著者
杉浦 芳夫 原山 道子 石崎 研二
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1.ナチ・ドイツの国土計画に中心地理論が応用されていく最大の契機は、国土調査全国共同体研究所長のMeyer(ベルリン大学)の中心地理論への注目であったが、学位論文提出後のChristallerは、フライブルク大学のMetzらの急進的民族主義(volkisch)地理学者たちとつながりを持つようになり、それも媒介として、ナチ・ドイツの国土計画に参画していった。2.人口の不均等分布の解消のみならず、原料・食糧の効率的な調達・供給も目ざしていたナチ・ドイツの国土計画論では、国土全域の階層的編成が求められていたので、中心地に加え、開拓集落、工業集落をも構成要素とするChristallerの集落システム論(1938年のアムステルダムIGCで発表)は、その要請に答えうるものであった。3.1939年9月のポーランド占領後、東方占領地の集落再編計画に中心地理論は応用されようとしたが、ポーランド語文献によれば、それに先立ち、1937年にはポーランドと国境を接するシュレージェン地方において、防衛上の観点から、中心地網の整備案が、国土調査全国共同体研究所の命を受けたブレスラウ大学の地理学者たちによって作成されていた事実が判明した。4.関連文献の引用分析だけからは、中心地理論の他の学問分野の集落配置プランへの影響を厳密に捉えることができないので、他の学問分野の関連文献を詳細に読み込む必要がある。5.ナチ・ドイツに受容された中心地理論が、1939年以降、占領地ポーランドで実際に応用されていく過程については、Christallerの1940年代の論文等を検討することで解明されるであろう。
著者
松岡 甫篁 小松 道男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.694, pp.144-147, 2012-07

松岡甫篁(まつおか・としたか):日立製作所、セコ・ツールズ・ジャパン、GEスーパーアブレイシブなどを経て1987年松岡技術研究所を設立。切削加工技術、工具開発、金型生産技術などで活躍。技術士(機械部門)、工学博士(東京大学)。小松道男(こまつ・みちお):1993年小松技術士事務所を設立。射出成形や金型の開発、ポリ乳酸射出成形事業化などに関わる。
著者
鴻野 知暁
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
no.10, pp.19-35, 2012

本稿は連体形や体言に後接し、そこで文が終止するというコソの文末用法について考察する。この用法は10C末頃から認められる。本稿では、平安初期から中期の作品を調査し、異文を併せて考えることによって、当該用法の発生を探った。上代で文の中間に現れていたコソは、中古には文末の述語内部にも生起するようになる。それに伴い、~ニコソアレという形式が頻繁に使われるようになる。当該用法は、これを下地として、~ニコソアレから(1)アレの省略、(2)ニの脱落という二つの変化によって生じたものであると結論される。係助詞の述語位置への進出は中世でさらに進行し、ヤランやゴサンナレ、ゴサンメレといった形式がこの背景の元で成立したと見られる。
出版者
大阪宝文館
巻号頁・発行日
vol.第5冊, 1937

1 0 0 0 OA 写生文の作法

著者
寒川鼠骨 著
出版者
修文館
巻号頁・発行日
1907

1 0 0 0 寒川神社志

著者
寒川神社 編
出版者
寒川神社
巻号頁・発行日
1932
著者
浅利 将男 和久井 信 深谷 幸作 鹿野 胖
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.803-806, 1985-10-15

牛の結腸ら^^.せ^^.ん^^.わ^^.な^^.の形成について, 頭尾長2.1〜25cmの胎仔を用いて観察した. 大腸では小腸に遅れ, 頭尾長3.5cm胎仔において近位結腸部に最初の折れ曲がりが観察された. その後, 頭尾長6.5cmに至るまでに, 近位結腸部は巻き込みはじめ, これらの巻き込みは頭尾長9.3cmに至るまでに円錐状にまとまりはじめた. これらの近位結腸の円錐状の巻き込みは, およそ頭尾長13〜23cmの間に, 成牛型の円盤状の結腸として完成した.
著者
梨原 宏 奥田 光子 伊東 隆子 雫石 勝蔵 吉田 旺弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.65-74, 1996-09-10
被引用文献数
4

