著者
早渕 仁美 井上 厚美 池田 正人
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学家政学部紀要 (ISSN:02883953)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.41-50, 1985-12-25
被引用文献数
2

個人の平均的な食生活実態を, 簡便かつ数量的に把握する手段として, 簡易食生活実態調査票を考案した。調査内容は, 個人情報, 食事状況, 摂取状況に分かれており, 食事状況は10点満点で点数化し, 摂取状況は日頃よく使用する食品(76品目)の平均摂取頻度と1回当たりの目安摂取量から, 1日当たりの摂取栄養量および食品群別摂取量が推定できるようにした。なお, 塩分摂取量は調味や料理の好みなども考慮して推定している。本調査方法と思い出し法による食生活実態調査を行った佐賀県農村婦人(40歳代, No.=121)の事例を上げ, その簡便性と妥当性について, 若干の検討を加えた。
著者
久世 基文
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.74-76, 2004-03-27
著者
武田 健
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

ナノマテリアルは電子材料や化粧品、塗料等様々な製品に汎用されており、今や現代の生活に欠かせないものとなっている。本研究では化粧品に用いられているナノマテリアルの皮膚透過性に関して、信頼性の高い知見を加えることを目的とし、酸化チタン微粒子と単分散モデルである金ナノ粒子を用い、in vivoでマウスにおける皮膚透過性を検証した。健常皮膚だけでなく、炎症皮膚、アトピー性皮膚炎発症皮膚を作成し、その皮膚に対して酸化チタン微粒子および分散性の高い金ナノ粒子、蛍光物質(FITC)を結合させた金ナノ粒子を24時間曝露した。粒子を曝露した皮膚組織の電子顕微鏡観察結果から、酸化チタン微粒子および金ナノ粒子は角質層内部に局在することが明らかになった。また、FITCが結合した金ナノ粒子を曝露した皮膚組織に関しては蛍光顕微鏡観察し、粒子が皮膚表層や毛包内部に局在すること、炎症により表皮を欠損した皮膚部位においては粒子が真皮層内部に侵入することを捉えた。また、真皮層内への粒子透過が確認された炎症皮膚に対して金ナノ粒子を24時間曝露し、その個体の血液内金質量をICP-MSによって測定したが、検出可能範囲内での粒子透過は見られなかった。これらのことからナノ粒子が健常皮膚を透過し、全身循環へ移行する可能性は極めて低いことが示唆された。角質層が剥がれるような皮膚の状態では、ナノ粒子が皮内に透過することが認められた。以上の結果、化粧品中のナノ粒子は健常人の皮膚では健康影響はほとんどないと考えられるが、損傷した皮膚への塗布には注意が必要でることが示唆された。定量的な研究が残されているが、妊娠期に皮下投与した酸化チタンナノ粒子が産仔脳神経系に影響を及ぼす結果を得ており、社会的に極めて意義の高い研究となった。
著者
川住 隆一 早坂 方志 石川 政孝
出版者
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、重い運動障害と知的障害を併せ有し、家庭や施設で訪問教育を受けている児童生徒のためのコミュニケーション手段と探索手段(移動手段)の開発を行うことを目的とした。本研究で取り上げた対象児は、国立特殊教育総合研究所教育相談センターへの来談児5名と、重症心身障害児施設において訪問教育を受けている重度・重複障害児9名であった。いずれの子どもに対しても、継続的な教育指導を通して、個々に応じたコミュニケーション補助・代替手段が考え出されたり、市販の音声表出補助装置(商品名「ビックマック」「ステップバイステップ・コミュニケーター」等)を利用するための工夫が行なわれた。また、探索のための移動手段として、電動式スクーターボードの有効性も検討された。さらに、運動障害が重い子どもが機器を操作し易くするための入力支援装置や姿勢介助の工夫も重要な課題となった。最終報告書においては、教育相談来談児に対する取り組みとして、(1)探索活動の促進がコミュニケーション内容を豊かにした事例、(2)コミュニケーションの意欲と伝達手段の向上が図られた事例、(3)人の動きを選択的に見ることから探索活動を促した事例、(4)探索活動の促進に電動式スクーターボードの活用を図った3事例が紹介された。また、2つの養護学校の訪問教育の場での取り組みについても、グループ活動場面(「朝のつどい」)と個別指導場面を取り上げ、上記の検討課題の観点から教育実践経過を整理した。
著者
掛谷 英紀
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2003

