注視時間に基づいて、ウェブページからユーザが関心を持つと推定される単語を自動的に抽出し、画面に関連情報を自動で呈示する。本稿では、興味情報の抽出を行うインタラクションシステムの基礎的な検討として、提案するシステムの仕組みと検証を行った結果を示す。
著者
大沼 保昭 能登路 雅子 渡辺 浩 油井 大三郎 新田 一郎 遠藤 泰生 西垣 通
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.この2年間の研究活動の成果は、主題に関わる分野の広汎さに対応して極めて多岐にわたるが、その主要な部分は、およそ以下のように要約することができる。2.(1)「国際公共価値」の中核におかれてきた「人権」に対する評価の持つ政治的・文化的バイアスを相対化して議論の可能性を担保するための方法を供給する視点としての「文際的」視点が提示された。(2)(1)の「文際的」視点を踏まえて、「公共性」という概念の多面的な解析が試みられた。J.ハーバーマスの著作の読解を出発点として、ハーバーマスの議論が持つ特殊西欧近代的な性質と、そうした特殊性を超えて普遍的に展開されうる可能性とを、批判的に弁別する必要性が指摘された。(3)(2)の指摘をうけて、「公共性」概念の持つ普遍化可能性を測定するために、中国・日本など非欧米の伝統社会における「公」「おおやけ」観念との比較研究を行った。その結果、「普遍」的形式への志向性こそが、西欧近代文明の持つ特殊性としての重要な意味を持つ、との見通しが得られた。(4)以上のような研究を通じて、「文化帝国主義」という概念の持つ問題点が明らかとなった。アメリカを中心とした欧米文化の「世界化」は、単に政治的経済的な比較優位に基づく偶有的な現象ではなく、欧米文化が持つ「普遍」という形式が重要な意味を持つ。この「普遍」という形式の持つ特殊性の解明が、重要な課題として認識された。(5)例えば「法」は「普遍」という形式を持つが、「法による規律」は必ずしも普遍的な方式ではない。そうした点を踏まえたうえでの、真に普遍性を持ちうる「国際法」概念の再構築の必要性が指摘された。3.2年間にわたる協同研究は、多くの成果を収めた一方で、多くの新しい課題を発見した。新たに発見された課題については、引き続き研究を進めてゆきたい。
著者
内藤 孝雄
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1-2, pp.18-25, 2010-04-26 (Released:2015-12-11)
参考文献数
7

われわれ歯科技工士は,補綴装置を製作するための基本となる解剖学的観点からの歯の形態や歯列,嵌合状態を把握していなければ,歯科医師の指示による臨床での応用が利かなくなる.これは,臨床においては生体によってさまざまな咬合状態が存在するので,個々 の患者に対し適切に調和する機能性を考慮するためである. しかし,いまだ解剖学に沿った理想的な正常咬合という明確に定義づけられた基本模型が存在しないため,何を目標として技術の修練を行えばよいのか困惑している. そこで,解剖学的観点から,さまざまな臨床に対応するための指標となる正常咬合模型を具現化する事を目的として,日本人の全歯種の歯を平均値にて石膏彫刻を行い,もっとも嵌合する位置を探しだしながら排列を試みて検証を行った.その結果,おおよそではあるが,以下のことが確認できた. 1:正面面観から矢状面観にかけて切縁鼓形空隙は,一定の法則で広がりを見せた.2:咬合面観の歯列弓は,上下顎第二大臼歯が外開きになる傾向があった. 3:矢状面観の咬合平面は,隣り合う辺縁隆線が同じ高さでスピーの湾曲を呈していた.4:矢状面観の上顎臼歯部歯軸は,近心傾斜を示す傾向があった. 5:矢状面観の上顎第一大臼歯は,遠心頬側咬頭が挺出していた. 6:矢状面観の上顎第一大臼歯と上顎第二大臼歯の辺縁隆線は,とくに段差がついた. 7:上下顎の対向関係は1 歯対1 歯になったが,cusp to fossa の関係にはなかった. これらの結果の2については,上下顎第二大臼歯の咬合面溝形態と咬頭数の組み合わせによって歯列弓には変化が生じるとともに,7については,下顎が前方位になる1歯対2歯の対向関係になると,歯列弓や咬合接触点の位置に変化が生じると考えられた.
著者
河津 雄介 池田 勝昭 大野 博之 峰松 修
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
教育・社会心理学研究 (ISSN:0387852X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.77-85, 1966 (Released:2010-03-15)
参考文献数
12

