著者
吉田 健治 浅倉 敏明 名護 秀
雑誌
骨折 (ISSN:02872285)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.489-494, 1995-05-01
被引用文献数
13
著者
塩沢 健一
出版者
中央大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度の研究においては、市庁舎整備をめぐり5月20日に住民投票を実施した鳥取市に着目し、投票日の約1週間後より、郵送調査を行った。市の有権者3,000名を対象として実施した結果、1,189件の有効回答を得た。本調査の当初の目的は、「平成の大合併」により誕生した広域自治体における「民意」のあり方について、本研究課題の初年度に長野県佐久市で実施した意識調査との比較も交えながら、検討を加えることにあった。そうした観点からは、佐久市のケースと同様に、旧鳥取市と旧町村部とで、有権者の投票行動の傾向に一定の差異のあることが明らかとなった。他方、鳥取市の住民投票では当初から、2つの案から一方を選ばせる設問形式や争点提示の仕方に疑問の声が上がっていたが、住民投票で過半数の支持を得た「耐震改修案」が、その後の検証の過程で「当初案では実現不可能」と結論付けられ、市が計画していた新築移転案の対案として耐震改修案を提示した議会の説明責任が問われる状況となった。そうした経緯を踏まえて分析を試みたところ、住民投票を実現させた議会に対する有権者の「信頼」が、耐震改修案への投票と相関のあることが明らかとなった。すなわち、庁舎整備をめぐる「実質的な選択」という側面においては、鳥取市の投票結果に正統性があるとは言い難い。このように、鳥取市の事例は、住民投票における議会の「議題設定」という観点から見て、重要な教訓を残したと言える。その点において、本年度の研究の成果は、当初の計画において想定していた以上に、貴重なものとなったと言える。
著者
佐々木 隆 高崎 金久 小竹 悟
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

数多くの厳密に解ける一次元量子力学系を具体的に構成し,その持つ量子対称性と可解性の関係を明らかにした.元の固有関数系に離散対称性を作用させ,(擬)仮想状態解を作り,それらを種解として用いた多重変形によって,数多くの可解量子力学系を得た.仮想状態解からは,例外型および多添え字直交多項式系を得た.擬仮想状態解を用いたものからは,多くのロンスキアン・カソラティアン恒等式を導出した.調和(放射)振動子,ポッシェル・テラー,モース,エッカート,クーロンポテンシャル,ウィルソン,アスキー・ウィルソン多項式,(q-)ラカー多項式等の変形を論じた.高い見かけの特異異性を持つポテンシャルと固有関数系も構成した.
著者
木村 達明 関戸 信次
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.84, pp.190-195, 1971-12-30

筆者らは1965年, 手取川支流目附谷川上流に露出する桑島砂岩・頁岩互層相当層から, 葉縁にいちじるしい棘のあるソテツ状葉標本2個を採集した。現生ソテツ類において, とくにいちじるしい棘のある属はEncephalartosであるとされているが, 全縁の種もあり, またStangeria, Bowenia, Zamia, MacrozamiaおよびMicrocycasなどにも棘または鋸歯のあるものが多く, 棘や鋸歯があるというだけで属を識別する根拠とはならない。しかし化石ソテツ状葉で棘や鋸歯のある例は少なく, 筆者らの標本は, 1962年, VAKHRAMEEVによってヤクーツク付近の下部白亜系から報告・記載されたNeozamites属に一致する。この属は沿海州やレナ川中流地域の下部白亜系から3種が知られているが, ここに記載する標本はそのどれとも一致しないので, Neozamites elongata sp. nov.として報告する。この属はシベリア植物群の主要要素とされている。
著者
永田 靖
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.78-88, 1997-04-15
被引用文献数
1

回帰分析において寄与率R^2,自由度調整済み寄与率R*^2は,モデルの適合度を表す指標として常に参照される統計量である.さらに,品質管理の分野では自由度2重調整済み寄与率R**^2が参照されることも多い.しかし,自由度調整済み寄与率や自由度2重調製済み寄与率は変数選択の立場から導入されたものである.変数選択の観点からよい統計量であるかどうかと,母寄与率の点推定の観点からよい統計量であるかどうかは別の問題である.本稿では,修正寄与率R*^<2+>=max {0, R*^2},R**^<2+>=max{0, R**^<2+>}を含めて,母寄与率の点推定の立場から検討する.得られる結論は次のとおりである.推定精度の観点からは,どのタイプの寄与率もサンプルサイズがかなり大きくないと信頼しにくい.このことを念頭に入れた上でモデルの適合度の尺度として用いるのならば,バイアスの程度とMSEの観点からR*^<2+>を用いるのが一番望ましい.R^2には重大な上側へのバイアスが存在する.また,自由度2重調製済み寄与率R**^2やその修正寄与率R**^<2+>は下側へのバイアスが重大であり,MSEも他の寄与率に比べて大きいので母寄与率の点推定量として適切ではない.
著者
當山 日出夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.91, pp.21-28, 1995-09-15

