著者
TERANO Takao
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
Journal of Socio-Informatics
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.175-187, 2008
被引用文献数
2 16

The "Keep It Simple, Stupid" (KISS) principle stated by Robert Axelrod is a good guideline to model agent-based social simulation. However, to cope with real phenomena, we must go beyond the KISS principle. This paper re-examines the principle and discusses the underlining requirements for agent-based modeling using our recently developed agent-based models as examples.
著者
亀 節子 前田 〓子 戸田 静男
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸大学紀要 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-12, 2005-05-03

『古写本鍼灸秘書 全』は、独立した内容の三部から成立しており、第一部は、禁忌や経穴を中心とした治療法、第二部は、針治諸虫論、第三部は、中世の病理観や鍼の治療法が記されている。内容、及び字体から判断して、17世紀初頭の写本であると認められるが、この時期は、我が国独自の近世医学の興隆期に相当する。現代では、1989年に開催されたジュネーヴのWHO本部での会議の結果を受け、経穴や経絡を巡って、ほぼ世界共通の認識がなされている。しかし、経穴に関しては、依然流動的な要素もあり、また逆に、有効な治療穴でありながら、時代の波の中に消えてしまった経穴の存在も考えられ得る。従って本写本は、医史学的研究の対象としてばかりでなく、現代の正穴との比較、更には有効と思われる治療法の発掘という見地からも、価値を有すると考えられる。そこで、この写本の翻字を試みた。
著者
東藤 大樹 李 潤樅 胡 雪梅 毛利 貴之 岩崎 敦 横尾 真
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

オークションにおける無羨望性とは,誰も他の参加者を羨まない,という公平性の基準である. しかし,組合せオークションでは参加者の選好が複雑となるため,単一の参加者に対する羨望はなくとも,参加者の集合に対する羨望が存在しうる. 本論文では,組合せオークションにおける公平性の新たな基準としてエージェントの集合に対する無羨望性を提案し,この無羨望性を持つ組合せオークションメカニズムを議論する.
著者
玄侑 宗久
出版者
新潮社
雑誌
新潮45
巻号頁・発行日
vol.30, no.10, pp.156-167, 2011-10
著者
斉藤 一哉
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

多角形から構成される平面/空間の幾何学図形に基づき,申請者はこれまで様々なコア構造を創製してきた.平成21年度前半はオクテット・トラス型コアパネル,「ダイアコア」の音響,振動特性に関して研究を行った.振動特性に関しては,鋼板からプレス加工により試作パネルを製作し,自由支持条件下でインパクトハンマーを用いた加振実験を行い,基本的な振動特性を明らかにした.また有限要素法による固有値解析を行い,板厚,パネル厚,セルサイズと固有振動数との関係を明らかにした.また音響特性に関しては木製の遮音箱を製作し,PET製ダイアコアパネルの遮音試験を行い,基本的な遮音特性を明らかにした.パネルと同じ材質の平板及び間に空気を挟んだ二重壁に対しても同様の試験を行い,ダイアコアパネルの試験で得られた値と比較した.21年度後半は,周期的な切り抜き,スリットを導入した平板から折り曲げのみによって製作される軽量コアパネルに関して,先進複合材料を用いた新しいモデルの創製を行った.まず,カーボン/エポキシ複合材シートにおいて,折線部のみシリコンを含浸させることによって折り曲げ可能なCFRPシートを製作する手法を研究した.またエポキシ含浸時に紙製のマスクを用いることで,自由な折パターンを描く手法を開発した.この手法により折紙のような複雑な折線パターンをCFRP上で実現することが可能となった.上記手法を応用することで,シリコンによってグリッド状の折線を導入したCFRPシートに周期的な短形の切り抜きをいれ,立体化することによってCFRPコアパネルを製作した.また,アルミ合金製の型を製作することによりコルゲート状のCFRPを製作し,周期的に切抜きを入れジグザグに折り曲げることで製作される新しいCFRP製の折紙ハニカムコアを創製した.さらにシリコンによって折線パターンを変化させることで,曲面,テーパー型等の様々な形状を持つCFRPハニカムを製作した.
著者
山岸 美穂 Miho Yamagishi 作新学院大学人間文化学部
出版者
作新学院大学人間文化学部
雑誌
作新学院大学人間文化学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Human and Cultural Sciences Sakushin Gakuin University (ISSN:13480626)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-38, 2004-03-30

現代社会において、若者のまちづくりへの参加・参画、若者のボランティア活動への参加・参画が注目されている。そもそもまちづくりとは何か。宇都宮市および栃木県では、若者のどのようなまちづくりへの取り組みが見られるのか。ここでは、2003年4月に作新学院大学人間文化学部に開設された、作新学院大学人間文化学部リエゾンオフィスでの学生との活動を中心に、若者とまちづくりの関係、および、若者の地域社会への参加・参画の意義を述べる。教育とは人間の可能性と能力が外に引き出されることであり、人間と人間との双方向的な他者に対する働きかけである。人と人との触れ合いのなかで人間形成が行われるが、目に触れるもの、耳に触れるもの、手で触れるものなど、このような世界との触れ合いによっても、人間形成は行われる。学生との地域社会でのさまざまな取り組みを紹介しながら、生きた教育実践とまちづくりの関係を明らかにしたい。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
バロリ レオナルド
出版者
福岡工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

