著者
我孫子 和雄
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.49-52, 1978-03-31 (Released:2012-10-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1

トマトうどんこ病の発病に及ぼす温度ならびに湿度の影響について実験を行ない, 次の結果を得た.1) 分生胞子は10-30℃の間で発芽し, 35℃では発芽しなかった. 最適温度は20℃前後であった. また, 分生胞子は湿度45-100%の範囲で発芽し, 発芽率および発芽管長とも湿度の高低との間に顕著な差異は認められなかった.2) 分生胞子の形成は10-35℃の間で起こり, 最適温度は15℃前後であった. 28℃以上では分生胞子の形成量はきわめて少なかった.3) 発病は15-26℃の間で認められ, 10℃以下および28℃以上では発病しなかった. 発病の最適温度は23℃前後であった. 湿度との関係では, 発病は45-100%の範囲で認められた. 発病に好適な湿度条件は85-95%と考えられ, また湿度100%では発病が抑制された.
著者
星野 三喜夫
出版者
新潟産業大学東アジア経済文化研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.40, pp.35-60, 2012-07

かつてアジア太平洋の経済協力フォーラムのAPECを立ち上げ、以降、アジア太平洋のリーダーを自負している日本が、この地域の経済秩序のルール作りに加わらないという選択肢はあり得ない。日本のTPP参加は、現在の日本の閉塞状況を打破し、経済再生を図る好機であり、できるだけ早く行うべきである。レベルが高く包括的な自由貿易協定のTPPへの参加は、投資分野における紛争解決手続きであるISDS条項や日本の農業問題もあり、確かにチャレンジであるが、日本は長期的な視点で将来を展望しTPPに参加して、そのメリットを享受すべきである。参加交渉やルール作りのプロセスでは他の参加国とのシビアな交渉が待ち受けているであろう。そのためには、TPPの正しい理解と正確な情報の下に、日本はその立ち位置を定め、TPP参加の意義やメリット・デメリット、守るべき点・譲っていい点、もたらされる影響等を整理し、それを国民に丁寧に説明した上で国内での意思を強固にして、確固不抜の戦略を立ててしっかりとした戦術で関係国との交渉に臨み、日本を有利に導くことが望まれる。
著者
平田 修 竹下 満 荒牧 健一 尾上 敏博 岩本 英明
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.482-485, 1996-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

We experienced a case of a 34 year-old man who ruptured his pectoralis major due to bench press exercise. Operation was performed three months after injury resulting in satisfactory functional repair but the patient was not satisfied with the cosmetic. Rupture of the pectoralis major is a rare illness with only about 100 reports found so far. In many of these reports, surgery achieved good results for complete rupture cases.However, there were fewer reports on old cases, but many of those available showed that the operation achieved good functional results, but there were not so many good cosmetic results.
著者
武田 守弘
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.125_2-125_2, 2016

