著者
近藤弘隆 鈴木優 石川佳治
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.527-528, 2014-03-11

Wikipediaには通常の記事に付随する「ノートページ」と呼ばれるページが存在し,議論や会話のために用いられる.記事が論争に発展しやすい話題である場合,ノートページでの議論が長くなる場合があり、ページのどこに議論の要点が存在するのかを把握するのが困難である.そこで本研究では編集者の発言の主ページへの反映度合いを重要度とし,それを算出する手法を提案する.どの発言者が重要であるのか,議論のどこに要点が存在するのかを重要度に基づいて利用者に提示することで,利用者がノートページを読み理解する際の負担を軽減することが期待できる.
著者
砂川 和範
出版者
Business History Society of Japan
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.1-27, 1997
被引用文献数
1 2

The purpose of this article is to analyze the business development and entrepreuriship of Japanese computer game companies such as SEGA, Namco, and Nintendo.<BR>Until the 1970's, these firms were all once small manufactures of amusement machines or toys. How did such relatively small firms in the urban area grow up to be the profitable corporations we see today?<BR>The first step is to analyze how they have been as the leading companies in the fragmented computer game market which has been characterized by frequent changes with increasing speed since the formative years of the industry. Nintendo, the first mover, created its business system based on the strategy of outsourcing in software production and quasi-integration of distributors as "Shoshinkai". SEGA and Namco tried to attack Nintendo's system using the strategy of building internal software development capabilities, which generated software production organizations which are, in using Michael Cusumano's terminology, 'software factories'.<BR>The second step is to analyze the mechanism of the 'software factory' as in the case study of 'AM 2 ken' (the 2nd R & D division of arcade machines) of SEGA. Its origin is intrafirm venture business in the crisis era of the arcade game market in 1985. AM 2 ken has been developing and driving SEGA's innovation since then. Its software production is done by small cross functional teams, and its advantage is based on the communication 'on the shop floor', where old business resources and new technologies are combined. It enabled gestalt change from 'waterfall' model to 'revise' model in grasping the process flow of software production.<BR>The study shows that small manufacturers in the urban area pzoneeringly introduced basic hardware technology from US in 70's and created the new market by developing and concentrating on the innovation of software and contents. In this way, relatively small firms could grow by bypassing the demerit of economy of scale. Here is the logic of 'small is storong'.
著者
福田 アジオ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.195-227, 1992-03-31

本稿は、今回の研究計画の定点調査地の一つである静岡県沼津市大平において継続的な調査を行なってきた結果の報告である。個別地域の個性は、自らの地域の歴史認識によって大きく支えられ、あるいは形成されるものと予想しつつ、調査を行なった。人々の自分たちの社会に対する認識が歴史を作り出すと言ってもよいであろう。史実としての歴史だけでなく、意識される歴史、あるいは時には作り出される架空の歴史的世界も含めて、民俗的歴史世界を文字資料と現実の民俗事象の双方から追いかけることを意図した。幸いにして大平には前者の問題を究明するに適う年代記という興味深い人々の作り出した歴史書がある。大平を対象村落としたのも、この年代記が存在したからである。調査はこれを基点にして、その内容と現実の豊富な民俗との関わりを考察することに主眼を置いた。なお、大平の民俗については、本調査とほぼ同じ時期に並行して別の調査が実施され、民俗誌の形式での調査報告書が刊行されている(静岡県史民俗調査報告書『大平の民俗』)。本稿では、それとの重複をできるだけ避けて、大平の民俗的な特質を把握すべく内容を絞ったので、大平の具体的な民俗については網羅的には記述していない。大平の民俗的特質は以下のように理解することが可能であろう。大平の開発過程とその後の狩野川との戦いの連続が、大平の現在まで伝承されてきた民俗を作り出したと言えよう。道祖神祭祀自体は駿東から伊豆に大きく展開しているものであり、大平もその分布地域内の一村落に過ぎない。また道切り行事も全国的に行なわれているもので珍しいものではないし、大平のように札を笹竹に挟んで立てることもごく一般的な姿である。しかし、その道祖神祭祀や道切り行事を夏に重点を置いて行なっているのは必ずしも一般例とは言えない。大平が開発形成過程で背負った条件がこのような特色ある領域をめぐる民俗を作り出し、維持させてきたものと理解できる。そして、その歴史の重みが現在なお近隣の諸村落では見ることのないほどの熱心さでこの二つの民俗を保持しているのであろう。
著者
堀内 茂木 上村 彩 中村 洋光 山本 俊六 呉 長江
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.399-406, 2007

