著者
寺本 潔
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.89-109, 1984
被引用文献数
7

本研究は,子どもの知覚環境の発達とそのメカニズムを明らかにするために,熊本県阿蘇カルデラ内に居住する小学校2・3・5年生,および中学校1年生,計1,432名を被験者としてなされたものである.<br> 調査方法としては,身近な地域を描いた手描き地図から読み取る方法と,周辺の地物を撮影したスライド画像に対する反応を分析する方法を用いた.前者により描かれた空間は,発達段階に従って外延的拡大を示すが,著しく動線に影響されることが明らかとなった.また,子どもにとって「意味のある空間」として, (1) 近道,抜け道 (2)「秘密基地」,「隠れ家」(3) こわい場所,「幽霊屋敷」を検出した.後者により,可視領域に位置する目立つ地物は,知覚環境を構成する重要な目印として作用していることが推察された.<br> このような子どもの知覚環境の発達に関する基礎的な研究は,子どもの発達を内発力とする新しい地理教育のカリキュラム開発に寄与しうるものと考えられる.
著者
木村 忠夫
出版者
熊本大学
雑誌
熊本史学 (ISSN:03868990)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-23, 1973-06
著者
瀬谷義彦著
出版者
筑波書林
巻号頁・発行日
2006

1 0 0 0 豊後大友氏

著者
八木直樹編著
出版者
戎光祥出版
巻号頁・発行日
2014

1 0 0 0 熊本史學

著者
熊本史學會 [編]
出版者
熊本史學會
巻号頁・発行日
1952
著者
安藤 史高 Ando Fumitaka 中西 良太 Nakanishi Yoshifumi 小平 英志 Kodaira Hideshi 江崎 真理 Esaki Mari 原田 一郎 Harada Ichiro 川井 加奈 子 Kawai Kanako 小川 一美 Ogawa Kazumi 崎濱 秀行 Sakihama Hideyuki
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.237-245, 2000-12 (Released:2006-01-05)

The purpose of this study is to construct the Multidimensional Optimism Assessment Inventory (MOAI) and to examine its reliability and validity. Prior to the investigation, three subconcepts of optimism (optimistic expectancy, optimistic evaluation, and easy switching) were hypothesized and 46 items (optimistic expectancy; 24 items, optimistic evaluation; 16 items and easy switching; 6 items) were selected. Four hundred and sixty undergraduates were administrated MOAI and other scales. Exploratory factor analysis yielded 6 factors, so 6 subscales were constructed (optimistic evaluation for ability, easy switching, optimistic expectancy for external resources, optimistic expectancy for luck, groundless optimism and optimistic expectancy for future). Except for groundless optimism subscale (α=.56), Cronbach's alpha coefficients of five subscales were moderately high (they were greater than .65). The correlations between the score of MOAI and other scales supported hypothesized relations. Taken together, the result confirmed the reliability and validity of MOAI, at least partially.
著者
黒田 圭介 安永 典代 磯 望
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2007年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.181, 2007 (Released:2007-04-29)

