著者
尾上 篤生 岩波 基
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地震時の地盤の液状化による建物の傾斜と基礎の不同沈下、および使用限界の関係を調べた。液状化した地盤の地下水位について、季節変動量や降雨との関係を明らかにした。液状化によって大きな被害を受けた家屋と、液状化対策のお陰で被害を免れた家屋の数値解析的ケーススタディの援用を得て、地震時に地盤が液状化しないための地盤改良工法や、地盤が液状化しても建物が傾斜せず不同沈下しないための基礎の選定方法を提案した。
著者
井上 義之 横山 豊和 山根 賢治 田中 敏嗣 辻 裕
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.63, no.606, pp.356-363, 1997-02-25
被引用文献数
2

The motion of balls in a tumbling ball mill was simulated numerically using the discrete element method (DEM). Simulations are performed for the two-dimensional and three-dimensional cases. To study the difference between two-dimensional and three-dimensional powder milling analyses, the ball motion was analyzed. It was found that there is no significant difference between the flow patterns for the two-dimensional and three-dimensional cases, but some properties such as the trajectory of the center of the gravity of the balls, the profile of the average velocity vector, the average ball velocity and the fluctuation velocities of the balls show significant differences.
著者
井上 映子 峯 馨 齋藤 やよい
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.225-234, 2005-08-01
被引用文献数
1

【目的】臨地実習による学習活動の効果を評価するために, 学生が意味化した実習経験の特徴を明らかにする.【方法】看護系短期大学3年次に在学する学生5名が記録した, リハビリテーション看護実習課題レポートを分析対象とし, 質的帰納的研究技法によって抽出した390の経験を内容分析した.【結果】学生が意味化した実習経験は44のサブカテゴリに分類され, 意味内容の類似性によって, [患者に対する生活者としての好奇心][患者理解への志向とその混乱][混乱の沈静化とひらめき援助][未熟な分析的思考によるお試し援助と意味の模索][分析的思考による援助と自己の振り返り]の5つのコアカテゴリに統合された.【結語】意味化した経験は, 学習活動への意識を軸とした, 生活者から学習者, さらに援助者への自己意識の発展を示すものであった.
著者
上杉 忍
出版者
静岡大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

昭和60年度の経過:5月の日本西洋史学会第35回大会において1935年アラバマ州におけるわたつみストライキについて報告し, これを基礎として, 秋に約1ケ月の現地調査および, アラバマ大学サラ・ウィギンス教授, オーバン大学ウェイン・フリント教授, フロリダ大学ウィリアム・ロジャーズ教授らとの研究交流を行なった. この過程で, このストライキがけっして, 局部的な事件ではなく, 全国的な重要性を持っていること, それにも拘らず, その資料的制約のゆえに従来, 充分研究されてこなかったこと, アメリカでもこの運動に対する関心が高まり, 研究をはじめている若い研究者がいることが分ってきた.昭和61年度の経過:1935年のストライキの経過とその意義について論文を執筆し, 『西洋史学』に掲載した. ここでは, ニューディールの農業救済政策がこのストライキ運動といかなる関係にあったかについても見通しを与えた. その後, この運動を指導したアメリカ共産党の南部農業政策, 活動について検討を始め, アメリカで入手した農業・南部担当共産党幹部レム・ハリス・ペーパーを検討した.昭和62年度の経過:アメリカ共産党の政策とシェアクロッパーズ・ユニオンの成立に関する論文を執筆し, 『歴史評論』に掲載した.1930年代の南部農村の変貌過程に関する最近のアメリカにおける研究は活況を呈しており, 藤岡惇『アメリカ南部の変貌』(青木書店, 1985年)に対する書評『歴史学研究』564号執筆の過程で整理したが, 私は, 今後, 本補助金をうけて行なった実証研究を基礎に, アラバマ州ブラックベルトの社会史を一冊の研究にまとめあげる予定である.
著者
大口 敬 桑原 雅夫 鹿田 成則 片倉 正彦 吉井 稔雄 赤羽 弘和
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

