著者
谷口 智彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1067, pp.4-9, 2000-11-20

フロリダ州特定郡の得票をめぐってもつれた大統領選挙が今後の米国にどんな影響を及ぼすか。選挙後の泥仕合は「クリントン醜聞暴露以来8年続いた党争の最後に来た最も深刻な傷」(ワシントンの政治コンサルタント会社、サミュエルズ・インターナショナル・アソシエイツのクリストファー・ネルソン氏)を残しただけに、両党とも容易に矛を収めるとは思えない。
著者
眞鍋 欣良 猿渡 和彥 重信 文男 添原 治夫 今井 維準
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.11, no.7, pp.471-474, 1956-07-20

緒言 原爆被爆者の皮膚毛細血管に"荒癈失調状態"が観られることは既に数次に亘り発表して来たが今回は広島に於ける原爆被爆者の10年後の皮膚毛細血管像について調査した成績を大略記載し皆様の御参考に供し度いと思う. 扨て原爆被爆者の皮膚毛細血管像について観察した成績は今迄に幾つか報告がある.即ち被爆後早期の検索では東大坂口内科,粥川,熊取,椿,尾山,京大真下,舟岡及び富田,横田の記載があり所謂後遺症期に於ける観察では吾々の成績のほか東大中泉津屋の報告がある,粥川等は原爆後81日目の被爆者について皮膚毛細管抵抗を検査しその中異状のある者13名に皮膚毛細管像の顕微鏡観察をなして6例に出血を認めたと云つており,真下,富田等は被爆1ヵ月後の15例について火傷部の皮膚毛細管像を観察し中央部では毛細血管の荒癈,周辺部では乳頭毛細血管の延長,その中間移行部では乳頭毛細血管の増加,口径拡大,延長異常屈曲,充盈度増強並に血流遅延を観たと云い火傷中央部及び周辺部は治癒過程を示し移行部は炎症が存在すると述べている.此の両者はいずれも特殊例についての早期の観察であるがその後の後遺症期に於てはどうであろうか.此れについては吾々の今迄の発表や津屋の報告でも明らかなように被爆後数年を経た者にも猶皮膚毛細管像の変化が多数に観られており,津屋は形態上からその変化を数型に分類して考察している.
著者
佐々木 梨菜 鈴木 優
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.595-596, 2018-03-13

古来より人々はペットと共に生活してきたが、その生活環境は人の快適さが前提であったり、それらをペットに強いている場合が多い。例えば、猫の飼い主がPCを使用する際、猫がキーボードに上がるcat typingと呼ばれる問題がある。飼い主は快適にPCを使用するため、PCに近づこうとする猫を遠ざけようとする。本研究ではこの問題を解決するため、飼い主がPCを用いた作業をしているそばで、 猫がタブレットに触れて遊ぶことができるインタラクティブな猫じゃらしシステムを開発し、このシステムの有用性を確認するため,数匹の猫に試用実験を行った。その結果いくつかの現象が確認でき、仮説としてシステムが有効に機能する猫の属性があることが示唆された。
著者
上野 友稔
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.55-59, 2015-02-27

The University of Electro-Communications, by using the discovery service "Summon" of ProQuest, started to provide "Global Material Search (Beta)" from April 2014. By using the "Global Material Search (Beta)", users can search academic materials including books, journals, electric journals, databases, and so on at our university. In this paper, we introduce the history and features of the "Global Material Search (Beta)". In addition, we discuss a development to be able to search by integrating the paper materials and electronic materials, such as books and journals, and two suggestions about the academic search system, such as the service improvement by visualization of subscription information of the electronic resources and the search improvement of the introduction of personalized search.

