著者
浅岡 邦雄
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.27, pp.201-214, 2003-03-31

本稿の目的は、鈴木貞美編『雑誌『太陽』と国民文化の形成』に掲載の論文、原秀成「近代の法とメディア―博文館が手本とした一九世紀の欧米」を批判的に検証することにある。
著者
辰吉光
雑誌
核医学
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1077-1084, 1994
被引用文献数
1
著者
吉澤 正尹 山本 富士夫 長谷川 健二
出版者
福井大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

「器械運動」は運動教材の中でも、(1)学習者の基本動作に対する経験が極めて少なく、学習すべき動作の感覚がつかめない場合がある、(2)学習の対象となる運動が危険を伴うものであったり、学習者にとって高難度である場合には、実動作の学習の全く取り込めないことなど、学習指導が難しいとされている。それらを克服するために、それぞれ(1)学習すべき運動を指導者が示範したり、熟練者が行ったビデオの視聴によって動作を把握させる、(2)学習者のレベルに合わせて段階的な指導を行うとともに、補助によって十分な安心と安全確保を行うことなどに配慮し、学習指導が進められてきた。本研究では、これら従来の学習指導法に加え、スポーツの力学的・生理学的な研究から得られた理論を背景として、コンピュータを応用した体育における学習指導法の開発という視点から、「鉄棒運動」を中心とした理論学習から実動作体験に至る学習指導プログラムを開発・適用した結果・次のようなことが明らかとなった。1.運動の力学的な側面については、理科における「てこ」教材を発展させ、〈バランスを崩すこと→運動〉を理解させるプログラムが効果的であった。2.学習すべき運動のイメージを身体運動のイメージに結びつける方法として開発した〈コンピュータ画面上の人形をマウス操作〉や〈ラジオコントロールできるロボットをレバ-操作〉によって運動させるようにした疑似体験が、小学生にも積極的に受け入れられた。3.運動の理論的な学習→身体運動のイメージの疑似体験→実動作のドリル学習というステップを踏むことによって、学習者の学習すべき運動に対する認知レベルや技能獲得のための取組みを含めた学習意欲の向上がみとめられた。
著者
楢林 勇 辰 吉光 足立 至 西垣 洋
出版者
大阪医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

肺癌などの手術前にSPECTにより、肺内の部分的な換気、血流分布に関する部分的な情報を得ることは術後の残存肺機能の予測に重要である。また、手術不能肺癌で放射線治療、化学療法の治療計画に際し換気、血流不均等分布の病態の把握は対策を考える上で重要である。平成4年度は、主に安静時に前後対向同時2方向収集により検討し、平成5年度はSPECT収集にて検討し、方法論として比較した。運動負荷はトレッドミルを用いた。対象疾患は、肺癌、肺塞栓症、COPDなどであるが、運動負荷は正常、肺結核症、COPDであった。測定方法はシンチカメラにより、1門収集、対向2門収集、或いは3検出器型SPECT装置で4度ステップ、1方向30秒で90方向から冠状断における画像構成を行った。V/Q比ヒストグラムは左右肺それぞれの頻度分布を表した。このパターンは正常近似型、死腔様効果型、シャント型、混合型に分類できた。V/Qの正常域を0.67から1.50として、この範囲から外れた死腔様効果とシャント様効果領域の全体のカウント数に占める割合を算出した。40症例の前後対向2門同時収集によるデータをAaDO_2と比較すると、前面像ではr=0.684(P<0.05)、後面像ではr=0.654(P<0.05)となり、前後重ね合わせ像ではr=0.696(P<0.05)であった。一方、諸種肺疾患15例において、SPECT(冠状断)と前後対向2方向同時収集の両者施行した。それぞれのヒストグラムから算出したV/Qの両者の相関係数は0.888(P<0.001)と、良好な相関となった。前後対向2方向収集はSPECTに比し、大幅な検査時間の短縮が可能で、優れたV/Q比分布定量検査法と思われる。運動負荷を行った正常者では負荷の程度によって、V/Qの正常域が増加したが、COPDでは負荷によって異常域V/Qが増大した。運動負荷を行った肺結核症13例では、負荷直後と回復期でV/Q比分布に大きな差異を認めなかった。
著者
小林 裕幸
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

私たちは種々のメディアのもつ画質と接するとき、その画質情報からいろいろなことを感ずる。本研究は、メディア画質を定量的に解析し、それらが私たちに与える感性効果を明らかにし、画像を、目的の感性効果をもたらす画質に自動的に変換できるフィルタを作成し、いろいろな映像を作り出そうとするものである。次のような実験を行い成果を得た。1.いくつかの視覚メディアが特徴的にもつ画質特性に注目し,それらが画像の印象にたいして与える影響について調べた.SD法による評価実験の結果,画像の印象評価に影響を与える三つの因子が抽出された,また,画質に対して抱く印象が世代によって異なることが分かった.2.写真の過去的な印象に対して,どの画質要因が優位性をもっているのかを調べ,セピアや白黒のような単色の画像を見たときに,過去的な印象を強く喚起する効果が見られた.また,低色温度と高色温度の写真の時間印象に有意な差が見られたことから,色温度が時間印象に影響を及ぼす因子であることが示唆された.3.写真に撮影された人物のパーソナリティの推測に対して画質が与える影響について調べた.同一人物の写真の画質を変化させ,その人物のパーソナリティをSD法により評定させた.実験の結果から,パーソナリティの認知に働く3つの因子が抽出された.また,画質が人物の印象形成に影響を与えていることが確認された.さらに,複数の画質要因の相互関係について検討するため,明るさ(3水準)×コントラスト(3水準)に変化させた画像刺激を用いた印象評価実験も行い,印象形成における明るさとコントラストの交互作用が有意であることが確認された。
著者
小林 一于
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.433-449, 2002-05-31
著者
川口 恭弘 カワグチ ヤスヒロ Kawaguchi Yasuhiro
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.255-285, 2009-07-31