1.漢字の属性(意味・字形・音)などを、一義的に決定することは不可能である。2.漢字の属性の決定には、漢字辞典の利用が有効である。3.最近の漢字辞典は、JIS漢字を中心に編纂される傾向がある。そのため、JIS漢字を批判するための根拠とはなりにくい。4.漢字の属性の整理のためには、JIS漢字以外の漢字をふくめた総合的な視点からの考察と調査が必要である。1. It is impossible to decide principally the attribute etc. of the kanji (The meaning, the letterform and the sound). 2. The use of the kanji dictionary is effective for the decision of the attribute of the kanji. 3. Recent kanji dictionary tends to be edited in the JIS kanji. Therefore, it is difficult to become the foundation to criticize JIS kanji. 4. For the arrangement of the attribute of the kanji, the consideration and the survey from the synthetic perspective are necessary including kanji other than JIS kanji.
著者
植田 勝間 豊川 元一 中森 宏 迫 久男 梅咲 直彦 須川 佶
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.569-573, 1977-05-01

近年,卵巣癌の発生頻度は増加する傾向にあると考えられるが,現在一般に施行されている本疾患に対する診断法(双合診,細胞診,超音波断層法および骨盤内血管撮影法など)は,いずれも腫瘍の存在を把握し得たとしても良性か悪性かの鑑別には未だ十分な根拠とはなつておらず,とくに早期診断には全く無力と言つても過言ではない. 本研究は免疫学的側面より卵巣癌診断へのアプローチをおこない,その有用性を追求したものである.まず,卵巣癌の癌塊の大きさと患者末梢血の血清効果(plant mitogenによる健常人リンパ球DNA合成能を抑制する血清の効果)の対比検討をおこない,次いで患者末梢血の血清効果の増大を惹起させ得る最小の癌塊の大きさの限界を把握することから,本法が卵巣癌の早期診断に有力なる診断法となりうるかを検討した. その結果, (1) 卵巣癌患者のリンパ球のPHAに対する反応性は,対照群に比して若干低下していた(P<0.05). (2) 卵巣癌患者の末梢血の血清効果は,健常人および良性卵巣腫瘍患者のそれに比して,有意に増強していたが(P<0.01),後2者間においては有意差は認められなかつた. (3) 卵巣癌患者において,癌塊の大きさが増大するにつれて,患者末梢血の血清効果が増強する傾向がうかがわれ,且つ又,鵞卵大の癌腫において,すでに良性卵巣腫瘍に比して著明な血清効果が認められた(P<0.01). 以上の成績より,卵巣癌患者における血清効果の強弱は癌組織由来の免疫抑制因子の量的増減により惹起されるものと考えられ,また卵巣癌の診断において比較的早期の例においても本法が有用であると考えられた.

1 0 0 0 OA 航海年表

出版者
水路部
巻号頁・発行日
vol.昭和4年, 1928
著者
加藤 集平
出版者
東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻
巻号頁・発行日
2013-03-25

報告番号: ; 学位授与日: 2013-03-25 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(情報理工学) ; 学位記番号: ; 研究科・専攻: 情報理工学系研究科・電子情報学専攻

1 0 0 0 OA 大語園

著者
巌谷小波 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.7, 1936

1 0 0 0 OA 航海教授書

出版者
海軍兵学寮
巻号頁・発行日
vol.巻3, 1871
著者
工藤 芳彰 宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.198-199, 1999-10-15

This paper investigates a viewpoint of The Studio about Japanese fine art and craft on exhibit in the Japan-British Exhibition(191O)as foundation work of a study on relationship Western design movements and Japan until the end of the 19c to the beginnig of the 20c. There were 6 articles about painting, ceramic art, textiles and embroidery, wood and ivory carving, metal work, and cloisonne ware. There were various levels from antique to craft for export in Japanese exhibits of the Japan-British Exhibition. Above all, The Studio payed attention to the modification in Japanese contemporary fine art and arts and crafts for the influence of West and the Japanese attitude on the modification.
著者
藤 則雄
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.86, pp.295-"318-1", 1972-06-30