1 0 0 0 OA 繊維の密度

著者
清造 剛
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維工学 (ISSN:18838731)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.P458-P463, 1968-07-20 (Released:2010-09-27)
参考文献数
26
著者
吉田 昌弘 中島 千佳 角谷 尚哉 吉田 真 沖田 孝一
出版者
北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター
雑誌
北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 (ISSN:21852049)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.21-27, 2017

Endurance ability can be evaluated using the 20-m shuttle run or yo-yo intermittenttest. However, athletes engaged in fi eld-based team sports such as football and basketball arerequired to repeatedly perform explosive and intermittent sprint activities. The aim of this studywas to establish the fi eld test that can be used to assess repeated sprint ability and investigaterelated factors of the test score. Twenty female basketball players were included in the study.All subjects performed a 20-m ×5×5 test, 20-m sprint test, 20-m shuttle run test, and line drilltest. To investigate the relationship between the 20-m ×5×5 test and other tests, the Pearsoncorrelation coeffi cient was used. We found signifi cant statistical correlations of total time with thefastest time(r =0.55, p <0.01), latest time(r =0.91, p <0.01), and percent splint decrement(r =0.59,p < 0.05)in the 20-m × 5 × 5 test. In addition, the total time in the 20-m × 5 × 5 test correlatedwith the score in the 20-m shuttle run(r = -0.69, p <0.01). By contrast, no correlation was foundbetween the total time in the 20-m ×5×5 test and the time in the 20-m sprint(r =0.31, p=0.21).We suggest that the 20-m × 5 × 5 test can be used for assessing the endurance ability, whichcould not be evaluated by using only the existing endurance tests.全身持久力は,20mシャトルランやYo-Yoテスト等により評価可能である。しかし,サッカーやバスケットボール等の競技では,長時間走行する能力に加え,全力スプリントを繰り返す間欠的持久力が求められる。間欠的持久力を評価するためには,全力スプリントを運動課題とした評価が必要であるが,評価手法は確立されていない。本研究の目的は,間欠的スプリント運動を課題としたフィールドテストを考案し,テスト結果の関連因子を検討することとした。大学バスケットボール女子選手20名を対象に,20mを全力で5往復走行する課題を計5セット行う『20m×5×5テスト』を実施した。本テストでは,スタートの合図で1セット目を開始し,1セット目のスタートから2分後を2セット目のスタートと規定した。2セット目以降のスタート開始も前セットのスタートから2分後と定めた。各セットの走行終了から次セットのスタートまでを休息時間とした。測定項目はタイム(5セットの合計および最高値,最低値),5セット中のタイム低下率とした。また,スプリント能力(20m走),切り返し能力(ラインドリル),全身持久力(20mシャトルラン)を計測し,合計タイムと各因子の関係をピアソンの相関係数により算出した。20m×5×5テストの合計タイムは5セット中の最高値(r=0.91,p<0.01),最低値(r=0.55,p<0.01),タイム低下率(r=0.59,p<0.05)と有意な相関を認めた。20m×5×5テストの合計タイムは全身持久力(r=-0.69,p<0.01),切り返し能力(r=0.51,p<0.05)と有意な相関を認めた。一方,合計タイムとスプリント能力(20m走)の間には有意な相関関係は認められなかった。本研究結果より,20m×5×5テストは既存の全身持久力評価とは異なる体力要素を評価できることが示唆された。
著者
後藤 秀昭
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100167, 2017 (Released:2017-05-03)