自動車の運転者の認知・挙動には様々な場面が想定されるが,本研究では道路における安全性評価・効率性評価(交通容量)に関連した道路線形・道路構造・周辺車両との関係性における速度感,距離感,および案内標識などの視認性を対象とする.こうした運転特性を分析・検討するために,これまで困難とされてきた室内実験手法による実証データの収集を可能とする室内実験システムを確立すること,その場合の実際の道路交通環境下における挙動との違い,相似関係を明確化し,実験結果の評価方法を確立することを目的としている.また,こうした実験による実証的検討を通して,運転者の認知・判断・挙動の特性を「リスク認知」という観点から整理・統合することを試みる.今年度は,東京都立大学に既設の動景観画像室内実験装置を用いて,交通事故が多発しているカーブ道路区間を対象に,熟練運転者と初心運転者によるカーブ走行特性が異なることを利用して,道路上の運転者からの模擬視界を生成する3次元CGモデルにより,交通安全施設の有無,施設のタイプ(ポストコーン,デリニエータ),設置形態と運用形態(高さ,設置頻度)の異なる条件を設定し,交通安全施設設置効果の実験的検証を行った.また,交差点信号機の下などによく設置される補助標識である名称標識に代えて,記号や色などによる認知しやすい補助標識と案内システムの併用による交差点案内システムの有効性検証の実験も行った.これらの実験を通して,視認開始距離における画像を表示するには,汎用のCG画像では画素の精度により限界があること,速度感の認知にはまだ課題が残されているものの,室内実験システムにより,こうしたドライバの認知挙動実験が一定の範囲で可能であることを明らかにした.
著者
小笠原 恭子
出版者
武蔵大学
雑誌
武蔵大学人文学会雑誌 (ISSN:02865696)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.131-171, 2005
著者
半田 耕一
出版者
新領域創成科学研究科 生命科学研究系 先端生命科学専攻
巻号頁・発行日
2007-03-22

報告番号: ; 学位授与年月日: 2007-03-22; 学位の種別: 修士; 学位の種類: 修士(生命科学) ; 学位記番号: 修創域第2099号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科先端生命科学専攻
著者
高永 茂 小川 哲次 田口 則宏 田中 良治
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

医療面接について社会言語学的・語用論的な分析を行なった結果、相互行為空間の形成の仕方や発話内容の修復などが明らかになった。言語学の分野から社会言語学とポライトネス理論、発話行為論の知見を導入し、歯科医とSP(模擬患者)の意見を総合しながらコミュニケーションモデルを構築した。2006年度から3回にわたって「医療コミュニケーション教育研究セミナー」を開催し、医療とコミュニケーションに関わる各々の研究者が研究成果を持ち寄って知識と経験を共有することができた。
著者
登坂 宣好 遠藤 龍司
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究課題では、非破壊的立場から計算力学的に構造物の力学的挙動解析と補助情報量とによる確率ダイナミックシステムを構成し、そこに含まれる未知状態ベクトルを同定する為の構造損傷同定解析システムの構築を目指した基礎的な研究を展開してきた。特に、確率ダイナミックシステムにおける同定手法として必要なフィルタについての考察を重ねてきた。3種類のフィルタによるフィルタリングアルゴリズムを展開し、各フィルタの荷重伝達機構にもとづいた構造形式に対応する同定特性を明らかにすることによって同定解析システムの適用性を図ることが出来た。この同定解析システムの適用性を、各種の構造物(平面および立体トラス、塔状トラス、ブレース付きフレーム構造、大型浮遊式海洋構造)を対象とし、構造物のヘルスモニタリングデータとして固有振動数、固有モードを補助情報量として採用したときの損傷同定解析結果を蓄積し検討した。特に、固有振動数に関しては、計算力学的立場からの計算値と構造物の模型に対する実測値を採用した場合の同定結果の比較も行い、ヘルスモニタリングデータの統計的性状が同定結果に及ぼす影響も検討した。このことによって、構造物のヘルスモニタリングデータから構造物の損傷を同定するには、ノイズを含んだ計測データを補助清報量とした逆解析システムの構築が必要であることも明らかとなった。なお、3種類のフィルタのうち、パラメトリック射影フィルタに含まれている正則化パラメータについての考察から、一般的な可変的フィルタリングアルゴリズムを構築できる可能性を見出した。その新しいフィルタリングアルゴリズムの構築と展開は次年度からの研究課題としたい。
著者
Satoshi SUZUKI Katsuhisa FURUTA Shinya SHIRATORI
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
JSME International Journal Series C Mechanical Systems, Machine Elements and Manufacturing (ISSN:13447653)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.973-981, 2003 (Released:2004-06-25)
参考文献数
16
被引用文献数
3 7

