著者
大方 祐輔 有田 正志 中田 晋介
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.40, pp.301-306, 2011

本研究では,児童生徒が「理科における学びの愉しさ」を実感するために,さまざまな授業方略を取り入れた授業開発および授業実践を行った。小学校の実践では,「ものの重さ」を取り上げ,誤反応を起こしやすい概念を含んだ課題を意図的に提示することで,児童自身が間違った理解をしていることに気づかせ,修正する授業展開を試みた。中学校の実践では,都市の夕立の学習を通して,都市気候と人間生活との関わりを考察させる授業を行った。生徒は,協同的な学びを通して,ゲリラ豪雨のような異常気象は,人間の生活環境の変化に深い関わりがあることを認識することができた。高等学校の実践では,多酸塩基の緩衝作用の原理について考えさせた。中和滴定の進行に伴って緩衝作用がみられる部分について,その原理を粒子モデルや反応式を使って説明する探究活動を行った。いずれの授業実践も,実験結果の予想や分析,表現,身近な現象と人間生活との関わりなどについて,児童生徒自らが問いを内発し,疑問を認識し,現象を科学的に説明することを要求する取り組みを行うことで,理科を学ぶことの有用性や意義を実感でき,「学びの愉しさ」を得ることができた。
著者
川田 康介 高増 哲也 犬尾 千聡 相川 博之 栗原 和幸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1403-1407, 2007
被引用文献数
7

症例は15歳の男児.平成12年(小学4年時)から外出時に顔面の発赤腫脹,水様性鼻汁を認めるようになった.平成15年(中学1年時),野球部に入部し,グランドでの練習中に喉が苦しい,息がしづらい,運動が続けられない,顔が腫れる,などの症状を経験するようになり,某病院にて喘息と診断され吸入ステロイド薬などの処方を受けたが改善しなかった.症状は夏に悪化し,冬には消失していた.平成16年12月,診断の再考目的で近医より当科を紹介された.肺機能(流量-量曲線)は正常で,ヒスタミンおよびアセチルコリン吸入試験は10000μg/dlまで陰性,運動負荷試験も陰性であった.血液検査で特異IgEは,カモガヤ56.2UA/ml,ハルガヤ48.2UA/ml,オオアワガエリ47.2UA/mlなどイネ科花粉が強陽性であった.以上より,喘息を合併しないイネ科花粉症と診断した.抗ヒスタミン薬内服とステロイド点鼻薬で部分的な症状の改善を認めた.平成18年3月より,花粉(オーツ麦,スズメノチャヒキ,スギ,ブタクサ)治療ワクチンを用いた急速免疫療法を開始し,良好な結果を得ている.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1919年06月30日, 1919-06-30
著者
相良 守次
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.19-27, 1983-03

資料はじめに――――われわれ人間科学部心理学研究室のスタッフは、研究室の相良守次教授を囲んで、先生と心理学をめぐるさまざまなお話を伺う会をもっている。この回は不定期ではあるが現在も継続中である。相良教授は日本心理学会の会長を務められたこともある心理学界の重鎮であり、先生のお話の中には、日本の心理学会の動向についての貴重な資料になりうる部分が多く含まれているように思われる。話していただくテーマはさまざまであるが、われわれはすでに約10時間に及ぶお話のテープを保管している。本稿は、1972年8月に東京で開催された第20回国際心理学会議(XXth International Congress of Psychology)について伺ったお話の一部をまとめたものである。当時相良教授は日本心理学会会長であり、その国際会議のための組織委員長を務められていた。本資料を得るための会合は1982年7月18日神奈川県葉山相洋閣で行われ、出席者は相良教授のほか人間科学部心理学研究室のスタッフ全員(高柳信子、 岡堂哲雄、 秋山胖、 上杉喬、 丹治哲雄、 大熊保彦)と総合研究室の森井利夫教授の計8名であった。なお本資料の収集と整理にあたり1982年度学部共同研究費の援助を受けたことを付記しておく (人間科学部心理学研究室一同)
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.102, pp.56-67, 2002-08-10

