著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典 羽田 豊
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.255-260, 1980-05-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
8

濡れ壁塔を用いて, 乱流で流れる気流中への2成分系混合液の蒸発実験を常温, 常圧のもとで行い, 各成分の物質移動速度を測定して, 従来提案されている分子拡散に対する対角化法の拡張適用性を検討した結果, 拡散成分の濃度が希薄な範囲でも適用できない場合があることを示し, また, その適用できる条件範囲を実験的に確かめた.また, 一般化されたFickの拡散方程式を線型化した結果に基づく物質移動速度の近似表示法について考察し.比較的簡便な表示法を提案するとともに, その適用条件の判定方法を実測値に基づいて明らかにした.さらに, 実測値に基づいて, 3成分系気相における2成分の物質移動速度の取り扱いを1拡散成分と非拡散成分とから成る2成分系における一方拡散として扱いうる条件を確かめた.
著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.246-253, 1982-05-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

Stefan-Maxwellの方程式に基づいて3成分系気相における2成分の物質移動速度の表示法と推算法を誘導し, これを実験的に検討した.まず, 境膜モデルに基づいて各拡散成分によって異なる有効拡散距離を定義し, これを実験によって求めて, その妥当性を確かめた.ついで, 境膜モデルに基づく物質移動速度の推算法を誘導し, この方法の妥当性を実測値を用いて確かめた.また, 3成分系における物質移動速度に影響を及ぼす要因について検討し, 3成分系に特有な挙動が顕著に現れる条件範囲においては, 二つの拡散成分の問の拡散の効果が支配的であることを示した.
著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-22, 1980-01-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
14

濡れ壁塔を用いて, 2成分系混合液の乱流で流れる空気流中への蒸発実験を行い, 次の知見を得た.拡散成分の濃度が希薄な場合には, 一つの拡散成分が拡散流束によって他方の拡散成分の移動速度に及ぼす影響は小さい.しかし, 各拡散成分の移動速度が大きく異なる場合には, 大きな移動速度をもつ成分が対流項(bulk flowを指す)を通じて他方の拡散成分の移動速度に及ぼす影響は著しく大きい.この場合に対して非拡散成分を含む3成分系気相における物質移動速度と2成分系における一方拡散の場合のそれとを関連づける因子を提案し, それらの間の相関関係を明らかにした.さらに, この関係に基づく各拡散成分の物質移動速度の推算値が, 着目成分や各成分の濃度および系によらず実測値とおおむね一致することを示した.
著者
中村 厚士 黒田 知宏 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.574, pp.45-50, 2000-01-20

没入型仮想環境提示装置においては, 設置場所を要求するジョイスティックや操作時に視覚的な位置と遮蔽関係との不一致が起こるデータグローブなどは使用が困難である.また, 没入型仮想空間に多く見られるような遠方の仮想物体と, 点で表現されるポインタとの奥行き関係は把握が困難である.そこで本稿は, 複数の体験者が指示棒でその延長線上にある仮想空間内の物体を指し示すことで, 物体とインタラクションできる, レーザポインタ型インタフェースを提案する.
著者
斑目 春樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.47, no.413, pp.10-19, 1981-01-01
被引用文献数
1

振動燃焼とも関係深い熱による気柱の振動について解析と実験を行ない、振動の生じやすさを発熱量や熱源位置、気流速度、振動数、熱拡散率などの関数として表した。解析モデルは非常に単純化したものであるが、実験結果はヒータ周囲の境界層の影響を係数として処理すればこれとよく合った。実験では振動発生域、成長速度、定常振幅、高次振動の発生などを調べ、大振幅では乱流遷移を生じ成長速度が変化する現象などを見い出し、考察を加えた。
著者
西村 義一
出版者
日本アイソト-プ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.p244-247, 1991-06
被引用文献数
2
著者
田里 修 矢野 達雄 青島 敏 奥山 恭子 林 研三 森 謙二 牧田 勲
出版者
沖縄大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

