著者
岡江 恭史
出版者
日本村落研究学会
雑誌
村落社会研究ジャーナル (ISSN:18824560)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.10-22, 2015-04-25 (Released:2016-05-13)
参考文献数
40

Hitoshi Saito argued that Asian countries except Japan could not develop agricultural cooperatives because their rural societies do not have the inheritance of autonomous community. But, the facts of Vietnam and China are contrary to Saito's theory. Vietnam has not yet developed agricultural cooperatives in spite of the inheritance of autonomous community. On the other hand, China has developed agricultural cooperatives without the inheritance of autonomous community. The purpose of this paper is to examine these facts through comparative research of Japan, China and Vietnam on history and social structure. Japanese autonomous villages have established their integration units and developed cooperative relationship with outside. Chinese villages do not have autonomous function. But, market economy has permeated Chinese rural society over many years, and many Chinese people have personal connections outside their villages. Many Vietnamese people have not personal connections outside their villages. The author concludes that the requirements for development of agricultural cooperatives are strengthening of market economy and the networks beyond each village.
著者
詫摩 昭人
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Representational Studies (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-79, 2016-03-11

ドイツの絵画としてすぐに思いつくものは、古くはデューラー(Albrecht Durer、1471-1528)、もしくはフリードリヒ(Caspar David Friedrich、1774-1840)、現代ではリヒター(Gerhard Richter、1932-)やキーファー(Anselm Kiefer、1945-)かもしれない。しかし、ドイツの美術を鑑賞すると皮肉やユーモア、政治的社会的な作品が多いことを特に感じる。そこで今回、ドイツの主要作家1414人を調べ、どれくらいの割合で、そのような作家がいるのかを調査した。また現地でのインタビューも交え考察した。
著者
阿部 正路
出版者
芸能発行所
雑誌
芸能 (ISSN:09113282)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.p24-26, 1989-10
著者
寺嶋 容明 上田 正仁
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.420-423, 2006-06-05

スピンー重項状態の非局所相関は,量子論の奇妙な性質としてだけてはなく,現在では量子情報処理の重要なリソースとして考えられている.我々は,この非局所相関が,運動する観測者や重力場中の観測者からどのように見えるかということを,相対論に基づき考察した.その結果,相関が見かけ上減少することを示し,完全な相関を得るための方法を議論した.
著者
鈴木 裕 中里 徹矢 横山 政明 阿部 展次 正木 忠彦 森 俊幸 杉山 政則 土岐 真朗 高橋 信一
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.102-105, 2012 (Released:2012-05-15)
参考文献数
12

急性膵炎の重症化と合併症発生に対する肥満の影響について概説した.肥満の影響を考えるに当たり,多くはBMI(Body mass index)を用いているが,近年はCTを用いて内臓脂肪や皮下脂肪をパラメーターとしている報告も散見される.各報告をみると重症化や合併症発生に肥満は何らかの影響があると予想される.BMIでは,欧米では多くの肥満例が重症化と全身合併症に相関し,全身合併症の多くは呼吸不全である.本邦ではBMIは有意な重症化の危険因子とはならず人種差の可能性はある.しかし,日本人でも内臓脂肪の増加は急性膵炎重症化や合併症の発生に影響する可能性があり,肥満のタイプが重要であると思われる.今後は内臓脂肪面積などを画像診断による肥満のタイプをパラメーターとして詳細な検討を行う必要があると思われた.その際は,可能な限り発症早期の画像を用いるべきであり,理想は膵炎発症直前の測定が望まれる.
著者
内山田 康
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.53-76, 2011-06-30

ミーナークシー寺院の北門を守るチェッラッタンマンは、偉大な神に否定された卑しい女神なのか。菜食の神々と肉食の神々の関係は、カースト間関係と相同のロジックを持ち、両者は相補的で階層的な関係にあるとするデュモン、ビアドゥー、フラーらの構造的な思考からこぼれ落ちたパーソンの過剰を本稿は取り上げる。パーソンは階層的に差異化した存在者ではない。パーソンは変態する。パーソンは他のパーソンの中に現れる。私は本稿において、高位の神の分身とされる低位の神の本性を、答えが予め決定している階層性の公準において捉えるのではなく、パーソンに内在する生成する差異とその外在化において探求する。すなわちアンチテーゼでチェッラッタンマンを捉えるのではなく、テーゼにおいてチェッラッタンマンは誰かを問う。南インドの周縁の伝統には、パーソンの連続性に関る古い主題と古いロジックが残っている。このロジックを辿ると、高位の神と低位の村の神の間に、差異と連続性が現れる。古い南インドの存在論のパースペクティヴから見ると、チェッラッタンマンとミーナークシーは、反復から生まれた相互の分身と捉えることができる。持続の中で、ミーナークシーは部分的にチェッラッタンマンの未来となり過去となる。私は全体性のパースペクティヴが捨象した契機を、存在への問いに導かれて記述することを試みる。
著者
八幡 英幸
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要. 人文科学 (ISSN:0454613X)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.141-149, 2010-12-03

本稿ではまず、カントとヘアをつなぐキーワード(言い換えれば、ヘアによるカント解釈のキーワード)である普遍化可能性 universalizability の原理に着目し、この原理と道徳判断 moral judgment がそこにおいて下される状況の特殊性 particularity との関係を検討していくことにする。According to R.M.Hare(1919-2002), one of the most eminent moral philosophers of the 20th century, who carries the spirit of Kantian universalism, every judgment must follow the principle of universalizability. On the other hand, moral universalism has been criticized as a mere illusion by communitarians, e.g.A.MacIntyre(1929-). In this paper, I will argue first that it is not to the point that the principle of universalizability disregards the particularity of situations, and then that there is a genuine difficulty in drawing a line between the morally important features of them and those which are unworthy of attention. In my opinion, this problem is no other than that which I.Kant(1724-1804) tried to solve in his Critique of the Power of Judgment (1790), so we must be able to receive many suggestions on this problem from this work.
著者
寺田 俊郎
出版者
上智大学哲学科
雑誌
哲学科紀要 (ISSN:0286925X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-36, 2011
著者
間瀬 久雄 辻 洋 絹川 博之 川村 隆雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第46回, no.人工知能及び認知科学, pp.127-128, 1993-03-01

プログラム開発の効率向上の一方法である,かな漢字プログラミングの研究を進めている.これまでに,単語分かち書きのカナ文字列で記述可能なCOBOLプログラミング用簡易言語CORALを開発した.CORALは大型計算機VOSシリーズ上で稼動している.我々は,開発効率をさらに向上させるべく,より可続性に優れた非単語分かち書きかな漢字文による記述を検討し,形態素解析によってかな漢字プログラムを既存のCORALに変換するプリコンパイラのプロトタイプを開発した.これによりデバッグ効率が向上するほか,プログラムを仕様書として利用できる.なお,本プロトタイプにおけるかな漢字プログラムの構文は,従来のCORALの構文をほぼ継承している.本稿では,本プロトタイプの構成および機能について述べ,また,テストプログラムを用いた評価結果について考察する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.22-24, 2015-03

製品の多様化や積極的な宣伝により紙巻きたばこよりもスマートで健康的といったイメージができ、入手や公共の場での使用に関する規制も当初はなかったことから、喫煙者を中心に欧米での普及は早かった。英国の調査では、喫煙者で「使用経験あり」とする回答…