著者
小野 智美 及川 郁子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、日帰り手術に向けての幼児の自律性を親と協働して支援する看護介入プログラムの有用性を検証するために、効果研究の研究枠組みを構築することを目指すものである。具体的には、本プログラムの成果指標として、先行研究の過程で作成した2 つの質問紙について、その内容と質を検討して改善した。これまでの研究過程で得られた情報から、上記の2 つの質問紙と手術終了3 時間後までの子どもの苦痛、子どもの経表皮水分喪失量を成果変数に選定した研究枠組みを提案した。
著者
白石 建雄 新井 房夫 藤本 幸雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.21-27, 1992
被引用文献数
4 10

秋田県男鹿半島の上部更新統潟西層から阿蘇4火砕流 (Aso-4pfl) および三瓶木次軽石 (SK) 由来の漂流軽石と阿蘇4火山灰 (Aso-4) が発見された. SK漂流軽石は模式地の潟西層最上部付近に含まれ, Aso-4pfl由来の漂流軽石はAso-4直上に存在する. このことにより, 潟西層は関東地方の下末吉層より新しく, ほぼ小原台期に対比されること, ならびにSKおよびAso-4が堆積した7~9万年前には日本海を北上する海流があったことが明らかになった. また, 男鹿半島で下末吉層相当層と下末吉段丘に対比される段丘を確定することがこれからの課題となった.
著者
逸見 泰久
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ハマグリMeretrix lusoriaは全国各地で漁獲量が激減している二枚貝である.本研究では、ハマグリの厳格な資源管理が行われている福岡県糸島市加布里湾と自然管理が不十分な熊本市白川・緑川河口で、2009~2011年に定期的な定量採集を行い、地域間で個体群構造を比較するとともに、生活史特性や個体群動態を把握し、資源管理技術の開発を行った.また,資源管理を促進するために、養殖・畜養技術の開発を並行して行った.
著者
長沢 元夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.129-138, 1961-01-25 (Released:2010-02-19)
参考文献数
9
被引用文献数
10

Xi-xin is a crude drug using a subterranean portion of a few plants of Asiasarum genus (Asaraceae family). The most important of its component has been reported as methyleugenol which makes up about 50% of its essential oil but this was found to vary greatly according to habitat of the plant. Some plants contained safrole, eucarvone, and 1, 8-cineol as the chief components. Xi-xin oil from Manchurian plant was proved to contain elemicin, an isomer of cis-asaron.Tu-xi-xin is the dried root of Hetehotropa genus of the same family and used as a substitute for Xi-xin. The chief component of its essential oil had been reported as safrole but elemicin was found to be present as the chief component in some of the crude drug.
著者
大坪 雄平 三村 守 田中 英彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.1530-1540, 2014-05-15

今日,標的型攻撃は増加傾向にあり,多くの組織にとって真の脅威となってきている.標的型攻撃には様々な手法があるが,受信者の興味を引くメールにマルウェアを添付する方式が最も一般的である.攻撃を秘匿するため,実行ファイルが文書ファイルに埋め込まれた場合,一般に,受信者には通常の文書ファイルと区別する手段がない.我々が実行ファイルが埋め込まれた悪性MS文書ファイル(Rich TextまたはCompound File Binary)を分析したところ,多くの悪性MS文書ファイルで通常のMS文書ファイルとファイル構造に違いがあることが分かった.本論文では,悪性MS文書ファイルの検知手法として,幾種かのファイル構造検査をすることを提案する.提案手法の有効性を検証する実験を行った結果,98.5%の悪性MS文書ファイルを検知することができた.ファイル構造は攻撃者の意志で変更させることが困難であることから,提案するRich TextおよびCFB形式の悪性文書ファイルの検知手法は長期にわたり有効である.
著者
岡崎 直人
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