昨年度までに、多視点高解像度立体ディスプレイの基本は完成したが、今年度は、画質の向上、視野角の拡大、輻輳調節矛盾の解消による目の疲労の低減の3点について、改善を試みた。まず、画質の向上については、昨年度までのシステムで使っていたフライアイレンズを使わないシステムの構築を試みた。この場合、頭を動かしたとき、画像が不連続に切り替わるような違和感が生じていたが、それを取り除くためのレンズ光学系を設計した。この設計で、不連続感が低減されるとともに、視野角の拡大も同時に解決された。ただし、このレンズ光学系だけで、完全に不連続感が取り除かれるわけではない。この不連続感を取り除く方法として、多層にわたる弱拡散を行う方法を試み、一定の効果を上げた。この方法は、同時に輻輳調節矛盾による目の疲労を緩和する効果も確認された。輻輳調節矛盾の解決方法としては、昨年度まで行っていたシリンダーレンズと高周波縞状パターンの組み合わせ方法について、より詳細な解析を行い、その理論はほぼ完成された。ただし、この方法は上述の多視点方式に組み合わせることは難しい。そこで、多視点方式に組み合わせが可能な方法として、多視点立体ディスプレイとボリュームエッジを組み合わせる方法を昨年度提案したが、今年度はその実装を行った。アグティブなエッジ提示方法としてはモノクロ液晶パネルを多層に重ねる方法を試み、一定の成果をあげた。また、より廉価な方法として、メッシュテクスチャを多層にばらまく方法を新たに提案し、レフラクトメータを使った目の測定実験で、この方法でも輻輳調節矛盾の解消が期待できることが確かめらた。この3年間の研究成果により、提案する多視点立体ディスプレイは商品化できるレベルのシステムを達成したということができよう。
著者
大角 玉樹 多賀 寿史
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

わが国の産学官連携政策の焦点は、単なる技術移転から総合的な知的財産マネジメントに移行しており、沖縄においても、沖縄TLOの設立や沖縄地域知的財産戦略本部の設置など、数多くの施策が実施されている。しかし、本土と比較して、高度知財人材が不足しており、今後、沖縄の地域特性である亜熱帯島嶼資源及びIT施策の戦略的マネジメントを迅速に確立し、地域イノベーションを創出することが期待されている。
著者
永田 宏 櫻田 武嗣 木俵 豊 勝本 道哲 浅見 徹 中川 晋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. QAI, [高品質インターネット] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.151-158, 2001-11-20

日本における遠隔病理診断と遠隔顕微鏡のニーズに関して厚生労働省の統計データ等を用いて分析した。また既存の遠隔顕微鏡の欠点である動画伝送を克服するために、DVTSおよびD1 over IPを利用した新しい遠隔顕微鏡システムの開発を行った.CEATEC2001等の実験を通して、本システムの実用性を確認しつつある。DVTSは遠隔病理診断のみならず、超音波検査や内視鏡検査の遠隔診断にも活用できる可能性がある。
著者
中野 敦
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

ゲームプレイヤーがモーションを自由にクリエイションできるようになるとゲームの話の展開が変化するため,その変化した展開に対してキャラクタが柔軟に対処することが求められています.そのため,基盤システムの重要な機能として,ゲームプレイヤーからの自由なタイミングでのインタラクションに対してキャラクタが人間のように知的に振る舞い,かつそれらのキャラクタの能動的な行動によって長期的な話の展開を生成する行動制御技術が必要となっていました.そこで,話の流れを保ちつつ,状況に合わせて豊富で能動的な反応を生成するために,エピソードツリーと名付けた統一的な制御構造を用いて反応行動を生成するシステムを提案しました.このシステムでは,各キャラクタが状況に合わせて断片的なエピソードを表すエピソードツリーを取捨選択していくことで,全体の話の流れを構成します.また,キャラクタが干渉された場合には,エピソードツリーに付随された中断処理を挿入し,反応行動へ移り,反応行動が終了した際には復帰処理を挟み,元の行動に復帰することでキャラクタの行動の連続性を保ちます.ユーザが自由なタイミングでアニメーションに干渉するためのインタフェースとして,「触る」,「掴む」,「オブジェクトを追加する」の3つの異なる特徴を備えたゲームコンテンツを実際に制作しました.このコンテンツ上で,これらのインタフェースを用いて,自由なタイミングで相互作用できるキャラクタアニメーションを生成できることを,インタラクティブ東京やDiva展といった複数の会場で展示し,示しました.その結果,芸術科学会論文誌で論文賞をいただくといった学術的な成果に加えて,芸術科学会展のデジタルシネマ部門で優秀賞,そして国内の優秀なコンテンツが展示されるインタラクティブ東京に推薦されるなど,展示作品としても大きな成果を得られました.
著者
永田 宏 櫻田 武嗣 木俵 豊 勝本 道哲 浅見 徹 中川 晋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.123-130, 2001-11-14

