著者
寺重 隆視 田邊 喜一
出版者
広島国際大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

1.小型飛行船を誘導するための顔位置推定法の提案飛行船型ロボットによる非接触、無拘束型のバイタルサインセンシング方式では,室内画像から推定された顔位置に飛行船を誘導する方式を想定している。このとき,就寝者、飛行船間距離による顔さいず変化や,飛行船の姿勢等による顔の回転に頑健な顔位置推定法が必要とされる。これまでの手法は前髪が眉部にかかっている場合には適用できないなど,いくつかの制約条件がある。そこで,両目の中点から外側回から放射状の周辺分布を特徴量として用い,顔の大きなスケール変化や,顔の回転に頑健な顔位置推定法が必要とされる。これまでの手法では前髪が眉部にかかっている場合には適用できないなど,いくつかの制約条件がある。そこで、両目の中点から外側に向かう放射状の周辺分布を特徴量として用い,顔の多きなスケール変化や,顔の回転に頑健な顔位置推定法を提案した。予備的実験の結果,周辺歩布の半径比で〜1程度の小さい顔画像の位置を推定できることが確認された。今後は,より多数の被験者による就寝状態での検証を重ね,本手法の有効性を実証する予定である。(日本人間工学第48回大会にて発表,2007年6月)2.小型飛行船の自律充電小型飛行船は機動性を確保するため自律的に3次元空間を移動する必要がある。動力源としてモータ及び電池を用いる場合,電池内に残存する電気量を自ら感知し,残存電気量が少なくなった場合には充電場所に自動的に移動することが求められる。さらに充電は無線方式によることが望ましい。本研究成果では,小型飛行船の上面にフィルム型太陽電池を貼り付け,残存電気量の低下を検知すると飛行船が自律的に照明器具の直下に移動し,その照明光のエネルギによって充電する方法を考案した。さらにその動作が可能であることを実証した。(一部を電気学会情報システム研究 IS-07-28にて発表,2007年9月)
著者
八尾 滋 宮川 淑人 松本 孝芳
出版者
一般社団法人 日本レオロジー学会
雑誌
日本レオロジー学会誌 (ISSN:03871533)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.77-81, 1986-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

Linear and nonlinear viscoelastic properties of disperse systems of photosensitive particles were studied in relation to the degree of aggregation of dispersing particles. The disperse system has the characteristic long-time relaxation process attributed to the aggregate structure of dispersing particles. In that relaxation process, the system in which the dispersing particles aggregate in some degree shows markedly nonlinear viscoelasticity. The characteristic relaxation time in the long-time relaxation process can be closely related with the rotational diffusion of the aggregate. It is also shown that the characteristic relaxation time is independent of the dynamic strain amplitude.
著者
渡辺 元
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本年度は主として中枢の性分化に関する以下の研究を行った。(1)視床下部-下垂体-性腺軸における雄性機能の正常な発現には、新生子期のLHRHが重要な役割を果たしている。内分泌かく乱物質の多くはエストロジェン用作用を有し、LHRH分泌を抑制することから、本研究ではLHRHの分泌を抗血清で免疫学的に中和するモデルを用いて、新生時期の内分泌かく乱物質の暴露が雄ラットの生殖能力に与えると予想される変化について解析した。その結果、出生後6日間LHRH抗血清を投与した雄ラットでは、成熟後精巣に精子形成は正常と判断されたが、成熟雌に対して交尾行動をほとんど示さず、射精に至らなかった。視床下部の内側視索前野にの存在する性的二型核の断面積を比較したところ、抗血清投与群では雄より小さい、雌に近い傾向を示した。以上のことから、中枢の性分化期に、LHRHの分泌が抑制された場合は、成熟後の生殖能力に重大な欠陥をもたらす危険性が示された。(2)新生時期の中枢の性分化時期の雌に、エストロジェン作用を有する内分泌かく乱物質としてオクチルフェーノールを投与した。成熟後、中枢の周期性を調べるため、卵巣を除去しエストラジオールを投与して、LHサージの出現を検討したところ、実験群ではLHサージが欠如していた。次に、雌の交尾行動を調べるために正常な雄ラットと同居したところ、雌の交尾行動の発現頻度および強度は正常に比べ有意に低値であった。視床下部の内側視索前野にの存在する性的二型核の断面積を比較したところ、オクチルフェノール投与群では雌より大きく、雄に近い傾向を示した。
著者
冨田 良雄
出版者
京大天文台アーカイブプロジェクト(京大総合博物館、理学研究科附属天文台、理学研究科宇宙物理学教室)
雑誌
第4回天文台アーカイブプロジェクト報告会集録
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-75, 2014-01-15

