著者
井上 雅夫 藤原 真 小野山 勝 後藤 豊
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.42-54, 1987 (Released:2007-05-01)

This paper reports a Fourier transform ion cyclotron resonance (FT-ICR) mass spectrometer built in this laboratory. The spectrometer consists of a 5 Tesla superconducting magnet, a cylindrical trapped ion cell with an electron beam source, electronic circuits, a microcomputer which generates pulse sequence and controls a data acquisitions system, and a personal computer.The mass spectrum of xenon isotopes has been obtained by a preliminary experiment. An intense low frequency signal of several hundreds Hz was observed along with the time domain transient signals of ion cyclotron resonance frequencies. The former can be attributed to the rotation of the center of cyclotron motion of ions about the cell axis. This rotational motion is caused by the drift due to the radial electric field component and the magnetic field gradient produced in the plane perpendicular to the cell axis.Analysis of the inhomogeneities of electric and magnetic fields inside the cell and the motion of ions has been carried out and the variation of the frequency of rotation as a function of the kinetic energy of ions has been studied.
著者
梅木 達郎
出版者
東北大学
雑誌
国際文化研究科論集 (ISSN:13410857)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.73-94, 1996-12-20
著者
辻善之助 編
出版者
三教書院
巻号頁・発行日
vol.第6巻 尋尊大僧正記 72-87, 1936

1 0 0 0 OA 日本産Oculinidae

著者
江口 元起
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.49, no.583, pp.135-142, 1942-04-20

Oculinidae(枇杷柄石科)はMILNE-EDWARDS及James HAIME(1848)により定義された枝状群體を形成する大西洋特有のOculina屬を含む深海珊瑚の1科で, VERRILLにより用ひられた如く, 本來の科よりStyla-sterinidaeを除く六射珊瑚の1群を指す。本科の珊瑚は樹状に分枝せる群體と緻密な石灰質のCoenenchyma(共同骨格)が發逹して, 特に群體下部の捧状部は厚くなりcalice(莢)はその中に埋まるを特徴とする。Eupsammidae珊瑚とは群體の形で似て居るが, 後者は多孔質の共同骨格の發逹せる點で區別する。Galaxiidaeなる現在珊瑚礁上に見る1群Acrhelia及Gala-xea兩屬を含む1科の存在でStylinidaeとの密接なつながりを示す。現在の種は日本沿岸より下記の2屬2種がある。1)Cyathelia axillaris(ELLIS and SOLANDER) 2)Madrepora cf., oculata LINNE 何れも深海性珊瑚で, Cyathelia axillarisは"ふたりびわがらいし"と稱される我國房州沖以南暖海の100尋線附近に普通な種で, 枝の先端では通常1莢絲に同時に2つの新らしい莢を發芽して生長を續ける點と莢口部に直徑を増す朝顏の花に似た莢形に特徴著しい。西は五島沖以南に知られる。日本近海産東北帝大地質學古生物學教室所藏の資料は次の如くである。