著者
川内 浩司 村本 光二 RAND Weaver 佐藤 実
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、成長ホルモン(GH)と、これと同族のプロラクチン(PRL)をモデルとして、アミノ酸配列に基づいて分子系統樹を作成し、動物の類緑関係を定量化することを目的とした。一次構造に関する知見は哺乳動物に偏っているため、先ず、系統分類上主要な水生動物のホルモンを単離し、一次構造を決定した。爬虫類:クロコダイルおよびウミガメ、両生類:ウシガエル、軟質類:チヨウザメ、真骨魚類:太西洋タラ、ナマズ、ヒラメ、軟骨魚類:ヨシキリザメなど8種の動物の全一次構造を決定した。その他、肺魚類:ハイギョ、全骨魚類:アミア、真骨魚類:ハゼのGHの部分構造を決定した。また、哺乳類:イワシクジラ、マッコウクジラ、爬虫類:アリゲ-タ-、クロコダイル、ウミガメ、両生類:ウシガエル、肺魚類:ハイギョ、真骨魚類:ナマズ、ヒラメなど9種の動物の全一次構造を決定した。GHの一次構造の変異は、四足動物よりも真骨魚類において著しい。そのためGHの分子系統樹は、真骨魚類と四足動物の2本の幹からなるが、系統樹上の位置は従来の形態分類とよく符合する。従って、枝の長さ、すなわちアミノ酸残基の変異数は類緑関係を表わすといえる。一方、PRLはGHと同様に四足動物と真骨魚類の2本の幹からなるが、魚類の類緑関係の評価は、デ-タ不足である。この研究過程で、真骨魚類の脳下垂体中葉からGHーPRL分子族の新規のホルモンを発見し、ソマトラクチン(SL)と命名した。太西洋タラ、ヒラメおよびシロサケのSLを単離し、全一次構造を決定した。SLのアミノ酸配列は、これら魚類のGHよりも四足動物のGHに類似性が高い。一方、GHとPRLに対する類似性は、ほぼ等価である。従って、GH/PRL/SLは、共通の祖先遺伝子からほぼ同時に重復して分岐したと推定した。
著者
中野 達彦 中西 恒夫 田頭 茂明 荒川 豊 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-66, no.11, pp.1-6, 2013-05-16

センサの小型化,低価格化,高精度化に伴うセンサネットワーク技術の発展の影響は農業にも及び,勘と経験の農業技術の見える化と農作物管理の高度化・高効率化を目指す環境情報モニタリング環境が構築されつつある.我々は,他のどのセンサノードともマルチホップ無線通信によるデータ通信ができずに孤立するセンサノードが存在するような農業疎密無線センサネットワークにおいて農業技術の見える化を試みることを想定し,オープンソースハードウェアの Arduino を採用し費用を最小限に抑え,さらに太陽光と風力によるハイブリッドなエナジーハーベストによって電源を確保し,超音波距離センサあるいは 315MHz 無線通信を用いた起床で実現する省電力な Data MULE によってデータ通信を行うセンサノードのプロトタイプを開発した.さらに,稼働時間に関して試算した結果,エネルギー供給は太陽光と風力で,動作に支障なく十分に賄えることがわかった.
著者
穂積 邦彦 孫野 長治
出版者
(公社)日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.522-533, 1984 (Released:2007-10-19)
参考文献数
8
被引用文献数
4 27

冬の季節風時に日本海中部に発生する収束帯にともなう帯状雲を,日本航空の定期便から写真撮影することにより観測し,その構造を三角測量方法で解析した。山陰地方のレーダー写真や日降雪量の分布も考慮して,収束雲帯の南西側の端に高い雲堤の列があり,これが山陰地方に局地的な大雪をもたらすことがわかったまた収束雲帯の発生機構を議論し,その立体構造のモデルが提案された。
著者
佐藤 庚
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.311-318, 1980-01-31