1. はじめに 中央構造線活断層帯は,四国だけでも190kmに及ぶ日本で最も長大な活断層であり,平均変位速度は10mm/yrにも達する可能性があるとされてきた(Okada,1980)。しかし,説得力のある変位基準で,高精度に変位速度を求めたものは極めて少ない。GPS による測量では,中央構造線の横ずれ変位速度は約5mm/yr(Tabei et al., 2002)や0~5.5mm/yr(Aoki and Scholz, 2003)とのされており,これらとの対比を行うためにも,地形学的な時間スケールでの高精度な変位速度の検討が求められている。 中央構造線の古地震学的な研究では,最新活動時期について,中世を中心に歴史時代の活動が多数の地点で報告されている(後藤ほか,2001など)。しかし,それより前の活動時期や活動間隔についてはほとんど分かっていない。地震危険度の評価において大きな問題となっており,高精度な変位速度の提示が求められているといえる。 一方,地形学の研究では,多視点の写真データから作成された高密度な点群データなど,デジタル化された地形情報が用いられるようになっている。人工改変の激しい地域では,撮影年代の古い空中写真を用いて地形を復元して分析することが可能となり,変動地形でも積極的な利用が進みつつある(後藤,2015など)。 本研究では,中央構造線の池田断層,父尾断層に沿って認められていた後期更新世の変位地形を,1970年代の空中写真を用いて数値標高モデルとして復元し,変位ベクトルを検討するとともに,堆積物から得た試料の放射性炭素年代測定値に基づき,高精度な変位速度の算定を試みた。 2.地形モデルの作成と地形面区分 1974年撮影の約8000分の1カラー空中写真(CSI-74-8および9)を20μm(1,270dpi)の解像度でスキャンした画像を用い,国土基本図を評点として1m間隔のDEMとしたものを用いた。空中写真を実体視したのと同じ程度の判読が可能な画像となるよう測量間隔やブレークラインが設定されている。 対象とした地域周辺では,後期更新世以降の段丘面は中位面,低位1面,低位2面の3面に区分できる。 3.池田断層の東部の変位速度 池田断層東部の馬来谷川付近では中位面,低位1面が変位を受け,中位面で43m,低位面で7mと累積的な上下変位量が認められる。中位面の段丘崖の横ずれが複数地点で確認でき,断層崖の両側で明瞭な段丘崖が認められる場所では数値標高モデルから145~155mの横ずれ量が計測された。断層に平行な地形断面図からは上下変位量は横ずれ量の8%であり,横ずれが卓越していることが解った。低位1面の構成層上部から得られた木片から17,212~16,792 cal BPの放射性炭素年代値が得られた。これらに基づけば,横ずれ変位速度は8.5mm/yrよりも大きいことになる。 4.父尾断層の変位速度 父尾断層中央部の日開谷川西岸では,後期更新世以降の河成段丘面が発達し,典型的な横ずれ変位地形をなす(岡田・堤,1997など)。徳島自動車道の建設によって変位地形は改変されたが,1974年の空中写真によって復元された数値標高モデルによる地形をもとに多段化した地形を詳細に検討した。その結果,低位1面および沖積面はそれぞれ2面に細分されることがわかった(ぞれぞれ,上位面,下位面とする)。これらの段丘崖の基部を基準にすると,上下変位量は横ずれ変位量の6~8%でほぼ同方向に変位してきたと考えられる。低位1上位面の段丘崖の横ずれ量は140~150mと計測された。 地形面の年代を示す新たな試料は得られなかったが,低位1下位面は急傾斜であり,日開谷川下流西岸で沖積面に埋没することから,最終氷期極相期の地形面と考えられる。池田断層の馬来谷川付近の低位1面に対比されるが,約35km下流に位置し,より早くに離水したと考えられることから,低位1面下位面は18ka以降,17,122~16,639 cal BPまでに形成されたと推定される。これらに基づくと,父尾断層の変位速度は7.8~9.1 mm/yrと算定される。 5.おわりに 池田断層,父尾断層の変位速度とも,測地学的な検討により求められた変位速度より優位に大きく,地形学的検討によってこれまでに提示されてきた値よりも大きい。最新活動時の変位量(岡田・堤,1997など)に基づけば,活動間隔はこれまでの想定よりも短い可能性がある。日本で最も長大な活断層の評価にはさらなる古地震学的な調査が必要性と考える。
著者
Akira Sezai
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.2939-2940, 2018-11-24 (Released:2018-11-24)
参考文献数
8
著者
飯田 清昭
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.754-759, 2018

<p>例えば,紙・板紙の消費量を年次に対して対数でグラフ化すると,その年の勾配がその年の変化率となる。1950年からの紙・板紙の消費量の変化を調べると,1970-1975年を境に年当たり増加率が13.2%から3.8%に激減,さらに1995-2000年からマイナス0.9%となっている。これらの時期に,日本のGDP(名目)の年当たり変化率も14.5%増から8.6%増,さらに0.0%と変化しており,社会・経済がこれらの二つの時期に大きく変わったと理解され,製紙産業の生産活動もそれに大きく影響されたことになる。</p><p>製紙産業の日本経済の中での立ち位置は,1960年で製造業の約3%を占め,以後漸減気味であるが,その位置を保っている。これは,浮き沈みの激しい他産業に比して特異的である。また,長年にわたって,輸入,輸出ともに10%以下で,輸出をしない代わりに,輸入紙圧力に対し内需を保ち続けたことになる。</p><p>日本の社会・経済が先の二つの時期に大きく変化する中で,製紙産業がその地位を保ち続けることができたことには技術的な対応が寄与したと考える。その歴史を次号から追いかけてみる。</p>
著者
赤羽 新太郎
出版者
明治大学経営学研究所
雑誌
経営論集 (ISSN:0387298X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.257-270, 2010-03

