著者
菊元 孝則 宮川 俊平
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.245-250, 2018 (Released:2018-04-27)
参考文献数
19

〔目的〕本研究は,片脚着地時における矢状面上の下肢関節モーメントが,床反力垂直成分ピーク値にどのような影響を与えているか,明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象者は,大学女子バスケットボール部に所属している選手30名とした.三次元動作解析装置を用い,片脚着地時の矢状面上の各下肢関節モーメントを算出し,床反力垂直成分ピーク値との相関関係を検証した.〔結果〕足関節モーメントと床反力垂直成分ピーク値との間に強い負の相関関係が認められた.また,膝関節モーメントとの間には,正の相関関係が認められ,股関節モーメントとの間には,弱い正の相関関係が認められた.〔結語〕本研究の結果から,片脚着地時において足関節モーメントを高値にすることにより,床反力垂直成分ピーク値を抑える効率的な衝撃吸収となる可能性が示唆された.
著者
石川 浩男 尾股 丈夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.899-904, 1998-09-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
17
被引用文献数
2 5

Between November 1985 and June 1997, 83 cases of foreign bodies in the external auditory canal were treated in our department. They represented 0.352% of the total number of outpatients during the same period. Forty-six of the cases were children under 10 years of age, which accounted for 55.4% of all cases. In total, there were 49 male patients and 34 female patients, including 46 right side cases, 36 left side cases and only one case affected on both sides. Biotic foreign bodies were seen in 20 cases mostly adults, with peak occurrence in July and August. Among nonbiotic foreign bodies, mineral foreign bodies were most numerous, and in 19 cases toy-globes were removed. In 50 of the cases mostly children foreign bodies had been inserted during play. A total of 27 cases were asymptomatic. At the time of removal, intravenous anesthesia with ketamine hydrochloride was very effective in keeping patients, especially children, quiet and still.
著者
平岩米吉著
出版者
築地書館
巻号頁・発行日
1992
著者
土居 寛幸
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.42-47, 2016-05-15 (Released:2017-09-29)
参考文献数
10
著者
速水 洋
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-27, 1993 (Released:2018-12-06)
参考文献数
23

New born infants have not only id which is the reservoir of inpulsive energy, but also the sense of the self which needs acceptance of care-giver. Child development is not the process from dependence to autonomy or from undifferentiation to separation-individuation, but the process of self-objectification by expanding child’s subjective world through deepening the connection with the other.But as the consequence of the self-objectification that is conscious of the self seen from the other, the vulnerability of the self and the sense of shame occur inevitably. As the consequence of it, the self introjects the other and must begin to cure his wound. It is the self-object which Kohut insists that has such functions. Main self-object’s functions are mainly mirroring, idealizing and twinships. Deviant behavior occurs as a consequence of deepening of painful vulnerability or the lack of the supportiveness of self-objects for it.
著者
井上 淳生
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第49回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.F10, 2015 (Released:2015-05-13)

現在の日本には高齢者が社交ダンス(ballroom dance)を楽しむ施設が何種類かある。カラオケパブもその一つである。本発表ではそこで展開されている踊りの分析を通して、ダンスの領域における身体の規格化について考察する。なかでも、国家や社会的規範への反対運動の過程で構築されてきた「正しい/正しくない」という区分を取り上げ、現実に社交ダンスに参加する人びとの実践との関係に注目する。
著者
倉上 由貴 二瓶 泰雄 安井 智哉 桜庭 拓也 佐藤 佑太 入江 美月
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1261-I_1266, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
17

河川堤防における地震・洪水の複合災害の実態解明やその技術開発を行うべく新たに導入した地震・洪水複合災害用水路を用いて,加振・浸透実験を行い,浸透条件下の河川堤防の耐震性や浸透対策工の耐震効果を検討した.まず,基礎地盤のみ浸潤させたケースと表のり面に河川水として一定水位与えたケースでの加振実験を行い比較したところ,表のり面の河川水が押え盛土のような効果を発揮し,基礎地盤のみ浸潤させたケースよりもはらみだしや沈下を抑制した.また,堤体の変形が生じるとともに過剰間隙水圧の値も上昇することが分かった.裏のり面薄層ドレーン工では,ドレーン工が過剰間隙水圧を消散し,天端沈下を抑制し,浸潤面低下のみならず加振時の過剰間隙水圧上昇を抑制していることが明らかとなった.
著者
亀谷 裕志 金井 哲男 Jianliang DENG 堤 千花 古関 潤一
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-30, 2010 (Released:2013-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