蒼鷲丸採集品(St, 188, 345, Reg., No., 56566), 千葉縣房丸採集品(外房州 St, 15, Reg., No., 59045), 神奈川縣小港沖(Reg., No., 58960), 相模灣(Reg., No., 8300), 三崎沖, よどみ(Reg., Nos., 43414, 58924), 伊豆, 神子元島(Reg., No., 40994), 和歌山縣瀬戸沖(Reg., No., 50237), 熊本縣天草島, 富岡沖(Reg., Nos., 41940, 58959, 57495, 56560)。MILNE-EDWARDS及HAIME, P., M., DUNCAN, H., N., MOSELEY等も古く日本産を報告した。但し其正確な地點は示さず。蘭印Moluccas沖825尋(MOSELEY, Amboina BEDOT), 印度洋Bengal灣88-444尋(ALCOCK)。Madrepora oculata LINNEはAmphelia oculataとして知らるる細枝状の象牙質珊瑚, 枝端は極めて細く各珊瑚個體は互に枝の兩側に斜交レて交互に發芽増殖する特有の種で,枝の太さ及び莢の太さ, 特にpail小柱の發逹に著しい変異あり, 在來Amphelia, Loohohelia, Sclerohelia等異った屬名の下に取扱はれたことのある種で, VAUGHANによりハワイ産のものがMadrepora kauaiensis VAUGHANとして報告された。但し同一群體に各屬の特徴及び多くの近似種の特徴を認め得る。曾て日本産としてREHBERGにより報告されたAmphehelia adminiscularis REHBERGも明かに本種を指す。日本海沖に多いSclerohelia sp., として矢部教授と筆者の取扱った材料も明らかに本種である。北は津輕海峡附近より日本海岸及び太平洋岸の日本全土に分布する。明らかに深海性珊瑚である。莢は前種よりはるかに小形である。主として蒼鷹丸採集品で下記の諸地點より採集された。584, 595, 610, 637, 188, 271, 462, 三崎沖, 沖ノ山附近に最も普通の種, 太平洋・印度洋・地中海及大西洋を通じて共通種で, 大西洋では特にノルウェー沖よりさへ知られる。福井縣沖には特に本種の豐富な漁礁がある。Madrepora屬の蜜集せる海底には一見造礁硼瑚様の觀を呈する場合があり, 實際新第三期や第四期層中には此の深海珊瑚石灰岩とも稱し得べき物がある。日本の第三紀層及び更新世の海成層中には相當廣く分布せるMadrepora屬の化石が在る。一般に枝端の破片のみで完全な資料は得られない。島根縣・千葉縣・青森縣等の各地よりの資料がある。但し種の鑑定に耐へる資料は少い。珊瑚礁地方に見る唯一の枇杷柄石科はAcrhelia horrescens DANAなる種がある。但し本種はGalaxea屬と共通の特性を多分に備へるため, 筆者は1亞科としてGalaxiidaeとした。パラオ島では岩山灣の或地域に極めて豐富な生育地を觀察した事がある。化石枇杷柄石科の最も古い代表者はEnallhelia屬及びEuhelia屬で, 侏羅紀中部より記録される。其の中最も種數に富み分布廣きはEnallhelia屬で, 歐洲中部侏羅紀及び下部白堊紀層に限り知られて居た。筆者は昭和3年(1928年)陸前大島(宮城縣本吉郡大島村)の下部白堊紀層中の珊瑚類研究中, 同村要害海岸の露頭に凡ど例外なしにEnallhelia屬のみよりなる枝状硼瑚化石帶を注意した。黒色頁岩中に夾在するもので, 表面の風化により凡ど今日の珊瑚礁上に於けるAcrhelia horrescensの群生を思はせる。唯現在の物は軟體部の薄い被覆のため暗褐色を呈せるに反し, 黒色をなして一部海水面に洗はれてゐるのをである。大島産の珊瑚化石中では最も保存の良い物で, 歐洲の各地Neocomian-Urgonianの地層中に知られるEnallhelia rathieri FRO-MENTELと近似し, 又同様の分布で知られるEnallhelia gracilis M., EDW., &H., とも似た點あり, 其の兩性質を夫々一部備へる中間の種としてEnallhelia nipponica EGUCHIとした。本種は其の後未發表のまヽ殘されたが, 多數の資料により薄片として觀察するに何れも骨格の内部が緻密な石灰質に
著者
山本 博文 藤井 純子 安田 正成 岡本 拓夫 外岡 信一郎
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

若狭湾地域に位置する福井県高浜町薗部の海岸低地において,津波によって形成されたと考えられるイベント砂層が見出された.薗部地区におけるコアリングおよびトレンチ調査により,深さ1m以浅のイベント砂層は海岸から550m以上内陸まで分布し,海岸の砂と同様のよく円磨された岩片を特徴とし,ところによっては貝殻,有孔虫,ウニのトゲなどの生物遺骸を含んでいた.また砂層基底部には明瞭な浸食が認められ,砂層中にはリップアップクラストがみられた.この砂層の堆積年代としては,上下の泥炭質層の14C年代測定結果からすると,14~16 世紀頃と推定された.