本誌は2002年6月29日から7月14日までの2週間にわたって、インターネット上のWebサイトを利用しているユーザーを対象にして、「インターネット・アクティブ・ユーザー調査」を実施した。 このアンケート調査は、日経ネットビジネスのWebサイト(http://nnb.nikkeibp.co.jp/)にアンケート用のページを掲載して、選択式でユーザーに回答を求めたものである。
著者
斎藤 靖二 平田 大二 笠間 友博 新井田 秀一 山下 浩之 石浜 佐栄子
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

火山噴火や地震などに伴う自然災害を理解するために,従来蓄積してきた野外地質情報に加え,火山噴火や地層形成などのモデル実験,衛星画像のデジタル情報を視覚化した精密地形模型,浅海域微地形の超高精細解析図など新しい教材を開発した。これらの教材を地域の学校等と連携して学習活動を展開した結果,地域連携型の自然災害教育プログラムが博物館における新しい機能として有効であることが確認された。
著者
八重 樫文 望月 俊男 加藤 浩 西森 年寿 永盛 祐介 藤田 忍
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.193-196, 2008
被引用文献数
1

高等教育のPBLにおいて,学生が授業時間外の分散環境でも,クラス全体および他グループの活動を意識して,グループ作業を円滑に進めるために,これまでに筆者らが開発してきたPBL支援グループウェアに実装する新機能を設計した.新機能には,常に他者の作業の様子が見え,他者間の会話が自然に聞こえてくるという特徴を持つ,美術大学のデザイン教育における「工房・スタジオ的学習空間」の要素を取り入れた.これを大学授業で利用したところ,学習者に対し,他グループから常に見られていることで自グループの作業への意識を高め,自分の作業の調整を促進する効果が示された.
著者
柳本 吉彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1206, pp.132-135, 2003-09-01

7月14日に日本コーリンは民事再生法を申請しました。関係する方々にご迷惑をおかけして申し訳ありません。現在、社員一丸となって事業再生に取り組んでいます。今後とも、ご支援を頂けますようお願い申し上げます。 日本コーリンは、1980年に会社を設立した医療機器メーカーです。97年に店頭市場(現ジャスダック市場)に株式公開後は、単独では5期連続で増収増益を達成。
著者
HIROSHI OGATA MIDORI YATABE SHINGEN MISAKA YAYOI SHIKAMA SUGURU SATO MITSURU MUNAKATA JUNKO KIMURA
出版者
福島医学会
雑誌
FUKUSHIMA JOURNAL OF MEDICAL SCIENCE (ISSN:00162590)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.43-48, 2013 (Released:2013-07-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

We previously reported a case of pulmonary hypertension, where the symptoms were improved by oral L-arginine (arginine) administration. Arginine may increase nitric oxide (NO) production in the pulmonary artery. Exhaled NO may reflect pulmonary artery NO production. It has been demonstrated that exhaled NO concentration is higher in patients with allergic diseases, but whether oral arginine administration alters exhaled NO is unknown. Therefore, in this study, we investigated whether oral arginine administration increases exhaled NO among healthy volunteers with and without a history of allergy.Eleven subjects were given a single oral dose (200 mg/kg) of arginine, and their plasma arginine concentrations and exhaled NO were measured up to 150 minutes. Baseline values of exhaled NO concentration were significantly higher in those with a history of allergy (56.4±20.3 ppb, n=5, P< 0.05) than those without (16.8±4.0 ppb, n=6). Oral arginine increased exhaled NO, which peaked at 60 minutes after the administration in those with a history of allergy (85.2±44.8 ppb, n=5). However, the increase in exhaled NO was not significant compared to the baseline values. In contrast, plasma arginine concentration was increased significantly by arginine administration (P< 0.01), regardless of an allergy history. These results suggested that the difference in exhaled NO concentration was not due to a difference in arginine absorption.Serum IgE level was significantly higher in the group with a history of allergy. Eosinophils and white blood cells were within normal range in all subjects. We conclude that oral arginine administration does not significantly increase exhaled NO, regardless of allergy history. However, as arginine administration has been reported to be effective in patients with pulmonary hypertension, it will be necessary to test exhaled NO in subjects with pulmonary hypertension in the future.
著者
喜多六平太 訂
出版者
江島伊兵衛
巻号頁・発行日
vol.久の巻, 1907
著者
斎藤 元 阿保 七三郎 北村 道彦 橋本 正治 泉 啓一 天満 和男 三毛 牧夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.1819-1823, 1995-08-01
参考文献数
12
被引用文献数
4

