著者
上山 大峻
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大學論集 (ISSN:02876000)
巻号頁・発行日
vol.421, pp.88-121, 1982-10
著者
田中 敦子 松田 聡 大谷 加津代 戸田 賢二 澤田 美智子
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.107-120, 2010-12-28

文部科学省科学技術振興調整費(女性研究者支援モデル育成)事業の一部として, 独立行政法人産業技術総合研究所では「女性研究者グローバルエンカレッジング」課題を2007年7月より3年度の計画で実施中である。意欲触発と実践の両面からの女性研究者支援を意図した本課題の, 初年度終了後の浸透度の確認と, より効果的な支援のための支援対象の分析とニーズの把握を目的として, 4300名の男女研究職員を対象に2008年5月に筆者らはアンケート調査を実施し, 有効回収率14%に相当する回答を得た。アンケート結果の分析から, 支援事業の浸透度および支援対象の研究職員に関する次の傾向が明らかになった。1)任期のない職員と, 任期のある職員とでは, 研究業務上の不満の重心が2極化している。2)40歳以下の女性研究職員の研究マネジメント(管理職)志向が, その上の世代や男性に比較して高い。3)常勤研究職員の有配偶者率は, 31〜40歳の層では男性は70%台, 女性は50%台と差がある。アンケート結果の分析から, 次の具体的な支援ニーズが明らかになった。1)研修に対する支援2)キャリアパス形成に対する支援3)男女研究職員のワークライフバランスに関連する支援4)女性の少ない職場であることに関連する女性研究者支援
著者
原口 弥生
出版者
茨城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

東日本大震災・原発事故の影響により、茨城県に避難してきた広域避難者を対象として、2回のアンケート調査を実施し、茨城県内の広域避難者の実態把握、必要とされる政策的ニーズについて分析を行った。茨城県内の放射能汚染については「低認知被災地」という視点から、激甚災害の発生のなかで、被害の実態が埋もれがちな地域に於いて、各地域の市民グループがどのように展開・ネットワーク化され、専門家が市民グループとの協働でどのような役割を果たしたのかについて分析を行った。上記の研究と従来からの自然災害研究の成果を統合し、自然災害・原子力災害を考慮した「レジリエンス」概念の再定義の必要性を提言した。
著者
藤本 典幸 筒井 茂義
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

様々な選択肢の中から最もよいものを見つける問題を組み合わせ最適化問題と言う.組み合わせ最適化問題を解くための有望な手法のひとつに生物の進化から着想を得た進化計算がある.本研究では,進化計算により様々な組み合わせ最適化問題をパソコンに標準搭載されているGPUという電子部品を用いて高速に解く手法について研究を行った.その結果,2次割当問題,巡回セールスマン問題などの問題に対してCPUの1コアに比べて最大101倍の高速化を実現した.
著者
細谷 忠嗣 神保 宇嗣
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.48-57, 2010-06-25

2010年は国際生物多様性年であり,10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)が開催される.現在,人間活動によって生じた地球温暖化などの環境変化や開発による生態系の破壊,密猟や乱獲などによる生物多様性の急速な喪失が,生物多様性の危機として大きな問題となっており,「2010年目標」の評価や「ポスト2010年目標」の策定,遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)など本会議には大きな関心が集まっている.この会議に向けて,日本でも日本生物多様性観測ネットワーク(J-BON)や東・東南アジア生物多様性情報イニシアティブ(ESABII)などの関連する大きなプロジェクトが立ち上げられている.分類学には,これらの生物多様性条約に関わるプロジェクトへの貢献が期待されている.こうした問題解決への参画は,分類学への関心を高め,その地位を向上させるだけでなく,新しい研究分野開拓という形で学問自体の進展にもつながるであろう.本特集では,生物多様性条約関連プロジェクトに参画している研究者がその概要と分類学者との関係のあり方を紹介していくことで,分類学者として生物多様性条約とその関連活動にどのように向き合い,そして参加していくべきかを考えていく.
著者
細谷 忠嗣 神保 宇嗣
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.48-57, 2010

