著者
ガストン・ルルウ 著
出版者
金剛社
巻号頁・発行日
1921
著者
江本 紫織
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.110-129, 2016-07-25 (Released:2016-08-19)
参考文献数
20

【要旨】 これまで写真は、コンテクストやプロセスに対して受動的な位置付けを与えられてきた。その要因となってきたのは、撮影・呈示におけるコード化、観賞でのコンテクストによる意味の規定である。しかし誰もが写真の撮影者・呈示者・観者になり、それぞれの段階に能動的に関与する現在の状況は、従来の議論のみでは説明できない。そこで本論文は写真とコンテクスト、撮影から観賞までの写真プロセスの関係を改めて検討した。詳細な分析を行うために、コンテクストを作用の点で「直接的コンテクスト」(キャプション、呈示媒体など)と「間接的コンテクスト」(文化的・社会的背景、写真技術など)の二つに類型化した上で、コンテクスト・写真プロセス・撮影者や観者の作用関係とその変化を考察した結果は以下の通りである。第一に、従来観賞にのみ作用すると思われた直接的コンテクストは、撮影時にも意識されることが明らかとなった。第二に、デジタル化による写真プロセスと直接的コンテクストの変化は、加工・修正への関与を容易にしただけでなく、直接的コンテクストの変更や、呈示された写真の自由なグループ化など、観者による呈示への能動的な関与も可能にした。そして最後に、これらの写真とコンテクストは次々に増え、蓄積され、新たな写真や写真行為に作用する「一時的コンテクスト」として作用することが示された。以上のように写真とコンテクスト、写真プロセスは有機的な関係性を結ぶものであり、現在の写真は開かれた構造を持つ能動的なプロセスと見なすことができる。このように写真をイメージではなくプロセスと捉えることは、従来の議論の有効性を担保しつつ、現在の写真状況を踏まえた理論の発展につながるはずである。
著者
田中 正敏 徳留 省悟 大中 忠勝 藤井 幸雄
出版者
Japanese Society of Biometeorology
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.119-127, 1988

東京都監察医務院の記録による1978年より1982年までの5年間の凍死症例は83件であり, 検案数に対する割合は平均0.29%である.40, 50歳代の男子が多く, 浮浪者なども含め無職ないし職業不詳の場合が男子全体の80%以上を示している.<BR>発生は1, 2, 12月の3か月で全体の80%近くを占めている.ほとんどの症例は気温11℃以下において発生し, 屋外では気温0~5℃での発生が多い.酩酊状態の場合には, 屋外で気温15~19℃といった場合にも発生がみられる.症例の75%は屋外における発生であり, わけても酩酊し路上での発生が多い.<BR>剖検時の血中アルコール濃度は1.5~2.4mg/m<I>l</I>の中等度酩酊が多いが, 40, 50歳代では2.5mg/m<I>l</I>以上の強度酩酊の場合が多い.剖検時の臓器所見としてアルコールによるとみられる肝障害も多くみられた.ローレル指数も一般に小さく, 栄養状態の劣っている者が多く, 都市型低体温症の場合には低栄養とむすびつきやすい.
著者
伊藤 渉
出版者
東洋大学
雑誌
東洋法学 (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.67-92, 2009-07-01
著者
西村 馨
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.47-55, 2015-03-31

「すっきりする」という日常語は,カウンセリング・心理療法の現場でしばしば用いられる興味深い語である。本研究では,「すっきり」とそれに関連する日常語が表す体験感覚の考察を通して,背後に仮定されている心の働きを明らかにすることを目指した。その働きを理解する上で重要なキーワードとして,「整理する」という語に注目し,日本語特有の心の調整方法について論じた。身体-心-状況が混然一体となった感覚の中で,思いの流れが順調であることを健康と感じる一方,その流れを妨げる状況に対しては,自己回復力を待ちつつ,積極的に働きかける動きが生じることが浮き彫りになった。精神分析理論との異同についても論じ,体験を統合する過程に注目した,身体感覚に根差した心の働きのモデルの可能性を示唆した。The everyday Japanese expression sukkiri-suru (feeling refreshed) is an engaging concept that can often be found in counseling or psychotherapeutic situations. This study aims to reveal some implicit psychological functions behind the word’s meanings by examining the experiential senses that sukkiri and its related, everyday words refer to. To understand those functions, seiri-suru (clearing and ordering) is discussed as an important keyword, and vehicle regulating the mind particularly notable in the lexico-grammar of the Japanese language. Health is experienced in the flow of feelings moving smoothly in a harmonious combination of body, mind, and situation. When anything disturbs the flow, active engagement to recover it is invoked while the potential to self-recovery is awaited. The uniqueness of this model,different from that of psychoanalytic theory is discussed. Furthermore, the potential for this bodily-senses model which focuses on the process toward the integration of experience is suggested.
著者
北田 隆
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.104-112, 1974-02-15 (Released:2009-10-16)
参考文献数
3