I.はじめに Hawaii諸島のOahu島は,Waianae山脈とKoolau山脈の2つの開析された盾状火山から構成されており,ホットスポット上に形成された火山島として知られる.Oahu島西部のWaianae盾状火山は2.2-3.8(Ma),東部のKoolau盾状火山は1.8-2.6(Ma)の放射年代をもつ玄武岩体から構成される(Macdonaldほか,1983).Honolulu火山活動は,これらの大規模盾状火山形成後の浸食期を経て再活動した比較的小規模な火山活動の総称で,Oahu島の景勝地であるDiamond Headなどは,Honolulu火山活動によって形成された火山地形である.本研究では,Honolulu火山活動で形成された火砕丘,特にクレーターの地形を解析した結果を報告し,Honolulu火山活動の特徴等について検討する.本要旨では,クレーターを形成した火山噴火の規模と,クレーターの侵食程度について報告する. 図1:研究対象地域地形区分図とクレーター分布 II.クレーター解析方法 1) U.S GEOLOGICAL SURVEY発行の1/24000地形図を用いて,クレーターの比高,直径等を計測した.この結果から,クレーターの体積を推定した.この結果より,火山爆発指数(VEI)を算出し,オアフ島南東部のクレーターを形成した火山噴火の規模を推定した. 2)クレーターの接峰面図を描いて,侵食前の地形を推定した.また,この接峰面図をデジタルデータ化して,定量的に侵食の程度を試算した. III.火山爆発指数(VEI) 火山爆発指数(以下,VEI)は,噴火の大きさの尺度として用いられる.これは噴出物の総量が体積でわかれば決められる値で,0から8までの整数で示され,噴出物の量をA×10i㎥とするとき,VEI=i-4で算出される.VEIは0から8までの値で示され,0が非爆発的噴火,1が小規模,2が中規模,3がやや大規模,4が大規模,5が非常に大規模である. Oahu島南東部に分布するクレーターのVEIと面積の関係を図2示す.おおむね面積が大きくなるほどVEIも大きくなるという結果が得られた.特にVEIが大規模のクレーターは,いくつかの火口が複合した形状を持つものがほとんどである。 IV.侵食度合い 1)解析方法:まず,クレーターごとに接峰面図を描いた.谷埋めの間隔は100mと1000mとした.このクレーターごとの接峰面図と地形図をスキャンし,Illustratorで等高線ごとにトレースした.トレースした等高線の輪は、ピクセル数を数えるため塗りつぶした.このデータをPhotoshopで開き,等高線毎にピクセル数を数えた.図3を見ると,侵食前の地形(B)から現地形(A)のピクセル数を引いた数(C)が,侵食程度ということになる.Diamond Headの560ftでは,7.8%が侵食されたことになる. 2)結果:クレーターの形成年代と侵食程度を図4に示す.形成年代が古ければ古いほど,侵食が進んでいるという一応の結果は出た.しかしながら,侵食の程度は,立地,地質,気候,風量,風向きなどに左右されると考えられるので,今後はそれらを加味しつつ,クレーターの侵食程度や開析具合を検討したい. V.まとめにかえて 1)Oahu島南東部に分布するクレーターの爆発規模は中~大規模であり,小規模は分布しない.また,面積が大きければ大きいほど,VEIも大きい. 2)クレーターの侵食程度を定量的に表すことができた.その結果,クレーターは,侵食が進んでいれば進んでいるほど形成年代が古い傾向が見られた.今後は,クレーターの侵食を左右する要因を加味して,Oahu島南東部におけるクレーターの侵食様式を検討したい.

1 0 0 0 OA 白衣の女

著者
ウイリアム・ウイルキイ・コリンス 著
出版者
白水社
巻号頁・発行日
vol.下巻 運命の巻, 1921
著者
田中豊松 編
出版者
内外出版協会
巻号頁・発行日
1908
著者
紀藤 典夫 大槻 隼也 辻 誠一郎 辻 圭子
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.15-26, 2017

青森県八甲田山の田代湿原(標高560 ~ 575 m)から採取されたコアの花粉分析の結果に基づき,十和田中掫テフラ(厚さ7 cm;To-Cu;約6000 cal yr BP)降下が植生に与える影響について考察した。分析の結果,テフラ降下以前はブナ属・コナラ属コナラ亜属を主とし,ハンノキ属等の落葉広葉樹からなる花粉組成で,安定した森林が復元された。テフラ直上では,コナラ属コナラ亜属は割合が著しく増加し80%以上に達する一方,その他の樹種は一様に割合が減少し,特にブナ属は30%から2.6%に減少した。テフラの上位1.7 cm でコナラ属コナラ亜属は割合・含有量ともに急激に減少し,他の樹種の割合が増加して,上位8.9 cm の層準(150 ~ 250 年後)でテフラ降下前の組成に近い安定した状態となった。ブナ属とコナラ属コナラ亜属のテフラ降下後の変化の著しい違いは,テフラ降下に対しブナは著しく耐性が低かった一方,ミズナラが強い耐性を持っているためと考えられる。非樹木花粉組成の変化に基づき,テフラ降下後,湿原植生は著しく組成が変化し,分析層準の最上位でもテフラ降下前に戻ることはなく,湿原の生育環境が大きく変化したものと推定した。
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.165-179, 2010-03