本報告は工業化に導いた木製車いすにおける木質環境が人間の感覚に及ぼす効果について明らかにしている。車いすの心理的イメージ評価から、木製車いすは20代の学生による外観評価では上品で温かく地味で落ち着いたイメージ、施設で介護に携わる使用評価では温かく女性的で健康的イメージと受けとめられている。日常の温度環境のもとの車いすの温度分布計測から、木製フレームは周辺温度変化に緩慢に反応し、金属フレームに見られない保温性をもつことが知られた。強調フィルターを用いた車いすの形態の認知性調査から、木材フレームの素地色は黄色系で反射率が低く、高齢による視力低下でも形態を認知できると推測された。高齢者の色彩の認知調査では寒色系および低彩度の色彩は誤認知をまねき易いことが分かった。以上から木製車いすの素材と色彩選択の設計指針が明確にされた。
著者
四竈 訥治[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1924-10
著者
飯塚 博 兼岩 敏彦 高橋 武志
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

籾殻・大豆皮等の植物非食部を炭化焼成して得られる炭素粉体を用いたプラスチック複合材料の電磁波遮蔽・吸収材料としての可能性について検討した.複合材料の製造は,作製した炭素粉体と複合材料の母相となるプラスチック繊維を水中で分散混合する抄紙法を用いて行った.その結果,電磁波遮蔽性については,複合材料の導電性と良い相関があり,有意に材料設計が可能になった.電磁波吸収性には炭素粉体の粒径,粉体配合率,試料厚さ,導電性等が複雑に影響した.したがって,それらの最適な組み合わせを合理的に決定する手法の確立が求められた.本研究では電磁波の無反射曲線を求め,そこから製造条件を決定する手法を確立した.
著者
鎌田共済会 編
出版者
鎌田共済会
巻号頁・発行日
vol.第11回, 1940
著者
山本 敏夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.277-295, 1958-01

小林澄兄先生古稀記念論文集法制の吟味序列的な格づけガウス曲線の問題試験的な予行職階制との関連格づけ序列による教育の破壊上下支配の系列法律に定めてあるから、というのに対して自己評価と相互評定昇給昇格との関係条件の整備が先決1. Definition, meaning, methods and requirements mentioned in the Law. 2. Approach from technical side. 3. Troubles in the present condition. 4 Ways and means for the improvement of teachers.
著者
緒方 正人 梶原 景範 藤野 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.93, no.436, pp.9-16, 1994-01-25
被引用文献数
2

従来から,航空機の離着陸訓練を行うフライトシミュレータの視界発生にビジュアルシステムが用いられていた.近年、離着陸等定形的な訓練以外に,軍用システムにおいて、実際の作戦を予行する機能(ミッションハーサル)が要求されるようなった.この用途に用いるビジュアルシステムは従来の機能に加えて,実在する地域の地形及び模様GST(Geo-specific texture)をリアルに表現する機能が必要である.GST機能の実現においては,広い覆域(Gaming Area)を高分解能で表示可能なH, Wを,いかに小さく実現できるかが問題であった.GST機能を持つビジュアルシステムのビデオプロセッサ(VP)の試作を行ったので、このVPのアーキテクチャ(主に並列処理、パイプライン処理)に関して述べる.また,VPが小規模のH/W規模で実現できたことを示す.
著者
萩原 弥四郎 戸井 道夫 伯野 中彦 石原 真 伊藤 賢章 浦野 俊雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.384-397, 1965-11-28

Surface circulation of the body in cats and human materials was measured by a thermoelectric element. The element type is unique in that it uses a thermopile instead of a double thermocouple. The skin blood flow at the capillary level was measured with this element, uninterfered with the muscle blood flow and arteriovenous shunt in the precapillary region. 1) The blood flow of skin, in the resting stage, shows a slight undulation which is mostly independent of systemic blood pressure change. However, in some cases, the skin blood flow decreases when systemic blood pressure markedly falls. 2) The skin blood flow decreases after local intra-arterial injection or intravenous administration of epinephrine and norepinephrine. The blood flow decreasing action of epinephrine is diminished with pretreatment of phentolamine (regitine) and enhanced with dichloroisoproterenol (DCI). The action of norepinephrine is blocked with phentolamine but not influenced by DCI. 3) Constriction of blood vessels in the skin is probably due to adrenergic (α-type) control, while dilatation seemed only slightly adrenergic (β-type) and parasympathetic influenced, some secondary effects such as metabolic factors being possibly concerned. 4) In some experiments on the- human being, mental work immediately decreases the skin blood flow in many cases. 5) The following points were discussed in the present paper : merits and demerits of this method, factors which influence the blood flow change, method of setting the element on the skin, standard to calculate the blood flow value, influence of clamping the inflow vessel, mechanism of constriction and dilation of skin blood vessel, psychic influence on the skin blood flow and application of this method in clinical use.

