著者
末川 久幸 山川 龍雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1630, pp.108-111, 2012-02-27

答 4月1日の朝一番で秘書室の皆さんに来ていただいた時に、最初に「東北に一番最短で行ける日程はいつですか」と聞いたんです。支援をするにしても、こっちで考えて運ぶんじゃなくて、何が欲しいかを聞いて差し上げてそれを用意した方がいいなと。 意外だったのは眉墨鉛筆です。眉毛は剃っている状態だから、どうしても他人様に見られるのは嫌だという声が多かった。それから鏡。
著者
近藤 光博
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.27-41, 1997-03-31

96年4月から5月にかけ,インドでは第11次連邦下院選挙が行われた。台風の目となったのは,ヒンドゥ・ナショナリズムを掲げて独自のタカ派路線を行くインド人民党(the Bharatiya JanataParty : BJP)であった。彼らは,単独で534中の161議席を獲得,インド国民会議派(the Indian National Congress (I) :コングレス)が独立以来占め続けてきた下院第一党の座を奪い取った上,党外から34議席の支持を得て,ごく短期間であったとはいえ,党内穏健派の頭目ヴァジパイー(A. B. Vajpayee)を首相の座につけることに成功した。しかし,党外の支持議員のさらなる抱き込みに失敗し,下院で過半数の承認を得られないと見越したヴァジパイー首相は,数日にわたる国会での激論の後,信任投票の直前に自ら身を引いた(5月16日就任,5月28日内閣総辞職)。日本のジャーナリズムはしばしばBJPを「ヒンドゥ至上主義政党」と形容してきた。そこでは,排他的で狂信的な宗教政党としてのBJPのイメージばかりが強調されるため,インドの政治動向に対する読者の不安感・不信感は相当に(ときには極端なまでに)あおり立てられたことだろう。本稿は,第一に, BJPの歴史的背景やインド国民がこの党に寄せる支持の内容を検討することで,「ヒンドゥ至上主義政党」というBJPイメージの極端なステレオ・タイプに修正が施されるべきこと,そして<必ずしも過激ではない現実的な民主議会主義政党>としての側面にも十分な注意が払われるべきことを指摘する。このことと関連して,第二に,世界各地で昨今いよいよ激しく燃えあがりつつある<エスニック・アイデンティティの復活と政治化>とでも呼ぶべき一連の現象との関連につき,理論研究の視覚から, BJPとその兄弟組織内部のダイナミズムをごく簡単に論じる。
著者
西秋 良宏 門脇 誠二 加藤 博文 佐野 勝宏 小野 昭 大沼 克彦 松本 直子
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

主として二つの成果があった。一つは、最新の考古学的知見を収集・整理して新人がアフリカを出てユーラシアに拡散した年代や経緯、そしてネアンデルタール人と置き換わっていった過程をできるかぎり詳細に跡づけたことである。もう一つの成果は、脳機能の違いに基づく学習能力差が両者の交替劇につながったのではないかという「学習仮説」を考古学的観点から検証したことである。従来、強調されてきた生得的な能力差だけでなく、歴史的に形成された社会環境の違いが、学習行動ひいては適応能力に大きく作用していた可能性を指摘した。
著者
Chun-Kai Huang Ka-Chun Siu Hen-Yu Lien Yun-Ju Lee Yang-Hua Lin
出版者
(公社)日本産業衛生学会
雑誌
Journal of Occupational Health (ISSN:13419145)
巻号頁・発行日
pp.12-0105-OA, (Released:2013-06-24)
被引用文献数
1 3

Objectives: Pushing tasks are functional activities of daily living. However, shoulder complaints exist among workers exposed to regular pushing conditions. It is crucial to investigate the control of shoulder girdles during pushing tasks. The objective of the study was to demonstrate scapular muscle activities and motions on the dominant side during pushing tasks and the relationship between scapular kinematics and muscle activities in different pushing conditions. Methods: Thirty healthy adults were recruited to push a four-wheel cart in six pushing conditions. The electromyographic signals of the upper trapezius (UT) and serratus anterior (SA) muscles were recorded. A video-based system was used for measuring the movement of the shoulder girdle and scapular kinematics. Differences in scapular kinematics and muscle activities due to the effects of handle heights and weights of the cart were analyzed using two-way ANOVA with repeated measures. The relationships between scapular kinematics and muscle activities were examined by Pearson’s correlation coefficients. Results: The changes in upper trapezius and serratus anterior muscle activities increased significantly with increased pushing weights in the one-step pushing phase. The UT/SA ratio on the dominant side decreases significantly with increased handle heights in the one-step pushing phase. The changes in upward rotation, lateral slide and elevation of the scapula decreased with increased pushing loads in the trunk-forward pushing phase. Conclusions: This study indicated that increased pushing loads result in decreased motions of upward rotation, lateral slide and elevation of the scapula; decreased handle heights result in relatively increased activities of the serratus anterior muscles during pushing tasks.