マラソンのような持久走運動時の吸気・吸気、呼気・呼気の重畳形式でなされる呼吸は、代謝が亢進している状況下で長時間にわたって必要とする酸素の摂取や炭酸ガスの排泄を可能ならしめている。さらに、マラソン負荷は肺に対しても相当な侵襲を与えるものと推測されるが、該ストレスが少なくとも肺の生理学的不均衡までには及んでいない、といった証拠を考え、ventilator induced lung injuryに対処する目的で利用されているsmall tidal ventilation法より優れた効果が期待できるのではないかと考えた。そこで、本呼吸パターンを利用した陽圧換気法の肺酸素化効率および肺の保護効果について家兎を用いた動物実験で検証した。吸気・呼気相時間(秒)配分は0.3(吸)、0.2(止)、0.3(吸)、0.2(止)、0.3(呼)、0.2(止)、0.3(呼)、0.2(止)で、これを一呼吸として繰り返すモードとした。結果は、1)マラソン型重畳呼吸式人工呼吸法は一回換気量および分時換気量においても低容量換気法でありながら酸素の摂取効率に問題もなく、かつ、炭酸ガスの蓄積を抑えることができた。2)当然、気道内圧も低く抑えることができた。3)その効果は、吸気・吸気、吸気・呼気、呼気・呼気間に設けた一呼吸中3箇所のpause期における肺内でのガスの再分配現象によるものと思われた。4)個体ごとに換気条件(吸気・呼気時間)が異なるものと思われるが、条件を設定するに当たり、その間に生じるであろう肺虚脱を防ぐための時々のinflationは有効である。5)2段階の呼気終末陽圧(PEEP)を設定することができ、更なる効果が期待できる。6)BALF中MPO活性、W/D比による比較では従来量換気法(TV=8ml/kg)より優れた保護効果が認められた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.215, pp.42-45, 2002-08

朝夕は通勤・通学客、昼は買い物客で一日中人通りが絶えない小田急線の相模大野駅。改札口を入った脇に、乗降客の間で人気のピザ販売店「ピザオリーブ」がある。 わずか一坪ほどの小さな店だが、夜七時を過ぎると、サラリーマンや買い物帰りの主婦が行列をつくる。ピザは七種類あり、一枚一〇〇〇〜一二〇〇円。
著者
斉藤 真紀子
出版者
朝日新聞出版
雑誌
アエラ (ISSN:09148833)
巻号頁・発行日
vol.22, no.34, pp.63-65, 2009-08-03

1 0 0 0 OA 若きドイツ

著者
朝比奈策太郎 著
出版者
羽田書店
巻号頁・発行日
1939
著者
馬場 哲晃 笠松 慶子 土井 幸輝 串山 久美子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.11, pp.1-6, 2010-08-16

著者らはこれまでペルチェ素子を用いた温冷呈示インタラクションに関する研究を継続しており,本稿ではその知見をビデオゲームインタラクションに応用する.これまでビデオゲームにおける皮膚感覚呈示では振動モータを利用したものが主であり,温冷呈示のインタラクション手法に関する検討が少ない.そこで本研究では実際にペルチェ素子を配したゲームコントローラとシステムを自作し,ペルチェ素子の各出力条件 (100,80,60%) におけるユーザの反応時間を測定・検証した.結果としてユーザの反応時間と温度変化速度は冷却試行においては関連があることや,ゲームシステムに利用するための反応時間に関する知見を得ることができた.上記を応用し,実際にビデオゲームシステムを制作し,ユーザからの意見やその様子をまとめた.We have been continuing a study about thermal sensation interaction with peltier modules. In this paper we shall apply the techniques of interaction to a video game. It is major to use a vibration motor for tactile sensation in video game interactions. But there are few studies for applying thermal sensation to a video game. Then we experimented with response time of users under the condition 100,80,60 % output of our prototype controller device. As a result, we found there is a relation of response time and temperature change speed, and a concrete numerical parameter of a peltier element for a video game interaction. Based on above result of the experiment, we made video games that offer thermal sensation to users, and describe user's reactions.
著者
大津 由紀雄
出版者
明海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

現代言語学で用いられている方法は、資料・事実・仮説・予測・事実との照合・仮説の保持、修正または棄却という自然科学の方法の典型例と捉えることができる。本研究はこの点に注目し、メタ言語能力を利用した科学教育を学校教宵の一環として組み込むことの可能性を理論的・実証的に探ることを目的とするものである。理論的には、メタ言語能力の発達について言語理論と認知発達理論の両面から検討し、提案する科学教育プログラムの理論的基盤を構築する。実誼的には、成果を教室で実践するさまざまな可能性について、小中高連携をとりながら、調査・検討を行った。さらに、その成果を実現・実践可能な力リキユラムや教材としてまとめた。
著者
小山 英朗 生天目 章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.20, pp.19-24, 2008-03-05