研究資源アーカイブ映像ステーションイベント : 京都大学映像ステーション, 2013/08/01
著者
大野 誠
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ニュートンの錬金術研究の痕跡は彼の『光学』(1704 年)に残されている。それはこの著作の付録「疑問 31」に留まらず、本論の第2篇第3章命題7と命題 10などに見いだせる。ニュートンは物体の色彩から粒子の大きさを見積もろうとしており、彼の中で光学研究と錬金術・化学研究は密接な関係にあった。 『光学』の本論は 1670 年代の「光学講義」などに基づいているので、ニュートンにおける光学と錬金術の関係は 1660 年代末には始まっていた。ニュートンの手稿史料 Add.MS. 3975 を検討した結果、この頃、ニュートンの錬金術・化学実験に圧倒的な影響を及ぼしていたのはロバート・ボイルであることが分かった。
著者
安藤 聡
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの全非必須遺伝子の破壊株セットおよび全必須遺伝子のmRNAを不安定化した株のセットを活用し、酸化ストレス耐性に関する全ゲノム網羅的表現型解析を行った。先行研究で同定した液胞酸性化関連遺伝子に加えて、RNAポリメラーゼやユビキチン・プロテアソーム系等に関連する遺伝子が酸化ストレス耐性において重要な役割を担っている可能性が示唆された。また、遺伝子過剰発現プラスミドライブラリを用いて遺伝子過剰発現株セットを構築し、酸化ストレス感受性あるいは耐性を示す過剰発現株のスクリーニングを行った。
著者
武田 昌憲
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.46, pp.A15-26, 2014-03-31

島原の乱を描いた絵図についての考察。絵図の中に説明文がある。これを紹介した。この表記に,絵巻や屏風絵等と異なる独特の文学性を指摘した。絵図には人が書いてないのに,説明文で物語がわかるようになっている。これまで指摘がない内容である。
著者
北野 政明
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

チタン酸ナノチューブの合成条件の制御および異種元素ドーピングによる高機能な固体酸触媒の合成を行い、炭素-炭素結合形成反応への応用を試みた。合成条件を制御することで、チューブやロッド構造に変化し、ナノチューブ構造を有するときのみ触媒表面にルイス酸点とブレンステッド酸点が多く形成されることが明らかとなった。また、チタン酸ナノチューブの骨格にNb5+やTa5+をドープすると触媒活性が最大で10倍程度まで向上することが明らかとなった。
著者
福添 孝明 伊藤 雅人 水戸 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.1369-1379, 2008-05-01
被引用文献数
3

生体情報を利用して人物同定を行う手法,例えば指紋や顔画像パターンを情報源とする手法では,拘束状態にて人物同定を行うものが一般的である.こうした拘束型の手法は,高いセキュリティ性能を必要とする場を主に想定して開発されてきた.しかし人物の同定が必要となるのはセキュリティ応用のみならず,例えば講義における出欠管理など様々な応用の場が考えられる.そこで我々は,物理的かつ心理的に拘束する必要がない人物同定手法について提案する.人物同定の手掛りとなる体型や習慣的な挙動を確率分布の形で学習しておき,ベイズの定理に基づく計算式で各時点における各人物の事後確率を算出する.更に時間方向におけるベイズ統合計算結果に基づいて,当該人物の同定を行う.大学院講義を模擬した有用性評価実験を行った結果,被験者15名に対して平均96.7%の人物同定成功率が得られた.
著者
香川 考司 富永 浩之 白岩 真一 堀井 達也 池田 秀聴 横山 裕一 韓 根鎖 吉崎 翔 平川 裕弥 長江 明彦 白神 佑典 尾崎 陽一 末友 貴大 鳥原 悠平 藤沢 尚樹 森田 昌樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

Webベースプログラミング学習支援環境のサーバー側プログラムに、Scalaスクリプトによる柔軟なカスタマイズ機能を提供できるプラットフォームを構築することを目的として、教師用システムと学習者用システムの間のファイルシステムを利用した疎結合インターフェイスの設計と、プロトタイプによる基本機能の確認を行った。教師用サーバー側プラットフォームにScalaインタプリターとのインターフェイスを実装した。また、プログラム可視化ツール、スクリプト入力支援ツールなどのクライアント側の補助的なツールを設計・実装した。
著者
福澤 勝彦 村田 省三 須齋 正幸
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

労使間の紛争の解決については自主的な解決を図ることがもっとも望ましいのであるが、その解決がはかれない場合には、公的な制度の活用が有用である。公的な制度としては、行政における労働委員会と労働局および裁判所における労働審判がこれに加わる。本研究では、このような行政および司法における紛争解決制度について、それぞれの制度の果たす役割と特徴を、ゲーム理論を用いて、経済理論的な視点から明にした。
著者
氏家 由利香 木元 克典 石村 豊穂
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

海洋環境指標として最も活用される微化石・浮遊性有孔虫は、近年の研究から生物種の分類、それら種の生態的特徴の見直しが指摘されてきた。本研究は、最先端技術を応用して、1mm以下の微小な浮遊性有孔虫個体について、遺伝子・形態・同位体の主要な分析を行うことを可能にする方法を編み出した。まず遺伝子抽出行程が殻への物理的・化学的影響を及ぼし、その後の分析に弊害をもたらすことがないか厳密に検証し、実際の浮遊性有孔虫の生物種間での形態や同位体比の特徴を検出した。本研究による同時複数分析の手法は、汎用性が高く、かつ生物の実態に即した生態情報の獲得、それらを応用した環境指標の開発につながる。