著者
具 滋永 メオル・アジズ オスマン 稲村 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.737-746, 1997

従来, フィーダーコンテナ貨物需要予測はGDPの成長を基礎とした回帰分析を中心とし, 様々な方法が提案されてきた.しかし, これらの方法はいずれも国際競争を明示的に考慮できないという明らかな欠点を持っている.本研究は貨物量, 輸送運賃, 港湾料金といったフィーダー貨物の取扱量を決定づける変数間の関係を非線形の多次元曲面として捉え, この問題を解決している.モデルの信頼性は統計量によって検定された.モデルによる推計結果は韓国の港湾計画とそこで使用された推計値と比較され, その有用性を確かめている.
著者
飯塚 聡 万田 敦昌 安永 数明 佐藤 友徳 川瀬 宏明 美山 透
出版者
国立研究開発法人防災科学技術研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

最近の研究から、梅雨末期に豪雨が頻発する背景として季節的な海面水温の上昇が影響していることが示されている。日本周辺の海面水温は、黒潮・親潮や対馬暖流の影響で複雑な空間構造を持ち、また長期的には他の海域に比べ上昇率が大きい。本研究では、様々な時空間スケールの変動を有する日本周辺の海面水温が、数値モデルで予測される豪雨や豪雪などに与える影響を、高分解能海洋再解析データや観測データも活用しながら明らかにし、極端気象の予測可能性を探求する。これにより、将来の地域気候の影響評価や極端気象の予報の信頼度向上に対して有益な知見を与えることが期待される。
著者
山本 孝
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.871-875, 2016-07-31 (Released:2016-12-28)
参考文献数
12

虚血性心疾患の治療において,抗血小板療法は必須である。抗血小板薬は主にステント血栓症の予防に使用される。冠動脈ステントは再狭窄抑制型の薬剤溶出性ステント(DES)が主流で,DES留置後12ヵ月間はアスピリン+チエノピリジン系抗血小板薬,その後はアスピリン単剤で投与することが推奨されている。これら薬剤には拮抗薬はなく,抗血小板作用の回避には血小板寿命を考慮した7~14日間の休薬しかない。一方,抗凝固薬は主に心房細動の脳梗塞予防に使用される。ワルファリンが使用されてきたが,最近では新規抗凝固薬(NOAC)の使用が増加してきている。NOACは半減期が短く,手術前の中止期間は短期間でよい。抗血栓薬内服中の患者のリスクは一様でないため,中止による合併症および出血リスクについて,関連する複数科の医師がコミュニケーションをとって検討し,適宜対処することが重要である。

1 0 0 0 奴隷の国家

著者
ヒレア・ベロック著 関曠野訳
出版者
太田出版
巻号頁・発行日
2000
著者
川村 隆一 筆保 弘徳 山本 勝 富田 裕之 森本 昭彦 柳瀬 亘 吉田 聡 宮本 佳明
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

台風と爆弾低気圧による被害事例が日本全国広範囲で多発している。両ストームの発達・進路予測の改善、関連するストーム起源の極端現象の発生予測、そして変わりゆく気候環境下で両ストームの活動度がどのように変調するのかを解明する事は減災の観点からも喫緊の課題である。その問題解決に大きな不確実性をもたらしているのが黒潮・黒潮続流が熱・水蒸気供給を介して両ストームに与える影響である。暖水渦のような海洋中規模渦と低気圧の空間規模は1 桁程度異なっており、スケール間大気海洋相互作用の実態は依然として未解明である。そこで本課題では台風と爆弾低気圧の発達プロセスに果たす中緯度大気海洋相互作用の包括的研究を展開する。
著者
赤松 利恵 林 芙美 奥山 恵 松岡 幸代 西村 節子 武見 ゆかり
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.225-234, 2013 (Released:2013-11-08)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

【目的】特定保健指導を受診し,減量に成功した男性勤労者を対象に,減量のために取り組んだ食行動を質的に検討した。【方法】対象者は,栃木県,埼玉県,和歌山県,及び大阪府にある5つの職域健康保険組合が委託した機関において,特定保健指導を受診し,4%以上減量した者に研究協力を依頼した。同意が得られた27名を対象に,インタビューガイドを用いた約30分間の個別半構造化面接を実施した。分析は6ヶ月評価時に実際に4%以上の体重減少があった26名を対象とした。逐語録を作成しグラウンデッド・セオリー・アプローチを参考に分析を行い,本研究では,概念的枠組みの大分類【取り組み方】に分類された食生活に関する内容を食行動と行動技法の観点から,カテゴリ化した。【結果】逐語録から,食行動の観点では,31のサブカテゴリと7つのカテゴリ,行動技法の観点からは,17のサブカテゴリと9つのカテゴリが抽出された。減量成功者の取り組んだ食行動は多様であり,多くの対象者が行動技法を用いて,支援時に立てた目標に取り組んでいた。【結論】減量に成功した男性勤労者は,食行動の実践において行動技法を用いており,その内容は具体的で実行しやすく,勤労者特有のものであった。
著者
菊地 一樹
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法学会誌 (ISSN:05111951)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.165-216, 2016-03-25
著者
長澤 郁子 岩崎 多恵 増田 陸雄 五島 衣子 岡 秀一郎 吉村 節
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.142-145, 2005-06-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
11