修学旅行をひかえた117名のかなり乗り物酔いの程度のおもい中学3年生を対象にして, 乗り物酔いのhypnotherapyの効果をおさえるための実験的研究が試みられた。ここではとくに次のような点に考慮がはらわれた。事前におこなわれた実態調査により, 対象者群における乗り物酔いの程度, 状態, 条件等に関する資料をもとにして, 暗示が構成された。また, 催眠深度を成瀬の催眠尺度をもちいることにより客観的に測定し, 治療効果との関係が分析された。さらに, 効果の持続性を明確にとらえるために, 5ヵ月後にfollow up調査をおこない, 効果の持続性, 深度と効果の持続性との関係等について分析された。
著者
山折 哲雄
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-103, 1996-12-27

仏教の説話文学に登場する「捨身飼虎」の物語は、インドでつくられ、中国の千仏洞の壁画に描かれ、やがて日本の法隆寺にある厨子の側壁に再現されることになった。しかしこの絵はその残酷なシーンのためか、わが国では、その後しだいに敬遠され忌避されるようになった。ところが中世になって、三匹の野生の虎に見守られて瞑想する僧の絵がつくられることになる。「華厳絵巻」のなかに出てくる七世紀の韓国僧・元暁にかんする一シーンがそれだ。この絵巻をつくる上で大きな役割をはたしたのが明恵(一一七三~一二三二)であるが、そのかれにも、小動物や小鳥たちに囲まれて瞑想にふけっている肖像画がある。明恵の伝記によると、かれは若いころ「捨身飼虎」図に惹かれ、そのように生きようと願うが、やがて成長し、動物たちとの共存の生活を夢見るようになったのである。「捨身飼虎」の犠牲のテーマは、日本ではどうも定着しなかったようだ。
著者
大崎 雄介 樺山 繁 山本 多恵 宮崎 真理子 中山 昌明
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.429-438, 2020 (Released:2020-08-28)
参考文献数
32

【背景・目的】2018年の厚生労働省・腎疾患対策の主目標に透析患者を含む慢性腎臓病患者のquality of life (QOL) 向上が掲げられたが, 具体的なQOL内容やその評価法は示されていない. そこで, 本邦の研究実態を確認するために, 透析患者QOLに係る研究内容について文献的調査を行った. 【方法】医中誌にて血液透析, QOL, 生活の質のキーワードで過去10年間の検索を行った. 該当489件のうちQOL研究77論文の内容を確認した. 【結果】QOL研究対象は包括的 (53件) と症状特異的 (疲労感, 掻痒感, 睡眠障害, 消化器症状, 心理等) なものが含まれ, 評価尺度は前者で8種類, 後者で42種類の尺度が単独あるいは複合で使用されていた. 【結論】本邦の透析患者QOL研究対象は広く, また研究目的に沿ってさまざまな評価尺度が使用されていた. 今後, 研究間の結果比較のために使用尺度の標準化が必要と考えられる.
著者
小林 和也 中田 行彦
出版者
京都大学数理解析研究所
雑誌
数理解析研究所講究録 (ISSN:18802818)
巻号頁・発行日
no.2032, pp.34-37, 2017-06

本稿では、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の流行を記述する数理モデルのダイナミクスを考察する。SNSの流行モデルは、SIR型感染症モデルを基に、非線形な常微分方程式で定式化されており、その解挙動も類似なものとなっている。解の極限が満たす方程式(最終規模方程式)を導出する。この最終規模方程式を解析すると、最初期にSNSの利用や参加に消極的な人口の数が少ないほど、最終的にSNSの利用を止めたユーザー数は多くなることが示される。
著者
荒井 崇史 藤 桂 吉田 富二雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.397-405, 2010 (Released:2011-04-20)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

This study examined a causal model that the effect of information about crime on risk perception, anxiety about crime, and crime prevention is mediated by the informational content and source. We measured risk perception and anxiety about crime from a social and an individual perspective. A web-based survey was conducted with mothers (N=1040) who have children aged 3-12 years. The results of structural equation modeling indicated the following. (a) Information about crime given by the mass media, Internet, and hearsay increased the risk perception and anxiety about crime through the impact of informational content (i.e., “feeling that crime is close,” “emotional fluctuations,” “sympathy for the victims,” and “remembering a similar crime”). (b) Hearsay information directly controlled optimistic cognitions. (c) Mass media and hearsay information directly promoted crime prevention. (d) Cognition about the deterioration of security advanced cooperative crime prevention in the neighborhood.