著者
細井 功
出版者
社団法人 日本印刷学会
雑誌
日本印刷学会誌 (ISSN:09143319)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.130-134, 2011 (Released:2011-05-15)

Recently, the importance of color management systems (CMSs) has increased. Clients demand that a print company builds a system guaranteeing a color; if such guaranteed colors can be realized, it becomes possible to build a relationship of mutual trust. Moreover, when I manage the CMS, standardization of the print spot has a central role. This report introduces a part of the technique for realizing standardization.
著者
柿原 聖治
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.521-522, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

物が水に溶けると,その重さは一部なくなると考える小学生の考え方は,大学生になると修正されるが,体積増加までないと考えている。また,水以外の溶媒を挙げることができない学生が非常に多いので,ヨウ素を有機溶媒に溶かす実験を行わせて,理解を助けた。
著者
三家本 隆宏 脇谷 雄一郎 黒澤 忠弘
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.605-612, 2019-09-15 (Released:2019-09-15)
参考文献数
12
被引用文献数
1

井戸形電離箱を用いた192Ir高線量率密封小線源における基準空気カーマ率測定では,線源型式の違いによる出力差異の補正が必要となる場合がある。本研究では,日本国内で使用される3種類の線源型式(mHDR-V2, VS2000, Ir2.A85-2)について,補正係数を算出した。補正係数は,mHDR-V2を基準として,それぞれVS2000は0.987, Ir2.A85-2は1.002となった。国内における井戸形電離箱の校正はmHDR-V2線源を使用しており,これらの補正係数を用いることで他の2種類の線源型式の測定が可能となる。
著者
川瀬 綾子 西尾 純子 村上 泰子 北 克一 「マルチメディアと図書館」研究グループ
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.140-150, 2017-07-01 (Released:2017-09-20)

2020年度以降に予定されている新学習指導要領の導入を軸として,初等中等教育をめぐる状況は「主体的・対話的で深い学び(いわゆるアクティブ・ラーニング)」,「カリキュラム・マネジメント」の提唱を中心としながら大きく変化しようとしている。また,授業内等でのデジタル教科書の活用の検討もされている。こうした中で,教育の情報化時代の「チームとしての学校」と学校図書館の役割,機能を改めて考察する。
著者
兵藤 幸夫
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.96-104, 2004-04-15 (Released:2017-01-31)
参考文献数
20

宇宙開発事業団は,ロケット等の安全設計手法として,システムの全ライフサイクルについて,潜在的,顕在的な危険要素であるハザードを識別して,これを除去,最小化,制御して事故等によるリスクを抑え,最適な安全を設計に織り込んでいくシステム安全の手法をとってきた.また,万一,打上げ時に事故が発生した場合においても人命および周囲に影響を及ぼさないよう保安距離をとって安全の確保を図ってきた.この保安距離の設定に必要な事故時の爆発威力(TNT 換算率)をロケットの大型化に伴って見直すため,固体推進薬および液体酸素/液体水素の衝突実験を実施した.これらについて概説するとともに,飛行安全について触れる.
著者
Nobuhiko Taguchi Minoru Yuriguchi Takuya Ando Ryosuke Kitai Hitomi Aoki Takahiro Kunisada
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1446-1449, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
16
被引用文献数
4 13

During the process of skin regeneration following a skin injury, de novo hair follicle regeneration is initiated after wounding; however, these regenerated hairs are mostly unpigmented. The activation of epidermal melanocyte stem cells and their differentiation into regenerating hair follicles have been shown to be necessary for the pigmented hair regeneration after wounding. To determine the role of flavonoids in the regeneration of pigmented hairs, we applied the candidate flavonoids to the regenerating hair follicles after wounding and identified the flavonoid species that maximally induced pigmented hair regeneration. Flavonoids with two OH groups in the B-ring, such as sterubin, luteolin, and hydroxygenkwanin, showed promising effects in regenerating black pigmented hairs, while those with one OH group in the B-ring showed no significant change. Thus, flavonoids with two OH groups in their B-ring could be studied further as potential wound healing agents with the ability to regenerate pigmented hair.
著者
コット ミッシェル 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.363-374, 1995-06-09 (Released:2010-09-28)
参考文献数
44