1 0 0 0 OA 海の勇者

著者
ユーゴー 著
出版者
課外読物刊行会
巻号頁・発行日
1926
著者
中川 克哉 佐康二 津森 靖 花田 恵太郎 白川 功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.88, pp.19-24, 2001-09-13

近年,ネットワーク接続可能な情報端末が急激に普及し,複数台の情報端末を所有するユーザも急増している.しかしながら,それらの中に記憶されている情報は,ネットワーク端末であるにもかかわらず通常独立している.本稿では,ネットワーク接続可能な種々の情報端末に記憶されたオブジェクトを互いに連係させることにより,ユーザの冗長な操作負担を軽減するとともに,複数ユーザでオブジェクトを共有することによるコミュニケーションを可能にし,さらに,不安定な無線接続や,通信にコストが発生する接続,安定した有線による常時接続等,多様なネットワーク環境に対応する,Object Communication Environment for Arbitrary Network (OCEAN)を提案する.In recent years, information terminals with network communication ability become very popular, and many people actually have such plural terminals. Those information terminals, however, keep users' data independently in spite of their communication ability. In this paper, we propose "Object Communication Environment for Arbitrary Network (OCEAN)", which provides liaison of objects stored in each terminals. It eliminates redundant user operation on information terminals, enables group communication among users by sharing common objects in those terminals, and is still adoptive for various network environment such as unstable wireless connection, low cost performance connection, or stable permanent wired connection.
著者
Chiang Ted 大森 望
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.45-49, 2008-01
著者
上野 隆治 塘 総一郎 飯村 彰
出版者
日本歯科大学東京短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

顎口腔顔面領域の最も重要なはたらきである咀嚼・嚥下運動において、咀嚼・嚥下様式の差異と顎顔面口腔領域を構成する骨や筋、歯牙の形態学的特質との関連性を解明することを目的として、咬合様式の異なるオーストラリア産有袋類のコアラやブラッシュテイルポッサムを研究対象とし、これらの顎関節、咀嚼筋、さらに咀嚼運動に直接関与する臼歯に対して比較解剖学的検索を行った。顎関節の形態では、下顎頭はコアラでは4つ、ブラッシュテイルポッサムでは3つのタイプに分けられ、後者では前者にみられないフラットタイプが最も多くの割合を占めた。さらに下顎頭の最大高部は前者が中間部に最も多かったのに対し後者では外側1/3の部位に多くみられた。臼歯の咬耗の度合いと顎関節の形態との関連性では、コアラが咬耗度と下顎頭、下顎窩の値に有意な正の相関を示したのに対しブラッシュテイルポッサムでは共に有意な値は示さなかった。上顎大臼歯の計測学的検索では、コアラもブラッシュテイルポッサムも共に第4大臼歯が他の3つの大臼歯よりも小さな値を示したが、コアラでは第1大臼歯と第2大臼歯とは歯冠の計測値に有意な差は示さなかったのに対しブラッシュテイルポッサムでは第2大臼歯が頬側近遠心径と近心頬舌径において他の大臼歯より大きな値を示し、逆に第1大臼歯は近心頬舌径において第2、第3大臼歯より小さな値を示した。咀嚼に関与する筋の観察では、コアラの哺乳期と咀嚼期における咬筋と頬筋の大きさの比較において、特に筋の厚さで頬筋は哺乳期では咬筋とほぼ同じ割合で発達するが、咀嚼期ではほとんど増加を示さず、さらに咬筋と顎関節との関連では特に上部の幅と厚さが下顎窩の形態の変化と高い相関性を示した。これらの結果から、顎運動の様式の差異と関連性を有する顎・口腔領域の形態的特徴が明確となる可能性が示された。
著者
渡辺 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012

集光型太陽電池モジュールの高効率化・低コスト化を実現するために、軽量小型化を目指した新規光学素子の設計を行った。また、太陽光の集光環境下での応用に適した低電流大電圧化を目的とし、モノリシック直列接続太陽電池セル開発した。さらに、より実用化に適した構造を検討するために、集光太陽電池ミニモジュールを試作し、フィールド試験設備を用いた評価試験を実施した。
著者
米持 真一 梅沢 夏実 松本 利恵
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.129-142, 2007-03-10
被引用文献数
5

首都圏郊外に位置する,埼玉県北部の騎西町において,2000年から5年以上にわたり,PM2.5の質量濃度および主要成分濃度の連続観測を行った。PM_<2.5>の捕集にはPM_<2.5>、サンプラー(R&P社,PartisolPlus2025)を用い,一週間単位の質量濃度および主要化学組成の分析を行った。 PM_<2.5>濃度には明瞭な減少傾向は見られなかった。微小粒子の主成分である,水溶性無機イオンと炭素成分について分析を行い,その推移を評価した。水溶性無機イオンの90%は,塩化物イオン(Cl^-),硝酸イオン(NO_3^-)および硫酸イオン(SO_4^<2->)と,これらを中和するアンモニウムイオン(NH_4^+)で構成されていた。陰イオン3成分濃度は特徴的な季節変動が見られた。Cl^-と炭素成分(TC),特に,元素状炭素(Cel)には明瞭な減少傾向が見られた。また,NO_3^-にも緩やかな減少傾向が見られた。一方,SO_4^<2->には減少傾向は見られず,2004,2005年は,冬期を除く季節で増加していた。並行して稼働させたTEOMの観測値とPM_<2.5>サンプラーによるフィルター捕集との比較では,年平均値では概ね同程度の値であったが,TEOM内部での半揮発性成分の揮散量と,外気温に依存するPM_<2.5>サンプラーのフィルター上からの揮散量の大小関係により,両測定値の差には特徴的な季節変動が見られた。
著者
清水 達也 小林 昭男 宇多 高明 熊田 貴之 野志 保仁 芹沢 真澄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.691-695, 2007 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

