著者
半田 拓也 坂井 忠裕 清水 俊宏 篠田 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.483, pp.13-16, 2013-03-06

筆者らは,3次元形状を視覚障害者にも触覚で伝えられる手法の開発を目指している.従来の点接触型力覚提示装置では,3次元形状の認知に重要な稜線や頂点の触察が困難であるという課題があった.そこで,稜線や頂点の認知のしやすさの向上を目指し,1本の指の腹に5点の刺激点を配置し,それぞれに3自由度の独立した力覚提示が可能な装置を試作した.本装置を用いて,力覚提示する刺激点(力覚刺激点)の数による物体の稜線と頂点のわかりやすさに関し,視覚障害者4名による主観評価を実施した.結果から,従来の1点による場合と比較して,力覚刺激点の数が2点以上で稜線と頂点のわかりやすさに有意な向上がみられ,今回の条件では,力覚刺激点の数が4点のときに稜線と頂点が最もわかりやすくなることが示唆された.
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.161-167, 2011-01-20

1 0 0 0 風俗画報

出版者
東陽堂
巻号頁・発行日
no.238, 1901-09
著者
安東 奈穂子 池田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.26-41, 2007-12

個人情報漏洩事件が相次ぐなか,図書館にも,図書館利用者の個人情報やプライバシーに対するいっそうの配慮が求められている。そこで,現在多くの図書館において行われているような,個人情報の取得を半ば当然としたうえで取得後のセキュリティを重視する個人情報管理が,果たして十分な情報保護を実現しているのか検証し,それに対して,画期的な新個人認証システムPersonal IDシステムの下では個人情報管理にどのような変化がもたらされるのかを比較検討する。さらに,当該システムを活用した,図書館利用者の情報主権者としての立場をより尊重した情報取得のあり方や,それに基づく,図書館利用者自らが主導権を握る利用者指向のサービスについて考察する。As incidents of identity theft become more frequent, libraries are becoming more concerned with ways to protect the personal information and privacy of their users. They must begin by asking themselves whether the library's current system of personal information management is really performing adequately, and then consider how it would compare to the way they could manage personal information using the innovative personal authentification system Personal ID. Furthermore, the authors posit that by implementing this new system, more respect is given to the library users who are in the position of controlling information, and this in turn provides a framework for developing user-centered services in which library users are able to take the initiative themselves.

1 0 0 0 IR 人文 第51号

出版者
京都大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:0389147X)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-70, 2004-06-30

[随想] 蜘蛛の糸 / 森時彦[夏期公開講座] 霊魂の行方 : たましいの古代と現在 / 小南一郎[夏期公開講座] ヴェーダ祭式にみえる生と死の観念をめぐって / 井狩彌介[夏期公開講座] 皮膚ともぐさの間にあるもの / 東郷俊弘[夏期公開講座] 問い直される生命観 : 現代の生命科学が提示するもの / 加藤和人[開所記念講演会] 日本民俗写真史ノート / 菊地暁[開所記念講演会] 中国古代法が語るもの : 張家山漢簡≪二年律令≫からみた漢代の社会 / 宮宅潔[開所記念講演会] 図像からみた古代メソポタミアの王権 / 前川和也[退官記念講演] 他者認識の思想史 / 阪上孝[退官記念講演] 私の数量経済史研究 / 山本有造[退官記念講演] 改革者としての薩摩藩 / 佐々木克[退官記念講演] インド学の共同研究ことはじめ / 井狩彌介[彙報] おくりもの / 訃報 / 人のうごき / 海外での研究活動 / 外国人研究員 / 招聘外国人学者 / 外国人共同研究者 / 外国人研究生 / 漢字情報研究センター講習会 / お客さま[共同研究の話題] 気懸かりな「江戸の虫たち」 / 遠藤彰[共同研究の話題] 線装本の情報と記憶 / 武田時昌[共同研究の話題] 私が班長になった理由 / 菊地暁[共同研究の話題] ためにならないはなし / 藤井律之[所のうち・そと] ある史料調査の思ひ出 / 谷川穣[所のうち・そと] 中古ピアノとクラビノーバ / 岡田暁生[所のうち・そと] 大文字 / 小関隆[所のうち・そと] 産学軍協同パラダイス / 藤原辰史[所のうち・そと] 羊男の話す英語 / 池田巧[所のうち・そと] 大海に溺れて / 佐野誠子[所のうち・そと] <人文科学協会奨励賞>理化学年代と「考古学的年代」 : 山内清男の限界 / 穴沢咊光書いたもの一覧
著者
岡田 暁生
出版者
同志社大学
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-59, 2011-03

