著者
曽我 麻佐子 冨増 康宏 藤田 憲孝
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.51-56, 2015-12-12

国内の寺院には歴史ある襖絵が数多くあり,博物館でこれら全てを展示することは困難である.本 研究では,寺院を対象とした博物館展示を支援するため,襖配置の CG 再現および体験型システムの 開発を行った.博物館の実物展示と併せて展示する体験型システムとして,VR ゴーグルおよび襖配置 システムを開発した.VR ゴーグルは CG で再現された部屋の全周囲を見渡すことができ,襖配置シス テムはタッチ操作で襖を移動させることにより様々な配置でのシミュレーションが可能である.さら に,CG を用いて過去の襖配置を再現した 4K 映像を制作した.制作した映像は,龍谷ミュージアムの 特別展「聖護院門跡の名宝」において上映し,開発した二つのシステムは特別展の関連イベントとして 3 日間展示した.
著者
松本 義之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会誌 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.115, 2016

<p>コンピュータプログラムが市場動向に対応し,自動的に証券売買や為替取引のための注文を繰り返し行い,金融商品の取り引きを行うことをアルゴリズム取引という.このアルゴリズム取引は,1990年代以降にアメリカの金融取引市場から始まり,日本の金融取引市場でも普及してきている.</p><p>アルゴリズム取引では,コンピュータプログラムが自動的に売買を行うため,1秒間に数千回の頻度で売買を行う超高速取引(High frequency trading : HFT)が可能である.2010年5月にアメリカ・ニューヨーク市場のダウ平均株価が数分間に約1,000ドル下落した後,すぐに元の水準までもどる「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる現象が起きた.この現象は,アルゴリズム取引が原因の一部であると考えられている.また,東京証券取引所の株式売買システムである「arrowhead」は,売買注文の応答を0.5ms 未満で行うことができるが,その取り引きの6割以上はコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引であるとされている.こういったコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が市場の不安定要因になっているとの指摘もあり,欧米や日本では規制を行う動きも出ている.</p><p>アルゴリズム取引には人工知能技術も応用されている.証券取引を行うトレーダーの知識を人工知能に学習させ,人間の代わりに証券取引を行うことが可能となっている.これまでは,トレーダーが市場動向を調査し,その分析結果に基づいて証券投資を行ってきた.人工知能技術による取り引きでは,これらの市場分析をコンピュータプログラムが行い,自ら判断して投資を行う.超高速取引のような短期間の売買だけではなく,長期間に渡る資金運用についても人工知能を応用したコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が利用されつつある.</p>
著者
Kim Yoon Shim Won Park Byung-Gook
出版者
Institute of Physics
雑誌
Jpn. J. Appl. Phys. (ISSN:00214922)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, 2015-05-26
被引用文献数
2

In this paper, we report the fabrication and analysis of the gated twin-bit NAND flash memory with a nitride charge-trapping layer. This device is based on the recessed channel structure, and it has an additional cut-off gate that enables 2-bit operation. Therefore, the density of the array can be doubled without any difficulty in patterning. The fabrication method for gated twin-bit (GTB) silicon–oxide–nitride–oxide–silicon (SONOS) memories and their electrical characteristics are described in this paper. Program/erase characteristics are observed and the 2-bit operation is verified by the forward–reverse reading scheme.
著者
Ma Yitao Miura Sadahiko Honjo Hiroaki Ikeda Shoji Hanyu Takahiro Ohno Hideo Endoh Tetsuo
出版者
Institute of Physics
雑誌
Jpn. J. Appl. Phys. (ISSN:00214922)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, 2016-03-29
被引用文献数
13

A novel associative processor using magnetic tunnel junction (MTJ)-based nonvolatile memories has been proposed and fabricated under a 90 nm CMOS/70 nm perpendicular-MTJ (p-MTJ) hybrid process for achieving the exceptionally low-power performance of image pattern recognition. A four-transistor 2-MTJ (4T-2MTJ) spin transfer torque magnetoresistive random access memory was adopted to completely eliminate the standby power. A self-directed intelligent power-gating (IPG) scheme specialized for this associative processor is employed to optimize the operation power by only autonomously activating currently accessed memory cells. The operations of a prototype chip at 20 MHz are demonstrated by measurement. The proposed processor can successfully carry out single texture pattern matching within 6.5 µs using 128-dimension bag-of-feature patterns, and the measured average operation power of the entire processor core is only 600 µW. Compared with the twin chip designed with 6T static random access memory, 91.2% power reductions are achieved. More than 88.0% power reductions are obtained compared with the latest associative memories. The further power performance analysis is discussed in detail, which verifies the special superiority of the proposed processor in power consumption for large-capacity memory-based VLSI systems.

