著者
大岩 孝彰 片岡 頼洋
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.222-226, 2003-02-05
参考文献数
11
被引用文献数
9 7

This study has proposed a new coordinate measuring machine (CMM) based on a three degree-of-freedom parallel mechanism. This paper describes a kinematic calibration method using a double ball bar (DBB) system with fixed ball distance. The CMM with a touch trigger probe measures the moving ball of the DBB, and calculates position errors of the ball using kinematic parameters. The least square method using Jacobian matrix corrects gradually the kinematic parameters so that the position errors are minimized. The above calculations have been repeated in both numerical simulations and experiments. The position error approaches a zero level, but has never reached it. The calibration with 19 parameters decreased the position errors of the DBB from 168 μm to 9 μm in the experiments. Furthermore, accuracies of both length measurement with block gauges and profile measurement with an optical flat have been improved after the calibration. The measurement accuracy most improves when the repetitive operation is discontinued after three or five calculations.
著者
森瀬 脩平 村木 孝行 関口 雄介 石川 博明 出江 紳一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ca0933, 2012

【はじめに、目的】 日常生活における肩関節運動量の評価は理学療法の効果判定や疫学調査において有益な評価項目であると考えられるが、従来用いられている測定機器や評価方法では長時間の計測や活動量の定量化は困難である。肩関節運動量を測定できる可能性があるものに加速度センサーが挙げられる。過去の研究では片麻痺患者などで加速度計を手関節に装着し上肢運動量の計測が行われているが、肘関節や身体全体の運動も検知するため肩関節運動量に特化した方法とはいえない。このような問題点を解決するため加速度計を胸郭と上腕に2つ装着することが適切であることが考えられた。本研究の目的は長時間のデータ蓄積が可能な加速度計を用い、肩関節運動量を評価するのに2つの加速度センサーを使用する方法を提案し、3次元動作解析装置のデータとの比較や異なる動作間の比較によりその妥当性について検証を行うことである。【方法】 被験者は健常成人10名(男性5名、女性5名、平均年齢26.5±4.5歳)で、2軸性加速度センサー(Mini Mitter社製 Actical)を右肘後面、体動による影響を除去するため剣状突起前面にそれぞれ1個ずつ、計2個装着し測定した。今回用いた加速度センサーは重さ約16g、サンプリング周波数32Hz、加速度分解能0.05G~2.0Gである。実験1:測定動作は肩関節屈曲動作、外転動作、回旋動作とし、座位にて全可動域の運動を1Hzの運動速度で3回行った。加速度センサーによる計測とともに三次元動作解析装置(Motion Analysis社製 MAC3D)を用い動作解析を行った。動作解析用マーカーは肘後面に装着した加速度センサーの直下、剣状突起前面に装着した加速度センサーの直上に装着し、マーカーの移動距離と平均加速度を算出した。統計解析にはピアソンの相関係数を用い、加速度センサーデータと3次元動作解析データとの相関を調べた。実験2:測定動作は前後方向の歩行中、サイドステップ中、立ち上がり中3種類の条件下で肩関節屈曲動作とした。運動速度と範囲、回数は実験1と同様に1Hzでの全可動域運動を3回とした。実験2では、動作中に得られた肩関節屈曲時の肘後面の加速度センサーデータ(体動除去無しデータ)、肘後面の加速度センサーデータから剣状突起前面の加速度センサーデータを減算したデータ(体動除去データ)、そして実験1で加速度センサーから得られた座位時の肩関節屈曲データ(肩関節屈曲データ)の3群に分け、剣状突起前面に装着した加速度センサーのデータを基に運動中の体動を除去できるか検討した。統計解析には一元配置分散分析、多重比較(Bonferroni法)を用い、有意水準は5%以下とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は被験者に対して研究目的を説明の上、同意を得てから測定を行った。【結果】 実験1:肩関節屈曲・外転動作時の加速度センサーの活動量と肘関節に装着したマーカーの移動距離(r=0.79-0.89, p<0.01)と平均加速度(r=0.92-0.93, p<0.001)はそれぞれ有意な正の相関を示した。回旋動作では加速度センサの活動量は0であったため、相関係数を求めることが出来なかった。実験2:体動除去無しデータ、体動除去データ、肩関節屈曲データの3群間に有意差が見られた(p<0.01)。また、体動除去無しデータと肩関節屈曲データ間では有意差が見られたが(p<0.01)、体動除去データと肩関節屈曲データ間では有意差が見られなかった(p=0.055)。【考察】 実験1の結果より今回用いた加速度センサーで測定した肩関節屈曲と外転動作時の活動量は肩関節の移動距離と平均加速度を反映していた。しかし回旋動作では加速度が45cm/s2と加速度センサーの最小感度49cm/s2より小さかったため、加速度センサーが感知できなかったと考えられる。日常生活での肩関節の運動は肩関節屈曲や外転のような挙上動作が占める割合が多いため、今回使用した加速度センサーで多くの日常生活の肩関節活動量を測定できる可能性が示唆された。また実験2の結果より運動中の肩関節屈曲動作は、肘後面に装着した加速度センサーのデータから剣状突起前面に装着した加速度センサーのデータを減算すると肩関節のみの活動量に近い値になることが示唆された。肩関節のみの活動量を評価可能となったのは2つの加速度センサーを用いることで運動中の肩以外の運動量を除去出来たことも要因として考えられる。今回使用した測定方法は日常生活場面など動きながら肩関節を動かす際の活動量を正確に測定できる可能性を示唆している。【理学療法学研究としての意義】 今回検討した日常生活における肩関節運動量の評価は理学療法の効果判定や疫学調査において有益な評価項目であると考えられる。
著者
黒谷 明大 生越 昌己
出版者
日経BP社
雑誌
日経Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.63-71, 2006-01