本論文は,これまでのクラカウアー思想研究の継続として,主としてジークフリート・クラカウアーの『映画の理論』を考察する。クラカウアーは1938 年以来映画を主要な考察対象としたから,破局が彼の思想に与えた影響は,彼の映画論からこそ読み取ることができる。本稿は,いわば準備的な考察として,彼の映画観の基礎的構造の描出を試みている。クラカウアーの基礎的見解は,映画は本質的に写真の延長であり,それゆえ物理的現実を記録し暴くときその可能性を実現する,というものであった。映画のこの「本質」から,クラカウアーは映画の各要素に関する規定を導き出していく。This article, in the main, deals with Siegfried Kracauer's Theory of Film, as a continuation of my past study on the thoughts of Kracauer. Because Kracauer concentrated his study on films after 1938, we can read the influence that catastrophe has on his film theory. This article tries to sketch the fundamental structure of Kracauer's view of film, to prepare for the critical analysis of his theory of film. According to Kracauer, film is basically the extension of photography, and therefore fulfills its essential potentiality when it reveals and records physical reality. From this "essence" of film, Kracauer arrives at rules relating to each element of film
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.129-146, 2010-09

本論文は,これまでのジークフリート・クラカウアー思想研究の継続として,主として1940 年にマルセイユで書かれた彼の映画論を考察する。そこでの彼の議論の前提は,歴史を神話からの脱却の過程として捉える,優れて終末論的色彩の濃い歴史観であった。映画はこうした歴史的パースペクティヴの中で捉えられ,その技術的特性によって,時代の趨勢を逆転させる働きを期待されたのであった。続いて本稿は,ヴァルター・ベンヤミンの有名な「複製技術時代の芸術作品」を取り上げ,そこでの議論がクラカウアーの映画論と同じ構造を持つことを示す。ベンヤミンもまた,歴史を神話からの解放と見なし,複製技術としての映画のうちに,この歴史過程を推進するための一つの武器を見出したのだった。This article considers, in the main, the film theory written by Siegfried Kracauer in Marseille in 1940, as a continuation of my past study of his thinking. The premise of his argument was of a deeply tinted, highly eschatological, historical perspective, perceiving history as a process of liberation from myth. Film was analyzed from this historical perspective, and through it technological characteristics was expected to reverse the trends of the times. The article continues by taking up Walter Benjamin's famous writing-"The Work of Art in the Age of Its Reproducibility"-and shows that it carries the same structure as that of Kracauer's film theory. Benjamin as well, detected in the reproductive technology of film a weapon in the process of liberation from the myth in history.
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
no.123, pp.113-130, 2013-09

Siegfried Kracauer's Totalitare Propaganda, which was published for the first time in 2012, is a remarkable study about Nazi propaganda. Because the paper was written from 1937 to 1938 in Paris, it is the pioneer work on this topic. According to Kracauer, Nazism was a product of World War I, and its essence was the Will to Power. In order to establish an absolute power system, Nazism required the simulation of the national unification of Germany, which it attempted realize by means of changing people's psycho-physical structure through totalitarian propaganda. This article investigates Kracauer's Totalitare Propaganda at length and reveals that his thought acquived new motives through confrontation with totalitarian propaganda.2012 年に初めて出版されたジークフリート・クラカウアーの『全体主義的プロパガンダ』は,ナチズムのプロパガンダに関する極めて注目すべき考察である。1937 年から38 年にかけてパリで書かれたそれはまた,最も先駆的な研究でもあった。クラカウアーによればナチズムは第一次世界大戦の産物であり,その本質は「権力への意志」である。ナチズムは,絶対的な権力機構樹立のために必要な偽りのネーションの統一を,プロパガンダによって人間の心理的・身体的機構を変化させることを通じて実現したのだった。本稿ではクラカウアーのこの論文を詳しく検討し,全体主義的プロパガンダとの対決を通じて,彼の思想が或る新しいモティーフを得たことを明らかにする。
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:21873011)
巻号頁・発行日
no.128, pp.1-19, 2016-03

