著者
野口 宏 武山 直志
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

集中治療室に敗血症にて入室患者の、血中一酸化炭素(CO)濃度(ガスクロマトグラフィー)、単球中ヘヘムオキシゲナーゼI蛋白量(フローサイトメトリー)、血液中酸化ストレス度(分光高度計)、炎症性サイトカイン(ELISA)等を測定することにより、侵襲による酸化ストレス、ヘムオキシゲナーゼI発現、CO濃度の相関を検討した。その結果、ヘムオキシゲナーゼI蛋白発現と血中CO濃度間に正の相関が認められた。COはNOとともにグアニールサイクラーゼ活性化による血管拡張作用を有するが、それ以外に抗炎症作用も有する。内因性COの起源は、その代謝経路からヘムオキシゲナーゼ系由来と推察されていたが確証はなかった。今回の結果は、内因性のCOとヘムオキシゲナーゼ経路との関連性を強く推察するものである。次にヘムオキシゲナーゼ1を調節する要因として酸化ストレスをはじめとした生体侵襲が重要視されている。今回、APACHE IIによる重症度スコアー、酸化ストレス度、およびヘムオキシゲナーゼI発現間に正の相関が認められた。この結果は、強い侵襲が生体に加わり酸化ストレス度が増加した状態下で、抗炎症作用を有するヘムオキシゲナーゼ1蛋白質が増加している可能性を強く示唆する。ヘムオキシゲナーゼIの上昇しない敗血症患者は予後が悪いことも今回の検討から明らかになっており、ヘムオキシゲナーゼI-CO系は生体防御系として重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
著者
趙 衍剛 盧 朝輝 林 玉森 井戸田 秀樹
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.73, no.630, pp.1251-1256, 2008-08-30
被引用文献数
1

In order to avoid the difficulties involved in searching the design point by iteration using the derivatives of the performance function, a principle shortcoming of reliability methods based on the first-order reliability method (FORM), an explicit fourth-moment reliability index, which is derived from the fourth-moment standardization of performance function, is presented and investigated in the present paper. The proposed formula is simple, and does not require integration or solve nonlinear equations, which are necessary in current used formulas. Through the investigations of the present paper, it is found that the third-moment method can be significantly improved by the proposed simple fourth moment reliability index and the fourth-moment reliability index has sufficient accuracy as a reliability index based on the fourth-moment standardization of performance function.
著者
山上 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.46, pp.7-12, 2002-05-07

Microsoft Wordによる電子情報通信学会技術研究報告形式のテンプレートファイルです.携帯電話インターネットユーザが5000万人を越え、オフィス情報システムにおいても、さまざまな異なるクライアントに対応できるシステム設計が求められている.最近の携帯電話インターネットの標準化動向、機器独立指向システムに関するW3Cでの動きを解説する。機器独立なオフィス情報設計に向けての課題と、クライアント側の進歩の方向性について論ずる.
著者
影沢 政隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.376, pp.5-8, 2004-10-19
被引用文献数
1

道路交通システムでは,近年情報化が非常に進み,実時間交通情報提供は実用化され,運転支援システムについても実用化が進められている.高速道路の自動運転システムは,デモ実験レベルでの実証がすんでいる.しかしながら,人命を預かる安全システムとしてみたとき,まだこれらの技術レベルは残念ながら十分な信頼性があるとはいえない.本稿では,こうした状況で信頼性に関して行われてきた議論を,筆者の私見を交えて紹介する.Microsoft Wordによる電子情報通信学会技術研究報告形式のテンプレートファイルです.
著者
柳田 賢二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

現在中央アジアでリングァフランカ(民族間共通語)として話されているロシア語には話者の母語の系統論的および類型論的差異を越えた共通性があり、このことはそれが以前に一旦ピジン化(言語接触による簡略化)を経て成立したクレオール言語(ピジン化を経て発生した新言語)である可能性を示唆する。他方、中央アジアにおいて民族間・国家間の共通語として機能しうるのは今後ともロシア語のみであり、その必要性にもかかわらず現在のように経済苦に起因する質量ともに劣悪なロシア語教育が続いた場合、それは再び本格的なピジン化に晒される可能性がある。
著者
土門 晃二 中村 清
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、インターネット上での違法ファイル共有の実態について調査を行い、経済学的な視点から制度的および理論的な分析を行った。調査を行った地域は主にアジア地域(中国、韓国、台湾、ベトナム)であり、アンケートとインタビューによって発展途上国と先進国での違いを明確に出来た。特に、ベトナムを中心的に調査を行った。中国以上に違法コピーが多い国で、経済の発展レベルも調査国の中で一番低い。ミュージシャンや作曲家、マネージャー、放送関係者、大学生に数度にわたりインタビューを行い、途上国では違法コピーによる利害関係が先進国と大きく異なり、多くのミュージシャンが違法コピーによるプロモーション効果(ライブ・ステージのための)に依存していることが明らかになった。また、インターネットを利用する取引費用(回線速度やプロバイダー費用)が大きく、違法CDの利便性が上回っていることも判明した。また、理論的な分析として、違法コピーが存在する場合の価格戦略、コピー・コントロールを利用した価格戦略、および放送における権利問題などを行った。コピー・コントロールに関しては、価格差別を行うことによって、生産者、需要者ともに利便性が増すことを証明した。これらの成果は、海外の主要な専門雑誌と書籍、国内外のセミナー、コンファレンスなどで発表を行っており、充実した研究が実施されたものと自負している。また、調査に関連した新聞記事がベトナムで掲載され、学術的な領域を超えて、社会一般の関心を集めることにも成功した。