著者
Taki Iwao
出版者
広島大学水畜産学部
雑誌
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry, Hiroshima University (ISSN:04408756)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.277-343, 1964-12-20

最近数年間に我国の諸地方の知友から及び私自身が得た頭足類を分類して次の新種を見出したので報告する.(1) ツメイカダマシ(新種・新称) 標本1個,土佐湾より豊後水道に至る聞の水深120-230mより底曳網で採れたもの,黒原和男氏寄贈.套背長60mm,套幅18mm,腕はいずれも套長よりは短かく吸盤は2列に並び,吸盤の角質環は平滑で菌はない.触腕は長く,触腕頭は同腕の3.5分の1の長さで, 鈎が2列あるが吸盤はない.体は淡紫色,本属の既知のどの穏よりも大きく,叉諸特徴がちがう.日本に産することは新記録である.(2) タラパホタノレイカモドキ(新種・新称) 標本7個.日本海(福井県沖及び兵庫県沖)で採れたスケトウダラの胃中より得たもの.伊藤勝千代・西村三郎の2氏寄贈.套背長80mm,套幅24mmで,腕は亜等長で鈎と吸盤があり,吸盤は極めて微小(直筏O.69mm又はそれ以下)で角質環には7本の幅広い閣がある.雄の右第4腕の先端部は交接腕化している.発光器は動物の腹面に散布しているが,外套腹面においては成体では散在する.しかし幼若個体では6縦列に列んでいる.叉漏斗には4列,頭には5列,第4腕に3列,第3腕に1列,眼球上に1列ある.宮山湾及び豊後水道から知られているホタルイカモドキと諸点で異っている.鱈の漁場に住むと考えられるのでこの和名を設けた.(3) ゴマフイカ(新種,新称) 標本3個,土佐湾及び駿河湾産.套背長46mm,套l幅27mmで,胴は短円錐形,鰭は亜円形でその幅は套腹長にほぼ等しく,腕は胴より長く,吸盤の角質環には歯なく平滑で,左眼関口は右より大きい.触腕は套背長の2倍以上の長さで,触腕頭は僅かに膨らみ,大形吸盤の角質環には23個の歯がある.発光訟は背而より腹面に多く散布し,大きさから3積に分けられるが,腹面にあるものは一般に大形であり,規則正しく配列している.全体淡紫褐色,我国にはこれまでCalliteuthisjaponica (PFEFFER) とC. dofleini (PFEFFER) が知られていたが,本程は両種とも明らかに区別せられる.発光器の散布している状態からこの和名を設けた.(4) シマダコ(新属・新種・新称) 新属はマダコなどに似ているが,休躯大形で強壮な体格で,筋肉よく発達し皮膚は強靭で,歯舌の軸歯は3-7歯尖を有し,肝臓・偲・偲心臓など大形であるが墨汁嚢は退化している.体表には顕著な斑紋があり,シマダコでは斑紋の部分が弱い青白い燐光を発する.八腕類で従来発光すると考えられたものは少しあるが明確になったものはなかった.しかし最近ムラサキダコ属に発光器を有するTremoctopus lucifer AKIMUSHKIN 1963 という新種が報告された.しかし燐光を発するものは本種が初めての記録である. シマダコは標本2伺,大分県南海部郡蒲江町附近(荒川好満氏寄贈)と三重県鳥羽市相差附近(烏羽水族館所蔵).体長870mm,套背長120mm,套幅80mmで,保存標本では皮膚に微小な小頼粒が一面にあり,腕は卵形で腕長は全長の81-84% に達し,強壮で,最大吸盤の直径は雄で套長の13% ,雌で9%に当る.