In this paper, a dynamic impact control is proposed. To deal with an impact phenomenon and to establish the control method, a pendulum-like impact shot system is devised. In this system, a slider strikes a ball suspended by a wire, and the energy of the ball is controlled via impact force from the slider. In order to transmit the energy adequately, it is necessary for a slider to reach the target position with specified velocity just at the moment of collision. The reference trajectory for a slider is generated and adjusted in real time, and the proposed variable structure (VS) servo control enables chattering-free precise tracking to the reference trajectory. Additionally, by combining an adaptive VS-differentiator, the performance of the VS-servo control is enhanced. The effectiveness of the proposed impact control, the VS-servo control and the adaptive VS-differentiator is verified by simulation and experiment.
著者
藤永 卓司 板東 徹 陳 豊史 秋吉 一成 秋吉 一成
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ドナー肺の有効利用を可能にするため、吸入投与が不可能と思われる薬剤の新しいDrugdelivery systemの開発研究を行った。コレステロールプルランCHPを蛍光標識し、ラットに経静脈投与と吸入による投与を行ったところ、加アミノ基CHP(CHP-NH2)の吸入が肺組織へもっとも取り込まれた。さらに、ヒト心房利尿ペプチドをCHP-NH2に包埋させて吸入を行ったところ、薬剤単独吸入に比べ、肺血管拡張、肺組織中cGMPといった局所作用のみならず、全身血流にも薬剤が分布する可能性が示唆された。
著者
登坂 宣好 今川 憲英 遠藤 龍司
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

構造物の特性を非破壊的に把握することは, 昨今の耐震偽装問題を防ぐことのみならず, 大地震後の建築物の安全性を確認する意味において重要なテーマである. 本研究では限られた計測データを有効に活用することで高精度の同定解析を可能とするフィルタ理論(可変パラメトリック射影フィルタ)を構成した. その理論に基づき計算力学の立場からフィルタリングシステムを構成し, フレーム構造等に適用し, 有効性を検証した. 今後は, 構築したフィルタリングシステムを用いた利便性の向上と実用化を図りたい.
著者
庄司 剛
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

・肺移植モデルにおいて拒絶病変と直接・間接認識経路の関与を、グラフトの病理学的所見およびin vivo, in vitroアッセイにて検討した。ラット及びミニブタ大動物モデルにて肺移植術を行い、術後グラフトの経時的変化を病理学的に評価した。ラット肺移植においては、拒絶病変モデルにおいて拒絶発生時の呼吸生理機能と病理所見の関連性を検討した。また近年、免疫寛容に関与していると注目されている制御性T細胞の特異的マーカーであるFOXP3の発現が、拒絶病変の出現にも関係しているという報告が散見されており、我々は拒絶病変の克服、免疫寛容の導入を目的として、ミニブタを用いた大動物肺移植慢性実験モデルを確立し、同モデルを用いて、急性拒絶病変発現の際のレシピエント内のFOXP3の発現を検討した。ミニブタ(20-30kg)を用いて同種左肺移植を行い、ドナー・レシピエントの選定においてはレシピエントのドナーに対するリンパ球混合反応(MLR)がhigh response(cpm>5000)であることを確認した。免疫抑制剤は一切使用せず、術後評価として胸部レントゲン(術後3,4,5,6,7,10)、開胸肺生検(術後4,7,10)によるグラフトの病理組織診断を施行した。さらに採血を行い、末梢血単核球を分離、末梢血中のFOXP3発現を評価した。末梢血中のFOXP3発現においては、術後4日目に全例が最高の発現を示した。しかし、その後発現は漸減した。末梢血中FOXP3発現が、病理組織では認めるものの胸部レントゲンでは発見できない拒絶早期に上昇していることが認められ、末梢血中FOXP3発現が肺移植の早期拒絶マーカーになりうる可能性が示唆された。
著者
牧平 清超
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

RANKL添加に依存して破骨細胞へと分化するRAW264.7細胞を用いて、TRAFfamilyを中心としたシグナル伝達に関して詳細な検討を行った結果、TRAF1が破骨細胞の分化を負に調節する分子であることが明らかとなった。次に、様々な阻害剤をRAW264.7細胞に添加しTRAF1をマーカーとして骨吸収阻害物質を探究した。Na+/K+ATPase阻害剤であるouabainとvanadateが破骨細胞同士の融合を抑制することを初めて見いだした。