<p> テニスの練習場面では、技術向上のために数多くボールを実打し、そして拾う。ボール拾いを素早く行えば、その時間を有効に活用できる。しかし実際の練習風景を見ていると、選手は複数でボールを拾う際には、それだけの人数がいるにもかかわらず余計に時間を費やしているように感じる。つまり集団での作業時が1人での作業時と比べて個人の努力量を低下させてしまう傾向とされる社会的手抜き行為が生じているように感じる。そこで、テニスの練習中のボール拾い行為に、社会的手抜き行為が生起しているか確認すること、合わせて手抜き行為を率先して行う者を加えた場合の影響を、被験者個別の努力量と個性をもとに検討することを本研究の目的とした。大学テニス部員6名を被験者とし、実打終了後ボールを拾ってカゴに入れるという課題を行わせた。1人、2人、3人、6人と順に人数を増やし、その際の個人が拾った数と所要時間を計測した。結果から、人数の増加に伴いボール拾いの所要時間は徐々に増加し、社会的手抜きが確認された。また、手抜き行為を率先して行う者を加えた場合では、所要時間はさらに増加し、社会的手抜きがより生起されることが確認された。</p>
著者
西川 正一郎 平 勝秀 松田 洋平 藤井 隆文 朽木 友佳子 西廼 健 南口 真 下代 真也 今村 裕之 池内 裕貴子 新立 勇一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】急性期の臨床現場におけるリスク管理は,卒後教育の中でも知識や経験と現場判断が問われるスキルである。我々は,第50回日本理学療法学術大会において,臨床現場における現場対応の教育について「当院理学療法訓練室における急変時対応のシミュレーション訓練の試行」を発表した。今回,続報として新たなシミュレーション教育の結果を得たので,考察を加えて報告する。【方法】当院理学療法課スタッフ57名に対して,昨年同様の緊急時対応に関するアンケート調査とシミュレーション練習(シナリオを3パターン用意し,患者役,セラピスト役に振り分け急変対応手順を行う)に加え,新たなシミュレーション練習を追加した。昨年は,急変対応を行う前提の状況下で訓練を行ったが,今回はスタッフへ事前連絡を行わず当課会議中に1人のスタッフが急変する設定(以下,突発的な状況下)で行った。評価は周辺スタッフに応援を呼ぶまでの時間,Drハート(救急対応応援要請の全館放送の隠語)要請までの時間,搬送用意までの時間を計測した。【結果】アンケート結果に昨年と大きな変化は見られず,シミュレーション練習や急変対応に関する知識向上の勉強会などを行っても,臨床現場では常に急変時に対する不安は強い結果であった。突発的な状況下におけるシミュレーション練習では,異常に気付くまでに22秒であったが,その後は応援要請まで1分20秒,搬送用意まで3分を要した。昨年と同様のシミュレーション練習では応援要請は3パターンとも2秒以内に行い,応援に駆け付けたスタッフがバイタルやストレッチャーの用意など的確に行うことが出来ていた。練習風景は動画にて撮影し,後日参加スタッフにフィートバックと対応行動に関する意見交換と室内における物品や施設設備のレイアウトを再考した。【結論】当院では昨年よりシミュレーション練習を行い,臨床の場における急変場面が実施から1年で3度遭遇したが,当該スタッフは異常に気付いた時点で周りに応援を呼ぶ行動が行え,スタッフ全体も協力する体制や配慮が行える環境であった。シミュレーション練習ではアクシデントに遭遇しなかったスタッフもいたが,教育心理においてはモデリングが有効であり類似した事象に対する,模倣,同一視,内在化,環境学習などが習得となる。今回の突発的な状況下の練習結果は,昨年行われた練習を観察学習した者と直接経験した者の両者とも,経験における選択的強化による学習成果が得られていると考えられる。平成27年10月より施行されている医療事故調査制度では,診療の記録や実施内容の調査報告が必要であり,急変時のバイタルや意識レベルなど医学的状況の把握の正確性が求められる。我々理学療法士のリスク管理に対する知識と経験は社会的責任であり,今回の研究,研修内容は今後の理学療法教育に必要な知識であると考えられる。
著者
有沢永貞 著
出版者
巻号頁・発行日
vol.[5], 1821
著者
小川 久貴子 安達 久美子 恵美須 文枝
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1_17-1_29, 2007 (Released:2008-07-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1

目 的 本研究は,10代女性が妊娠を継続するに至った体験がどのような意味をもっていたのかを探求し,その特徴を明らかにすることである。対象と方法 研究協力の承諾が得られた10代で妊娠した女性8名を対象に,半構成的面接を3~4回(1.妊娠30週以降,2.産褥入院中,3.産後1ヶ月)行った。得られたデータの逐語録を,現象学的研究方法を参考にして質的記述的に分析した。結 果 10代女性が妊娠を継続するに至った体験は,Aは「苦労した生い立ちからの早期脱却と,結婚出来なくても母親になりたいという強い願望」,Bは「過去の中絶の後悔から今回は産むという決意の元,両親の祝福も受けた価値ある妊娠」,Cは「出会い系(IT)で知り合った相手との予定外妊娠に対する困惑と共に,実父の承認を得るための学業への前向きな取り組み」,Dは「過去の中絶の後悔から,今回は義母の猛反対や経済的に困難な状況下でも産むという決意」,Eは「彼の家族との繋がりにより新しい家庭を築く喜びと共に,医療者による中絶や母親役割を前提にした関わりへ反発」,Fは「予定外の妊娠による心身の辛さと共に,合格大学を退学したくないため学業との両立を決意」,Gは「困惑した予定外妊娠にもかかわらず周囲の後押しがあり,友人から疎外された中でも新しい家庭へ希望を抱く」,Hは「過去の中絶の後悔から,猛反対の両家を説得する決意と共に,妊娠や母になるための準備に価値を見出す」であった。また,妊娠継続に至る体験の特徴では『中絶体験の後悔』,『新しい家庭を築く憧れ』,『周囲の受け入れ』,『自分の意志を貫く強さ』,『医療従事者の否定的対応』の5点が明らかになった。結 論 予定外妊娠が多い10代女性は妊娠を継続させるために,学業の両立や家族関係の調整など多面的な体験を多くしており,それぞれに固有の意味が存在していた。また,8例の体験の特徴として,5つの事項を取り出すことが出来た。
著者
今川 真治
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.66, pp.213-222, 2017