1 0 0 0 IR アサボラケ考

著者
小林 賢章
出版者
同志社女子大学教育・研究推進センター
雑誌
同志社女子大學學術研究年報 (ISSN:04180038)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.158(33)-152(39), 2012-12

論文 (Article)
著者
丹羽 博之
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.(41)-(50), 2010

漢語が中国から東アジアの国々に伝わり、それぞれの国の文化に寄与したことは贅言を要しまい。本稿では、総角・愛人・知音の三つの漢語が朝鮮半島や日本に伝わり、如何に変化したかを考察する。総角の語は、中国最古の詩集『詩経』(衛風・氓)に「総角之宴、言笑晏晏」と見える。『大漢和辞典』では、この漢語に、「あげまき、髪をすべ聚めて頭の両側に角の形にむすぶ小児の髪型。(略)」と注する。この語は早くも上代、日本に入り、『時代別国語大辞典 上代篇』には、「あげまき[総角]少年の髪型の一種。」とある。このほか、古典世界では、催馬楽(総角)、『源氏物語』(総角)にも見られる。一方、この語は韓国にも伝わり、現在でも使われている。「総角」の語は『韓日・日韓辞典』(小学館)には、「未婚の男、チョンガー、独身男性」とある。チョンガーは日本にも伝わり、今も使用されている。中国から伝わった総角の語は日韓でそれぞれに変化した。現在、総角の語は元の中国では殆ど使われず、日本でもわかる人は減少している。チョンガー(総角)は、韓国においてだけ現在も使われ続けている。ほぼ同様のことが愛人の語にもあてはまる。元は「人を愛す」という普遍的な語であったり、英語のloversの翻訳語であったが、韓国語では愛人は、恋人の意味で使われる。日本の所謂愛人は戦後「情夫、情婦」の意味も加わり、変化した。中国でも、恋人の意味から配偶者の意味に変化した。また、知音の語も現在中国では、本来の意味で使われているが、日本韓国では恋愛関係にも使われている。この三例を取り上げ、漢語は本国でも、日韓でも時代とともに様々に変化していったことを考察する。
著者
高橋 幸子 伊良波 理絵 宮里 智子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.13, pp.61-71, 2012-03

【目的】本研究は、研究者が企画した「健康自主管理プログラム」を、看護学生を対象に実施し、そこでの学生の主観的体験を明らかにすることを目的とする。【研究方法】研究対象者は、A看護大学1年生で、プログラムへ参加した者である。プログラム期間の8週間、参加者は各自目標を立て、生活記録や万歩計など、研究者が準備した取り組み手段の中から必要なものを選択し、取り組んだ。プログラム終了後、個別に半構成的面接を行った。面接の逐語録を精読し、発言の意味内容を抽出し、主観的体験として取り出した。【結果】プログラム参加者は8名で、年齢は10代後半から20代後半、全員女性であった。分析の結果、抽出された学生の体験は以下である。学生はプログラムを通して、≪自身の生活習慣を自覚≫または≪他者の体験から生活改善の必要性を自覚≫し、≪生活行動が変化≫していた。そして≪生活行動が変化≫したことにより≪自覚症状の改善≫がみられ、≪生活習慣と健康状態のつながりを実感≫していた。また、≪自分の体に親しみがわく≫体験をしたものもいた。プログラムに参加して大変だった点は6名が≪記録の煩わしさ≫をあげていた。その他、≪継続する意志の持続≫≪自分の思う通りに生活改善や減量が進まないこと≫があった。【考察】看護は、より良い健康状態を目指し生活過程をととのえる仕事であることから、看護学生が自身の体験を通して≪生活習慣と健康状態のつながりを実感≫したことは看護学教育において意味があることと考える。また、生活調整が必要な対象への援助を行う際に、このプログラムでの体験が活かされると考える。しかし、看護者としての役割を果たすためには、参加者が困難を乗り越え、生活調整を継続する体験ができるよう、プログラムを改善していくことが求められる。Objective】This study aims to explain subjective experience of nursing students who participate in "Selfcare Health Program" planned by researchers. 【Method】The research subjects are first-year nursing students in a nursing collage who participate in the program. The participants decide their own goals, and then select and practice the tools (ex. life document, pedometer, and so on.) during the program period (8 weeks). Data were collected by semi-structured interviews and analyzed qualitatively after the program. 【Results】8 female nursing students participated in the program. The program allowed the participants to experience: "awareness of own lifestyle" "awareness of the necessity for better living from the others' experience" "change of life action" "improvement of subjective symptoms" "realization of relation between a lifestyle and health status" "familiarity with own body". 【Discussion】Nursing guides someone's lifestyle toward a healthier state, so that "realization of relation between a lifestyle and health condition" is important for nursing education. The challenge is to develop the program wherein participants can overcome difficulty and manage their lifestyle.