著者
星野 明子 桂 敏樹 成木 弘子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、京都市で最も高齢化率の高いA区において、高齢者と中高年対象にした交流の場を設置し、介護予防・閉じこもりのための自立支援システムを構築し、その機能について検討することを目的としている。本年度も、F商店街の空き店舗に高齢者の自立支援のための「すこやかサロン(以下、サロン)」を常設設置し(週3回、看護師または保健師の資格を持つスタッフが常駐する)運営してきた。昨年度に引き続き、開設日には商店街の通路を利用した体操(ストレッチ、音楽に合わせた手拭い体操と行進曲による足踏み運動など)も継続して実施してきた。さらに、周辺の組織の商店街振興組合や学区の女性会と連携し、「転倒予防」「骨粗鬆症」「メタボリック症候群」などのデーマによる講義と体操実施を組み合わせた健康講座を3回企画実施した。上記の活動をとうして、健康づくりの拠点として中高年と高齢者層を対象としたサロンの活用を試みた。今年度は、この活動が与える影響について、サロンの利用者とサロン周辺の商店主たちを対象に個別のインタビューを実施、さらに学区女性会メンバーと商店振興組合の商店主と成人家族を対象にデータ収集と分析を実施した。サロンは、体操参加者の運動習慣の維持や摂取カロリーへの意識づけに影響するだけでなく、会話することによる安心感の維持と孤立感の低下にも影響を与えていることが推測された。サロンは利用者である地域住民や住民同士の交流の場となるだけでなく、サロンと商店街振興組合、組合有志、さらに学区女性会などの地域組織との協働によって、介護予防のための小地域ネットワークシステム構築の拠点としての機能を持つことが考えられる。
著者
吉川 英夫 渡辺 禎 池田 尊 三野 俊作
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.54, no.505, pp.2670-2674, 1988-09-25

In this study, a test of exhaust gas noise reduction is reported through the application of a heat-resistant epoxide resin, in place of a steel motorcycle muffler of a gas engine exhaust system. The findings show that this resin muffler results in a noise reduction without decreasing the engine efficiency, even in a restricted space. The experiments were conducted using the same shape for the steel and resin mufflers which were set at the outlet of a 250 ml engine exhaust system. The noise level of the exhaust gas after being introduced into the shielding compartment was measured by a standard noise-meter and FFT analyzer for the comparison of noise reduction effect.
著者
森川 良忠 白井 光雲 濱田 幾太郎 柳澤 将
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

第一原理分子動力学法プログラムSTATE (Simulation Tool for Atom TEchnology)およびOsaka-2K を開発・拡張し、それらを用いて、半導体テクノロジーやエネルギー、環境問題等で重要となる表面・界面や触媒、半導体不純物、ナノクラスター等の構造や物性を調べ、その物理的背景を明らかにするとともに、新たな物質を設計する指針を与えるための研究を行った。
著者
中根 芳一 土井 正 永村 一雄
出版者
大阪市立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

平成2年から4年にかけての本研究で得られた結果を以下に要約する。一般の集合住宅及び気密性の高い防音住宅について実測調査を行った結果、一般に集合住宅で結露が多発する原因の第一は、防音住宅は勿論のこと一般住宅でも換気回数が少な過ぎる点にあることが明白になった。また普段の生活、例えば炊事、入浴、洗濯物の乾燥や開放型暖房機等から多量の水蒸気の発生が認められた。以上の実験の結果、生活に伴う水蒸気の発生を極力抑え、更に顕熱交換型換気扇を有効に活用すれば、寒冷地を除いて我が国では結露を殆ど無くすことができることが分かった。一方、2室間の隔壁モデルを用いた壁体の熱貫流実験を行なうと共に、実験と同じ熱的条件における数値解析を行って結果を比較することにより、壁体隅角部の数値解析において筆者らが以前に学会誌に発表した隅角部対流熱伝達相当温度境界層の考えが、両室間の空気温にそれほど大きな差がない場合(40℃ほど)に、10種類に分類したそれぞれの隅角部対流熱伝達相当温度境界層実験式を組み合わせて、実際の壁体を通しての数値解析において、入隅側に対しても出隅側に対しても同時に適用できることを確認した。この結果より、隅角部対流熱伝達相当温度境界層は、壁体両側の空気温度差がそれほど大きくない場合において、短形部と平面部を組み合わせた多様な形態の部位における熱性状解析に対して適用でき、異形部の熱貫流現象を熱伝導方程式に統一して分析できることから、異形部の熱性状解析の一つの有効な指標となることを確認した。依って結露や汚れ等が生じ易い壁体の隅角部の熱貫流解析に活用できる。
著者
酒井 昭 斉藤 満
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.244-251, 1967-06-25