胸部食道癌術後, 後縦隔経路再建胃管-右主気管支瘻が発生した症例に対し, 有茎大胸筋弁による瘻孔閉鎖術を施行し治癒しえた症例を報告する.患者は63歳の男性, 胸部中部食道癌に対し1993年7月14日, 胸腹部食道全摘, 3領域リンパ節郭清, 後縦隔経路食道胃管吻合術を施行した.第13病日, 術後透視にて異常なく経口摂取開始となったが, 咳嗽が激しく経口摂取困難, また誤嚥性肺炎を合併.その後, 絶食, 中心静脈栄養, 経腸栄養を実施していたが, 第120病日, 食道造影にて胃管気管支瘻を確認, 12月21日, 有茎第3肋間筋弁を用いた瘻孔閉鎖術を施行したが, 術後膿胸を合併, 第40病日に胃管気管支瘻の再発を確認.当科に転院後, 1994年3月14日, 有茎大胸筋弁による瘻孔再閉鎖術を施行.術後経過良好, 気管支内視鏡, 食道内視鏡にて治癒を確認, 現在外来加療中である.本症では, 術後経過, 内視鏡所見, 術中所見より胃管自動縫合器縫合線部循環障害が瘻孔形成の原因と考えられた.
著者
柴木 優美 永田 昌明 山本 和英
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.229-279, 2012-12-14

Wikipedia を is-a 関係からなる大規模な汎用オントロジーへ再構成した.Wikipedia の記事にはカテゴリが付与され,そのカテゴリは他のカテゴリとリンクして階層構造を作っている.Wikipedia のカテゴリと記事を is-a 関係のオントロジーとして利用するためには以下の課題がある.(1) Wikipedia の上位階層は抽象的なカテゴリで構成されており,これをそのまま利用してオントロジーを構成することは適切でない.(2) Wikipedia のカテゴリ間,及びカテゴリと記事間のリンクの意味関係は厳密に定義されていないため,is-a 関係でないリンク関係が多く存在する.これに対して我々は (1) を解決するため,上位のカテゴリ階層を新しく定義し,Wikipedia の上位階層を削除して置き換えた.さらに (2) を解決するため,Wikipedia のカテゴリ間,及びカテゴリ記事間の not-is-a 関係のリンクを 3 つの手法により自動で判定し切り離すことで,Wikipedia のカテゴリと記事の階層を is-a 関係のオントロジーとなるように整形した.本論文では not-is-a 関係を判定するための 3 つの手法を適用した.これにより,"人","組織","施設","地名","地形","具体物","創作物","動植物","イベント"の 9 種類の意味属性を最上位カテゴリとした,1 つに統一された is-a 関係のオントロジーを構築した.実験の結果,is-a 関係の精度は,カテゴリ間で適合率 95.3%, 再現率 96.6%,カテゴリ‐記事間で適合率 96.2%,再現率 95.6%と高精度であった.提案手法により,全カテゴリの 84.5%(約 34,000 件),全記事の 88.6%(約 422,000 件)をオントロジー化できた.