著者
石川 将人 北吉 良平 和田 尭 丸田 一郎 杉江 俊治
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.237-244, 2010 (Released:2011-11-03)
参考文献数
7
被引用文献数
1 3

An R/C servo motor is a compact package of a DC geard-motor associated with a position servo controller. They are widely used in small-sized robotics and mechatronics by virtue of their compactness, easiness-to-use and high/weight ratio. However, it is crucial to clarify their internal model (including the embedded position servo) in order to improve control performance of mechatronic systems using R/C servo motors, such as biped robots or underactuted sysyems. In this paper, we propose a simple and realistic internal model of the R/C servo motors including the embedded servo controller, and estimate their physical parameters using continuous-time system identification method. We also provide a model of reference-to-torque transfer function so that we can estimate the internal torque acting on the load.
著者
田中 茜 川口 岳晴 今留 謙一 原 暁
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.277-282, 2023 (Released:2023-04-28)
参考文献数
11

【背景】EBウイルス関連リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)はEBウイルスが感染したリンパ球が体内で増殖する疾患の総称であり,稀少かつ難治性の疾患である。【症例】79歳男性。2021年6月にBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチンを接種し,翌日に発熱し,2週間以上持続したため当院受診した。血液検査で肝酵素上昇,汎血球減少,凝固異常,フェリチン,sIL-2R高値を認め,全身CTで肝脾腫を認めた他リンパ節腫脹はなかった。骨髄生検,肝生検とランダム皮膚生検を施行したが悪性所見はなかった。一方末梢血EBV-DNAは5.19 Log IU/mlと高値で,EBV感染細胞はNK細胞であり,EBV-NK-LPDと診断した。Prednisolone, immunoglobulin大量療法,etoposideを投与したが効果がなく2021年9月に永眠した。【考察】BNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン接種後の発熱を契機に診断したEBV-LPDの1例を経験した。ワクチン接種後に発熱が遷延した場合EBV定量検査を実施し,高値の場合感染細胞同定解析など詳細な解析による鑑別が必要である。
著者
Etsuji Suzuki Tomohiro Shinozaki Eiji Yamamoto
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20190192, (Released:2020-02-01)
参考文献数
70
被引用文献数
9 37

Graphical models are useful tools in causal inference, and causal directed acyclic graphs (DAGs) are used extensively to determine the variables for which it is sufficient to control for confounding to estimate causal effects. We discuss the following ten pitfalls and tips that are easily overlooked when using DAGs: 1) Each node on DAGs corresponds to a random variable and not its realized values; 2) The presence or absence of arrows in DAGs corresponds to the presence or absence of individual causal effect in the population; 3) “Non-manipulable” variables and their arrows should be drawn with care; 4) It is preferable to draw DAGs for the total population, rather than for the exposed or unexposed groups; 5) DAGs are primarily useful to examine the presence of confounding in distribution in the notion of confounding in expectation; 6) Although DAGs provide qualitative differences of causal structures, they cannot describe details of how to adjust for confounding; 7) DAGs can be used to illustrate the consequences of matching and the appropriate handling of matched variables in cohort and case-control studies; 8) When explicitly accounting for temporal order in DAGs, it is necessary to use separate nodes for each timing; 9) In certain cases, DAGs with signed edges can be used in drawing conclusions about the direction of bias; and 10) DAGs can be (and should be) used to describe not only confounding bias but also other forms of bias. We also discuss recent developments of graphical models and their future directions.
著者
北本 直美 山嵜 将司
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.144, no.4, pp.167-171, 2014 (Released:2014-10-10)
参考文献数
35

Toll - like receptor(TLR)4 は当初,グラム陰性菌のリポ多糖(lipopolysaccharide)を認識し自然免疫系を活性化する受容体として発見された.しかし,このような感染防御を担う自然免疫反応のみならず,①関節リウマチなどの自己免疫疾患において産生される各種内因性のリガンドをも認識すること,②自己免疫疾患の病変部においてTLR4 の発現が亢進していること,③ TLR4 遺伝子欠損マウスや変異マウスにおいて,あるいはTLR4 阻害薬の処置により各種自己免疫疾患モデル動物での病態の発症や進行が著明に抑制されることが,近年報告されている.さらに④自己免疫疾患で中心的な役割を担う各種細胞の活性化にも関与することが明らかにされている.これらのことから,TLR4 は各種自己免疫疾患の発症や病態において重要な役割を担っていることが示唆されるに至り,自己免疫疾患の新規創薬ターゲットのひとつとしてTLR4 がクローズアップされている.
著者
梶原 洋
出版者
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館
雑誌
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館年報 (ISSN:21862699)
巻号頁・発行日
no.12, pp.43-50, 2021-06-23