緊急地震速報は,大きな揺れが到着する前に,震源とマグニチュードを配信し,地震災害の軽減を目指すものである。我々は,緊急地震速報を実用化させることを目的として,防災科学技術研究所のHi-net他約800点のリアルタイム地震観測データを利用して,P波が観測されてから数秒間で信頼性の高い震源を決定するシステムの開発を行った。このシステムは,P波到着時刻の他に,P波が到着してないという情報を不等式で表すことにより震源決定を行っている。この手法の利点は,到着時刻データの中にノイズや別の地震のデータが混入した場合,残差の小さい解が存在しなくなり,ノイズ等の混入を自動的に検出できる点である。本研究では,ノイズ等のデータが混入した場合,それを自動的に除去するアルゴリズムを開発した。また,2個の地震が同時に発生する場合の解析手法を開発した。その結果,99%の地震について,ほぼ正確な情報が即時的に決定できるようになった。このシステムは,気象庁にインストールされ,緊急地震速報配信の一部に利用されている。現在の緊急地震速報には,約30km以内の直下型地震に対応できない,震度推定の精度が低いという課題があるが,地震計を組み込んだ緊急地震速報受信装置(ホームサイスモメータ)が普及すると,これらの課題が一挙に解決されると思われる。<br>
著者
吉田 里緒 佐藤 瑶子 飯島 久美子 辻 ひろみ 香西 みどり
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.53, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】スチームコンベクションオーブン(以下、スチコン)は、大量調理施設等で広く利用され、ゆでる、蒸す等の調理も可能である。加熱時には温度、時間、蒸気量の設定が必要であるが、これらを考慮した根菜類の加熱時間の設定に関する報告は見られない。そこで本研究では、スチコンでジャガイモを蒸し又はゆで加熱する際の中心温度及び硬さの予測から試料が適度な硬さになるまでの最適加熱時間を算出し、実験により検証した。【方法】スチコン(tanico,TSC-10GB)を用いて、設定温度100℃、設定蒸気量100%で試料を加熱した。試料は2cm角ジャガイモとし、加熱中の庫内温度、水温、試料中心温度を測定した。蒸し加熱は穴あきホテルパンを使用し、ゆで加熱はホテルパンに水と試料を合計3kg(重量比1:1)入れた。蒸し加熱では庫内温度、ゆで加熱では水温に基づき、試料中心温度及び硬さの変化をプログラム計算により予測し、適度な硬さになるまでの最適加熱時間を算出した。実際に試料を加熱し、硬さの測定(テクスチャーアナライザー)及び官能評価(5段階評点法)を行った。【結果】スチコンでの蒸し及びゆで加熱中の試料中心温度の実測値は予測値と概ね一致した。2cm角ジャガイモの最適加熱時間は、蒸し加熱で10.2分だった。ゆで加熱は16.2分であり、その内訳は水温上昇11.4分、沸騰継続4.8分だった。実際に加熱した試料は官能評価によりいずれも適度な硬さと評価された。ゆで加熱では、ホテルパンの枚数が多くなるほど水温上昇が緩慢になり、水温が99℃になるまでの時間はホテルパンの枚数と直線関係が認められた。そのため、最適加熱時間もホテルパンの枚数が増えるほど長くなり、ホテルパンを10枚使用したときは1枚使用したときよりも加熱時間を9.2分延長する必要があった。
著者
濱 翔平 平井 諒 高橋 城志 山田 浩貴 尾形 哲也 菅野 重樹 金 天海
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.367-368, 2016-03-10

力学系学習木により効率的な動作学習法を確立することを目的として,力学系学習木の持つ階層性を活用した入力ベクトル決定法を提案する.実験では,力学系学習木に柔軟ロボットアームの軌道学習をさせる際に,手先座標に対する影響度の大きさを考慮して入力ベクトルを構成することで,影響度を考慮しない学習法よりも高速に学習できることが分かった.
著者
橋本 順光
出版者
帝京平成大学
雑誌
帝京平成大学紀要 (ISSN:13415182)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-26, 1999-06-30

デフォーの『コンソリデイター』(1705)よ従来, 三つの観点から研究されてきた。第一に, 月世界旅行記に仮託した政治パンフレットとみなす解釈。第二に, 古代と現代とのどちらの学芸が優れているかをめぐる当時の新旧論争に注目し現代派を擁護したとする解釈。第三に, 作中の中国の記述を取り上げ, 同時代の中国崇拝を風刺しだとする解釈。本稿は, 論じられることの少なかった新旧論争における中国評価に注目することで, これら三解釈を統合しようとする試みである。古代派の代表テンプルは中国を文明の起源と考え, その政治体制と高度な学芸を賛美した。それに対して現代派ウォットンは, ギリシアを近代ヨーロッパ科学の起源とし中国を停滞した専制国家と批判した。それを踏まえて, 『コンソリデイター』では, 学芸の起源を求めてヨーロッパから中国そして月世界へと旅し最後にはその月世界もヨーロッパに出来していたという円環が描かれる。ここでは, 現代派に基づいて中国崇拝を批判しつつも, 起源をめぐる新旧論争自体が風刺されているのである。
著者
猪狩 良介 星野 崇宏
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.43-67, 2012 (Released:2013-07-30)
参考文献数
26