能登半島に広く分布する新第三系に関する花粉学的研究のうち, 今回は, その第IV報として, 能登半島北端の輪島市に発達する中新世後期の塚田含珪藻泥岩層についての花粉学的研究の結果を報告する。塚田層は輪島市の一本松公園付近と宅田付近に, 局部的に発達する含珪藻泥岩を主体とする累層である。本層は硬質頁岩の薄層によって, 上部層と下部層とに2分される。上部層は泥岩よりなり, 下部層は砂岩薄層を夾在する泥岩よりなっている。塚田層の13層準からの16試料と, 他に, 参考までに洪積世後期の稲舟段丘堆積物からの1試料, 中新世中期の地層からの2試料(粟蔵層-1試料, 縄又層-1試料)について分析し, 各層準毎の化石群集の構成・変化の内容を明らかにし, これらの分析結果に基づいて, 塚田層堆積時の古気候・古地理的条件・地質時代について考察した。(1)塚田層堆積時の古地理的条件 : 本層からの花粉の構成は, upland系の植物をいくらか含んではいるが, mixed-slope・riparian要素を主体とする。本層に含まれている化石珪藻の構成内容や岩相などからの資料をも併せて判断すると, 本層の堆積盆地は, 入口の広い入江が直接外海に面しており, その入江の奥の, 出入りの多い水域であった, と推定される。本層と同時代といわれる能登半島中央部の和倉層・聖川層からの花粉構成は, 寒冷系の要素が塚田層のそれの1/2〜1/3である。このことは, 和倉層・聖川層の堆積域が半島中央部の, 入江や湾奥で, 北方からの風や海流の影響を直接うけないような環境であったのに対して, 塚田層の堆積域では, 比較的直接うけるような環境下であった, と推定される。(2)塚田層堆積時の古気候 : 温暖系の植物の花粉の頻度は10%で, 和倉層の30%や台島期の砂子坂層・山戸田層のそれらが50〜60%であるのに比較すると, かなり低率である。本層の主体をなすのは温帯系の要素で, 60〜70%を占めている。本層の下部と上部とを比較すると, 下部に, 温暖系要素が多い。本層では, 寒冷・冷凉系要素は, 温暖系要素に対してよりも, むしろ温帯系要素と正の相関々係を示す。塚田層と同時代といわれる和倉層・聖川層の花粉構成に比較すると, 細かな点では違いがあるが, 大局的には同じである, と判断され, 塚田層堆積当時の古気候は, 現在の北陸地区の気候に殆んど同じか, 若干冷凉か位であろう。(3)塚田層の地質時代 : 本層からの花粉群集は, 大局的には中新世後期の和倉層・聖川層, 鮮新世前期の荻の谷層の花粉群集に酷似し, 本層の地質時代もこれらの地層の時代に対比されよう。
著者
藤井 章 知念 令 守川 信夫 宮城 正男
出版者
沖縄県畜産研究センター
雑誌
沖縄県畜産研究センター試験研究報告 (ISSN:18836496)
巻号頁・発行日
no.47, pp.37-44, 2009

山羊における産肉性の改善を図るため、肉用山羊種であるボアー種を50%以上交配した山羊(ボアー系)と、ザーネン種の特徴を持つ山羊(ザーネン系)を用いて粗飼料のみによる給与を行い、産肉性を検討したところ、その結果は次のとおりであった。1.雄、雌ともに1日あたり乾物摂取量、飼料要求率、試験終了時の体重、1日あたり増体量に有意差は認められなかったが、体重あたり乾物摂取量は雄においてボアー系が試験開始時、試験終了時ともにザーネン系より有意に少なく(開始時:P<0.05、終了時:P<0.01)、雌においてもボアー系が試験開始時、試験終了時ともにザーネン系より有意に少なかった(P<0.05)。2.枝肉歩留は、雄においてボアー系が43.8%でザーネン系の38.8%よりも有意に高く(P<0.05)、雌においてもボアー系が46.0%でザーネン系の38.0%よりも有意に高かった(P<0.01)。3.部分肉重量では、雄はボアー系がザーネン系よりもかた、ロース、ばらおよびヒレの部分肉において有意に重く(P<0.05)、雌もボアー系がザーネン系よりも全ての部分肉において有意に重かった(P<0.01)。以上のことから、ボアー系は粗飼料のみで肥育した場合、飼料効率および産肉性に優れており、県内産山羊の産肉性改善に活用できることが示唆された。
著者
宮崎 哲次 井濱 容子
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では減圧障害の診断基準を確立することを目的とした.非肥満ラットと肥満ラットを用いて生前減圧群(AD)死後減圧群(PD)対照群の3群に分け,それぞれの群における血管内気泡と組織学的所見を比較した.特に肺の気腫性変化は画像処理ソフトを用いて定量評価した.血管内気泡はADとPD両方に確認された.AD群では,高圧負荷時間とともに血管内気泡と肺の気腫性変化が高度になり,死亡群ならびに肥満ラットにおいて変化がより著明となった.本研究では肺の気腫性変化の定量評価によって生前減圧と死後減圧を鑑別できる可能性を示した.本結果は,実際に減圧障害を含むダイビング関連死亡の剖検診断に役立つと考えている.