1933 年に伊東信雄により樺太で発見された2 領のアイヌ鎧は、主としてその構造が古墳時代の挂甲に類似していることから、平安初期(9 世紀)の所産と推定されていた。しかし、11 から12 世紀に生まれ、鎌倉時代以降に盛んに用いられた「腹巻鎧」との構造的な類似性をもつと推定される。そして、鎧自体の特徴は、北東アジアのチュクチ族などの前合わせ式鎧と共通していて、その伝統に倣った上で、日本式鎧の縄目縅、菱縫などの製作技法を取り入れて作られた可能性が高い。また、サハリンに残されたアイヌ鎧に見られる巴文が、南北朝以降の型式であり、新たに確認された松皮菱文は、武田氏に関連することから、15世紀に蠣崎氏(武田氏)を中心とした道南の和人勢力とアイヌ民族との間で繰り広げられた戦いとの強い関連も推定される。したがって、この鎧は、平安時代9 世紀の所産ではなく、室町時代の15 世紀頃に奥州以北などで製作され、サハリン(樺太)にまでもたらされたとの説明が最も有力となり、従来の年代感は訂正されなくてはならないだろう。

51 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 [編]
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.昭和2年, 1929

51 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 [編]
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.昭和4年, 1931

51 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 [編]
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.昭和5年, 1932
著者
波田野 結花 吉田 弘道 岡田 謙介
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.151-161, 2015 (Released:2015-08-22)
参考文献数
27
被引用文献数
2 5

これまでの心理学データ分析では, 概して統計的仮説検定の結果は報告されるが, 効果量の報告や議論は軽視されがちであった。しかし近年の統計改革の中で, 効果量を活用することの重要性が再認識されている。そこで本研究では, 過去4年間に 『教育心理学研究』誌に掲載された論文中で報告された仮説検定について, 論文中の情報から対応する効果量の値を算出し, 検定におけるp値と効果量との間の関係を網羅的に調べた。分析対象は, 独立な2群のt検定, 対応のある2群のt検定, 1要因および2要因の被験者間分散分析におけるF検定であった。分析の結果, いずれの場合においても報告されたp値と効果量の相関係数は-0.6~-0.4であり, 両者の間には大まかな対応関係が見られた。一方で, 検定結果が有意であるにもかかわらず小さな効果量しか得られていない研究も決して少なくないことが確認された。こうした研究は概ね標本サイズが大きいため, 仮説検定の枠組みの中では検定力分析の必要性が考えられる。また仮説検定の枠組みに留まらず, メタ分析によって関心下の変数ごとに効果量の知見を蓄積することや, ベイズ統計学に基づく新たな方法論などが今後の方向性として考えられる。
著者
岡 耕平
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.45-61, 2014-03-01 (Released:2015-02-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Some people with pervasive developmental disorder (PDD) can hardly express their own thoughts in language. Sometimes, they have been considered as a communication disorder. However, since the word “communication” is usually defied as an interaction between at least two persons, it is doubtful to attribute problems happened within a particular communication to one side. In this study, I collected text data from a mi-croblog of one person who has been diagnosed as PDD and having difficulty to express her own thoughts in language, in order to investigate how the microblog had changed the way of communications. The results of the text data analysis showed that the par-ticipant expressed what she wanted to say by referring and utilizing remarks of others. The possibility and implications of removing the difficulties from their communication through the process of “curation” was discussed.
著者
楢原 知里
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

マラリアの治療薬として推奨されている抗マラリア薬Artemisinin(ART)は、熱帯熱マラリア原虫の治療において効果が高い。しかし東南アジアでは、耐性マラリアの存在が報告されており、耐性マラリアの対策に追われている。本研究により、タイ王国に分布するARTの耐性マラリアおよびARTの治療を受けた患者の薬物動態関連遺伝子・疾患異常症を調べることで、ART治療による耐性マラリアの変異や、ヒト側の持つ薬物動態関連遺伝子および異常疾患がARTの治療とどの様な相関があるかを明らかにし、ARTを用いたマラリア治療を前進させる事が出来ると考えている。