Wireless Sensor Networks(WSNs)では、センサ・ノードに電力制限があるので、電力の消費を抑える必要がある。さらに、センサ・ノード、アクタ・ノードは移動により、ネットワークのトポロジーは変化する。そのため経路制御および電力制御が重要である。しかし、経路制御を行うためには複数のパラメータが必要となり、NP完全問題となる。本研究では、知的アルゴリズムを用いたWSANの経路制御と電力制御を行い、WSANのシミュレーション・システムを実装した。提案ミステムはエネルギー使用量を最適化できることを示した。
著者
田村 文男
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.315-321, 2009-11-30
著者
田村 耕一
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

地域金融機関の中小企業に対するビジネスモデルである地域密着型金融(リレーションシップ貸出)では、資産を引当てとするトランザクション貸出における担保像(換価処分目的)は妥当しない。具体的な譲渡担保の機能は、(1)在庫や債権管理の情報を一体的に共有するため、(2)取引や事業展開に積極的に関わる経営関与のため、(3)M & Aや事業譲渡の際に事業の一体性を保全するためである。九州の金融機関へのアンケート調査においても、上記の傾向を確認することができた。今後、実態に応じた法的認識を行う必要がある
著者
倉橋 一成 大橋 靖雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.76, pp.195-202, 2010-06-07

近年コンピューターの発展に伴い,予測を行うための様々なアルゴリズムが提案されている.予測モデル・予測アルゴリズムは変数縮小と予測の無数にある組み合わせから選びながら作成することになり,アルゴリズムの選択基準は数理的な仮定がデータに合うか,誤分類率が低いかなどである.このとき,アルゴリズムの選択全体を通してCross Validationを行なわないと真の誤分類率にバイアスが入ることを示し,どのような推定値にバイアスが無いのかを考察する.
著者
介川 裕章
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

半導体Siへの高効率スピン注入を実現するためには,高スピン分極材料の利用が有効である。本研究ではCo_2FeAl_<0.5>Si_<0.5>(CFAS)ホイスラー合金薄膜に注目して,その作製方法を検討した。その結果,CFAS層を含む積層膜の伝導特性の解析により,作製したCFAS薄膜は実際に非常に高いスピン分極率を有することが示された。また,同時に,CFASと格子整合がよいMgAl_2O_4極薄膜が作製可能であることも明らかにした。MgAl_2O_4はバリア層として高い特性を示し,Si上への作製技術が確立できればスピン注入に利用できると考えられる。
著者
渡邉 麻衣子
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.72-83, 2004

本書は、現マンチェスター大学の古典古代史学科の講師LecturerであるA. Fearが、一九九六年に刊行した共和政末期から帝政期にかけての約二世紀に渡る属州バエティカの都市化を扱った本格的な専門書である。周知の通り、属州バエティカは、他のヒスパニアニ属州(タラコネンシス、ルシタニア)に比べ、あるいは、帝国内の他の諸属州に比べ、最も「ローマ化」された地域と言われる(cf. Strabo,3.2.15)。しかしながら、ここ四半世紀の間に、スペイン・ポルトガルから考古学上の重要な発見が相次ぎ(例えば、「イルニ都市法」AE (1986),333)、「ローマ化」が最も進んでいたとされる属州バエティカ像を再考・再評価する動きが見られるようになってきた。Fearの著作は、こうした一連の流れを受けてのものである。著者は、属州バエティカを考察する際の主要史料であるストラボンや大プリニウスにこれらの碑文史料・考古学的資料を加味し、バエティカは本当に「ローマ化」されたのか、ローマはバエティカを都市化する意志を持っていたのか、それに対し土着民は抵抗したのか、という論点を本書の主軸に据え、通説を改めて問い直している。本書の構成は、序章・終章を含め、全九章から成る。具体的には、I序章、II都市化とローマ…概観、III前五〇年頃における南スペインの情勢、IVバエティカの植民市、Vカエサルからウェスパシアヌスまで…都市の地位に関する問題、VIフラウィウス自治市法…外人・ラテン人・ローマ市民、VIIバエティカの都市の遺構およびそれらの解釈、VIIIバエティカにおける非ローマ的文化形態の残存、IX終章、となっている。以下、本書の構成に従って紹介を進める。
著者
矢野 隆 佐藤 哲身 山下 俊雄 川井 敬二
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.607-618, 1999-09-01
被引用文献数
2

熊本とイェーテボリで同一の方法を用いて道路交通騒音に関する社会調査を実施した。道路交通騒音に対する一般的な不快感はイェーテボリの戸建て住宅で最も大きく, イェーテボリの集合住宅で最も小さかった。熊本での反応はその中間に位置し, 住宅タイプ間に有意差はなかった。地域別・住宅タイプ別に道路交通騒音に対する不快感の構造を調べるために, パス解析を適用した。どの場合も共通して排気ガスの効果が最も大きかった。イェーテボリでは庭/バルコニーでの休息妨害の効果, 熊本ではTV/ラジオ聴取妨害の効果が大きかった。このような要因の効果から, 道路交通騒音に対する社会反応の地域間・住宅タイプ間の相違を解釈した。