2010年は国際生物多様性年であり,10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)が開催される.現在,人間活動によって生じた地球温暖化などの環境変化や開発による生態系の破壊,密猟や乱獲などによる生物多様性の急速な喪失が,生物多様性の危機として大きな問題となっており,「2010年目標」の評価や「ポスト2010年目標」の策定,遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)など本会議には大きな関心が集まっている.この会議に向けて,日本でも日本生物多様性観測ネットワーク(J-BON)や東・東南アジア生物多様性情報イニシアティブ(ESABII)などの関連する大きなプロジェクトが立ち上げられている.分類学には,これらの生物多様性条約に関わるプロジェクトへの貢献が期待されている.こうした問題解決への参画は,分類学への関心を高め,その地位を向上させるだけでなく,新しい研究分野開拓という形で学問自体の進展にもつながるであろう.本特集では,生物多様性条約関連プロジェクトに参画している研究者がその概要と分類学者との関係のあり方を紹介していくことで,分類学者として生物多様性条約とその関連活動にどのように向き合い,そして参加していくべきかを考えていく.
著者
米田 忠弘 加藤 恵一 濱田 幾太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

1つの分子で磁石の性質を示す単分子磁石である、テルビウム・フタロシアニン錯体分子を用いて、単分子の磁石をオン・オフさせることが可能であることを示した。この分子は平面型のフタロシアニン配位子(Pc)2枚が互いに向き合うように重なった構造を示すが、今回、これに電流を流して向かい合う2枚のPcをくるりと回転させるという手法を開発し、2枚のPcの相対角度を制御することで分子磁石をオン・オフさせることに成功した。
著者
廣田 隆一
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

申請者らは、これまでにバクテリアのリン酸レギュロンの制御因子であるphoUに変異を導入することで、ポリリン酸が高蓄積することを明らかにした。しかし、phoU変異株は継代するとポリリン酸を蓄積しないリバータントを急速に生じる。本研究ではこの原因の究明を行い、安定性の高いphoU変異株を取得するための方法論を確立した。これによりphoU変異株を利用したリン資源のリサイクル技術開発に貢献できる可能性がある。
著者
石田 和成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.162, pp.35-40, 2010-07-28
被引用文献数
1

スマートフォンやソーシャルメディアの普及により,BlogやTwitterにおいて多くの位置情報が公開されている.本研究は,Blogに掲載される画像データに含まれる位置情報や,Twitterと連携して用いられるFoursquareの位置情報を用いて,人々の行動に関する地域的,時間的な類似点,相違点の分析を行う.そのため,更新されたBlogに含まれる画像データを1日ごとに収集し,Exifで記録されるGPS情報付き画像データにもとづき,地域ごとのモバイル端末の違い,写真撮影時刻やBlog記事投稿時刻の違いについて分析した.また,位置情報サービスにもとづき,世界各地での位置情報登録行動の共通点,相違点を調査した.その結果,Blogに掲載される位置情報付きJPEGファイルのほとんどがiPhoneで撮影されたものであること,兵庫県,大阪府,沖縄県は他の地域と比べ3GSの割合が高く,宮城県は3Gの割合が高い傾向が見られた.また,撮影投稿時刻の相互相関については,関東,関西ともに,勤務地の密集する,東京都,大阪府においては,撮影直後に投稿する傾向が,また,ベットタウンである神奈川県,兵庫県では,撮影投稿時間の差が長い傾向が見られた.さらに,位置情報サービスと画像撮影投稿との関係については,位置情報登録は,写真撮影よりもBlog投稿と時間的相関が高い傾向が見られた.また,位置情報登録の地理的分布については,アメリカ,アジア,ヨーロッパで高頻度のピークが観察された.また,時間的分布については,朝,昼,夜と3つのピークがあり,夜の登録頻度が最も高い傾向を示す地域が多く観察された.
著者
小林 久芳
出版者
倉敷芸術科学大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