講演記録音楽や舞踏は,芸術のシステムの中で長年その地位が低く扱われてきた.それは,古代ギリシャで身体を使う作業をすべて奴隷にさせていたことに起因し,長らくヨーロッパでは身体を使う職業が一段下とみなされてきた.このように音楽や舞踏といった芸術は極めて身体との関係性が強いジャンルである.作曲家が楽譜を書いているとき,様々な身体の格好,構えなどを想定している.つまり,楽譜は身体の格好の記録としての側面があることを理解する必要がある.時代によって,作曲家によって,あるいは様式によって,ある曲に適切な身体の格好というものが暗黙に合意されている.それは楽譜通りに音符をたどっていけば,そのような格好で演奏せざるを得ないようになっているからである.音楽は身体と音の振動,空気の振動といったものが互いにくっついて,たとえそこに身体が現前していない所でも,われわれはそこにその振動を発生させた身体を想定してしまう.その意味で音楽は非常に生々しい芸術といえるのである.In the long history of artistic systems, music and dance have not always enjoyed a high status, due to the fact that all physical activities were performed by slaves in ancient Greece. In Europe, businesses involving the body were considered lowly. Music and dance as art forms are strongly tied to bodily motions. When a composer writes music, he or she visualizes the various postures of the body. The notes, therefore, must also be understood as corresponding to physical postures. Among the different ages, composers and styles of music, there are implied and shared physical postures that are considered appropriate for certain music. When a musician follows the notes, he or she will be playing with these tacitly understood postures in mind. In music, the vibrations of the body, sound and air are interconnected. So a listener can imagine the posture which caused the vibration, without witnessing the actual posture in advance. In this sense, one can say that music is a very vivid form of art.
著者
水本智也 松本裕治
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014-NL-216, no.4, pp.1-5, 2014-05-15

第 2 言語を学習する人が増え,コンピュータによる第 2 言語学習支援に関する研究が盛んに行なわれている.その中でも特に英語の文法誤り訂正の研究が行なわれており,文法誤り訂正の性能を競う世界規模の Shared Task が 4 年連続で開催される.学習者の犯す誤りは様々なタイプがあり,全ての誤りタイプを訂正するために,統計的機械翻訳を用いた誤り訂正が提案されている.本稿では,統計的機械翻訳による誤り訂正結果の n-best の中に,1-best の場合よりもよい訂正が含まれていることに注目する.実際の出力結果を分析することで,リランキングによる性能向上が可能であるかを議論する.
著者
中尾 康朗
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.39-44, 2009

九州大学附属図書館では2009年11月の図書館システム更新に伴い,学生及び職員情報について学内他システムとのデータ連携のための開発を行い,利用者情報の管理に関して従来の個別ID管理方式から,全学共通IDへの統一化及び全学共通ICカードへの対応を実施したので報告する.
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.269, pp.1-82, 1962-05
著者
中堀 泰賢 廣瀬 智也 塩崎 忠彦 小川 新史 大西 光雄 藤見 聡 嶋津 岳士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.774-780, 2013-09-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2 6

【背景】rSO2(regional saturation of oxygen)とは,動脈・静脈・毛細血管を含む酸素飽和度のことで,「局所混合血酸素飽和度」もしくは「組織酸素飽和度」とも呼ばれる。この値を測定することで,局所の酸素需給のバランスの変化をとらえることができるとされている。心肺停止患者の脳保護の重要性は強調されているが,蘇生処置中の脳の酸素化を検討した研究はない。【目的】病院外心肺停止患者の蘇生処置中の脳内酸素飽和度(rSO2)の継時的変化を明らかにすること。【方法と対象】2008年3月から2010年3月まで我々の施設に搬送された病院外心肺停止患者で蘇生処置中に脳内rSO2値を測定した患者を対象とし,自己心拍の再開の有無別,PCPS施行時のrSO2値を後ろ向きに解析した。また健常人15人から正常範囲を決定した。【結果】Room air条件下でのrSO2値の正常範囲は71.2±3.9%であった。自己心拍再開を認めない例は25例(71.0±15.9歳),自己心拍再開例は13例(72.1±9.6歳),PCPS施行症例は5例(54.4±15.8 歳)であった。自己心拍再開を認めない症例は胸骨圧迫を施行してもrSO2値の上昇は認めなかった。一方,自己心拍再開例では再開により著明に上昇し,自己心拍再開時はrSO2値43.2±14.1%であったが,10分後55.7±12.3%,15分後59.7±8.5%と有意に上昇した(それぞれp<0.05,p<0.01)。PCPS施行例において,開始時rSO2値48.4±8.9%であったが,施行5分後63.0±8.8%,10分後66.2±5.7%,15分後68.1±4.6%と有意に上昇した(ともにp<0.0001)。【結語】脳内rSO2値は胸骨圧迫のみでは上昇せず,自己心拍再開とともに上昇する。PCPS導入により速やかに脳内rSO2値は上昇する。