3〜4年生のスギを用いて幹の基部の凍害がおこるしくみを明らかにするために, 一連の実験を行ない, つぎの結果をえた。1)スギの幹の基部(3〜4年部位)はその上部にくらべて, 秋から冬にかけての耐凍性のたかまる進度がおくれるし, 冬の耐凍性の最高値もかなり低い。2)耐凍性がかなり高まった時期に10(日中)〜-5℃(夜間), 10(日中)〜-10℃(夜間)の温度変化を11日間与えても, また10℃で約10日間連続処理しても耐凍性はほとんど低下しなかった。しかし, 20(日中)〜-5℃(夜間)の温度変化や約13℃以高の温度で約10日間処理したときには耐凍性はかなり低下したが, まだ-12℃以高の温度での凍結には耐えることができた。以上の事実から耐凍性がかなり高まった厳冬期にはかなり大きり日週温度変化があっても耐凍性は低下しにくい。しかしまだほとんど凍結に耐えないか, 耐凍性が低い12月初旬や中旬に零下数度の冷え込みがあるときには, 幹のうちでもっとも耐凍性が低く, しかも温度が下がりやすい地際近くの幹が凍害を受けやすい。
著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.230-240, 2006-05-12

長引く建設需要の冷え込みの中で近年大きな変化が出てきている。それは建物所有者や事業者を取り巻く経営環境が大きく変化したことで、建物に対する新しい価値を見出そうとする意識がそこに芽生えたものだと思われる。つまりそれは建物を一つの経営資源として捉える視点のことであるが、その背景には建物自体の価値をより高く維持することに一層の経営努力を払っていく経営者の姿が理解できる。そこで本論文のテーマは、"建物価値の再認識"という建築リニューアルの領域を、建物所有者がリニューアルに求める価値とは一体何か、またどのようにその価値は創出されるのかを建築のライフサイクルを考えることで、多様な価値観を見せるリニューアルの領域にどのようなサービスモデルが築けるのかを考察するものである。
著者
越後谷 淳一 菊池 弘昭 鎌田 康寛 小林 悟 村上 武
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中性子照射材・模擬材について,動的磁気特性を計測し,ナノ欠陥と磁壁挙動との関係について考察を行うとともに,照射析出による溶質元素の濃度変化評価を目的としたモデル化と定量的解析を行った.また,ローレンツ電子顕微鏡や磁気光学カー効果顕微鏡により,照射モデル材・シミュレーション照射材の格子欠陥と磁壁とのミクロレベルでの相互作用挙動を調べ,欠陥と磁壁とのダイナミックスを解明するとともに,マクロ領域における照射損傷組織と磁壁との相互作用について検討した.
著者
影山 穂波
出版者
椙山女学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

都市の「居住空間」とジェンダーとの関係を明らかにするために、名古屋市郊外住宅の開発過程とそこに組み込まれたジェンダー関係を検討した。都市は人々が日常生活を営む単なる入れ物ではなく、行為主体として活動し、社会的・経済的・文化的変化が生み出される場所である。事例のひとつとして、名古屋市における学級開放活動、トワイライトスクール事業を取り上げた。2006年度時点で191校の小学校で実施されており、そのうち16校では時間延長モデル事業が行われている。放課後学級活動であるこの事業は、退職した校長が中心となり運営指導者として派遣されている。またアシスタントパートナーとして有償ボランティアが常時子供たちの目の届くところにいる。また伝統芸能や伝承遊び、紙工作等の体験学習の体験学習の指導を地域スタッフが来校して教えることもある。この事業は小学校で実施される活動であるがゆえに公的事業の色彩が強く、それが保護者と児童の安心感につながっている。また地域居住者と子供たちとの交流の場として機能し始めている。一方で、従来就労支援として進められてきた学童保育は、こうした学級開放活動の広がりにより運営上困難な状況に追い込まれてきている。時間延長モデル事業は、共働き世帯への支援の可能性を秘めているものの、学童保育が果たしている第二の家庭としての役割を担っているわけではない。トワイライトスクール事業は、地域社会への開放の役割は果たしてきているものの、女性の社会進出への支援にはなお課題が多いのである。子供たちにとって、家庭と学校以外の場が地域居住者によって開かれることがトワイライトスクール事業の可能性である。再生産空間として位置づけられてきた地域社会が、生産空間としての機能を持ち、地域居住者と子供たちが主体となって、トワイライトスクールを通じて「居住空間」の形成に寄与することが可能となるのである。
著者
田中 淳一
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