交接腕は反対側の腕の65%の長さで,舌状片は長円錐形で,その長さは交接腕の7.4%で,傘股は厚い歯舌も強壮で軸粛には5-7蘭尖を有し,他の歯も大きい.漏斗器はW形.内臓器官で後唾腺・肝臓・惚・偲心臓などすべて大形であるが,墨汁嚢は体に比べて小さく細長い.体色(着色図版は保存標本を写生したものであるが,生時色とほとんど変っていない) は紫褐色で,淡紅色の帯状斑が体の背面に縦に並ぶ.属名は最も美しい,或は極めて美しいタコの意で,積名は荒川好満氏を記念したものである. 燐光皮膚の組織.シマダコの斑紋部・地色部及び外套腹面の皮膚を切片にして組織を検した.いずれも表皮細胞層は脱落していた.斑紋部では色素胞層の直下に特異な細胞の層があるが,それは燐光を発する細胞と考えられるので燐光細胞と呼び,その層を燐光細胞層と名付けよう.その細胞は長さ26~33μ,直径9~10μ の円筒形のもので,エオシン晴好性で,級密で,極微の里民粒状で,中心部は稀薄で,核は実質内になく外にある.この細胞は密に列び,数個の集った層をしている.この層は虹彩細胞層と呼ばれたものに相当するであろうが,イカ類の発光器の組織とは全く異る.それは本程のは燐光で真の発光とは違うから当然であろう.切片によると色素胞と燐光細胞の分布は斑紋部と地色部において恨本的な差がない.僅かに地色郎では燐光細胞の分布が少いという程度である燐光の生ずる機構は明らかでないが,細胞の頼粒が発光すると考えることはできょう.向,外套腹面の皮膚には色素胞も燐光細胞も見出されない.(5) ワモンダコ(新属・新積・新称) 標本4個,愛媛県南宇和郡内海村家串附近産(荒川好満氏寄贈). 体は大形で長大のものは重量(保存標本) 2820g あった.体格強壮で皮膚強靭である.全長約600mm,套背長147mm,套幅95mm,腕は亜等長で全長の84~92 %に当り,交接腕は反対側の腕の長さの90~96 %で,舌状片は同腕の1. 3% の長さで,前舌の軸歯は3~5歯尖を有し,他の歯も幅広く太い.漏斗器はW 形,内臓器官もシマダコに似て大形でよく発達し,袈汁嚢は比較的小さい.体は暗褐色で,第2~3 腕の基部に大形の環状紋(最大のものの直径40mm) があり,腕の背雨・側面には機色の縦斑がその先端部まで存在する.もしこの燈色斑がシマダコのように燐光を発するものであるなら,生時,刺戟に対して,眼紋と共に著しい警戒色斑となると推定される.既知の限紋を有するマダコ属の種と比べて,最も大形の限紋を有するのでワモンダコの和名を付けた.(6) メジロダコ(新種・新称) 標本雌1個,大分県南海部郡浦江町附近産(荒川好満氏寄贈).マダコ亜属の小形のタコで全長175mm,套背長43mm,套幅31mm. 腕長は全長の74%,筋肉よく発達し,最大吸盤の直径は套背長の10%に当る.表面に微細な顆粒が密に存するが腹面はほとんど平滑で,歯舌の歯は一般に細く高く,軸歯は3歯尖を有する.漏斗器はW形で鰓葉は片側に8~10個,生時の体色はその写生図を提供された荒川氏の好意によって知ることができるが,全体暗灰褐色で限の縁が淡掲色,腕の吸盤は淡紅色で吸盤の基部に沿って腕の全長にわたる白線があり,静止時に腕を側方及び後方に伸ばす特性がある.保存標本では一様に暗褐色となって白線は見られない.限の縁が淡色であるのでこの和名を付けた.