本稿は,ジークフリート・クラカウアー研究の継続として,主としてパリ亡命時代に書かれた『ジャック・オッフェンバックと彼の時代のパリ』を取り扱う。この作品は長らく単なる「軽い読み物」として軽視されてきたが,近年再評価を受けている。本稿では,近年の研究成果を概観しながら次の三つの点を示していく。第一に,この著作は虚しい好奇心から書かれたのではなく,この作品でクラカウアーはナチズムとの対決を意図している。第二に,この本に対する有名なアドルノの厳しい批判は,実は全く不当であると言わねばならない。第三に,この本で提示されたオッフェンバックのイメージは,後の映画理論で展開されることになる多くの要素を含んでいる。
著者
中條 清美 松下 達彦 小林 雄一郎 Anthony Laurence 濱田 彰 西垣 知佳子 水本 篤
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は,いつでもどこでもだれでも,教育用例文コーパスを使って,DDL(Data-Driven Learning,データ駆動型学習)が実施可能なように,教育用コーパス・検索ツール・教材を搭載したDDLオープンプラットフォームを開発し,その活用と普及を図ることを目的とする。具体的には,平成25‐28年度科研において開発した第Ⅰ期開発版のデータ駆動型英語学習支援サイトSCoRE(Sentence Corpus of Remedial English)に基づき,1)教育用例文コーパスの増強,2)検索ツールの高度化・軽量化,3)DDL実践・効果検証・DDL普及活動の3項目の研究を行い,成果を逐次,国内外に発信することである。平成29年度の研究実績について述べる。1) 教育用例文パラレルコーパスの増強:第Ⅰ期開発版の英語例文・日本語訳データの見直しを行い,例文の増補・改訂,および,インターフェースの改良を加えた第4次開発版SCoREを公開した。2) 検索ツールの高度化・軽量化:SCoREツールのひとつ,「適語補充問題」ツールのログ機能を強化し,教育利用の促進を図った。さらに,ユーザの利便性を考慮し,新たに携帯端末用検索ツール「m-SCoRE」を開発・公開した。3) DDL教材の開発・実践・効果検証:上記1),2)の教育現場への応用研究として,外国語学習者がDDLに取り組むための教材や効果検証テストを開発し,データ駆動型英語学習支援サイトSCoRE(http://www.score-corpus.org/)に収録した。当該サイトは,オープンプラットフォームであり,教師・研究者が自由に収録データをダウンロードできる。大学生および高専生を対象としたDDL指導実践授業の評価と教育効果の検証を行った。研究成果として,雑誌論文を5件公刊し,6件の学会発表を行った。
著者
岸 澄子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.386-400, 1973-03-20 (Released:2008-12-16)
参考文献数
32
被引用文献数
4

[目的]メニエール病の臨床症状は多種多様で,かつその経過も長短まちまちである.そこでメニエール病の臨床的経過を明らかにすると共に,その臨床症状ならびに検査成績から予後に関係する因子を知る目的から研究を行なつた.[対象]昭和42年1月から45年12月までの4年間に当科を受診したメニエール病78例,および原因不明の耳性眩暈98例の内,外来観察ないしはアンケートによつて受診後少なくとも1年以上の経過を知ることのできたメニエール病67例,耳性眩暈78例をえらんだ.[結果]アンケートの結果,めまいが治癒あるいはほぼ治癒した例は約90%以上あつたが,その罹病期間はメニエール病では平均4年4ヵ月であつた.初発年令はメニエール病,耳性眩暈ともに20代から40代に多く,初発年令が高令化するにつれて罹病期間が短かくなる傾向がみられた.初回眩暈発作時に耳鳴,難聴を加えて3主徴をもつたものは42例(63%),さらに耳閉塞感を加えて4主徴を伴つたものは24例(36%)であった.まためまい発作がcluster groupingを示す傾向は耳性眩暈例には少なく,メニエール病に特徴的であつた.CMI (Cornell Medical Index)検査では,メニエール病が精神身体疾患の傾向をもつことが確かめられた.初診時の純音聴力検査では,平均聴力損失が40dB以内の軽度難聴者と40dB以上の難聴者の2つのグループに分けることができた.患側耳の聴力型は水平型が最も多く,次いで斜昇型,高音急墜および斜降型,山型,正常,聾の順であつた.このうち,水平型は発病よりの期間が長い例に多く認められ,一方斜昇型はその逆に経過の短い例に多かつた.温度刺激検査と発病から初診までの期間との関係はNo Response群が他群に比し,明らかに長い経過を示した.臨床症状のうち予後に関係すると思われた因子は,初発年令,めまい発作におけるcluster groupingの有無であり,若年者に初発した場合,発作にcluster groupingをみとめる場合,初回発作時にすでに難聴を自覚した場合に治癒までの期間が長くなる傾向があった.検査成績と予後との関係をみると,純音聴力検査で平均聴力損失が40dB以上か,あるいは患側耳の聴力型が高音急墜あるいは斜降型の場合に短い予後期間を示した.温度刺激検査成績では正常型か,あるいは著しい半規管機能の低下例に予後期間の短い例を多くみとめた.

1 0 0 0 無線と実験

出版者
誠文堂新光社
巻号頁・発行日
vol.56(10), no.557, 1969-08