2004年新潟県中越地震で斜面崩壊が生じた2地点において, すべり面の力学特性の評価に重点をおいた調査を行い, その結果に基づき崩壊メカニズムについて考察した. いずれの崩壊地点も地層傾斜15~20°程度の流れ盤の緩い斜面であり, 平滑に近い層理面に沿って弱面が発達していた. 弱面を含む不攪乱試料を用いた室内試験では35~40°の内部摩擦角が得られ, 粘着力は不飽和状態では10kPa程度で飽和状態では0kPaであった. これらの強度に基づく安定解析によれば, 常時の水位変動に対して斜面は十分に安定であったこと, 地震前の降雨による飽和化が崩壊に寄与したことがわかった. 一方, 斜面が長距離移動したという崩壊の形態を考えると地震動によって弱面の強度が低下したことが想定された. 室内で実施した単純せん断試験によれば載荷方向の反転を伴う繰り返し荷重を与えることにより弱面の強度が低下することが確認された. したがって, 崩壊の原因のひとつとして地震による繰り返し荷重が緩い斜面に作用することにより荷重の方向が反転し, その影響により弱面の強度が低下したことが考えられる.
著者
川尻 峻三 布川 修 伊藤 賀章 西田 幹嗣 松丸 貴樹 川口 貴之 太田 直之 杉山 友康
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.153-168, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

地震後における盛土の降雨耐力低減メカニズムを把握するため,振動台で加振した模型盛土を用いた散水実験および三軸試験装置を用いた単調載荷時の任意の軸ひずみの時点での変水位透水試験を実施した。本模型実験条件の範囲では,加振終了後ののり肩部の鉛直変位が大きい場合には,加振が無い場合の60%程度の累積降雨でのり面に変状が発生した。また,加振によってクラックが発生した実験ケースでは,間隙水圧増分が局所的に大きくなることを確認した。一方,変水位透水試験では,載荷履歴の有無や載荷時のひずみの大きさが透水係数に与える影響は小さいことがわかった。以上の模型盛土実験および変水位透水試験の結果から,加振による変状の程度によっては,加振履歴が無い場合と比較してクラックが主たる要因となって透水性が高くなり,散水中の水位上昇速度が速くなると考えられる。
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝 加納 誠二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.401-411, 2009 (Released:2009-05-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

盛土の耐震性については,排水溝の整備状況によるが,降雨の浸透等により盛土の地盤物性が変化することを考慮する必要がある.そこで本研究では,盛土地盤の粘着力の低下を飽和度に応じて設定する方法を提案し,既往の人工降雨による盛土の振動台実験を対象として,有限要素法を用いた再現解析ならびにパラメトリックスタディを実施した.その結果,地下水位が生じない程度の降雨による盛土の耐震性低下については,提案手法により表現できることを示した.またパラメトリックスタディにより,盛土表層のみならず盛土内部の粘着力の値が耐震性に大きな影響を及ぼすことを示し,盛土の耐震性評価において特に粘着力の値が重要となる領域を示した.
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.677-690, 2007 (Released:2007-07-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

盛土構造物の耐震設計法においては,地震時におけるすべり破壊の有無の判定あるいは地震後における残留変形量の評価に主眼をおいたものとなっており,斜面の崩壊範囲については検討の対象となっていない.一方で,自然斜面は耐震設計の対象ではないが,各都道府県の崖条例によって崩壊の危険による建築の禁止範囲が存在する.そこで本研究では,2001年芸予地震により崩壊した宅地を対象として,法肩から天端におけるすべり面の位置までの水平距離に着目した検討を行った.そして解析結果と崖条例による規定を比較検討することによって,現在の日本国内の崖条例で用いられている崩壊範囲の評価法の問題点を明らかにし,その問題点を踏まえた新たな提案を行った.
著者
磯部 裕 小林 薫 柴山 健爾 石井 幹十
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.20, pp.19-24, 1994-03-18 (Released:2017-10-13)

W-VHS VCR has been developed as a next generation consumer VCR in response to Hi-Vision and NTSC signals. This VCR has a high picture quality using new video signal processing technologies by new Metal-coated tapes, TCI signal processing and Temporal Emphasis. It has an excellent cost/performance ratio as a Hi-Vision VCR developed on the basis of the VHS system.
著者
中野 伸一 西野 勝 河井 孝文 村上 和秀
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.171-177, 2018 (Released:2018-06-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

夏から秋にかけて作付けする露地野菜においては,短時間強雨や台風に遭遇しやすく,圃場の冠水による被害は大きい.ここでは,レタスを冠水処理し,その時期と時間の影響や品種の違い,湛水後の液肥かん注による生育の回復効果について検討した.冠水処理の時期と時間の違いについて,レタスの生育ステージが結球前(葉齢13程度)までの生育前半の影響が大きく,12時間までの冠水処理では結球重が小さく,24時間の冠水処理ではすべて枯死した.一方,生育後半の結球初期(葉齢18程度)12時間までの冠水処理では,結球重への影響は小さかったが,収穫前(葉齢35程度) の冠水では,泥の付着により商品性が低下した.8月下旬播種作型における品種の違いについて,‘ハミングチャウ’は湛水処理による結球重の低下がなく,優れた耐湿性を示した.湛水後の対策として,実際の台風接近に合わせて,結球前(葉齢16程度) と結球初期(葉齢18程度) の2回の6時間湛水処理した区に対して,尿素の50倍液50 L・a–1を株元に施用すると,結球重が12%,球体積が33%大きく,無処理区と同等となり,事後対策として有効と考えられる.