著者
中上 豊吉 小野 孝 穴澤 忠平
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.45, no.444, pp.614-623, 1925 (Released:2008-11-20)

This report of long distince communieation test on short wave incudes the following items.1. On the relation between wave length and range of communication.2. The sending set used for this experiment.3. The receiving set used for this experiment.4. Roult of the experiment, and the conclusion.(i) Almost no absorption in the air for short wave under one hundred meters during the night range of both stations.(ii) Extrimely little statics and easy to receive signals on such short wave.(The experiment is still going on, and the result will be published later.)
著者
細田 暁 岸 利治
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.3-6, 2007-11-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20

2007年4月にオランダで自己治癒材料に関する第1回国際会議が開催された。また, JCIには自己修復に関する研究委員会が2007年に発足し, RILEMでもSelf Healing Concreteの技術委員会が活動を始めている。これらの状況を踏まえ, 国内外のひび割れ自己治癒コンクリートの研究動向を紹介する。自己治癒・自己修復という言葉の定義に関して論じ, 国際会議で得た有用な情報, 国内外の委員会活動の状況, いくつかの最新の研究事例を説明する。
著者
かりまた しげひさ
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.69-82, 2011-10-01 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

琉球方言にひろくみられる助辞=duをふくむ文は、=duに呼応して連体形と同音形式の述語が文末にあらわれることから、おおくの研究者が=duを古代日本語のゾとおなじ係助辞とよび、琉球方言に係り結びがあると主張してきた。琉球方言には=duとおなじ文法的な特徴をもつ=ga、=nu、=kuse:がある。内間(1985)は那覇方言の=gaを、仲宗根(1983)は今帰仁方言の=kuse:と=gaを、平澤(1985)は宮古方言の=nu、=gaを係助辞とみなした。本稿は那覇方言、今帰仁方言、宮古方言、八重山方言の=du、=ga、=kuse:、=nuをふくむ文の通達的なタイプと文末述語を検討し、当該助辞が特定の活用形と必ずしも呼応していないこと、当該助辞の機能が焦点化であることをのべる。
著者
十津 守宏 Morihiro TOZU 鈴鹿短期大学 Suzuka Junior College
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.105-116, 2014-03-10

歴史的現実の中での「義人の受難」そしてそれに伴う「悪人の隆盛」は、有史以来の普遍的テーマである。旧約聖書における「ヨブ記」が到達した形而上学的な一つの回答--神の超越性の発見--は、人類の思想史の中での一つの頂点とも看做されうるものである。しかし、その回答が普遍性を持つことはなかった。むしろ、人々に受容されたのは、ユダヤ教後期の黙示文学が展開した現世と来世の二元論、時間的かつ彼岸的未来に投影された因果応報の教理の成就であった。原始キリスト教がその黙示文学の強い影響下で成立したことに議論の余地がない。しかし、原始キリスト教の担い手達が間近なものと感じ取り、そして希求していたこの世の終りは一向に到来する気配がなく、一方で黙示文学的希望と熱狂のもとで闘われたローマ帝国からのユダヤ民族の独立運動は惨澹たる結果を民にもたらし、ユダヤ民族は流浪の民となったのである。この期待とは相反する歴史的現実を経験しても、キリスト教がその命脈を保つことが出来た大きな要因はパウロの「十字架の神学」の成立に拠るところが大きい。なぜなら「十字架の神学」は、不幸や災厄に満ちたあらゆる歴史的経験・現実に対する宗教的かつ積極的な価値付けを、神の子イエスが経験した悲惨このうえない受難の十字架にこそ神の栄光と「救い」が顕れるという逆説--この逆説の真理はかの「山上の垂訓」に包含される精神によっても支持されるものである--のもとでなさしめるものであるからである。人間を真に打ちのめすものは、不幸や災厄そのものではなく、その原因が分からないことである。しかし、「十字架の神学」は、人々が経験している過酷な歴史的経験・現実をイエス=キリストの受難の十字架への道を重ね合せることにより、その歴史的経験・現実に宗教的かつ積極的かつ逆説的な意味付けをなさしめるものである。この「十字架の神学」への道は、既に原始キリスト教における福音書の成立の段階--より厳密に述べるのであれば、史的イエスにまつわる伝承成立の段階--において既に準備されていたものであった。永遠回帰の原初的楽園を捨てて歴史と進歩にとりつかれた人間にとっての真の宗教とはキリスト教である、というエリアーデの指摘が実に正鵠を得たものである。「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである(ヨハネ9.3新共同訳)」というイエスの言葉は、原始キリスト教の災因論の根幹をなすものであると同時に、黙示文学だけでなく、歴史的現実における不幸や災厄に対しての意味付けを否定的なそれから積極的なそれへの転換をなさしめたという意味において、原始キリスト教が古代イスラエルの宗教的伝統における因果応報の教理のもとでの災因論の超克を果たしている事を象徴的に表現しているのである。
著者
山田 政寛 岡本 剛 島田 敬士 木村 拓也 大久保 文哉 小島 健太郎 緒方 広明
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
基幹教育紀要 = Bulletin of kikan education (ISSN:21892571)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.61-72, 2016

