著者
佐藤 晃由 K. T. Yang
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.81-87, 2000-04-30 (Released:2011-08-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
鈴木 博人 宮腰 寛之 山本 俊六 是永 将宏 鈴木 亘 青井 真
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.40, no.S08, pp.191-206, 2021 (Released:2022-03-30)
参考文献数
22

高速鉄道では,地震発生時に速やかに列車を減速・停車させることが重要である。新幹線では,線路沿線や線路から離れたより震源に近い地点に設置された地震計で観測される地震情報を利用して,線路に主要動が到達する前に列車を減速・停止させる早期地震検知システムが構築されている。近年,太平洋沖に海底地震計の観測網が整備された。海底地震計を早期地震検知システムに利用することができれば,東北地方太平洋沖地震などの沈み込み帯で発生する地震をより早く検知できると期待される。そこで,新幹線の早期地震検知システムに海底地震計を利用する方法を開発し,海底地震計のしきい値の設定方法や誤警報の防止方法を提案した。さらに,海底地震計を早期地震検知システムに利用することの効果を検証した。JR 東日本では,房総沖のエリアの海底地震計を2017年11月1日に,茨城・福島沖から青森・釧路沖のエリアを2019年1月25日に利用開始した。
著者
松本 昭彦 MATSUMOTO Akihiko
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.92-100, 2014-03-31

歌枕「末の松山」について、それを「波が越す」という有名な措辞がある。古くは『古今和歌集』巻二十・第一〇九三番歌に、「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ」とあり、「仮名序」にも和歌表現の歴史を言う中で、「あるは、松山の波をかけ」とある。この東歌の表現は、『万葉集』巻七・第一三八二番歌「泊瀬川流る水沫の絶えばこそ我が思ふ心遂げじと思はめ」等の類型表現と同様、「非現実的現象の非実現性」を、恋心の永続性の譬喩とするものだが、仮定の上下が逆になっている。わざわざ上下が逆転した作りになっているのは、貞観津波によって「末の松山を波が越える」ことは、実現一歩手前まで行ってしまったので、類型通りでは、自らの恋心の誓いにならないと感じられたためと思われる。つまり、この東歌の、そしてこの措辞の背景には、貞観津波で末の松山に津波が迫ったという事実があったはずなのである。この措辞が都に伝わると、一気に広まったが、やがて津波の知識・記憶は薄れ、元々の意味とは別に、面白い表現として使用され、「歌枕」となったものであろう。
著者
京都帝国大学 編
出版者
京都帝国大学
巻号頁・発行日
vol.自大正14年 至大正15年, 1926
著者
清島 真理子 森 俊二 大谷 道広
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.711-715, 1992 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15

64歳男性に発症した第二期梅毒の1例を報告した。初診の約5ヵ月前より, 両側上腕に米粒大-半米粒大の紅色丘疹が出現し, その後, 両前腕, 体幹にも同様の皮疹が出現した。掻痒はない。初診時にTPHA81, 920倍, ガラス板法128倍, 緒方法640倍, TPHA-IgM 2倍であったため, 第二期梅毒と診断した。ベンジルペニシリンベンザチン (PCG) 160万単位/日内服投与 (1日4回) を開始したところ, 約3週間で皮疹は消失したが, 5週間経過した後も, TPHA-IgM, TPHA, STSは低下傾向を示さなかった。そこで, プロベネシド1g/日内服を併用したところ, 1週後にはTPHA-IgMは陰性化し, TPHAは20, 480倍, 緒方法は320倍と低下した。

5 0 0 0 OA 太政官日誌

出版者
太政官
巻号頁・発行日
vol.明治7年 第1−63号, 1876

5 0 0 0 OA 競馬年鑑

出版者
競馬研究会
巻号頁・発行日
vol.昭和11年版, 1936
著者
西野 毅朗 杉森 公一 吉田 博 竹中 喜一 佐藤 浩章
出版者
日本高等教育開発協会
雑誌
高等教育開発 (ISSN:24369918)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.46-54, 2022-03-31 (Released:2022-05-06)
参考文献数
7