本稿は、21世紀のグローバリゼーションの問題と課題を明らかにしようとする試みである。2008年9月リーマン・ブラザーズ証券の破綻を機にして、21世紀のグローバリゼーションの本質がまさに問われている。AIG保険の経営危機と救済、ゴールドマン・サックス証券やモルガンスタンレー証券の銀行持株会社化、国際金融をリードしたシティ・グループの経営悪化などアメリカサブプライム問題に端を発した未曾有の国際金融経済危機は、FRB元議長のグリーンスパンをして百年に1度の信用危機と言わしめた。2009年2月17日の新聞報道によれば、日本のGDPは2008年の第三・四半期の成長は、35年ぶりの年率12.7%の減少率となり、輸出減13.9%の過去最大の落ち込みとなった。
著者
松村 幸子 二階堂 一枝 篠原 裕子 菅原 京子 花岡 晋平
出版者
新潟青陵大学
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
no.3, pp.161-182, 2003
被引用文献数
1

日本の四大公害病のlつである新潟水俣病に対する、行政に働く保健師の活動について、37年前の発生当初から現在までを時系列で整理した。その結果を1978年アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルス・ケアの4原則1.住民のニーズ指向性 2.住民の主体的参加 3.資源の有効活用 4.協調、統合に照らして分析を試みた。先輩諸姉の語りや文献を通して、保健師は新潟水俣病発生以来今日まで、この問題にかかわり続けできたことが明らかとなった。複雑な社会的背景を持った問題であったが、さまざまな看護ケアが住民サイドに立って実施されていた。健康を人々の権利として位置づけたPHCの理念に沿って活動が進められていたが、住民の主体的参加、他専門職および住民組織との協調、統合については生かしきれず、今後の課題である。
著者
細野 薫 吉川 浩史 磯部 昌吾
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.131-149, 2013-03-26

グローバル金融危機以降,主要中央銀行は,極めて低い短期金利のもとで非伝統的金融政策を実施してきた.また,それ以前に日本銀行は量的緩和策を実施していた.本稿では,日本,米国,ユーロ圏,およびイギリスの4 中央銀行が採用した非伝統的金融政策が為替レートに及ぼす影響を,日次データを用いて分析した.その結果,非伝統的金融政策が為替レートに及ぼす影響は国・地域および時期によって異なることが明らかになった.特に有意な効果が見られたのは,日本銀行による量的緩和策とグローバル金融危機後の非伝統的緩和策,および,FRB による2009 年以降の量的緩和策である.これらの緩和策は自国通貨を0.3%から0.8%程度減価させるが,これは政策金利変更の1% ポイントの効果よりも総じて大きい.他方,効果の持続性をみると,有意な効果が観測される場合でも,その効果は総じて短命であり,日銀による量的緩和策を除き,前後3 営業日を含むウィンドウでは有意な効果は観察されなかった.Bank of Japan (BOJ) adopted unconventional monetary policy (UMP) measures including quantitative easing (QE) during 2001-2006. Other major central banks also adopted various UMP measures after the global financial crisis. the effects of these UMP measures on exchange rates using daily data.This paper investigates Investigating the quantitative effects of the UMP measures on exchange rates, we find that they depend on the economy and the period. BOJ's QE during 2001-2006 and UMP after the global crisis as well as FRB's QEs after 2009 had significantly depresiated home currencies. Their effects range from 0.3% to 0.78%, which are much larger than the estimated effects of the 1 percentage point change in short-term interest rates. Exploring the persistency of the effects of the UMP measures, however, we find that the effects of the UMP measures implemented after the global crisis were generally short-lived.特集 新しい金融経済学
著者
石田 光一 桜井 貴康 増永 直樹 周 志偉 安福 正 関谷 毅 ツィーシャング ウテ クラーク ハーゲン 高宮 真 染谷 隆夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-6, 2009
参考文献数
10