(7) エゾクモダコ(新種・新称) 標本雌雄15個. Paroctopus 属の特徴は必ずしも明確でなくPICKFORD氏のようにOctopus と同一視する学者もあるが,ここではROBSON氏に従って別属として考え,その新種とした.全長375mm,套背長92mm ,套幅42mm で,体表は平滑で,胴は長楕円形,腕はやや細くその長さは全長の65~70%,腕長式は1.2. 3.4. ,成熟雄の吸盤は特に拡大している.交接腕は長さが最長腕の72~79% で,舌状片は極めて細長く,交接腕長の8~12% ,漏斗は細長く漏斗器はW 形であるが各校は板めて幅広い.全体は紫掲色,北海道釧路市沖で周年エビ桁網で漁獲され,クモダコと呼ばれている.種名はこの意をとってaraneoides とし,和名は本州にもクモダコと俗称されるものがあるので区別するためエゾクモダコとした.(8) オオメダコ(新種・新称) 前種と同属で,標本雌雄121問.全長380mm,套背長75mm,套幅48mm. 体表は平滑で体質は柔軟である.眼は特に大きくその長さは套背長の1/3を占め,幼若のものは1/2にも及ぶのでこの和名を付けた.腕長は全長の74~80% で,腕長式は1. 2. 3. 4. 吸燃は小形で,その最大のものは直径は套背長の5~6% である.交接腕の長さは最長腕の54% ,舌状片は細長く,長さは交接腕長の5.3% ,陰茎は管状で盲嚢は短かい.漏斗器はW 形,体は淡灰紫色,土佐湾及び遠洲灘の底曳網で採れた.(9) セピロダコ(新属・新種・新称) 標本雌3個. Berryaヤワハダダコ属に似ているがこれとも区別しうるので新属Sasakinella とした(故佐々木望博士に献名したが,Sasakia,Sasakina,Sa sakiella は既に動物の属名として用いられているので同綴りになるのを避けるために乙の綴りとした).全長107mm,套背長25mm,套幅23mm. 体も皮膚も極めて柔軟で,体表は平滑,頭は特に幅広く,外套開口は幅広く,限は大きく,墨汁嚢はよく発達している.腕長は全長の70-75%で吸盤は小形である.漏斗は基部は融着し先端約1/3は体部と離れ,漏斗器はVV形である.体は暗紫褐色,遠洲灘で採れた(林奨一郎氏寄贈).頭部,従って背部が特に広いのでこの和名を付けた.(10) クロダコ(新種・新称) 標本雄1個,Benthoctopusチヒロダコ属の新種で既知種と比べてこれは最大である.全長575mm,套背長115mm,套幅95mm. 体表は平滑で体質はやや軟かい.頭は幅広く,腕は細長く,長さは全長の82%に及び,吸盤は小形で最大吸盤の直径は套背長の6%.交接腕の長さは最長腕の長さの61%で,舌状片は円錐形で,その長さは交接腕長の5%.漏斗器はVV形.肝臓は円盤状で墨汁嚢を全く欠いている.体は黒紫色で,背面と腹面がほとんど同色であることは注意されることである.鹿島灘産(平野敏氏寄贈).和名はムラサキダコというのはTremoctopus violaceus を指すのでこれと混同しないようにクロダコとした.(11) スミレダコ(新種・新称) 標本雌雄6個,前種と似た点があるが同属の別種とした.全長350mm,套背長75mm,套幅60mmで,体表は平滑で体質は甚だ柔軟である.腕長は全長の69-75%で腕長式は1.2. 3. 4. 交接腕は長さ最長腕の79%で,舌状片は細長く,その長さは交接腕長の5.5%,漏斗器はW形であるが外枝は短かい.墨汁嚢を欠いている.体は紫灰色,鹿島灘産,前種と共に近縁の種との比較を表で示した.
