著者
伊藤嘉夫 編
出版者
大岡山書店
巻号頁・発行日
1935
著者
河井 良浩 植芝 俊夫 富田 文明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.315-316, 1997-09-24
被引用文献数
1

マイクロマシン技術において, その基礎のひとつである計測評価法の確立が求められている。形状測定に関しては, 市販品としてレーザ顕微鏡, 触針式の形状測定機, 触針式の段差測定機, 原子間力顕微鏡などがあるが, 3次元的な複雑形状部品の測定, 評価には適していない。また, 微生物などの動物体の3次元形状測定において, レーザ顕微鏡は生命体を殺傷してしまうなどの理由で適当ではない。光学顕微鏡から得られる画像を解析するシステムに関しては, 単眼の画像をイメージフォーカスを利用して3次元形状を復元するシステムが市販されている。しかし, 精度, 動物体を扱えないなどの短所がある。そこで2眼のステレオ画像を扱うことで3次元形状を計測するステレオ顕微鏡の研究が行われている。今回, 我々は光学顕微鏡に2台のカメラ, x-y-zステージを組合わせ, 立体形状を柔軟に測定できるステレオ顕微鏡システムを開発した。対象物体を拡大したステレオ画像を解析し, 3次元微細構造の復元を行う。ステレオ法に関する技術については我々の研究・開発してきた処理モジュールを組み合わせることで行っている。[2]のシステムとの相違は, x-y-zステージとの組合わせにより, (1) カメラキャリブレーションを容易に行え, (2) 高倍率時の焦点深度の変化に対応可能な点である。本発表では, システムの概要を紹介し, カメラキャリブレーション法や復元手法について述べる。
著者
柴田 澄雄
出版者
国際教養大学
雑誌
国際教養大学アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
no.1, pp.27-35, 2015-06-30

2001年10月に運航が始まった秋田=ソウル間の定期便(大韓航空)は利用者数の低迷が続いている。当該便はビジネスニーズでの利用が少なく、路線維持が観光ニーズに依存している。秋田からの外国旅行者数が長期的な減少傾向にある中で韓国への旅行者数の増加に大きく期待することは困難であり、人口規模の大きなソウル特別市や仁川広域市から、いかにして秋田県への訪問者数を増やすかが路線維持の可否を左右することになる。本稿では、近年の訪日韓国人観光客数の推移と、その中で本県を訪問する韓国人観光客数の推移を検討した上で、本県への韓国人観光客の誘致にいかなる方策があるかを論じ、さらに、2015年1月から3月にかけて、国際教養大学および韓国の中央大学校との間で実施した課題解決型学修プログラムにおいて、学生たちが秋田とソウルの観光・物産販売等の促進について論じた内容を紹介する。
著者
鈴木 勇一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.137-149, 2010-03

現代の日本では、さまざまなところでおみやげが売られているのを目にすることができるが、世界的に見れば必ずしも一般的な光景とは言えない。とりわけその土地の名物とされる饅頭や団子などの食品類の種類の豊富さは他に類を見ない。本稿では、このような近代日本のおみやげを近世からの展開をふまえ、鉄道の発達との関係性から検討することを目的とする。近世日本では神社仏閣への参詣の際に、その証としてのおみやげが発達したが、その多くは、軽くて嵩張らない非食品であった。また神社仏閣の門前や街道筋などでは饅頭や団子などの名物がさかんに売られるようになっていたが、基本的にその場で食されるもので、おみやげとされるものではなかった。明治時代になり鉄道が開通し旅行時間が短縮されると、これら近世以来の名物は持ち帰りができるおみやげに転化していくようになった。その際には、駅構内での販売権の確保が知名度向上の大きな要素であったが、同時に保存性の向上や容器の改良など、おみやげとするのにふさわしい形へと変容していった。こうした創意工夫を奨励し、知名度の向上に大きな役割を果たしたのが、各地で開催された博覧会や共進会であった。このように、近代日本のおみやげは前近代からの系譜の上に成り立ちつつも鉄道や博覧会といった近代的な装置を媒介として独自の展開を遂げていったことが大きな特徴といえる。Study of Souvenirs in the Modern Period : Focusing on Tokaido
著者
佐藤 宏子
出版者
Japan Society of Family Sociology
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.67-67, 2000