小型・静音のLinuxマシンとして,米Apple Computer社の「Mac mini」を提案する。実売5万円台のこのマシンに「Debian GNU/Linux」をインストールすると,体感速度は,米Intel社の高性能プロセッサ「Xeon」を積んだPCに匹敵するのだ。付録CD-ROMを使って簡単にMac miniを「高性能Debianマシン」に仕上げてみよう。(ライター 黒谷 明大,生越 昌己) 「驚くほど速い」——。
著者
松本 英実 吉村 朋代 溜箭 将之 葛西 康徳 イベトソン D. ケアンズ J. ベネット T. オズボーン R. テイト J. アヴラモーヴィチ S. ニコリッチ D. ラショヴィチ Z. ジヴァノヴィチ S. ヴコヴィチ K.
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

混合法(ミクスト・リーガル・システム、mixed legal system)の方法論に立脚して、信託及び信託類似の制度について、比較法制史的考察を行った。混合法における信託を考察するためには、ローマ法の考察が不可欠であることを基本として、一方では古代ローマ法、古代ギリシア法を、他方では狭義混合法(特に南アフリカ法)、広義混合法(バルカン法)を比較対象として、混合法としての日本法との比較を試みた。特に、信託の公的コントロールにの多様なあり方を抽出し、ローマ法と信託法の伝播diffusionという視点から長期にわたる法の展開の全体像と日本法の位置づけを得ることが出来た。
著者
江島其磧
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.下, 1732
著者
喜多村 章一
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.218-225, 2002-03-25 (Released:2017-10-27)

データをある関数で記述して最も適したパラメータを決定し,その背後にある意味を理解することはデータ解析の上で重要な部分である。我々は最尤推定法(maximum likelihood method)で最も適したパラメータ(最尤推定値,maximum likelihood estimate)を能率よく決定するための簡便なアルゴリズムを確立した。これはまずn次元パラメータ空間を等分に分割して,各点で尤度関数(likelihood function)を計算して,この値が最も大きくなる点を捜す。次にこの点のパラメータを初期値として,歩幅の大きさと方向を調節しながら尤度関数の傾きの方向に進み,これが最大になる点を効率よく求める。このアルゴリズムによる解法をC言語でコード化してプログラムMLFITを作った。そして実験データと尤度関数を使って最も適したパラメータを推定した。これはパソコンや小型ワークステーションで利用することができる。このプログラムは一般に尤度関数として非線形関数を想定しているので,非線形関数を使った最小二乗法にも応用できる。また保健科学関連のデータ解析にも利用できる。
著者
David Wood Hans Hoffmann
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.712-716, 2006-05-01 (Released:2008-05-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1
著者
小島 透 五味 弘 高橋 順一 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.61-62, 1992-02-24

Common Lisp 第2版では、プリティプリント制御関数をCommon Lisp標準関数として定義することで、第1版で不明確であったプリティプリント機能の仕様を明確にした。またユーザが自由に表示関数を定義できるように拡張が行われた。本稿では、ワークステーションOKIStation7300上に開発した第2版準拠のTachyon Common Lispにおけるプリティプリント機能の実現方法と、第2版の仕様の拡張の提案を行う。
著者
韓 昌完 沼館 知里 呉屋 光 照屋 晴奈
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-20, 2018 (Released:2018-03-15)
参考文献数
34