今年度の課題研究では、ペロブスカイト系触媒の特性を解明し、今後の実験サイドでの発展をサポートするため、多くの系について電子構造を系統的に研究した。ペロブスカイトとは狭義にはCaTiO_3のことであるが一般にABO_3という組成をもつ化合物群の総称である。種々の結晶系をとるが、正方晶系、立方晶系のものが多い。代表的なペロブスカイトであるSrTiO_3の単位胞を図1に示す。一般にAサイトのイオン(単位胞の頂点)は酸化還元電位に関係するが化学的には不活性であり、Bサイトのイオン(単位胞の中心)が反応性を決めている。BaTiO_3およびTiO_2の電子構造の計算によりバンドキャップはそれぞれ、1.7、1.9eVと計算されたBaTiO_3では7個のバンドが示されており、そのうち6個が原子価バンドである。これらのバンドの構成成分は、低エネルギー側から、Ti 3s、Ti 4p、Ba 5s、O 2s、Ba 5p、O 2pである。伝道バンドはTi3d+4sにO2p軌道が混ざったものである。SrTiO_3のバンド構成でも触れたが、これらの酸化物の最高被占原子価バンドは酸素の2p軌道を主成分として構成されている。通常、O2p軌道とO2s軌道は混成せず、後者は低エネルギー側に別のバンドを形成する。ペロブスカイト系の特徴は、O 2pバンドとO 2sバンドの中間にAサイト原子に由来するバンド(Sr 4p軌道あるいはBa 5p軌道)が形成されることである。また、SrTiO_3とBaTiO_3の比較では、Ba由来のバンドは、Sr由来のバンドに比べて、高エネルギー側に現われる。これは軌道がより広がり、軌道エネルギーが高くなったことに対応している。
著者
金子 寛人
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.624, pp.48-57, 2011-04-25

ノートパソコンとスマートフォンの中間サイズで、タッチ操作で使うタブレット端末が増えつつある。同じコンピューターでも、パソコンとは操作体系やアプリの提供方法が異なり、地図や電子書籍など新たな用途も広がる。タブレットの魅力を探ってみよう。
著者
大塚 篤史
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日常診療で度々遭遇する尿管結石症は、その疼痛のために社会生活を制限されるばかりでなく、時として腎盂腎炎・腎不全などの重篤な合併症をきたす疾患である。現在、自然排石を期待する保存的治療等の目的でNSAIDsなどの薬物治療が行われているがその効果に十分なエビデンスはなく、自然排石促進作用や疝痛発作抑制作用を有する薬剤の開発が急務とされている。そこで、選択的β-アドレナリン受容体作動薬が尿管結石症の新たな治療戦略となる可能性を有するか検討した。ヒト摘出尿管を標本としてRT-PCR法によりβ-アドレナリン受容体の各サブタイプ(β1,β2,β3)のmRNAの発現について検討したところ、いずれのβ-アドレナリン受容体のサブタイプ(β1,β2,β3)も尿管組織に発現していることが確認された。次いで、ヒト摘出尿管の顕微鏡的正常部分のブロックからパラフィン切片を作成し、免疫組織化学染色法を用いてβ-アドレナリン受容体の各サブタイプの発現ならびに局在を同定した。各サブタイプともに尿管上皮細胞ならびに平滑筋細胞での発現を認め、タンパクレベルにおいてもそれぞれの受容体の発現を確認できた。さらに、β-アドレナリン受容体への刺激が尿管平滑筋を弛緩させるか確認するために、ヒト摘出尿管標本を用いて薬理学的実験をin vitroで実施した。非選択的作動薬であるイソプロテレノールに対して濃度依存性に平滑筋切片は弛緩した。現在、β-アドレナリン受容体の各サブタイプに対する選択的作動薬や拮抗薬による作用を確認しているところであり、少なくともβ2-ならびにβ3-アドレナリン受容体作動薬は、それぞれ濃度依存性にヒト尿管平滑筋を弛緩させることが確認されており、研究を継続して実施中である。以上の研究成果から、β2-あるいはβ3-アドレナリン受容体作動薬が尿路結石症に対する自然排石促進作用や疝痛発作抑制作用を有する薬剤として、臨床応用できうると想定される。
著者
Kobune Masafumi Teraoka Kenji Nishioka Hiroshi Yamaguchi Hideshi Honda Koichiro
出版者
Published by the Japan Society of Applied Physics through the Institute of Pure and Applied Physics
雑誌
Jpn J Appl Phys (ISSN:00214922)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.09ND08-09ND08-5, 2011-09-25
被引用文献数
7

