著者
堀尾 尚志 居垣 千尋 佐々木 圭一 牧 大助
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.117-122, 1982

Among the steering modes of farm tractor, the crab-steering has hardly been taken up in production and also in research. That mode of steering may be unapplicable to manual operating that has made familiar with normal mode of steering for long time, but because the vehicle with that mode can always hold its body in a certine direction, that type has a profitable property for the automatic guidance in field operation, and positional relation of sensor and implement is one-dimensional problem and attaching point of sensor to body is unrestricted. This type vehicle can not turn, but travelling of field operation necessitates no turning in many kinds of operations except at head land. At head land, it may be solved to change steering mode. The authors aspect to the property of crab-steering and aimed to develop the automatic guidance system with this steering mode. In this paper, the stability of relay-control system of automatic guidance was considered with describing-function method, and the results of tracking tests with trial vehicle were discussed and considered by means of time varying Fourier coefficients of tracking pass.
著者
名嶋 義直
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

日本語学習者がノダ文をどのような点に着目してメタ的に理解しているかを明らかにするため,韓国人学習者・中国人学習者に対し質問紙調査を実施した。調査結果を分析したところ,双方の学習者に共通の特徴として「ノダと文脈との関連」を充分に理解していない点,語用論的な理解の欠如という点が明らかになった。両学習者群を対照してみると,韓国人学習者の方が語用論的な理解が相対的に強く,中国人学習者は意味論的・構文論的理解が強いことが明らかになった。このことは学習者に応じてノダ文の教え方を考慮する必要があることを意味する。
著者
奥乃 博 湊 真一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1789-1799, 1995-08-15
被引用文献数
2 1

BDD(二分決定グラフ)はブール関数のコンパクトな表現方法である。我々は、BDDを使用して組合せ問題の複数の解を同時に表現したり、ATMSといった多重文脈型真偽維特システムの機能拡張をする方法を検討してきた。与えられた問題記述あるいは制約条件からBDDを構築する過程は制約充足問題の解法とみなすことができる。本稿では、2種類のBDD、算術諭理式が使用できる通常のBDDと組合せ集合が使用できるZBDD(Zero?Suppressed BDD)を取り上げ、それらを用いた割約充足問題の解法を検討する。制約充足問題のデータと制約条件のコーディング方法を提案し、N?Queens問題や魔方陣の問題などの具体的な問題を取り上げ、2種類のBDDによる解法を評価する。さらに、BDDによる解法を、制約充足問題での一貫性アルゴリズムやATMSと比較し、評価を行う。BDDでは、一旦適用された制約条件が以降ずっと成立するという単調一貫性維持が成立する、一方、ZBDDでは、組合せ集合演算の性質から、制約条件が適周する対象によって制限される。しかし、この結果ZDDDでは段階的解法が容易となる。
著者
齋藤 暖生
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

自然に対する心理的なつながりを強める体験として、林野における採取活動を捉え、それが、森林地域の住民によって排除されている事例および受容されている事例を多数比較調査することによって、排除が成立する要件を分析した。多くの場合、資源への一般のアクセスを排除した時の便益がそのコストに見合う場合に排除が持続的に成立しうると説明できる。一般による資源採取を認めるためには、資源が持続可能となる利用圧のレベルを明らかにし、行動規範を確立することが課題となる。
著者
田口 晶彦 奥山 和彦 小倉 義光
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.649-659, 2002-08-31
参考文献数
17
被引用文献数
11

第1部に引き続き,1995〜97年の梅雨明け以降の7月と8月の期間,SAFIRが測定した関東地方の雲放電数並びに落雷数と,館野の09時の高層データに代表される大気環境との関係を調べた.特に1日あたりの雲放電数が1000以上の大発雷日を無発雷日と比較すると,下層から中層にかけて,温度・露点温度・相対湿度・風の高度分布に顕著な差が認められた.いろいろな安定度指数についてスキル・スコアを計算し,発雷の有無を判別する能力を調べた結果によると,Showalter Stability IndexとK-Indexはほぼ同じ程度によく,Total Totals Indexが少し劣り,CAPEが最も成績が悪かった.安定度指数に中層の風向や相対湿度の影響を加味した発雷予測の方式を提案した.最後に,館野の高層ゾンデ観測に見られる混合比の日変化についても述べた.
著者
堀尾 尚志
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.197-206, 1989-01

試作したクラブ・ステアリング車を用い,自動操向実験を行なった。アスファルト路面にペイントで描いた白線を目標経路とし,これを1対の反射型赤外線光電センサとマイクロ・コンピュータにより信号を処理しトラッキング・エラーを検出した。自動操向実験は,解析結果を検証するため波長と振幅を変えた正弦波目標経路に対して,また実際の状況を想定してステップ関数の立上り部分をランプに置き代えた形の目標経路に対してそれぞれ行なった。
著者
赤澤 輝彦 梅田 民樹 岩本 雄二
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