本書は、「21世紀の日本の最も大きな社会問題は、若年・中年・老年という三世代の金銭的・物質的・サービス的・情報的・愛情的な交流がうまくいくか、それとも逆に世代間の対立が激化するかの点にあると信じて疑わない」と考える著者が、16名の共同研究者と共に3力年にわたって行なった「世代間交流」の研究成果をもとに、1989年から1998年の間に執筆した「世代間交流」の理論化に寄与する6編の論文を集めたものである。<BR>本書の構成は、第1章 : 高齢化社会における世代の問題、第2章 : ボランティア活動の意味、第3章 : 長寿社会の生涯学習、第4章 : 意味の深みへ-方法論によせて、第5章 : 白秋・玄冬の社会学、第6章 : 家族の来し方行く末を考えるとなっており、薪しい研究分野である「世代間交流」が非常に幅広い視点から論じられている。内容を簡単に紹介すると、長寿化しつつある先進諸国では世代相互間の断絶・抗争が発生しやすくなっており、顕在化した「世代の断絶」や「世代間抗争」に対処するためには、家族を超えた社会的レベルで三世代間の交流システムを再構築する必要があり、全体社会的レベルの世代間交流としてボランティア活動の重要性、生涯学習の意味や必要性などが述べられている。また、エリクソンが老年 (成熟) 期への移行過程の発達課題としたインテグリティ (「充全性」) に到達するためには、高齢者が自分と同じ老年の世代と接触するだけでなく中年や若年の世代と接触し、それらの人びとのために働くという手立てが有効であり、さらに「長寿社会」から「成熟社会」に達するためには、すべての世代がすべての世代と接触し、損得を離れて相互に奉仕し合う「世代間交流」が「必要条件」の一つであると指摘している。また、本書の後半では著者自身の老後感、ライフパニック、臨死体験、参禅における悟りの境地、遺伝子操作が論じられたり、現時ヒト科の古生物学・考古学的研究・霊長類の動物生態学的研究・狩猟採集民の人類学的研究の成果から、ヒトにとって言語の獲得と家族の形成が不可欠なものであったことが導かれており、経験と学識の豊かな著者ならではの示唆に富んだ良書である。ただ、私は著者らのライフパニック調査における有配偶男性の身の回りのことや家事に関する生活自立能力の低さは、著者の言葉を借りるならば「健常者の平和時の日常生活世界」の問題であって、危機管理としての問題ではないと感じること、「夫婦が負担を平等に分け合いながら共生しようとしたときの二つの生き方」には共感しかねることを正直に付け加えさせていただきたい。
著者
健翁 纂
巻号頁・発行日
vol.[1], 1000
著者
中島 研吾 大島 聡史 塙 敏博 星野 哲也 伊田 明弘
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-157, no.16, pp.1-8, 2016-12-14

SELL-C-σ 法は疎行列演算の性能を高める行列格納手法として注目されているが,これまでは専ら疎行列ベクトル積に適用されてきた.科学技術計算において広く使用されている ICCG 法は前進後退代入,不完全コレスキー分解等のデータ依存性を有するプロセスを含むため,多色順序付け等によって並列性を抽出する必要がある.本研究は世界でも初めて,ICCG 法に SELL-C-σ 法を適用した事例である.Intel Xeon Phi (Knights Corner,Knights Landing) 上での性能評価を実施し,特に Knights Landing 上では従来手法と比較して高い性能改善を達成することができた.
著者
藤井 建夫
出版者
食品化学新聞社
雑誌
月刊フ-ドケミカル (ISSN:09112286)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.12-16, 2007-11
被引用文献数
1
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00040, (Released:2016-12-22)
参考文献数
36
被引用文献数
6

我が国5海域における珪藻Skeletonema属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域ではS. grevillei,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾ではS. dohrniiが優占し,S. japonicumが混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾ではS. costatumが,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順にS. grevilleiとS. pseudocostatumが出現した。