暖地型・寒地型それぞれ4草種を供試して5段階の温度(昼温15°〜35°,夜温はそれぞれの昼温より5°低い)と2段階の日長(SD:9時間日長,LD:14時間日長,何れも自然光)を組み合わせたファイトトロンで栽培し,草種ごとにそれぞれ同一の生育ステージに達した時にサンプルして生育状況と窒素,炭水化物含量を比較した。1.寒地型の出葉は比較的低温で早く,暖地型では高温ほど早かった。草丈は暖地型では25/20°で最高,寒地型では低温ほど高く,いずれも長日の方が高い。茎数はいずれも低温ほど多いが,分げつ速度は寒地型では低温ほど大きく暖地型では低温ほど小さい。低温下では長日より短日の方が多い傾向があった。2.暖地型の相対生長率RGRは寒地型のほぼ2倍であった。暖地型のRGRは高温ほど大きく(JMのみは25/20°で最大),寒地型では低温ほど(TFのみは昼温20〜25°で最大)大きかった。長日下のRGRは短日下のそれより大きい。RGRは相対葉面積生長率RLGR,純同化率NARと有意の正相関を示した。暖地型のRGRが寒地型のそれより大きかったのは主にNARが大きいからであった。長日のRGRが短日のRGRより大きいのは,RLGR,NAR両者が大きいからであったが,ことに後者の影響が大きい。3.1日当り窒素蓄積量は暖地型のPM,SGでは低温ほど減少し,JM,RGでは中間温度で最大であった。寒地型では一般に低温ほど蓄積が多かった。単位蓄積窒素量あたりの乾物生産量,TAC蓄積量は,暖地型は寒地型より,長日は短日よりそれぞれ大きかった。4.暖地型の中ではJM,寒地型の中ではTFがそれぞれ他の草種とやや異なり,前者はやや低温で,後者はやや高温で生長がよかった。
著者
長谷川 禎子
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
pp.56-67, 1967-02-01

(1)ガス熱蔵庫, 電気温蔵庫, 自動保湿式炊飯器5種, ス炊飯器, 電気びつ, 電気オーブン 電気保温盆, ジャー以上12種の各種機器の温蔵機器としての性能を試験し評価検討した。(2)温蔵温度70±5℃, 相対湿度100%の飽和状態の均一化とその4, 5時間の持続を温蔵の最 適状態の必要且十分条件とした。(3)各機器の温蔵中の器内温度は, ほぼ最適温度を示し温蔵した食品の内部温度ともほぼ一致する。それを変動させる因子は, 水分量で, 同一機器内では, 含有水分量の多い食品は一 般に高温度を示し又湿熱温蔵は乾熱温蔵より通常5℃も高く, 被覆品によっても, 最高5℃の差が見られた。(4)温蔵中の開扉開蓋による器内温度並びに湿度の下降状態は急激で, その復元に特に湿度は 相当時間かかるので, そのじん速性が要求された。(5)温蔵方法により, 温蔵食品の水分は, 時間的に変化し, 又その分量や被覆品の使用や温蔵 機器にも影響される。一般に, ガス熱蔵庫の湿熱型がその変化が最も少く, アルミ箔被覆は 優れた効果を上げた。(6)温熱加熱調理食品は温熱温蔵が適し, 反対に乾熱加熱調理食品は乾熱温蔵が適当である。尚温熱用の水分調整操作には, まだ研究の余地が残された。(7)温蔵による外観上の変化は, 色, 香, 形, 固さ, 体積等と共に味覚を官能検査し, その満足度から温蔵方法や時間を定める目安とした。しかしその評価の統計的処理は, 検数不足の為省略した。(8)乾熱調理食品特に揚物の温蔵は, 時間的にもなかなか厄介であったので, その重要因子となる衣について検討し, 又その変化の成り立ちを調理科学的に解析した。(9)実験結果を総合的にまとめて, 各種食品の温蔵に最適な方法並びに, その時間及び, 限界時間を調理形態別に表にした。即ち, シチュー類, 蒸し物, 米白飯等温熱加熱食品はよく適応しその効果も大きいが, 一般に乾熱食品の温蔵は平均3時間以上は難しいことが実証された。

1 0 0 0 大寒暖計

出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.242-242, 1899
著者
岩佐 義宏 竹延 大志 下谷 秀和 笠原 裕一 竹谷 純一 田口 康二郎
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

有機半導体-絶縁体界面、有機半導体-電極金属界面のナノスケール制御によって、(1)有機半導体最高のキャリア易動度の実現、(2)有機トランジスタ初の、ホール効果の測定、(3)有機単結晶を用いた両極性発光トランジスタの実現、(4)電気二重層トランジスタによる世界最高の横伝導度の達成、など有機トランジスタの高性能化、新機能発現に貢献する4つの顕著な成果を上げた。
著者
樋口 ゆき子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.73-80, 1984-04-15 (Released:2010-03-11)
被引用文献数
1 1
著者
杤尾 武
雑誌
成城国文学
巻号頁・発行日
no.22, pp.44-55, 2006-03 (Released:2012-09-25)