1 0 0 0 OA 作曲法

著者
下総皖一 著
出版者
共益商社
巻号頁・発行日
1938
著者
石井 理 馬場 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.143, pp.11-14, 2005-06-17
参考文献数
12

我々は2つの結合したマイクロディスクからなるフォトニック分子レーザの双安定特性を実証する.フォトニック分子を不均一励起すると, 可飽和吸収や利得飽和による双安定や2つの結合モード間のモードスイッチングが, 100μW以下の実効励起強度で観測される.これらの動作は可飽和吸収と利得スイッチングに基づくことがレート方程式により説明される.これらが起こる条件は, 不均一励起割合やディスク直径に依存するキャリアの各モードへの寄与率, および結合モードのQ値によって決まる.このようなモードスイッチングを示す双安定レーザは, 高速かつ微小な光メモリ, フリップフロップ等への応用が期待される.
著者
宮本 勝彦 棚田 浩 山下 正行 田辺 健
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.65-71, 2008

北米アウトランダーに適用したSULEV対応技術をベースに,(1)HC-trap触媒と2ndエアの特徴とそれぞれの最適化について (2)HC-trap触媒制御の要件として,温度上昇履歴や空気付加のタイミング最適化 (3)HC-trap排ガス低減制御として空気供給手法の効果とドラビリの両立 (4)継続改善による排ガス低減を紹介する。
著者
劉 霊芝 中村 成春 小西 敏正
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.561, pp.197-202, 2002
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

Concerning the external appearance of Chinese and Japanese modern architecture were investigated to Japanese students. Based on the SD method, two stages image tests were performed. And using the layer structure model of image, graphical modeling analysis and fuzzy outranking analysis were carried out. According to those results, "adjective pairs" that can describe the first impression of Chinese and Japanese modern architecture were extracted. And about the difference of processes for the evaluation of appearance, the "structure" was important to Chinese modern architecture and the "space" was important to Japanese modern architecture.
著者
浅岡 邦雄
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.201-214, 2003-03

本稿の目的は、鈴木貞美編『雑誌『太陽』と国民文化の形成』に掲載の論文、原秀成「近代の法とメディア―博文館が手本とした一九世紀の欧米」を批判的に検証することにある。 原論文における中心的論点は以下の通りである。出版社博文館が発行した雑誌『日本大家論集』は、米国で刊行された『ハーパー新月報』を手本にしたものである。その根拠は、『日本大家論集』創刊から七年半後、雑誌『太陽』創刊の広告に記載された九誌の欧米雑誌のなかで、米国の『ハーパー新月報』が『日本大家論集』と同様の無断転載雑誌であったからだという。また、『ハーパー新月報』が他誌から無断転載が可能であった要因として、米国はベルヌ著作権条約に加盟していなかったこと、さらにベルヌ著作権条約自体が必ずしも雑誌記事の無断転載を禁じていなかったことをあげ、博文館は『ハーパー新月報』と同じやり方で『日本大家論集』を出版し、複製の仕方が、欧米から複製されたのだと述べる。 しかしながら、前述の中心的論点は、次の理由で根本的に成立しないということができる。(1) 広告に記載された欧米の九雑誌は、雑誌『太陽』の創刊に参照された雑誌であり、『日本大家論集』はその七年半前に創刊されたのであるから、欧米の九雑誌とは何ら関係がないこと。(2) 原論文自身そのことを明らかにしているように、『ハーパー新月報』は一八五〇年代末には無断転載雑誌ではなくなっているのであるから、一八八七年創刊の『日本大家論集』が参考にできるはずがないこと。 この問題についての筆者の見解を述べれば次の通りである。 『日本大家論集』の構想は、長岡で書店を経営していた大橋新太郎によって着想されたものである。その書店で、学術雑誌などの販売の経験を通じて、彼は新しい雑誌出版の発想を得たものと考えられる。彼が扱った雑誌の中には、『日本大家論集』のモデルともいえる他雑誌から無断で記事を転載する雑誌もあった。以上のことから、『日本大家論集』の出版の発想は、新太郎の雑誌販売の経験から着想されたことは間違いない。 このように原論文には、論証作業の不備、その時代の特性に対する感受性の欠如、さらには資料を正確に読み取れていないこと、などの欠点があると指摘できよう。本稿ではこのほかにも、歴史的研究論考としていかに多くの欠陥と問題点があるかを具体的に論証した。
著者
井上 勝雄 安斎 利典 土屋 雅人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.19-26, 1995
参考文献数
13
被引用文献数
3