沖縄沿岸のサンゴ礁トワイライトゾーンと呼ばれる水深40m以深の海底から底生生物を採集し、新規生理活性成分の探索を行った。海綿Suberites japonicusからは、強い細胞毒性成分としてseragamide A-Fと命名した一連のデプシペプチド類を見い出し、スペクトルデータの解析と誘導体作成などを通して化学構造を明らかにした。生理活性については、培養細胞の細胞質の分裂を阻害することからアクチンを標的にしていることが推定された。そこで、蛍光ラベル化したアクチンを使用した実験により、seragamide AのF-アクチン脱重合阻害作用とG-アクチン重合促進作用を確認した。次に海綿Dysidea dv.arenariaの毒性成分を検討したところ、spongian骨格を有する一連の新規ジテルペンを得た。構造はスペクトルデータの解析ならびに関連化合物との比較により決定した。また、この海綿については4つの場所で採集した標本について分析したが、含有しているspongian類に多様性が見られた。国頭村で採集したムチヤギEllisella sp.からもbriarane型ジテルペンを見い出し、それらの構造ならびに細胞質分裂阻害作用を報告した。この他にも沖縄本島恩納村沿岸でリブリーザーを使用して海洋生物資源(44種)の採集を行い、それらのスクリーニングを行った。現在までに強い細胞毒性を示し同定された化合物は、latrunculinなど既知の物質であるが、本研究期間終了後もこれらの生物から得たエキスの生理活性物質を分離しており、新しい物質を見い出せるものと期待している。また、これまでにサンゴ礁トワイライトゾーンを含めサンゴ礁生物から見い出したアクチン標的成分ならびにタンパク合成阻害成分の分子プローブ(研究試薬)としての活用を図った。
著者
矢野 潤
出版者
東亜大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

(1)ポリ(o-フェニレンジアミン)のハロゲン化物イオンに対する会合定数の決定ポリアニリン類自身のハロゲン化物イオンに対する会合定数について検討するために,通常の有機溶媒に可溶なアニリン誘導体高分子を検索した.その結果,ドープ状態で可溶な導電性高分子ポリ(o-フェニレンジアミン)(PoPD)を見い出した.この結果はJ. Polymer.Sci. に公表した.このPoPDを用い,その溶存状態においてサイクリックボルタンモグラムを諸条件下で測定した.得られたブルタンモグラムのレドックス電位のハロゲン化物イオン濃度依存を解析することにより.PoPDの各ハロゲン化物イオンに対する会合定数を決定することができた.会合定数のデータが導電性高分子で得られたことは初めてであり,この成果はJ. Electroanal. Chem. に公表予定である.またこの結果を基にECDや固体電解質への応用を行ったところ有益な結果も得られた.これらはJ. Mater. Sci. Lett. に公表,J. Mater. Sci. に公表予定である.(2)電位応答型のハロゲン化物イオンセンサの作製カチオンサイトを有するアニリン誘導体高分子,ポリ(N, N-ジメチルアニリン)(PDA),にヨウ化物イオンを固定化させ,さらに電解酸化した膜は溶存するヨウ化物イオンとのNernst応答により,電位応答型のヨウ化物イオンセンサとして機能した.さらにそのPDA上にヨウ化物イオンの選択的膜透過機能をもつポリ(o-クロルアニリン)膜を被覆すると選択係数が向上した.この成果は,イオン電極研究に発表した.
著者
吉村 卓也 杉山 幹夫
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.165-189, 2004-03-25
被引用文献数
1

Media has been transforming its shape rapidly due to the fast development of information technology. Up until recently, so-called "mass media" had been enjoying the privilege of gathering information and disseminating it to the public. Now, mass media's monopolistic manners have been gradually eroding and concerned groups and individuals, empowered by the introduction of new technology, are gravitating towards the media's sphere. Even though we don't have the established term for this situation of the media, there is no doubt that the practitioners of the media are no longer limited to the "media professionals, " but have widened its boundaries to the non-professional individuals. One of the tools that have made it possible has been the proliferation of the WWW (World Wide Web). Its versatility is a great advantage for those who wish to publish something for the public. People who are not satisfied with being a recipient of information are using this opportunity to become providers of information. This indicates an emergence of regional journalism where residents can discuss and publish their concerns and interests without the aid of conventional media. In this paper, the authors would like to show the actual example of "Civic Media, " where the authors belong, which is practicing civic journalism in Sapporo. Discussion will be focused on how this movement was founded in the region and how its members have acquired community awareness through its activities.
著者
五條堀 淳
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