電子機器が高性能化され、高密度に部品が実装されるのに伴い、EMIの発生源を特定するのが難しくなってきている。この問題を解決するために、電子機器を包むようにしてその表面の磁界及び電界の分布を測定するツール「EMI測定用風呂敷」の原理検証を行ったので報告する。
著者
辻元 英孝 八木 繁幸 井川 茂 飛鳥 穂高 前田 壮志 中澄 博行 櫻井 芳昭
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.207-214, 2010-05-20
参考文献数
34
被引用文献数
5

溶液塗布法による高分子電界発光素子(PLED)の開発を目的として,りん光性ビスシクロメタル化イリジウム(III)錯体,ビス[2-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト-<i>N</i>,<i>C</i><sup>2</sup>&rsquo;]イリジウム(III)(2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオナート-<i>O</i>,<i>O</i>)(<b>1</b>)およびビス[2-(ジベンゾ[<i>b</i>,<i>d</i>]フラン-4-イル)キノリナト-<i>N</i>,<i>C</i><sup>3</sup>&rsquo;]イリジウム(III)[1,3-ビス(3,4-ジブトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオナート-<i>O</i>,<i>O</i>](<b>2</b>)を新規合成した。錯体<b>1</b>はトルエン溶液中において,発光極大波長475 nmおよび507 nm,発光量子収率0.91を有する青緑色発光を示した。また,錯体<b>2</b>は,発光極大波長610 nm,発光量子収率0.77を有する赤色発光を示した。これらのりん光材料を発光ドーパントとし,ポリビニルカルバゾール(PVCz)をホストポリマーとするPLEDを作製した(素子構造:ITO(150 nm)/PEDOT:PSS(40 nm)/PVCz:PBD:<b>1</b>(or <b>2</b>)(100 nm)/CsF(1.0 nm)/Al(250 nm))。錯体<b>1</b>および錯体<b>2</b>を発光ドーパントとするPLEDは,それぞれ溶液中と同様な青緑色および赤色の電界発光を示した。これらの結果から,共ドーパントして錯体<b>1</b>と錯体<b>2</b>を組み合わせることによって白色発光が得られる可能性が示された。実際,ポリビニルカルバゾール層中に錯体<b>1</b>と錯体<b>2</b>の両方を含むPLEDを作製し組成比を調整したところ,PVCz:PBD:<b>1</b>:<b>2</b>=10:3.0:1.2:0.012(wt/wt/wt/wt)の比においてCIE色度座標(0.364,0.378)(@13 V)の白色発光を得た。この白色PLEDは,最大発光輝度4200 cd m<sup>&minus;2</sup>(@13 V),最大電流効率4.9 cd A<sup>&minus;1</sup>(@7.0 V),最大電力効率2.4 lm W<sup>&minus;1</sup>(@6.0 V),最大外部量子効率2.4%(@7.0 V)の素子特性を示した。
著者
渕上 季代絵
出版者
図学研究
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.75-78, 2001

本研究は唐草紋様の螺旋について、そのパターン的特徴から何らかの数理的要素を取り出し、パターン生成アルゴリズムの作成を目的としている。前回は風呂敷のパターンを対象に全体的特徴と部分的特徴について述べた。全体的特徴として、個々の螺旋が連結して全体を構成しており、しかも平面が螺旋によって均一に埋め尽くされている平面充填パターンであるとした。また、部分的特徴としては、個々の螺旋の形態的特徴と螺旋間の関係について明らかにした。今回は、全体的特徴である平面充填について検討し、螺旋による平面充填パターンの生成アルゴリズムの作成を試みた。まず、手がかりとして平面充填曲線の描画アルゴリズムを検証した。一定の操作で線を折り曲げていくと平面を埋め尽くすことで知られているこの曲線の各部分に螺旋を配置することで螺旋による平面充填が可能になると考えた。唐草紋様の平面充填以外のパターン的特徴として螺旋どうしは交叉がなく、連結していることが挙げられることから、これらを満たす配置の方法を検討した。