アイデアスケッチやモックアップモデルの選別に代表されるデザイン評価に言語表現を用いたデザイン評価方法を提案する。実際に企業内でのデザイン評価はほとんどが言語による方法でありその有効性が高い。しかし,言語というあいまいなものを取り扱うことの難しさから研究事例は極めて少なかったが,言語を扱えるファジィ理論の登場によりその可能性が生まれてきた。そこで本研究では,ファジィ測度を用いた携帯電話機の事例研究と,また,ファジィグラフ(ファジィアウトランキング法)を用いたAV機器用リモコンの事例研究を通じて,ファジィ理論を用いた言語表現を用いたデザイン評価の妥当性を検証した。ファジィ測度による方法は精度の高い評価ができ,また,ファジィグラフによる方法は柔軟性の高い評価が可能であることが分かった。本結果は,言語表現を用いたデザイン評価方法を提案すると共に,デザイン評価においてファジィ測度とファジィグラフによる方法が有効であることを示した。
著者
岸 國平 古川 聡子 小林 享夫 白石 俊昌 酒井 宏 田中 一嘉
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.43-49, 1998-02-25
被引用文献数
1

堀による命名以後, アナモルフの記載等に疑問を残したまま放置されてきたネギ黒渋病について研究し, 以下のような事実を明らかにした。(1) 群馬県下仁田町で, 多年にわたり自家採種と連作が繰り返されてきた同町特産の下仁田ネギに, 本病が毎年激しく発生することが認められた。(2) 本病の発生は下仁田町を含む関東北部,東北,北海道地域で多く認められ, 関東南部および関東以西の地域ではまれにしか認められなかった。(3) 培養菌叢片およびほ場病斑の成熟子のう胞子を用いて行った接種実験において, いずれも自然発病と同様に病徴を再現した。(4) 観察されたすべての自然発病および人工接種病斑においてテレオモルフは形成されたが, アナモルフは全く認められなかった。(5) 本病菌の培地上の生育適温は約20℃, 子のうの成熟適温は20〜25℃, 子のう胞子の発芽管伸長の適温は20〜25℃であり, 生育とpHの関係はpH4〜9で生育し, 6〜9で最も良かった。
著者
田端 節子 飯田 憲司 木村 圭介 岩崎 由美子 中里 光男 鎌田 国広 広門 雅子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-115, 2008-04-25
参考文献数
12
被引用文献数
1 19

HPLCおよびLC/MS/MSを使用した同時分析法により,市販食品中のオクラトキシン(OT) A, Bおよびシトリニン(CIT)の低濃度(0.1 &mu;g/kg)までの汚染実態調査を行った.また,一部の試料についてはアフラトキシン(AF)などのカビ毒についても調査を行った.その結果,157試料中,国産表示の2試料を含む44試料から0.11~4.0 &mu;g/kgのOTAが検出され,カカオパウダー,インスタントコーヒーなどで検出率が高かった.OTBは,OTA含量が比較的高い試料から0.10~1.8 &mu;g/kg検出された.また,穀類でOTAとCITおよびデオキシニバレノール,カカオでOTAとAFとの複合汚染が認められた.コーヒー豆中のOTAは約30%が抽出液に移行した.