The purpose of this study is to analyze the effect of communication between university students and their parents concerning relationships and marriage on their future view of marriage. The subjects were 189 university students (82 males and 107 females), and 12 were from single-parent households.Male students showed stronger traditional marriage views than female students. Both male and female students emphasized that the "personality" of their future mate was important, as was "value alignment" between themselves and that person. Only male students valued the "appearance" of their future partner, while female students valued other features such as their partner's "jobs", "educational background", "economic power", "having experienced living alone", "compatibility with her parents", and "her compatibility with her partner's family". There is a qualitative difference between male and female students in communication with the opposite-sex parent and a quantitative difference in communication with the same-sex parent. Male students equate themselves with their fathers, and the marriage view of the fathers had an effect on students' views of marriage. Regarding the relationship between the university students and their parents on their view of marriage, male students' marriage perspectives are directly influenced by communication with both their fathers and mothers, while female students' views of marriage are not only affected by the communication itself but by the relationship between the parents.本論文は,平成28年度広島大学教育学部卒業生湯池華子の卒業研究の収集データをもとに作成したものである。
著者
竹内啓
雑誌
数理科学
巻号頁・発行日
vol.153, pp.12-18, 1976
被引用文献数
4
著者
水野 勲
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

福島第一原発という名前が、もしも別の名前(たとえば、双葉大熊原発)であったなら、福島県の農産物の風評被害を避けられたのに、というコメントを、発表者は福島県での調査の際に何度か聞いた。そもそも風評被害とは何であり、それは地名とどのように関わるのだろうか。 地名は単に、特定の土地に付けた名前であるだけではなく、集合や関係についての論理階型(logical type)の問題を含む。そこで発表者は、集合論のアプローチにより、原発事故後に「福島」という地名が、さまざまな地理的スケールで、どのような区別と「空間の政治」を含んでいたかを考察したい。<br>2011年3月の福島第一原発事故の前には、「福島」は福島県か福島市としか関係がなかった。しかし、原発事故後、県と市と事故原発が同じ名前をもった、自己言及性の集合関係におかれた。このため、「I love you & I need you ふくしま」という応援ソングが、原発事故から1ヵ月後に猪苗代湖ズ(福島県出身のミュージシャンの即席グループ)によって歌われたのである。ここで福島県という行政領域が、原発事故をめぐる言説の特権的な地理的スケールになったことに注目したい。福島ナンバーの自動車、福島県産の農産物、福島県出身者が、何のコミュニケーションもなく区別されたからである。これは、放射能汚染地=福島県という単純化(区別)を行うことにより、さまざまな空間政治的な効果をもった。東京オリンピックの招致では、福島は東京から遠いという言説が用いられたのは、その区別の一例であろう。 しかし、別の地理的スケールによって、問題の地平を提示することができる。福島県内のスケールでは、福島第一原発の事故によって避難を余儀なくされている「警戒区域(後に避難準備区域)」、あるいは原発事故によって避難している住民および役場の場所を、「福島」と呼ぶこともできる。また広域ブロックのスケールでは、放射線管理区域の指標である年間1mシーベルトの空間放射線量の地域(東北、関東の一部)あるいは福島第一原発から電力を供給されていた関東地方を、「福島」と呼ぶことができる。そして、国家スケールでは、福島から自主避難している住民の居住地(全国都道府県に分散)あるいは全国の原発施設のある地域を、「福島」と呼んでもいいのではないか。さらに、グローバルスケールでは、諸外国が日本からの農産物輸入を禁じている都道府県(東日本に広がる)あるいは原発事故の放射性物質が大量に撒き散らされた太平洋地域を、「福島」と呼ぶべきではないか。「福島」という地名を、県という地理的スケールに閉じ込めて議論することは、きわめて恣意的な「空間の政治」であると考える。
出版者
京都
雑誌
総合文化研究所紀要 = Bulletin of Institute for Interdisciplinary Studies of Culture Doshisha Women’s College of Liberal Arts (ISSN:09100105)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-15, 2016-07-15

In August 1925, Yokomitsu Riichi (1898-1947), who had been hailed as the leader of the Neo-Sensualist movement, published the short story ‘Machi no Soko’, in the magazine ‘Bungei Jidai’. This work appeared at a time when, as the critic Hirano Ken has pointed out, the Japanese world of letters was dominated by the sanpa teiritsu, i.e., the three-cornered contest between the already established realistic literature, the proletarian literature, and the new novel of the 20th century. This paper aims to show that ‘Machi no Soko’ has features that challenge both realistic and proletarian literature, while bringing to the fore its modernist characteristics.

1 0 0 0 OA 死及死後

著者
エドウヰン・アーノルド 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1892
著者
皆木 和義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.260, pp.122-125, 2006-05

(それにしても、伊藤はんも粘り強いな。朝も早うから。もう何回来はったかいな……) 松下電気の主要な取引銀行は当時「六大銀行」と言われた一つ、川崎財閥系の十五銀行だった。山本が十五銀行一行としか取引しなかったので、幸之助も自おのずと深い付き合いになっていた。