コーディング領域トリプレットリピートはタンパク質の構造中、不確定領域を形成する事が知られ、そのような領域は進化速度が速いと言われていた。本研究でトリプレットリピートの進化とタンパク質の構造の関連を調べた結果、霊長類における進化では、これまで言われていた事とは逆の、不確定領域になりにくいトリプレットリピートの進化速度が速い事が示され、霊長類特異的な進化の特徴が明らかにされた。
著者
仲村 春和
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

視神経繊維の大部分は視蓋の表層を走り、標的付近で内側に向きを変えシナプスを作るが、本研究により、最初から視蓋の深層を走る一過性の一群があることが明らかにされた。En2は視蓋の発生初期に後ろとしての位置価を与えるが、視神経が視蓋に到達した頃に、SGFS,g-j層で発現している。En2の強制発現により、En2発現細胞は視蓋の浅層に到達することはなかった。E1.5にEn2をトランスフェクトし、Doxによりその発現をE8.5に誘導すると、浅層でEn2を発現した細胞はi層に戻っていった。このことから、En2が視蓋総計性に深く関わっていることが示唆された。Neuropilin1(NRP1)がE8.5視蓋のIV,V層に、そのリガンドSema3AがVI層に発現している。IV,V層の細胞は接戦方向の移動をする細胞により構成されることが本研究により明らかとなった。その接戦方向の移動にSema-Neuropilinの反発系が関与していることが示唆された。Sema3Aを強制発現すると視蓋の層構造が乱れることから、semaphorin-neuropilinの反発系が視蓋の総計性に大きな役割を果たしていることが示唆された。
著者
吉村 寿人
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.357-377, 1982-09-01

この総説は昭和54年7月11日に産業医大において行った講演の記録に若干加筆したものであって, 日本において行われた国際生物学事業IBPの「ヒトの適応能」部門の内の気候適応研究班の行った研究の成果に著者が京都府立医大在任中に季節生理総合研究班の中で行った研究成果を織りまぜてまとめたものである. その内容は先ず適応とは何かと言う問題を解説して, これに自然的適応と文化的適応のあること, また自然適応の中にも生理的適応と適応分化(遺伝的適応)の区別のあることを明らかにした. そして人間のもつ気候適応を中心としてその「しくみ」について解説し, 生理的適応にもその生まれ育った土地の気候や職業などによって適応には色々のパターンの差を生ずること, 殊に長期に渉る適応と短期の気候適応とはそのパターンがまるで違ってくることを明らかにした. そしてCoon et al.(1950)の説をもとにして人類の気候適応の結果生じたモンゴロイドの人種的特性について述べ, 彼らが寒さに強い適応能をもち, アジア人陸より, アメリカ大陸に渡ってその全土に分布して, 独特の文化を建設したことを述べた. そして最後にアメリカ大陸のモンゴロイドがコロンブスのアメリカ大陸発見によって西欧民族によって亡ぼされた中で, 同じモンゴロイドに属する日本民族のみがよく独立国家として発展し世界の先進工業国家として独自の文化を保つに到ったかの理由についてJohn Hallの歴史観を論評しつつ, 日本人の精神文化的適応性と日本の国土の立地条件等の特性を指摘して解説した.(1982年5月13日 受付)
著者
平野 廣和 奥村 哲夫 丸岡 晃 奥村 哲夫 丸岡 晃
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2003年9月に北海道で発生した平成15年十勝沖地震で浮屋根等を有する特定屋外貯蔵タンクにおいてスロッシング現象が生じ,浮屋根の破壊,沈没,火災発生といった事故が発生した.これを受けて,液面のスロッシングに伴う浮屋根の挙動の力学的特性についての検証が始まり,実規模レベルでのタンクによる検証を行うことが求められている.そこで,本研究では実際に使用されている実機浮屋根式タンクを用いて,ここにスロッシング現象を発生させる一つの実験方法を提案するものである.タンク内部に造波装置を設置し,エアシリンダーで造波装置をスロッシングの固有周波数に合わせて作動させることによりタンク内部の流体全体を動かし,これにより浮屋根にスロッシング現象を発生させることを試みるものである.この結果,実機タンクの浮屋根にスロッシング現象を発生させ,かつ妥当な減衰を得ることができた.