沖縄県の設置後、明治政府はいわゆる旧慣温存政策をとったと言われる。いわゆる旧慣とは王府時代の法令や慣習を指す。私たちはこれを沖縄近代法としてその構造と歴史的性格を、地方制度、土地制度や家族制度等において探求した。その結果、土地制度は、1765年に大きく変化し、19世紀に入っても変化していることが分かった。また、明治に入り、内法制定過程において、さらに土地整理事業においても大きく変化したことも確認できた。
著者
亀井 伸雄 友田 正彦 竹内 泰 脇田 祥尚 安福 勝 田代 亜紀子 佐藤 桂
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2009年のスマトラ島沖地震にて被災したインドネシア西スマトラ州の州都パダンにおいて、被災直後から継続的に実施してきた歴史地区文化遺産復興に資する調査研究を、インドネシア側行政機関及び研究者と協力して行った。先行研究成果を踏まえつつ、現地調査・資料収集を通じて、パダン市の市街地構造の変遷と歴史的建造物の特徴及び分布を明らかにし、群として保存すべき文化遺産の価値と現状・課題について整理した。同時に、住民への聞き取り調査から社会組織や生活慣習、震災後の変化等をまとめ、ワークショップ開催により、復興に向けた意見交換を行った。以上をもとに、歴史地区の保存と開発の方向性を提言としてまとめることができた。
著者
橋爪 崇 田中 敬子 直川 和弘 山下 善樹 野口 衛
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.385-389, 1998-10-20

From 41 cultivars of medicinal Paeonia lactiflora harvested in 1991, twelve cultivars, which gave higher root yield and more beautiful flowers, were selected, and these cultivars were cultivated for four years from 1992 to 1996. The root yield and the paeoniflorin and tannin contents in these cultivars harvested in 1996 were compared with those parent cultivars harvested in 1991. It becomes clear that the root yield was considerably affected by the weather and other cultivation conditions, whereas the amounts of chemical components were less affected. A significant correlation was observed between the paeoniflorin content and the tannin content in the root. It is possible to obtain a better cultivar by repeating the same procedure.
著者
立石 良幾 杉山 和雄 渡辺 誠 シャクルトン ジョン
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.190-191, 1998-10-30

The use of graphical sysmbols (icon) is a common way to convey message to the user. Recently, digital camera has been spreaded rapidly, however the graphical sysmbols are not standardized yet. Product information symbols should be standardized so that a single symbol conveys a single message regardless of the kind of product. Each infonTration symbol should be clearly discemible from others, additionaly to have a clearly understood meaning, and not requiring too much effort by consurrlers to learn what they mean. Therefore it was considered of benefit to research on the icon that should be used to convey the messeges for a digital camera.
著者
フィッシャー クレイグ
出版者
一般財団法人ファインセラミックスセンター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究ではエネルギーデバイスを構成する材料の特性に重要な影響を与える異相界面に着目し,先端的理論計算を用いて電子・原子レベルでの解析を行った.これまで研究例が少ない2つの酸化物の間の界面に注目して,幾つかの整合性のよい界面の安定構造や結合力,電子状態などの特性を解明し,実験結果と比較した.具体的には実験で観察された薄膜における粒界・表面または異相界面を系統的に検討した.界面近傍の歪が特性にとって特に重要であることがわかった.これらの結果は材料の構造・特性の解明だけではなく,より効率的な異相界面計算手法の開発にも寄与すると期待される.
著者
Toko Ayako
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系自然環境学専攻
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号: 甲25058 ; 学位授与年月日: 2009-03-23 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(環境学) ; 学位記番号: 博創域第476号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科自然環境学専攻

1 0 0 0 OA 女性の力

著者
久生十蘭 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1940
著者
蔡 義民 増田 信義 藤田 泰仁 河本 英憲 安藤 貞
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.J536-J541, 2001-10-25
被引用文献数
23 1

低未利用飼料資源を有効に利用するため,容易に流通できるポリドラムサイロを用い,食品産業廃棄物である茶飲料残渣の飼料調製•貯蔵技術を検討した.茶飲料生産工場から排出された緑茶飲料残渣には乳酸菌は検出されず,好気性細菌および酵母が高い菌数で分布していた.茶飲料残渣に含まれるグルコースなどの可溶性炭水化物(WSC)がきわめて少ないため,飼料作物のようなサイレージ発酵が出来なかった.飼料作物から分離された乳酸菌株<i>Lactobacillus plantarum</i> FG1または市販乳酸菌剤<i>Lactobacillus rhamnosus</i> SN1と<i>Acremonium</i>属菌由来のアクレモニウムセルラーゼを添加して茶飲料残渣サイレージを調製した.乳酸菌とセルラーゼを添加した茶飲料残渣サイレージはpH値が低く,乳酸含量が高い良質なものが調製され,125日間の貯蔵中に変敗しなかった.また,茶飲料残渣サイレージにはタンパク質,機能性成分であるカテキン類,カロチンおよびビタミンEなどが豊富に含まれた.