静脈内鎮静法の施行時に, フルマゼニルの投与直後に血圧上昇, 頻脈および不穏状態をきたした症例を経験した.患者は59歳女性, 体重60kg.2種類の降圧薬を服用している.静脈内鎮静法下で, 下顎デンタルインプラント埋入手術を施行した.手術終了まで良好な鎮静状態で経過した.手術終了後, 鎮静状態からの回復が不十分だったため, フルマゼニルを0.1mgずつ総投与量0.2mgを静脈内投与した.その直後からめまい, 胸部不快症状を訴え, 血圧と脈拍の急激な上昇と一過性の不穏状態をきたした.約30分後には, 不快症状は緩解し, 発症から1時間後には帰宅可能となった.後日, 既往歴の再確認を行った結果, 精神安定薬の服用中であることが判明し, 今回の不快症状はフルマゼニル投与後の一過性の離脱症状と推測された
著者
Jing Xue Xiaorong Li Ping Liu Ke Li Liping Sha Xiaoli Yang Lili Zhu Zhen Wang Youping Dong Li Zhang Hong Lei Xiaoxia Zhang Xiaoying Dong Hao Wang
出版者
The Japan Endocrine Society
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
pp.EJ18-0567, (Released:2019-07-03)
被引用文献数
71

Polycystic ovary syndrome (PCOS) represents an endocrine disorder, which is closely related with gut microbiota. Inulin, a kind of probiotics, has been proven to alleviate gut microbiota dysbiosis. Metformin, a biguanide agent, shows beneficial effects on chronic metabolic diseases. Our objective was to assess the effects and associated mechanisms of inulin and metforin on attenuation of PCOS in mice. Mice were divided into 4 groups: control group (CON), model group (MOD), inulin group (INU), metformin group (MET). The last three groups were fed 6 mg of dehydroepiandrosterone (DHEA) per 100 g body weight and 60% high-fat diet to generate mice model. After 21 days of intervention, mice were euthanized and associated indications were investigated. Body weight (BW) and testosterone (T) levels were significantly decreased, but estradiol (E2) levels were increased in INU or MET group, respectively. Ovary HE staining demonstrated that inulin or metformin ameliorated PCOS morphology. Inflammatory indicators from plasma and ovary including TNF-α, IL-6, and IL-17A were decreased in INU or MET group. Moreover, IL-10 in ovary of INU or MET group was increased. Sequencing and analysis of gut microbiota showed that compared to MOD group, Bifidobacterium was increased, but Proteobacteria, Helicobacter and Parasutterella were decreased in INU group. Helicobacter was decreased in MET group. Correlation analysis showed that gut microbiota was correlated with inflammatory factors. Our results revealed that inulin and metformin alleviated PCOS via anti-inflammation and modulating gut microbiota, which may contribute to potential clinical therapy for the disease.
著者
安藤 光代
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.67-84, 2007-12

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty50周年記念論文近年急増する自由貿易協定(FTA)の経済効果については,日本のFTA を含め,従来からCGE モデルシミュレーション分析等による事前評価が数多くなされてきた。しかし,ここ数年のFTA 締結に向けた日本の積極的な動きを鑑みれば,既存のFTA の経済効果を事後的に把握し,将来のFTA 締結への政策的含意を得ることが重要である。本論文では,日本の経済連携協定(EPA)の経済効果について,初期段階の効果ではあるものの,実質的な関税削減効果の詳細な分析やグラビティ・モデル推計などを通じて事後的に評価し,今後のFTA/EPA の設計における政策的含意を議論した。 日星EPA については,遅ればせながらFTA の波に乗る第一歩を踏み出したという意味で一定の存在意義があっただろうが,実質的な関税削減は少なく,直接的な貿易自由化の効果はかなり限定的である。一方,日本にとって初めて農業分野での実質的な貿易自由化を伴った日墨EPAについては,輸出や投資の面で一定の効果が認められるが,現時点で直接的な貿易自由化の効果が顕著なのは完成車の輸出においてである。また,EPA によって設置されたビジネス環境整備委員会での二国間協議を通じたメキシコのビジネス環境の改善やメキシコの政府調達における日本企業の参加など,貿易自由化以外の面でも一定の効果が認められる。 今後の日本のFTA の設計において,特にMFN 関税の高い国との協定では,EPA 関税とMFN関税の逆転など段階的な関税削減の弊害を考慮すべきである。また,MFN 関税と同様,農業分野の一部の品目を中心に複雑な関税体系が採用される傾向にあるが,よりシンプルでかつ自由化水準の高いEPA が望ましい。そして,とりわけ日本企業の進出が盛んな国との協定では,日墨EPA でのビジネス環境整備委員会のようなチャンネルを活用し,貿易自由化以外の側面も柔軟に盛り込んでいくべきである。

1 0 0 0 純理經濟學

著者
小林丑三郎講述
出版者
明治大学出版部
巻号頁・発行日
0000