フランスの産業革命は1820年代に始まったとされる。本論文は、マルク・スガンのフランスにおける技術革新と技術移転についてまとめたものである。この時期の彼の功績の主なものは、1. 鉄線によるケーブルの発明、2.水中コンクリート及び鉄筋コンクリートの先駆的な使用、3. 円筒ボイラーの使用、4.フランスにおける最初の貨車及び機関車の製作等である。本論文では、これらについて詳述し、これまであまり評価されることのなかった土木人としてのスガンの全体像と土木史上の功績についてまとめる。なお、本研究は新しい試みとして、フランスの科学史研究者と日本の土木構造の研究者とのマルク・スガン及びフランス吊橋史に関する一連の共同研究の序論として位置づけられるものである。
著者
浦川 邦夫
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.25-37, 2018-06-30 (Released:2020-08-05)
参考文献数
32

従来の貧困研究の多くは,所得などの経済的な指標を基準として貧困か否かの認定を行ってきた。しかし,労働時間を生活時間論の中に位置づけて展開した篭山京(1910-1990)の考察に見られるように,生計を立てるうえで必要な労働時間ならびに労働に必要な休養・余暇時間も所得と同様に欠かせない資源であり,最低限の生活を持続的に営むうえで必要な生活時間の水準が存在していると言える。欧米では,就労世代の家庭での生活時間の不足を考慮した時間貧困とその要因に関する研究が近年蓄積されており,日本でも個票データを用いた推計が行われつつある。そのため,本稿では生活時間の次元に注目した貧困研究に焦点をあて,その主な分析結果をサーベイし,特に就労世代の貧困の削減に向けた方策を検討する。 生活時間を考慮した貧困分析では,夫婦がともにフルタイム就労している世帯や就学前の子どもを持つ世帯などで時間貧困のリスクが高くなっており,家庭での十分な生活時間の確保にむけた対応が重要な政策課題として浮かび上がる。時間の次元を考慮することで,所得の貧困の削減に対してもより包括的な政策アプローチが可能になると考えられる。
著者
海野 昌喜 松井 敏高 齋藤 正男
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.213-218, 2011-06-30 (Released:2011-07-13)
参考文献数
19
被引用文献数
2

X-ray crystallographic analysis of a metalloprotein requires knowing the electronic state of the metal center, if one wants to elucidate the exact function and/or reaction mechanism. As an example, we show our recent structural analysis of the heme oxygenase reaction intermediate which is involved in the third step of the heme degradation reaction. The reaction intermediate was crystallized under anaerobic condition, and the obtained crystals were frozen into liquid nitrogen. The absorption spectra of the single crystal before and after X-ray irradiation were compared with that of the frozen solution in 100 K cold nitrogen stream. The determined structure offers the first solid evidence for the presence of a water cluster in the distal pocket of this catalytically critical intermediate. This structure combined with the QM/MM calculation supports our proposal that the biliverdin is produced via Fe-OOH verdoheme intermediate.
著者
Ryuji NAKASHIMA Masaomi KAWAMOTO Shigeru MIYAZAKI Rumiko ONISHI Koichi FURUSAKI Maho OSAKI Rikio KIRISAWA Akikazu SAKUDO Takashi ONODERA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.939-942, 2017 (Released:2017-05-23)
参考文献数
21
被引用文献数
2 16

In this study, the virucidal effect of a novel electrically charged disinfectant CAC-717 was investigated. CAC-717 is produced by applying an electric field to mineral water containing calcium hydrogen carbonate to generate mesoscopic crystals. Virus titration analysis showed a >3 log reduction of influenza A viruses after treatment with CAC-717 for 1 min in room temperature, while infectivity was undetectable after 15 min treatment. Adding bovine serum albumin to CAC-717 solution did not affect the disinfectant effect. Although CAC-717 is an alkaline solution (pH=12.39), upon contact with human tissue, its pH becomes almost physiological (pH 8.84) after accelerated electric discharge, which enables its use against influenza viruses. Therefore, CAC-717 may be used as a preventative measure against influenza A viruses and for biosecurity in the environment.
著者
石井 素介
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.37-46, 2014-03-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
2