電磁流体力学(MHD)を応用した海水油分離装置は,理論的な研究がほとんど行われていなかった.このため分離性能の向上が難しい状況であった.本研究で我々は,海水が電解質であると考えるイオン(移動)モデルを提案した.分離装置の磁場中での働きを明らかにするため,このモデルの数値計算を行った.さらに,この分離装置をもつ試験プラントを作成し,実験的に理論モデルの妥当性を明らかにした.これらの結果から,分離装置の改良法について提案を行った.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.513, pp.48-49, 2011-02-14

「エネルギー事業で成功するには、与えられたものを造ることから脱皮して、発注者になる感覚が必要だ」。こう話すのは、長野県駒ケ根市に本社があるネクストエナジー・アンド・リソースの伊藤敦社長だ。 同社は、建設会社である丸福久保田組(長野県駒ケ根市)の関連会社。同社の土木本部長だった伊藤氏が、環境関連の事業を手掛けたいと考え、2003年に立ち上げた。
著者
米長 邦雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, 2010-08-15
著者
長濱 虎太郎
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

本研究の目的は、生活支援ロボットが人間を観察し、道具を用いたタスクの目的と各操作の手段を認識し再現するための一手法を実証的に明らかにすることであった。従来の観察学習手法では観察対象の追跡結果を入力としていたが、袋に入れる・包丁で切るといった道具利用の観察では、観察対象が見えない場合が発生する。これに対し本課題では、観察対象が見えなくなること自体に観察対象の状態を推定するための重要な情報が含まれるとの着想のもと、遮蔽関係を積極的に利用して観察対象同士の関係を推定し利用する研究を進めており、ロボットによる観察と道具利用タスクにより評価を行ってきた。本年度は、複数の観察対象同士の遮蔽関係あるいはフレームアウトにより、対象が全く見えなくなる重要な時区間が存在する状況を想定し、観測できた時刻の見え方のみを使って、遮蔽下の状況を推定する仕組みの解明と評価をおこなった。本手法では、観察対象の疎な探索結果を入力とし、観察対象同士の視覚重畳関係と、運動特徴の時間的推移から、上下・包含関係の変化を含む作用を検出する。その際に視覚重畳関係と運動特徴の時間的推移を補間するための数種類の知識を与えることで、袋への収納や片付け等の観察においても、タスク目的と許される操作手段が推定可能であることを示した。さらに、ロボットが自身の体と再現時の環境に合わせて、観察学習した手段を用いてタスク目的を達成するために、STRIPSタイプの因果関係記述とタスクプランナを用いる手法を導入した。物体同士の上下・包含関係と道具的利用法を表す述語を定義して、観察学習したタスク目的と手段を記述し、各々の上下・包含関係の操作の前には、許される操作手段を前提条件として確認させる。最終的に日常環境での片付け作業、洗濯ネットを用いて洗濯物を仕分け作業を等身大ヒューマノイドへ観察学習・再現させる実験により、本手法の有用性を確認した。
著者
中原 裕美子
出版者
九州産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、台湾をめぐる科学技術人材の国際労働力移動について、とりわけ台湾と中国の間の移動に焦点を当てて分析した。台湾では科学技術人材が不足しているが、台湾と中国の企業の間では、相互に人材獲得を図る動きが起こっている。台湾企業が中国の人材を欲するのは、台湾で不足している科学技術人材の数の補填のためと見られ、他方で中国企業が台湾の人材を欲するのは、台湾の人材が持つ先端技術や能力を求めてのようである。しかし、台湾の人材は全体でみると流出超となっており、台湾の科学技術人材の不足は、今後さらに深刻になる可能性もある。
著者
畠山 裕康
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、細胞内の任意の分子の一分子計測を容易に可能にする材料と手法の提供を目的とした。そのために、極めて安定で明るい蛍光ナノ材料、量子ドットに対して、低分子リガンドと特異的共有結合を形成するタグタンパク質を利用した目的分子との特異的結合能の獲得と細胞膜透過性ペプチドを利用した細胞膜透過性の獲得の2点を試みた。前者については目的を達成したものの、後者は導入効率等に課題があったため断念した。しかし、エレクトロポレーション法により低い細胞毒性にて高効率な細胞内導入を可能にすることができた。これにより細胞内におけるミオシンの一分子計測を行うことができ、本研究の目的を達成することができた。
著者
滝沢馬琴 著
出版者
金桜堂
巻号頁・発行日
1885
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1226, pp.100-102, 2004-01-26

山形県内の小学校の理科の実験室。数人ごとに席についた子供たちの目は、前に立つ講師の手元に釘づけになっていた。「おおー」「すごーい、光ってるよ!」。マッチ箱ほどの大きさのごく薄い板に電気を流した途端に、まぶしいくらいに白く輝いたのだ。 「この特殊なプラスチックが光るのはね、ホタルが光るのと同じ原理なんです。僕らはこれを将来、蛍光灯にしようと思ってます」。