Topography of beach cusps and grain size sorting was observed at four coasts, as well as the observation of a backwash flow in a bay of a cusp. A movement of sea water flowing obliquely from the apex to the bay was observed, resulting in the generation of a backwash flow. On the basis of this observation, two pairs of sink and source were assumed and three-dimensional cusp topography was predicted, using the contour-line-change model considering the effect of grain size change by Kumada et al.(2005). The formation of a cusp and associated accumulation of coarse materials around the apex were well predicted.
著者
斉藤 学 春山 洋一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

静電型リニアイオントラップを用いて準安定状態にある2価Krイオンの寿命の精密測定を行った。準安定状態の寿命は一般的にイオントラップを用いた分光測定によって決定されてきた。しかし、現状のイオントラップを用いた測定では、残留ガスとの衝突(中性化、散乱)による蓄積イオン数の減少を見積ることが難しい。この見積もりが寿命の測定精度に大きな影響を与える。本研究は、静電型リニアイオントラップを用いることで蓄積イオン数の減少を高精度でモニターし、準安定状態寿命の測定精度を向上させることに成功した。
著者
眞田 有吾
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
咸臨 : 日本船舶海洋工学会誌 (ISSN:18803725)
巻号頁・発行日
no.21, 2008-11-10

大阪大学では「海の日」が制定された平成8年から,船舶海洋試験水槽と関連施設の一般公開を毎年実施しており,今年で13回目を迎えた。この催しは,船舶海洋試験水槽を中心として,風洞などの関連施設の公開,体験授業などで構成されている。収容人数の関係から事前申し込み制としており,近隣小学校の小学四年生以上の児童と保護者を対象として毎年200名余りの参加をいただいている。海や船について親しんでもらうことにくわえ,親子で科学に気軽に接し,親しみをもってもらいたいとの意図から内容を構成している。家庭用ゲーム機やCGなどの発達に伴い,今の子供たちはそれらに接する機会は多いが,この催しでは参加者に手を動かしてもらい,実際の現象を自分の目と肌で感じとってもらうことを中心に据えている。以下にこの数年の実施内容を紹介する。
著者
松原 有里
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

わが国でここ数年来盛んになってきている、地方自治体による独自の地域環境税導入の試みに注目し、その経緯および将来性について研究した。具体的な研究方法としては、諸外国の環境税および税以外の他の環境(交通)政策との補完性の有無や、明治時代以来のわが国の伝統的な地方税の体系との整合性の有無について検証を行った。それによって、その性質および特徴、今後の課題を明らかにしようと試みたものである。
著者
平野 聖
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.7-16, 2009-07-31
参考文献数
23

扇風機の基本的な機能は,第2次世界大戦前に,ほぼ満足のゆく段階に至っており,戦後追加された機能としては,いわゆる「お座敷扇」に見られる首伸縮機能くらいである。これは1台で洋間にも和室にも使用可能な経済的な扇風機と認知され,団地を中心に広く受け入れられた。戦前発明された幅広3枚羽根の「エトラ扇」は,戦後特許が切れたことにより,各社がこぞって採用するようになる。安全性が確保されたことから,ガードの間隔の疎らなものが増え,流線型の本体との相乗効果により,戦前に比較し軽快でスマートな印象を与える扇風機も登場した。色彩に関しては,扇風機は「黒」という常識が,戦後のカラー化導入によって覆された。これは,進駐軍の影響とプラスチックの採用によるところが大きい。この時期の扇風機用ガードのデザインの多様性には目を見張るものがあり,扇風機のモデルチェンジやバリエーション展開により付加価値を与え,消費者の購買意欲をそそる営業戦略的側面において,大いに寄与している。
著者
ウェルズ 恵子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1)マイケル・ジャクソンの業績から黒人文化の特質を指摘。2)奴隷制度の中で発達した口頭文化の具体的内容を概観。3)動物民話が暴力と笑いに満ち、弱者が強者をくじく物語である一方勧善懲悪の物語ではないことを詳細に分析。4)主流の価値観を逆転させた行動様式が黒人ヒーローの活躍譚にあること。5) 奴隷時代の生活上の喜びや、主人への暗黙の批判、逃亡を歌う屈折した歌を分析。6) 南部刑務所に残ったハンマーソングの歌詞の変遷に、自我のあり方や世界観の変化を指摘。7) 黒人霊歌からゴスペルへの変遷を辿り、神や救いのイメージの変化を指摘。8) 抑うつ心理からの脱出方法として、ブルーズの歌詞様式が発展したこと。