著者
宮寺 良平
出版者
関西学院高等部
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

チョコレートゲームの変形である、チェスのRookを動かす問題に関して、後手必勝の公式を発見して、The 20th Japan Conference on Discrete and Computational Geometry, Graphs, and Games(JCDCG3 2017)の査読を通過して、“Two-Dimensional Maya Game and Two-Dimensional Silver Dollar Game”として発表した。また、確率的においてパスカルの三角形に似た分数列を作り出す一般公式を発見し、同じJCDCG3 2017の査読を通過して、“Pascal-like triangles and Fibonacci-like sequences”として発表した。これら2つの内容は、Springer社の雑誌に2つの論文として投稿した。チョコレートゲームのGrundy数がニム和と同じになる場合に関しては、証明を簡略化して、Integers誌に投稿した。なお、この論文はコーネル大学の論文収録サーバーに、Grundy Numbers of Impartial Chocolate Bar Games arXiv : 1711.05035として登録された。また、チョコレートゲームにおいて、3つの方向からカットできる問題において、後手必勝位置を公式として表して、Integers誌に投稿した。この論文もコーネル大学の論文収録サーバーにImpartial Triangular Chocolate Bar Games arXiv : 1711.04954として登録された。また、チョコレート問題と数学的に同値で有名な問題であるWythoffのゲームにおいて、一回のパスを許す場合の、後手必勝ポジションの公式を得て、Integers誌に投稿した。この論文もコーネル大学の論文収録サーバーにWythoff's Game with a Pass arXiv : 1711.04960として登録された。
著者
中村 滋延
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.24, pp.23-28, 2004-03-04

筆者は、1970年代半ばにミュージック・シアターと出会い、視覚的要素を持つ音楽に興味を持った。視覚的要素は音楽構造にも変化を与え、あらたな表現の可能性をもたらすように思われた。しかし、ミュージック・シアターの実践を通して、演奏動作の視覚的要素としての制約を問題として感じ始めた。その問題を解決するためにコンピュータを用いたインタラクティブ・システムを利用するようになった。このことによって演奏動作が視覚的要素として表現力を増すようになった。しかし、視覚的な表現力としては映像に勝るものはない。そこでインタラクティブ・システムが音響に対してだけでなく、映像に対しても及ぶような作品を制作するようになった。そのような作品を「音楽系メディアアート」と命名した。そうした中で、映像と音響の関係を緻密なままにメディアに固定した作品を「映像音響詩」という名で制作するようになった。視覚的要素は聴覚的要素に影響を及ぼして、音だけでは次への予測が困難な無調性の音楽にも次への予測を可能にし、集中して音の推移を鑑賞者が追いかけていくことを可能にする。
著者
Dah-Renn FU Daiki KATO Yoshifumi ENDO Tsuyoshi KADOSAWA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.1161-1166, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
38
被引用文献数
10

Nasal lymphoma is the most common nasal tumor in cats and is generally a solitary and radiosensitive tumor. We retrospectively evaluated the response to radiation and survival time in relation to apoptosis and Ki-67 indices in feline nasal lymphomas treated with radiation therapy. The apoptotic and Ki-67 indices were evaluated with TUNEL and immunohistochemical staining in 30 biopsy tissues that were taken before any treatment. These two indices were compared, and differences between different treatment response groups were analyzed. The correlation between the median survival times (MST) and the indices was estimated using the Kaplan Meier method, and statistical differences between survival curves were analyzed using a log-rank method. With regard to apoptotic index, a statistical difference was observed between the samples taken from cats with complete response and stable disease (1.22% vs. 0.45%; P=0.045). The Ki-67 index in cats with both complete response and partial response was significantly higher than in cats with stable disease (44.4% and 39.6% vs. 16.3%; P<0.001 and P=0.008, respectively). The cats with a high level of apoptosis (>0.9%) nasal lymphoma were not significantly prolonged MSTs (P=0.202), however, high Ki-67-positive (>40%) cats experienced a statistically significant relationship with longer survival time (P=0.015). Our results indicate that spontaneous apoptotic and Ki-67 indices are strong predictors for response to radiation therapy in feline nasal lymphomas.