Higher educational organizations are required to improve educational quality recently in order to faster active life-long learners, and take several educational methods for that purpose such as the establishment of learning support out of class settings for active learning. Portfolio, in particular, e-portfolio is one of the helpful tools to promote the reflecting and planning of learner's learning outcome, which play an important role in the promotion of active learning. £-portfolio allows learner to store, manage, access, and maintain their learning outcome using electric devices, on the other hand, it has the functional limitations such as handwriting and annotations. However, the difference of learner's perceived effects on their learning is under the discussion, due to the lack of the findings about comparative research between e-portfolio types. This research aims to investigate the differences of the learner's perceived effects on their learning with between paper-based and e-portfolios. The findings reveal that paper-based portfolio was more effective than e-portfolio, in terms of the instructor's presence and the perceived ease of the access to the feedback from instructors. The perceived effects of e-portfolio in terms of the management and access ware superior to that of paper-based portfolio.
著者
須田 昂宏 SUDA Takahiro
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教育科学専攻
雑誌
教育論叢 (ISSN:0288996X)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.19-34, 2015-03-21

This research focuses on Reaction-Paper as a clue to understand students’ learning in a lesson, and examines how to utilize the descriptive contents of Reaction-Paper. As a result of examining nine precedent studies that try to understand students’ learning by using their descriptive contents of Reaction-Paper, three are suggested. First, precedent studies can be classified into [the fact report type], [the qualitative interpretation type] and [the category analysis type], but each type has its own weakness. Therefore, a new analytical method that enables us to understand students’ learning “specifically” and “systematically” is needed. Second, research to analyze various aspects of students’ learning organically is needed. And finally, research to correlate Reaction-Paper with other related data is needed.
著者
須田 昂宏
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40083, (Released:2017-02-03)
参考文献数
27
被引用文献数
2

本論文では,大学授業の実態把握のためのツールとして,リアクションペーパーの記述内容に基づく学生の学びの可視化手法を開発した.「学びの具体性の保持」と「分析手続きの定式化」を重視し,中道らの「中間項」を参考とした.「中間項」は元のテキストデータを原文の具体性を保ちつつ構造化されたデータに変換するというものであり,学習を「直接的な学習対象」と「間接的な学習対象」からなるものとして捉えるマルトンの学習論に依拠する形でリアクションペーパーの記述内容を構造化されたデータに変換し,クロス集計表に整理し,コレスポンデンス分析とバブルチャートを適用することによって,「学生」と「学びの類型」の関連構造や「授業トピック」と「学びの類型」の関連構造を可視化することを可能にした.さらにはこれを多様な授業に試験的に適用することで,各授業固有の学びの特徴が明らかになると同時に,本可視化手法の有効性が示された.
著者
武田 幸男 坂本 研也 根岸 道明
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.160-169, 1975-02-01 (Released:2010-05-31)
参考文献数
11

大容量化する船舶電源装置では, 発電機を常時並列運転することが一般化してきた.並列運転時に発生する無効横流を抑制するために横流補償装置が用いられるが, 負荷時には母線電圧を低下するように作動するから, 従来は横流補償率を大きくすることが出来なかった.それゆえ, 低い横流補償率の場合は並列運転系統の安定度が低下し, 負荷の増加によって乱調を発生する場合がある.本文は, 大きな横流補償抵抗と, 差動変流器 (DCT) を組合せた差動横流補償装置 (DCC) を用いて.極めて安定で, かつ, 電圧変動率の小さい電源構成が得られることを示したものである.すなわち, 差動変流器を横流補償回路に導入した場合の動態安定度と定態安定度の解析を行なって.動態安定度は差動変流器の有無に関係しないこと, 及び, 横流補償度 (横流補償率とAVRの制御ゲインの積) の最低制限値が定態安定度から求められることなどを明らかにした.又, その結果に基づいて, 差動横流補償装置の設計方針を示し, 単独・並列運転のいずれにおいても母線の電圧変動率を±1%以内とする安定な電源設計例を示した.本装置はすでに多数の船舶に装備され, その効果は確認されている.
著者
澤山 郁夫 寺澤 孝文
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-18, 2014-05-20 (Released:2016-08-11)
被引用文献数
6

知識の習得を目的とした一問一答式のeラーニングは,学習者が気軽に学習を行うことができる反面,強い自律性が要求され,学習が継続されにくいという問題がある.一方,近年,集団での学びが,学習に対する動機づけを高める等の理由から注目を浴びている.そこで本研究では,従来個別に行うものと考えられてきた一問一答式eラーニングに,学習者同士の繋がる仕組みを取り入れ,学習システム利用度の変化の仕方が異なるか否かを検討した.具体的には,学習者は,繋がりシステムを稼働させる「繋がり学習条件」と,稼働させない「単独学習条件」に振り分けられ,1ヶ月間eラーニングを利用した.利用度の指標には,ログイン日数やアンケート調査で問われる継続意思に加え,実際に学習が成立したことをより正確に評価可能な学習量を用いた.その結果,繋がりシステムには,学習量の減少を抑える効果が認められた.
著者
植垣康博著
出版者
彩流社
巻号頁・発行日
1984
著者
新井 洋史
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.337-342, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
11

ロシア東部は面積が広大で、かつ人口が希薄な地域である。ロシア連邦政府は、特定の地域や分野(運輸、エネルギーなど)を対象とした「戦略」や「連邦特定目的プログラム」といった政策文書を通じて、この地域の開発のための取組を進めている。本論文では、この地域の開発に関わる主な政策文書の性格や役割を検討し、これらの文書の体系を明らかにする。90年代半ば以降、「極東ザバイカル経済社会発展プログラム」がこの地域に関わる最も基幹的かつ包括的な文書であるとされてきたが、最新版の同プログラムでは主に地域レベルのプロジェクトを扱っている。他方、最近策定された他の政策文書においては、連邦的意義を持つインフラプロジェクトを提示することにより、地域の基本構造が描かれている。