Article金融商品取引法の課徴金制度は、証券市場の公正性・透明性を確保するため、平成16年の法改正で導入された。その後、課徴金制度の適用範囲が拡大され、また、その金額も増額されている。刑事罰は謙抑的な運用が求められる。また、集団訴訟制度が存在しないわが国では、個人投資家が損害賠償請求をすることは事実上難しい。このような状況のもと、課徴金制度は、金融商品取引法のエンフォースメントを強化する重要な手法となっている。本稿は、金融商品取引法上の課徴金制度について、その創設から現在に至るまでの改正を検討し、今後の課題を探るものである。
著者
蟹江 章
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.95-104, 2007-01-25

カネボウやライブドアなどの粉飾が相次いで明らかになり,財務諸表監査に対する不信感が高まっている。公認会計士・監査審査会による検査の結果,わが国の大手監査法人における監査の品質管理に重大な問題点があることが指摘されている。そして,これに基づいて,金融庁から監査法人に対して業務改善指示が出される事態となっている。 こうした監査不信を増大させるような状況を改善するために,日本公認会計士協会や金融審議会などが様々な角度からの対応策を発表したり検討したりしている。例えば,監査法人の強制的ローテーションや監査法人に対する刑事罰の適用などがあげられる。本稿では,こうした対応策が,監査に対する信頼回復にどの程度の有効性をもつか,そしてまた,より有効な対策となるために何が必要かを批判的に検討した。
著者
戸川 聡 金西計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.42, pp.61-66, 2006-05-12
被引用文献数
4

Peer-to-Peer(P2P)型通信によるファイル共有が問題となっている.著作権法で保護された著作物をファイル化し共有することも当然ながら,ファイル共有コミュニティへの機密情報流出が社会問題化している.これらの状況から,大学や企業のキャンパスネットワークではP2Pファイル共有を禁止している.しかし現実にはP2Pファイル共有が行われている場合がある.これを制限する場合,既存のフィルタリング技術では実現が困難であり,結果として管理者はトラフィックを常時監視し,P2Pファイル共有通信の存在を認識しなければならない.本稿では,ネットワーク管理者が行うP2Pファイル共有通信の検出作業を支援するシステムを構築した.そして,実際にP2Pファイル共有プログラムが発するトラフィックを含む全体のトラフィックを可視化し,有効性を検証した.ln this research, we have proposed the assistance system for peer-to-peer traffic detection. Recently, an illegal file has been exchanged with peer-to-peer file exchange software. These files are extracted from music CD and DVD. Most files do not obtain the copyright person`s approval and are open to the public. Neither enterprise nor the Campus Network user of the university must acquire these files from the problem in morality. However, the illegal file is actually acquired via Campus Network. The network administrator should observe the users`peer-to-peer commumcation. In this paper, first of all,We explain a problem of peer-to-peer file sharing system. Next,we explain the assistance system for peer-to-peer file sharing traffic detection. Finally, we conclude it.
著者
市毛 由美子
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.642, pp.170-173, 2005-12-26

中央大学法学部卒。1989年弁護士登録、日本IBMの法務部、虎ノ門総合法律事務所を経て、やよい共同法律事務所のパートナーとなる。主に、IT系その他のベンチャー企業を対象とした契約・予防法務・紛争処理を手掛けている当社の情報システム部門に、中途採用でSEが入社することになりました。
著者
飯塚 泰 羽賀 俊行 小木曽 賢 川上 春夫 佐藤 源貞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.224, pp.23-30, 1996-08-22
被引用文献数
2

本稿は, 1.5GHz帯, 垂直偏波の移動体通信基地局用アンテナとして, レドーム内に収納されたコーナーリフレクタアンテナを用いた場合を, モーメント法を用い, 水平面指向特性を計算した. その結果, アンテナの小径化に対する問題点を明らかにし, 更にその問題点の一つである狭ビーム化についての検討結果を報告する.
著者
松本 真
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-41, 1996

正中動脈を例にあげて, 形態にたいする見かた, 方法論について述べる.現象論ないし変異論的には, 正中動脈は成体の8%ほどに出現する枝である.その形成を要因論または機械論的に実証することは, 他の肉眼解剖学的形態についてと同様, きわめて困難である.過程論的には, 個体発生において, 正中動脈は前腕部で骨間動脈にひきつづいて形成される主要枝である.さらに, ツパイにおける個体発生や比較解剖学的考察から, 正中動脈は系統発生的に霊長類の祖先段階で, 成体においても残存し, 機能する枝であったことが推測される.真猿類, 狭鼻類としての段階における変化について, 機能的意義を推論した.これらのさまざまな見かたは, 形態の持つ要素を互いに相補的に分析するものだが, 系統発生がその中心に認識されることが肝要である.また, そのような分析を可能にするうえで, 霊長類の比較研究の重要性が認識される.