スポンジゴムのセル構造に, その規則性を仮定することにより, その物理的な挙動の推察を試みた.また仮定したモデルのパラメータを実験によって推定し, スポンジの構造的な要素を知ろうと試みた.まず, そのモデルとしてスポンジのセルを球と考えたが, 実際の計算上ではそれを更に18面体とした.このモデルにおいて, 18面体の中央部に考えた正方形板6枚に, 圧縮荷重が作用した場合, 力方向に平行であるこの正方形板を圧縮すると, 板は四辺を横ぶれすることなく, 力方向にたわんで中央鶴が前後に曲って出てくる.この場合, 力方向に対し板の射影変位が生じる。このような仮定から正方形板の曲げは, 四辺単純支持による薄板の圧縮曲げに関する微分方程式を適用し, これを解いて応力を求めた.そして18面体の要素を採りいれた圧縮応力式を算出した.セル膜厚み等が均一なスポンジでは, 小変位のうちに座屈応力に達してしまうが, 現実のスポンジでは膜厚などの分布が広く存在しており, 弱い膜から座屈していき応力の軌跡が描かれる.
著者
矢野 育子 井関 健 東海林 徹 青山 隆夫 木津 純子 中村 均 藤井 俊志 渡邊 美智留 野田 幸裕 脇屋 義文 森田 邦彦 手嶋 大輔 二神 幸次郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.43-49, 2009 (Released:2010-02-07)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

With the introduction of 6-year pharmacy educational program in 2006,a provision was made to assign pharmacist faculties having working experience as pharmacists in pharmacy schools.In October 2007,we conducted a survey to investigate the situation of pharmacist faculties.We sent a questionnaire to 247 pharmacist faculties in 66 pharmacy schools and the response rate was 84.9%.The faculties consisted of professors (43%),associate professors (23%) and lecturers (23%),and 77% of them had a Ph.D.degree.In a typical week,the major activities they engaged in were educational activities (20.6 hrs),research (12.2 hrs) and management (9.6 hrs).While the average time they were occupied by clinical practice was 3.5 hrs,67% of them did not do any.Half of the faculties did not conduct any research with students or graduate students in their own schools,and in 2007 only 55% applied for Grant-in-aid for Scientific Research from the Ministry of Education,Culture,Sports,Science and Technology of Japan.Twenty-six percent said they were very satisfied or satisfied with their work on a five-point scale,and 44% rated their degree of satisfaction as fair.In conclusion,our survey showed that most pharmacy faculties are not sufficiently engaged in clinical practice and do not spend much time in clinical research.We hope that its results will promote discussions among pharmacy personnel concerning the role of pharmacist faculties so that even better clinical pharmacy education may be provided to students in pharmacy schools.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.53, pp.152-155, 1999-12

シルバーアクセサリーの専門店「Bali Hai Silver」は、27歳の中村知広氏が独力で作り上げた電子商店だ。品ぞろえの豊富さと商品提示の巧みさで、初心者を中心に顧客を引きつけている。 「個人でECをやっている方には、年輩の方が多いためか『画面表示が速いのが一番、デザインは後回しでいい』といった傾向があるように見える。それも一理あるが、それだけでは不十分だと思う。
著者
堀井 直子 三浦 清世美 久米 香 横手 直美 中山 奈津紀 青石 恵子 田中 結花子 山口 直己 足立 はるゑ
出版者
中部大学
雑誌
中部大学生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-20, 2008-03
被引用文献数
1

目的 看護大学生の学習ニーズを反映させた教育方法を検討するために、入学時に学生が保健看護学科を選択した動機を明らかにする。方法 予備調査として、2006年5月に保健看護学科2006年度入学生81名を対象に、学科志望動機に関する記述を求め内容の分析をした。次いで本調査を2007年7月〜9月に保健看護学科2006年度入学生80名および2007年度入学生124名を対象に、予備調査の結果をもとに作成した学科志望動機質問紙(無記名自記式)を用い、集合調査を行った。結果 入学生の志望動機は、2006、2007年度ともに、「社会に出てから人のために役立つ仕事がしたい」「看護師・保健師の国家試験受験資格が得られることに魅力を感じた」「身近な人を助けたい」が全体の83〜92%の割合を占め上位であった。また「人とコミュニケーションをとることが好き」「人の世話が好き」なども約70%の学生が挙げており、看護を目指す学生は、人と関わることが好きで、看護職を、資格の取れる、人のためになる仕事であると認識して志望していると言える。また入学時と現在の「看護を学びたい思いの強さ」は、2006年度生は入学時"強い"45.6%が現在21.5%へ減少した。2007年度入学生は入学時"強い"43.4%から現在54.9%に増加していた。入学時の志望動機を大切にし、学習意欲の向上と職業的責任の自覚を強化していくための教育方法の工夫が必要であることが示唆された。