ランダムに存在する目標を最も効率的に探索する方法に関しては,多くの分野で長い間研究されてきた.最近,探索空間の広さと比較してわずかにしか存在しない稀少資源や目標を探索するとき,Levy Flight に基づく探索は Random Walk に基づく探索よりも効果的であると報告されている [1].しかしながら,両モデルに基づく効率性の定量的比較や資源密度と効率的な探索の関係及び目標が移動する時の効率的な探索法などについては,まだ十分に研究されていない.本研究は,Random Walk に基づく探索と Levy Flight に基づく探索を定量的に比較する.特に,目標到達までに要するステップ数を比較し,目標密度の違いによる影響について比較する.また,目標が移動するとき,両モデルによる探索効率に変化が現われるかを実験する.その結果,希少な目標を探索するには,Random Walk 探索よりも Levy Flight 探索法の方がはるかに効率的であることを示す.What is the best strategy for efficient search of randomly located targets? This question has been studied in many fields. Recently it is reported that Levy Flight search is more efficient than Random Walk based search in sparsely target site. It has not also been argued that quantitative comparison, relation of between density and efficient search or efficiency of searching when target is moving. In this study we have comparison study of Random Walk and Levy Flight. And we compare efficiency of searching of Random Walk and Levy Flight. At first, we experimented that influence of changing percentage of target sites in number of steps until which reaches target site. Secondly, we experiment that whether the change appears in detection efficiency when the target site is moving. As a result, regardless of stationary and moving, we are able to appear that the detection efficiency of Levy Flight search far exceeds that of Random Walk search under sparsely target site.
著者
神谷 晃央 竹井 仁 武田 湖太郎 村岡 慶裕 笹崎 義弘
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.219-230, 2013-03-25

THA術前患者における患側立脚相の骨盤側方傾斜から逆トレンデレンブルク歩行が認められた群(TI群)と見られなかった群(NTI群)に分け,歩行時の前額面における姿勢や運動機能の特徴およびその回復過程における両群間の差を明らかにすることを目的とした。初回の片側THAを受ける女性患者18名(TI群10名,NTI群8名)を対象とし,術前・2週・4週・6か月において,前額面における歩行時の骨盤側方傾斜や股関節可動域および筋力を比較した。術前の患側股関節内転可動域ではNTI群11.9度,TI群4.1度でありTI群が有意に低下していた。NTI群と比較してTI群では2週と4週で患側股関節外転筋力の低下,6か月で患側股関節内転筋力低下を認めた。結果から,逆トレンデレンブルク歩行の原因は,股関節外転筋力の低下を伴った患側股関節内転可動域制限の可能性がある。また,TI群ではNTI群よりも歩行時の姿勢異常や運動機能の低下が顕著であった。
著者
丸野 俊一 松尾 剛 野村 亮太 小田部 貴子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究では、対話型授業に焦点を定め、(1)教師の対話方略の運用の仕方・変化、(2)創造的対話が生起するために不可欠な心的要因に対する子どもの気づき、(3)教師の認識論の違いと授業形態との関連、(4)批判的思考や共感性の育成の変化の様相を解明した。その結果、(1)教師の対話方略の運用は子どもたちの対話力の水準に依存する,(2)対話の生起には、異なる考えを認め合う、他者の視点を共有し、自分の考えを省察することの重要性に気づく、(3)授業スタイルは、教師が抱く認識論に大きく依存する、(4)対話型授業の中では、創造的・批判的思考のみでなく、情動的な共感性も育まれることが分かった。
著者
坂田 英治 李 汝培 栄木 恭男 和田 昌士
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.764-782, 1972

目的<br>中枢神経系,とくに天幕下領域や間脳における各種の疾患において,眼球運動の性状を精細に分栃し,検討することが診断上有力な役割を果すことが少なくない.<br>しかし乍ら従来は,このうち眼振にたいしては臨床家の注意は高まりつつあるが,眼振以外の自発性の異常眼運動については殆んど関心が普Eわれていない.<br>われわれは過去2年間に亘り,この問題に注目し研究をつづけてきたが,その病巣局在診断的意義と病態生理の一端を明らかにし得たのでご批判を乞う.<br>症例ならびに検査方法<br>病理解剖や手術•さらに精細な神経学的検索によつて診断を下し,しかもこの現象をみとめた症例101例を対象とした.<br>眼運動の記録は,電気的な記録法によつては不可能な注視痙攣や輻輳痙撃は映画に撮影し,その他にENGを用いた.<br>時定数3秒(原波形)ならびに0.03秒(微分波形)として,水平ならびに垂直誘導をおこなつた.EMGの混入やEEGの混入をこの現象と誤認しないよう,これらの同時記録もおこなつた.<br>結果<br>非眼振性•自発性の異常眼運動を1)調整困難性眼運動(a:固視振動,b:追越または低越性振動,c:羽攣性振動),2)間代性眼運動(a:電光運動,b:視性ミオクロニー),3)緊張性上眼運動(a:注視厘攣,b:輻輳痙攣)に分類し,整理•整頓した.<br>第1群はそれぞれ,17例,12例,27例においてみとめたが,おもに小脳疾患である.<br>第2群はまた,それぞれ23例,9例でみとめたが脳幹を中心とする錐体外路系障害例である.<br>第3群はまた,それぞれ7例,6例であり,上部脳幹を中心とする錐体外路系障害例においてみとめた.<br>この現象の病態生理学についても考察を加えた.