著者
北尾 悟 寺本 円佳
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.69-78, 2002-03-06

アルカリpH域におけるブドウ種子ポリフェノール(GR-S)のDPPHラジカル捕捉活性の熱安定性についてアスコルビン酸(AsA)と比較検討した。またアルカリpH域で加熱ゲル形成を行うコンニャク製造にGR-Sを応用し,GR-S配合コンニャクを試作し,そのDPPHラジカル捕捉活性をはじめとする各種の評価を行った。中性pH域と比べると,アルカリpH域ではGR-Sも若干ラジカル捕捉活性が減少したが,AsAよりもはるかに熱に対して安定だった。例えば,AsAが完全に活性を失ったpH 10.0,100℃,30分処理において,GR-Sは捕捉活性を約60%保持していた。このことより,GR-Sはアルカリ・熱に対して非常に安定なDPPHラジカル捕捉化合物であることが明らかとなった。GR-S配合生コンニャクはDPPHラジカル捕捉活性を有意に示すことが明らかとなり,醤油ベースのおでん風味とした場合でも活性を確認できた。一方,同濃度のAsA配合生コンニャクでは弱い活性値しか示さず,おでん風味となると活性が検出できなかった。GR-S配合コンニャクは,無配合およびAsA配合コンニャクと同等なテクスチャーを有し,官能検査でも同様の結果が得られた。GR-S配合コンニャクは特に赤色に着色しており,官能検査でも生の場合,外観そして全体の評価が悪かった。しかし,おでん風味となると今回試作した3種類のコンニャクに大きな評価の違いはなかった。
著者
メーワルト U
出版者
中部大学
雑誌
国際研究 (ISSN:09100156)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-22, 1998-03-31
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1356, pp.30-33, 2006-09-04

真夏だというのに、おでん売り場には若い女性客が殺到し、飛ぶように売れていく。ここは、北京市でも有数のオフィス街にあるセブンイレブン建国路現代城店。時計の針が正午に近づくと、財布と携帯電話を手にしたOLたちが集まってくる。 カウンターには日本のコンビニエンスストア同様、たくさんのおでん種が並ぶ。
著者
OKUBO Yoshiko MIQUEL Jean-Francois
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.261-280, 1992-10-15
被引用文献数
2

1981年から86年までの科学引用索引データを基に2国間の共著論文数を指標化し,日本と世界97カ国との共同研究を定量的に測定した。また,日本の共同研究状況をマクロとミクロの両方から分析した。日本の基礎研究における国際化の水準は低いが進んでいた。共著の相手国は米国の比重が大きいもののアジア諸国及び西ヨーロッパ諸国との研究が増加していた。共同研究は分野により国際化の状況が異なり,相手国によっても共同研究様式が違っていた。8科学分野における日本と10数カ国間の関係構造を検討し,各国々の日本における位置および日本の各国における位置を示した。具体例として日本とスウェーデン,イタリア,スイス,フランス,中国との科学技術活動を検討し,さらに神戸大学とフランスとの共同研究を取り上げて国際ネットワークの事例を分析した。
著者
山谷 陽亮 大平 雅雄 パサコーン パンナチッタ 伊原 彰紀
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.59-71, 2015-01-15

オープンソースソフトウェア(OSS)を活用したシステム開発が一般的になりつつある一方,「サポートが得られるかどうか分からない」などの理由から,依然としてOSSの活用に躊躇するシステム開発企業は少なくない.本研究では,OSSシステムとコミュニティの共進化のプロセスを定量的に分析するためのデータマイニング手法を提案する.本手法は,時間的順序関係を考慮した相関分析を行うためのものであり,一方の系統の進化が一定時間後に他方の系統の進化に影響を与えるという関係の抽出を支援する.Eclipse Platformプロジェクトを対象に131種類のメトリクスを用いてケーススタディを行った結果,従来の相関分析では抽出できない31件の関係を提案手法により抽出できた.また,抽出された関係を追加分析することで,Eclipse Platformにおける共進化のプロセスをより正確に観察できることを確かめた.
著者
深沢 克己 高山 博 羽田 正 松嶌 明男 勝田 俊輔 千葉 敏之 宮崎 和夫 樺山 紘一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、近世・近代のヨーロッパにおける宗教的寛容と不寛容の生成・展開について考察することを主たる目的としながらも、イスラム世界・ヨーロッパ中世の専門家を交えることで、この問題を比較史的にも検討することを課題とした。この研究テーマについて各研究分担者がそれぞれにおこなった調査研究の成果を年二回の研究会において全体で討議し、その結果として、次のような共通理解に到達することができた。宗教改革を契機として成立した近世ヨーロッパの宗教的寛容は、国家の役割に従って分類するならば、宗派別の住み分け、法令による異宗派の共存、法律の制定を伴わない実質的な寛容の三つに類型化できる。しかし寛容の堅固な基礎は日常的次元での共存と相互理解にあり、それを可能にする社会の意識改革あるいは文化変革にある。宗教的寛容の歴史的研究においては、この問題への国家による対応のみならず、社会的次元での寛容の実践のあり方、またそれを支える人々の内面的根拠にも分析のメスを入れることも重要であり、両者を総体として論じることが要請される。このように考えるならば、歴史としての宗教的寛容という問題は、近世近代のヨーロッパのみならず、イスラム世界やアジアをも含めた世界史の問題として、あるいは古代・中世という近代的寛容の精神をいまだ知ることのない歴史世界についての考察にも応用可能であるばかりか、まさに宗教的不寛容が蔓延する現代社会において、その解決法を歴史的に探るという意味でもまた有益である。
著者
板倉昭二編著
出版者
ミネルヴァ書房
巻号頁・発行日
2014
著者
徳久 雅人 中野 育恵 山下 智之 岡田 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.484, pp.21-28, 2001-11-29
被引用文献数
8