Perovskite-structured solid solutions with compositions of 0.9963{($1-x$)(Bi<sub>1/2</sub>Na<sub>1/2</sub>)TiO<sub>3</sub>--$x$Ba(Cu<sub>1.1/3</sub>Nb<sub>2/3</sub>)O<sub>3</sub>} + 0.0037MnO<sub>2</sub>, with $x = 0{\mbox{--}}0.06$ [abbreviated as ($1-x$)BNT--$x$BCN)], were fabricated by normal sintering, and their structural, and piezo- and ferroelectric properties were investigated in detail. The X-ray diffraction profiles of the ($1-x$)BNT--$x$BCN solid solutions with $x = 0{\mbox{--}}0.06$ suggested that the rhombohedral-tetragonal morphotropic phase boundary (MPB) in this material system is in the compositional region $x = 0.0425{\mbox{--}}0.0460$. The cross-sectional transmission electron microscopy (TEM) images and selected-area electron diffraction (SAED) patterns of the ($1-x$)BNT--$x$BCN samples with $x = 0.0475$ suggested that the present materials have a modulation structure arranged by a double period along the [111] direction. It is shown that the tetragonal BNT--BCN ($x = 0.0475$) solid solution with a composition of 0.9490BNT$\Cdot$0.0473BCN$\Cdot$0.0037MnO<sub>2</sub>near the MPB has a piezoelectric coefficient ($d_{33}$), a relative permittivity ($\varepsilon_{33}{}^{\text{T}}/\varepsilon_{0}$), and a remanent polarization ($P_{\text{r}}$) of approximately 1.8, 3.2, and 2.8 times larger, respectively, than those of the BNT solid solution without BCN substitution.
著者
石田 章純
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

初期原生代(19億年前)のガンフリント層およびローブ層における地質調査を行い、採取試料の岩石学、鉱物学、地球化学的分析を行った。特に有機物の窒素安定同位体比の測定においては段階燃焼法の導入によってコンタミネーションの可能性を除去した信頼できる値を提示し、かつ有機物中に、含有される窒素の同位体比の異なる炭素構造をもつ有機物の不均質が存在することを示すことができた。その結果、初期原生代の海洋環境と微生物活動について、一般に信じられている"浅部が酸化的で深部が強還元的(硫化水素に富む=euxinic)な海洋"における"化学合成細菌(例えば鉄酸化菌)主体"の環境モデルではなく、"浅部が酸化的で深部が非酸化的だがeuxinicではない海洋"における、"シアノバクテリアが生態系の第一次生産者である"モデルを提唱した。この成果はGeochimica et Cosmochimica Actaに投稿準備中である。段階燃焼法を用いた有機物窒素同位体比の測定法の確立、および初期原生代有機物窒素同位体比の不均質性の発見は革新的な成果であり、その成果は別途Geochemical journal投稿され、受理された(Ishida et al.,2012,in press)。目標の1つであった電子顕微鏡による微小領域観察については有機物の透過型電子顕微鏡(TEM)観察の初等技術を習得し、初期原生代の有機物中に結晶度の異なるグラファイトが存在する可能性を見出すことができた。さらに、より古い時代の岩石については、30億年前、27億年前、22億年前の堆積層が産出するカナダ・スペリオル湖周辺地域、25億年前、23億年前の堆積層が産出する南アフリカ・タイムボールヒル地域、クルマン地域での地質調査および岩石試料の採取を完了している。これらの地域について岩相記載や薄片観察など基礎的な分析を進めた。
著者
姫野 龍太郎 藤野 清次 阿部 邦美 小野 謙二 伊藤 祥司 岡本 吉史 今村 俊幸 片桐 孝洋 伊藤 利佳 中田 真秀
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

電磁界問題,量子化学計算,数値流体計算の大規模数値シミュレーションに向けて,大規模行列計算に向けた高速化,高精度化,安定化を実現し,従来手法では解きにくい問題に対する新たな求解アルゴリズムを提案した.さらに,そのようなシミュレーションを支援するために,応用問題の特性に応じたデータ構造を決定する自動チューニング技術,ジョブスケジューラによる最適な計算機資源割当て方式,任意高精度線形代数演算パッケージも開発した.