本研究は、日本における大学教育センター等を評価するためのアセスメントツールを開発することを目的とし、望ましい基準とはいかなるものかを明らかにする。大学教育センター等は、主として大学教育の改善を担う組織であり、日本の約半数の大学が設置しているが、センターそのものの組織体制やサービスを評価するための基準は定かでない。そこで、本研究では3つの段階に分けて、基準の開発に取り組んだ。第1に、米国におけるCTLのアセスメントツールである「A CENTER FOR TEACHING AND LEARNING MATRIX」を日本語に直訳した。第2に、この「直訳版」について日本の大学教育センター等の関係者から意見を収集し、日本の文脈に合わせた表現に変更した「意訳版」を作成した。第3に、意訳版を用いて実際に自組織を評価していただき、評価基準について改善すべき点をヒアリングした。そして、その結果を踏まえた「日本版CTLアセスメントツール」(日本版CTLアセスメント基準および活用ガイドライン)を完成させるに至った。今後は、本評価基準をいかに活用しうるかについて明らかにしていきたい。
著者
臺 純子
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.9-18, 2005-03-31 (Released:2017-04-01)

The purpose of this study is to clarify how luxurious spaces on passenger ships have changed over the years and to determine what the factors that have caused these changes are. Analysis was conducted based on historical records, data, photos, deck plans of ocean liners and modern cruise ships and my own experience on passenger ships. The main findings are as follows; 1) The changes of luxurious spaces on passenger ships can be divided into six periods. 2) The main dining room, entrance hall, and grand staircase were symbols of social strata during the ocean liner era, but those facilities on modern cruise ships do not have the same meaning as symbols of social strata. 3) Luxurious spaces on passenger ships have been influenced by architectural trends and fashions. 4) Luxurious spaces on passenger ships have been influenced by the social and economic trends in the U.S.A., and the changes of social strata caused by the bubble economy influenced changes of construction and the meanings of luxurious spaces on passenger ships. 5) "Top Down" process of changes of the luxurious spaces pass through "Elimination" and "New-Appearance".
著者
岡本 百合 三宅 典恵 香川 芙美 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.423-428, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
12

近年, 受診する成人の背景に自閉症スペクトラム障害 (autism spectrum disorder : ASD) をもつ例が多いことがいわれている. 大学の中にも, 自閉症スペクトラム (autism spectrum : AS) 特性を背景として, 併存症や不適応問題を抱えて来談・受診する学生が増加している. 保健管理センターに来談・受診する学生に, 厳密にASD診断がつく者は一定割合はいるものの, 多くはグレイゾーンの学生たちである. 今回は, 広い意味でAS特性をもつ大学生の臨床像について報告した. 障害学生支援については, 2016年 (平成28年) 4月に障害者差別解消法の合理的配慮規定などが施行され, 修学上の支援は充実されつつある. しかしながら, 修学上の問題以外の不適応問題に取り組む必要がある. また, 大学生活への適応だけでなく, 卒業後の方向性もふまえて支援していくことが重要と思われた.
著者
原田 知佳 吉澤 寛之 吉田 俊和
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.122-136, 2009 (Released:2009-03-26)
参考文献数
42
被引用文献数
10 4

本研究は,社会的迷惑行為および逸脱行為といった反社会的行動に及ぼす自己制御の影響過程について,脳科学的基盤が仮定されている気質レベルの自己制御と,成長の過程で獲得された能力レベルの自己制御の2側面に着目し,気質と能力の因果関係を含めた包括的モデルの検討を行った。対象者は高校生・大学生の計641名であり,自己制御の気質レベルはBIS/BAS・EC尺度を,能力レベルは社会的自己制御(SSR)尺度を用いた。分析の結果,次の知見が得られた。(1)SSRの自己主張的側面はBIS/BAS,ECからの直接効果が示されたのに対し,自己抑制的側面はECからの直接効果のみが示された。(2)気質レベルよりも能力レベルの自己制御の方が,反社会的行動により強く影響を及ぼすことが示された。(3)社会的迷惑行為と逸脱行為とでは気質レベルの自己制御からの直接効果に差異が示され,前者はEC,BASからの直接効果,後者はBIS/BASからの直接効果が示された。(4)能力レベルの自己制御と逸脱行為との関連については,自己抑制と自己主張の交互作用的影響が認められ,自己抑制能力を身につけずに自己主張能力のみを身につけると,他者を配慮せずに自己中心的な行動を行う自己主張能力として歪んだ形で現われるために,逸脱行為に結びつきやすい傾向が示された。以上の結果に基づき,反社会的行動に及ぼす自己制御の影響過程,社会的迷惑行為と逸脱行為との相違点および共通点について議論した。