高等学校以降の教育機関及び就労後の職場において、障害の有無によらず包括的な支援を必要としている人が増加しているにもかかわらず、自立と社会参加を見据えたキャリア形成に関する支援・指導が体系的に行われているとは言い難い状況が先行研究等から明らかとなった。そこで本研究では、高校生から成人までを対象としたキャリア形成のための評価と継続的支援を行うためのツールの開発を目的とした。すでに開発された小中学校版のIN-Child Recordを用いて、沖縄県内キャリア教育事業の実践取組指定校である3校を対象に縦断的なデータ収集を行い、回答の傾向や変化に基づき項目の修正を行った。さらに、データ収集に参加した1校の高等学校において校長を含めた7名の教員を対象に構造化された質問紙を用いて意見調査を行い、さらに具体的な項目の修正を行った。また、先行研究の分析に基づいて領域、項目の修正を行った。これらを通して、パーソナリティとキャリアの2つの分類から構成される合計100項目の尺度の試案を開発し、それぞれの領域の定義を行った。今後は試案に対する内容的妥当性、信頼性・構成概念妥当性の検証が必要である。
著者
岩月 宏泰 由留木 裕子 文野 住文 中村 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに】近年,本邦では医療や福祉の領域でも雇用就業形態や若者を中心とした職業観の変化が急速に進み,理学療法士を確保したい施設や企業のニーズとの間に解離が生じている。このため,理学療法士養成校では各方面との連携を深め,企業などの最新の情報や人材についてのニーズを把握する必要がある。また,在学中の学生に,将来従事する仕事や職場の状況を理解させ,自己の職業適性,職業生活設計について考える機会を与えることが不可欠である。例えば,理学療法士養成校や地域の実情に応じて,就業やボランティアの体験,卒業生との対話など多様な機会を与えることも前述の目的を達成する上で有用と考えられる。これまで理学療法学生が入学時から卒業までにどのような過程を経て就業意識を培うか,入職後の職業生活に対する適応力を高める教育方法に言及した報告は少ない。今回,理学療法学生の職業生活に対する意識について,質問紙調査の結果から学年別特徴を明らかにし,卒業後に社会的・職業的自立が可能となるような教育的方策について検討した。【説明と同意】本研究の対象者には,青森県立保健大学研究倫理委員会の指針に従って,予め調査の趣旨を説明し了承した上で実施した。また,調査票表紙には「調査票は無記名であり,統計的に処理されるため,皆様の回答が明らかにされることはありません」と明記され,集められた調査票は研究者が入力し,入力後はシュレッダーで裁断した。【方法】対象は青森県,北海道及び高知県に所在する理学療法学専攻の大学及び4年制専修学校に在籍する学生のうち,回答した569名(1年生146名,2年生143名,3年生143名及び4年生137名)であった。調査(留め置き法)時期は2011年6~9月と2013年6月の2回であり,調査票は基本属性,職業志向尺度(若林1983,12項目),成人キャリア成熟尺度(坂柳1999,9項目),職業決定尺度(研究者が作成,4項目)ほかで構成されていた。統計学検討はSPSS VER.16.0Jを使用し,各測定尺度の下位尺度別に集計を行い,学年別比較には多重比較検定(Tukey法)を実施した。なお,各々の下位尺度間でPearson相関係数を算出した。【結果と考察】職業志向尺度の下位尺度のうち,「労働条件」と「人間関係」では学年差を認めなかった。しかし,「職務挑戦」については1~3年生が12.5点台であったが,4年生で11.7±2.8点と下位3学年より有意な低値を示した。また,成人キャリア成熟尺度の「関心性」には学年差を認めなかったが,「自律性」と「計画性」で4年生が下位3学年より有意な低値を示した。なお,職業決定尺度では学年差を認めなかったが,4年生における成人キャリア成熟尺度の下位尺度との相関係数は「関心性」0.27,「自律性」0.22及び「計画性」0.45(p<0.05)であった。1~3年生では学年進行に伴い,自己のキャリアに対して積極的な関心を持ち,それに対する取り組み姿勢も自律的と考えられるので,職業観や職業意識を高める啓発活動の継続性が重要と考えられた。一方,成人キャリア成熟尺度の学年別比較では「自律性」と「計画性」について,4年生では下位学年より有意な低値を示し,職業志向尺度の「職務挑戦」でも同様の結果を認めたことから,彼らには職業生活設計に対する積極的な関心が見出されず,社会的・職業的自立するためのレディネスの確立が遅れていることが推察された。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果,4年生が下位学年より「職務挑戦」やキャリア形成で重要な位置を占める「自律性」と「計画性」で消極的な態度を示した事から,長期休暇や入職前に理学療法職場でインターンシップを体験させるなどの機会を与えることで,主体的に選択する職業観や就業意識を育成する必要性が示唆された。

1 0 0 0 OA 日本教育年鑑

著者
郷土教育協会 編
出版者
日本書籍
巻号頁・発行日
vol.1948年版, 1948
著者
太田 康 加我 君孝 小山 悟 桜井 尚夫 小川 恵弘
出版者
医学書院
雑誌
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (ISSN:09143491)
巻号頁・発行日
vol.67, no.13, pp.1132-1134, 1995-12-20

はじめに 顔面神経管裂隙とは側頭骨の顔面神経管にしばしば存在する骨欠損部であり,中耳手術の際の顔面神経麻痺の原因の1つでもあり,中耳炎の顔面神経への炎症の波及路ともいわれている1,2)。成人側頭骨における顔面神経管裂隙の病理組織学的検討の報告はあるが3〜5),新生児あるいは乳児における顔面神経管裂隙についての報告は極めて少ない4)。今回われわれは,帝京大学耳鼻咽喉科学教室の側頭骨病理コレクションの新生児側頭骨5例8耳の顔面神経管裂隙の出現頻度とその部位について検討したので,ここに報告する。