「資源」概念の多義・曖昧性をそのままにしての乱用状態に警告を発し,資源問題をめぐる討議に論理的整序のための立脚点をもたらす意味で,敗戦直後期の日本政府内に置かれていた資源委員会(調査会)における「資源」概念の醸成・確立過程を跡付けて再評価すると共に,基礎情報学分野における「情報」概念の検証状況,ならびに筆者自身の病床体験を参考としつつ,「生命体が自然物の中に認知し付与した有用性の意味作用(significance)」のことを「生命体資源」と呼んで,これを資源概念の諸次元の中の基本的原点をなすものと規定する.この基本をなす資源論視角から,その後時代と共に派生してきた異次元の資源論である「政治経済資源」や「地域社会資源」等の各資源論視角について,関係技術面の役割の問題を含めて,生命体資源という原点視角に照らしての若干の再検討課題を提起するものである.
著者
長谷川 和俊
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.333-339, 1980-12-15 (Released:2018-03-31)

可燃性蒸気雲の爆発に関して,事故の概要,爆発現象および安全対策について解説した.事故発生の原因,爆発時の状況および被害因子について論じ,事故の因果関係を明らかにした.放射熱について規模効果,火炎温度,放射率などとの関連の上に議論した.爆風について一般的特性,点源爆発と分散爆発の違い,相似則によるTNT当量およびTNT収率を用いた被害予測の方法について述べた.最後に,安全対策について個々の問題を指摘しながら総括的に記した.
著者
大野 治美 村上 晴香 中潟 崇 谷澤 薫平 小西 可奈 宮地 元彦
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.92-104, 2021-02-15 (Released:2021-02-26)
参考文献数
26

目的 ふん便(以下,便)は,我々の食事や栄養状態ならびに腸内細菌叢の特徴を反映し,身体の健康状態や栄養摂取状況を,簡便かつ非侵襲的に評価できるツールであると考えられる。一方で,便を包括的に評価し,簡便かつ客観的に評価する適切なツールに関する検討は十分に行われておらず,日常の排便状況や便性状を的確に把握できる有用な質問票が求められている。習慣的な排便状況(排便回数)や便性状(排便量,色,形状など)を把握するための評価ツールを作成し,排便日誌に基づく排便回数や便性状の記録と比較し内的妥当性を検討した。方法 22から78歳までの成人男女35人(45.2±17.1歳)を解析対象とした。習慣的な便に関する質問票(以下,習慣的便質問票)による最近1か月間における平均的な排便回数,1回あたりの排便量,便の色や形状,便の浮きや腹部膨満感を調査した。この習慣的便質問票の各項目の再現性を検討するため,2回の調査を実施し,再現性を確認した。その後,排便日誌を用いて,毎日の排便時刻や便の性状などを1週間記録した。この排便日誌を基にした排便回数や便性状を内的妥当基準とし,習慣的便質問票により得られた回答を比較した。なお,習慣的便質問票における排便回数は,排便回数がカテゴリー化された回答を選択する選択回答法と数値による自由回答法の2種類で回答した。結果 習慣的便質問票の再現性を検討した結果,全ての項目においてスピアマン順位相関係数の有意な相関(ρ=0.431~0.911)が認められ,重みづけκ係数においても高い一致度を示した(weighted κ=0.348~0.841)。また,内的妥当性については,排便日誌による1週間あたりの排便回数と,習慣的便質問票における排便回数の回答を比較すると,自由回答法による1週間あたりの排便回数の方が,選択回答法より高い相関(ρ=0.855)を示した。さらに,便性状については,1週間の排便日誌における便性状の回答の中央値と習慣的便質問票での回答との相関を検討したところ,「便の浮き」を除いて有意な相関が示された(ρ=0.429~0.800)。結論 本研究で作成した質問票は,習慣的な排便状況や便性状を評価する上で,再現性と内的妥当性が高いことが確認された。