著者
西村 純 市橋 則明 日下部 虎夫 奥田 良樹
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.C0297-C0297, 2006

【目的】ラグビーは短距離走を繰り返す競技であり、ハムストリングスに大きな負荷が生じるため、肉離れの発生頻度は高い。その主原因は膝屈曲筋力低下、膝屈伸筋力のバランス不良、すなわち伸展筋力に対して屈曲筋力が低い、あるいは膝屈曲筋力の左右差が大きくなると発生率が高くなるとされている。本研究の目的は、肉離れを生じたラグビー選手の運動能力・膝関節屈伸筋力・下肢柔軟性に他の選手との違いがあるかを明らかにすることである。<BR>【対象および方法】対象はラグビー部(関西大学Bリーグ)に所属する男子学生22名(平均年齢20.2±1.1歳、身長171.9±5.3cm、体重72.8±7.7kg)とした。体力測定として筋力測定、運動能力テスト、長坐体前屈テストを行い、さらに測定後の1年間での肉離れの発生の有無を追跡調査した。筋力測定には等速性筋力評価訓練装置MYORET(川崎重工業株式会社製RZ450)を用い、角速度60、180、300deg/secでの等速性膝屈伸筋力を測定した。3回の膝屈伸動作の最高値をピークトルクとし、さらにトルク体重比(ピークトルク/体重)および屈曲筋力と伸展筋力の比(H/Q比)を求めた。運動能力テストは片脚垂直跳び、片脚幅跳び、片脚三段跳びの3種目とした。また、長坐体前屈を下肢柔軟性の尺度として用いた。また、アンケート調査により体力測定後の1年間で、ハムストリングスの肉離れを生じた群(St群)と生じなかった群(Con群)に分類し、膝関節屈伸筋力(ピークトルク、トルク体重比、H/Q比)、運動能力テストおよび長坐体前屈の結果を比較した。統計処理にはt検定を用い、有意水準は5%とした。<BR>【結果および考察】肉離れを生じたのは22名中6名で、ポジションはバックスが5名、フォワードが1名であった。生じなかったのは16名で、バックスが8名、フォワードが8名であった。両群間で年齢、身長、体重に差は無かった。膝屈伸筋力では、ピークトルクには有意差は認められなかったものの、60 deg/secでの屈曲トルク体重比は、St群(1.50±0.37 Nm/kg)はCon群(1.86±0.34Nm/kg)より有意に低い値を示した。また、180 deg/secでのH/Q比は、St群(0.71±0.08)はCon群(0.82±0.15)より有意に低い値を示した。St群で屈曲筋力の左右差を比較すると、受傷側と反対側との間には全ての角速度において有意差は無かった。運動能力テストでは3種目とも両群間で有意な差は認められなかった。長坐位体前屈は有意な差は認められなかったものの、St群(28.3±4.6cm)はCon群(33.5±6.5cm)に比べ低い傾向を示した。今回の結果から、肉離れを生じる選手は運動能力に大きな差はないが、膝関節屈曲筋力のトルク体重比の低下とH/Q比の低下を認めることが示唆された。
著者
前川 正信 柏井 浩三 丸毛 博昭
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.110-116, 1959-02

A case of solitary cyst of the spleen in a 8-year-ol d girl is reported. The content of the cyst measured approximately 850cc. and it was dark brown, hemorrhagic and sparkling due to large amount of the cholesterol crystals contained in it. It is very difficult to clinically differentiate the paranephric cyst from the splenic cyst. Displacement of the stomach to the right and the splenic flexure of the colon and the left kidney downwards on the roentgenogram is the characteristic findings of the splenic cyst. The m arsupialization was performed in this case and the result was satisfactory.