本稿では, 勧誘の対話について, 対話者の情緒を推定するためのルールベースを構築する手法について議論する.まず, 情緒を推定する過程を対話コーパス上に記述する.そのコーパスのタグは, 対話相手(被勧誘者)の心的状態, および, コーパス作成者のタグ付与の理由を表す.情緒推定ルールの作成者は, その付与理由を参照し, 心的状態を導くif-thenルールを作成する.こうして, 6対話を分析した結果, 118個の推定規則を作成することができた.次に, ルールベースの妥当性を評価する.すなわち, ルールベース作成に用いたコーパスの再現率, および, 他者が作成した同じ6対話のコーパスの再現率を調べた.その結果, 70%以上の再現率を得た.最後に, 対話システムの対話プランニングに情緒推定を応用した.幾つかの目標対話を生成することができた.以上により, 相手の情緒を推定するためのルールベースが構築できた.
著者
村上 和仁 今富 幸也 駒井 幸雄 永淵 修 清木 徹 小山 武信
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.757-764, 1998-11-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
25
被引用文献数
2 4

The Seto Inland Sea in Japan is well known world-widely as one of the famous enclosed coastal sea, which is surrounded on all sides by the three large islands of Honshu, Kyushu and Shikoku, and is the largest inland sea in Japan (area ; 22,000Km2, total coastline ; 6,600Km, average depth ; 38m). In order to obtain the information about the environmental condition in the Seto Inland Sea, the quantity and distribution of macrobenthos, especially Annelida which is considered to indicate the sedimental condition, were investigated from the 425 sedimental samples as the Investigation for Environmental Management of the Seto Inland Sea (IEMS), which conducted from 1991 to 1996.The results obtained can be concluded as follows:1) The macrobenthos mainly observed in the Seto Inland Sea were Lumbrineris longiforia, Paraprionospio spp., Prionospio ehlersi and Theora fragilis, which were recognized as the indicator species of organic pollution.2) 16species of Spionidae were observed, i.e. Paraprionospio sp., Prionospio ehlersi, P. cirrifrea, Spiophanes sp. and so on.3) The species number and the individual number of Annelida were decreased with increase of muddy ratio, IL, COD, T-N, T-P and TOC.4) The species number and the individual number of Annelida were decresed with increase of Cd, Cu, Ph, Zn and Mn.5) Organic pollution was suggested especially in inner bay area because of dominations of some species of Annelida, Spionidae.
著者
渋谷 恒司 菅野 重樹
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.347-354, 1995-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

人間は指と腕を協調させることによって, 対象物にかける力などを微妙に制御することができる. 本論文では, このような指と腕の協調による微妙な力制御が必要な例としてバイオリン演奏のボーイング動作をとりあげ, その弓圧制御における右腕の各関節の役割分担を工学的に明らかにすることを目的とした. 被験者は, 熟練者として職業演奏家2名, 未経験者2名の計4名とした. 演奏はバイオリン演奏において最も基本的と考えられるA線全弓での演奏とし, これを弓圧を3段階に分けて弾いてもらった. 右腕の動作は三次元動態分析装置, 弓圧は弓に取りつけたひずみゲージで計測した. それらの計測データから各関節トルクをニュートン-オイラー法で算出し, 分析を行った. その結果, 熟練者は手関節で弓圧の制御を行うなど, 各関節の役割分担が明確になっているのに対して, 未経験者では明確でないことが明らかとなった.
著者
前田 美季 中村 千種 内垣 亜希子 弓庭 喜美子 内海 みよ子 志波 充 三家 登喜夫 宮井 信行 有田 幹雄
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.158-162, 2011 (Released:2011-07-15)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

目的:加齢とともに高血圧の罹患率は増加するが,閉経との関連は明らかではない.女性の加齢及び閉経による血管系に及ぼす影響を明らかにするため,年齢により分類し比較検討した.方法:151名の中高年女性を性成熟期群,移行期群,閉経期群に分類し,身体計測,血圧測定,血液生化学検査,上腕・足首脈波速度(brachial-ankle pulse wave velocity:baPWV),血圧脈波検査(Augmentation Index:AI),内皮依存性血管拡張反応(flow-mediated vasodilation;%FMD),心エコー図検査を実施し,3群間の心・血管系に及ぼす影響を比較した.結果:収縮期血圧は性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に高値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた.baPWVは,性成熟期群に比し閉経期群で有意に高値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた.AIは性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に高値を示した.%FMDは性成熟期群,移行期群に比し閉経期群が有意に低値を示し,血清クレアチニン,推算糸球体濾過値(eGFR),高感度CRPは有意に高値を示した.E/Aは性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に低値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた(いずれもp<0.05).結論:加齢および閉経により血圧の上昇,動脈硬化の進行,血管内皮機能の低下などが認められた.女性の健康管理や心血管イベント防止のためには,年齢に応じたエストロゲンの作用による心血管系の変化を理解することが重要であることが示唆された.