本研究では,非集計レベルのWebアクセスデータを用い,サイト属性と個人の異質性を考慮した複数サイトの普及モデルを提案する。提案モデルは非集計レベルのデータを用いることで個人の異質性を考慮し,複数サイトを扱うことで,どのような属性を持つサイトがどういった普及パターンを辿るのか把握することができるため,企業のHP作成や新しいWebサービスを展開する際に有効なモデルになると考えられる。具体的には,消費者異質性に対し潜在クラスを,サイト間の異質性に対し階層モデルを用いた離散型のハザードモデルによって複数サイトに対する個人の閲覧開始時期をモデリングする。提案モデルの有用性を示すために,株式会社ビデオリサーチインタラクティブ社の『インターネット視聴データ』 を利用した解析を行ったところ,潜在クラスによる採用時期や,時間による採用傾向の変化が異なることが確認された。
著者
阿部 誠
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-9, 2015 (Released:2015-08-15)
参考文献数
19

近年,社会心理学,消費者行動学で展開されている解釈レベル理論(阿部 2009, Trope et al. 2007)は,消費者行動学の研究にも広がりつつある(Hamilton and Thompson 2007, Kim et al. 2008)。マーケティング・リサーチの手法に応用した本誌の竹内・星野(2015)のように,今後は実務のマーケティングでも重要な役割を果たすと考えられる。解釈レベル理論の適用を促進する上で,特にマーケティング・サイエンスの観点から有用な拡張が理論のモデル化であろう。プロスペクト理論における価値関数や確率加重関数のように,モデルを用いることは消費者行動分析のフレームワークとして大変,有益である。ここではモデル化の一つの試みとして,割引解釈レベルモデル(阿部ら 2015)を紹介する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1099, pp.32-34, 2013-01-07

フランスの小説家であるジュール・ベルヌ(Jules Verne)が、SF小説「月世界旅行」で宇宙旅行を描いたのが1865年。小説の主人公は巨大な大砲によって発射される砲弾型の宇宙船に乗って月面近くまで到達した。それから約100年後の1961年、旧ソビエト連邦のYuri Gagarin氏が宇宙からの帰還を果たし、有人宇宙飛行の時代は幕を開けた。
著者
本間 精一 近岡 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.730, pp.124-126, 2015-07

ほんま・せいいち:1963年、東京農工大学工業化学科卒業、三菱ガス化学(当時 三菱江戸川化学)入社。ポリカーボネート樹脂の応用研究や技術サービスなどを担当する。1989年、プラスチックセンターを設立し、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性PPE(ポリフ…
著者
Steffen Mickenautsch
出版者
日本大学歯学部
雑誌
Journal of Oral Science (ISSN:13434934)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.263-272, 2017 (Released:2017-06-22)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Fissure sealant retention is traditionally considered as a proxy measure for caries prevention. This study investigated the logic behind this proposition, and its validity. A logical framework of the proposition was established. The mechanism of caries development was transferred into a Directed acyclic graph, and this was used to investigate the logical framework. The sensitivity and specificity of full sealant retention in the prediction of dental carious lesion development and the number of false positive/false negative prediction rates were computed. The sensitivity/specificity was statistically compared to that of random values. A contradiction in the logical framework was identified. The mean sensitivity/specificity was 37.9% (SD = 27.8%) and 67.6% (SD = 28.4%), respectively. When these values were compared against random values (30.5%, SD = 25.7% and 58.7%, SD = 31.6%), a non-significant sensitivity (P = 0.06) and a borderline higher specificity (P = 0.04) were observed. The overall false prediction rate was 33.7%, with 16.9% and 16.8% false negative and false positive predictions, respectively. The sensitivity/specificity was too low and the false prediction rate was too high to consider retention a valid proxy for caries prevention. The logic behind the investigated proposition is flawed, contradicted by the current empirical evidence, and thus invalid.
著者
山口 初代 大湾 明美 佐久川 政吉 田場 由紀 榮口 咲 大川 嶺子 糸数 仁美 坂東 瑠美 前泊 博美 Yamaguchi Hatsuyo Ohwan Akemi Sakugawa Masayoshi Taba Yuki Eiguchi Saki Okawa Mineko Itokazu Hitomi Bando Rumi Maedomari Hiromi 沖縄県立看護大学 いけま福祉支援センター
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.15, pp.43-51, 2014-03

[目的]男性高齢者の新たな介護予防の支援方法を見出すために、A島の民泊事業に参加している男性高齢者の当事者の誇りから"生きがい就労"の実態とニーズを把握することである。[方法]研究協力者は、A島の民泊事業に参加している男性高齢者4名である。方法は、民泊事業の就労内容と就労のニーズの語りから、キーセンテンスを抽出し、辻らの生きがい就労のコンセプトである[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、[現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、 [高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]に照らして帰納的に分析した。[結果]生きがい就労の実態は、辻らの生きがい就労のコンセプト[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、 [現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、[高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]を包含し、[共生の理解に貢献する]の新たなコンセプトが導かれた。生きがい就労のニーズは、民泊事業を《島の産業として組織的に取り組みたい》、《食事サービスの質を向上させたい》、《老い(身体機能)に合わせて民泊がしたい》であった。[結論]A島の民泊事業は、男性高齢者の生きがい就労につながっていた。生きがい就労のコンセプトに[共生の理解に貢献する]が加わっていた。男性高齢者は、地域の課題解決の主役としての役割が発揮できる存在であることを示唆していた。介護予防のために生きがい就労を推進するという新たな介護予防の支援方法が必要であると考えた。