日本における遠隔病理診断と遠隔顕微鏡のニーズに関して厚生労働省の統計データ等を用いて分析した。また既存の遠隔顕微鏡の欠点である動画伝送を克服するために、DVTSおよびD1 over IPを利用した新しい遠隔顕微鏡システムの開発を行った.CEATEC2001等の実験を通して、本システムの実用性を確認しつつある。DVTSは遠隔病理診断のみならず、超音波検査や内視鏡検査の遠隔診断にも活用できる可能性がある。

1 0 0 0 IR 服部等作

著者
服部 等作 HATTORI Tosaku ハットリ トウサク
出版者
広島市立大学芸術学部
雑誌
広島市立大学芸術学部紀要
巻号頁・発行日
no.9, pp.40-41, 2004-03

「大谷探検隊百周年記念切手総合プロデュース(計画)」, 「CEATEC JAPAN 2003 展示ブースデザイン」
著者
影山 任佐
出版者
日本犯罪学会
雑誌
犯罪学雑誌 (ISSN:03020029)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.p170-183, 1987-08
被引用文献数
4
著者
小島 清
出版者
如水会
雑誌
如水会会報
巻号頁・発行日
pp.32-35, 1979-01

一橋大学開放講座, 広島, 1978年10月6日, 一橋大学
著者
Munehiro Nakagawa Takamasa Ohno Rumi Maruyama Munenori Okubo Akito Nagatsu Makoto Inoue Hiroki Tanabe Genzou Takemura Shinya Minatoguchi Hisayoshi Fujiwara
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1754-1757, 2007-09-01 (Released:2007-09-01)
参考文献数
27
被引用文献数
5 12

Abnormal vascular smooth muscle cell (VSMC) proliferation and migration are involved in restenosis following percutaneous transluminal angioplasty (PTCA) as well as in the development and progression of atherosclerosis. We investigated the mechanisms underlying the inhibitory effect of the sesquiterpene 3-oxo-5αH,8βH-eudesma-1,4(15),7(11)-trien-8,12-olide (1) on rat VSMC proliferation and migration. VSMCs were isolated from rat aorta, and then the effect of 1 on cell proliferation and migration was examined using methylthiazolyldiphenyl-tetrazolium bromide (MTT) and chemotaxis assays, respectively. Compound 1 had a potent inhibitory effect on fetal calf serum-induced VSMC proliferation. This effect correlated with reduced expression of cyclin D1. In addition, 1 also inhibited platelet derived growth factor (PDGF)-induced migration of VSMCs. These results indicate that 1 is a promising candidate for additional biological evaluation to further define its potential as an inhibitory modulator of VSMC responses that contribute to restenosis following PTCA and to the development and progression of atherosclerosis.
著者
坪井 重雄 臼田 多佳夫 梶原 哲郎 井上 久司 塩原 康司
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.435-435, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
古川 善博 関根 利守 大庭 雅寛 掛川 武 中沢 弘基
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.226-237, 2009-12-25
被引用文献数
1

生命の構成物質である,アミノ酸や核酸塩基,糖などの生物有機分子が生命誕生前の地球にどのように誕生したのかということは,生命起源解明の根幹を成す課題である.本稿では初期地球における隕石の海洋衝突による生物有機分子の生成について解説する.地球外物質の初期海洋への重爆撃は,後期重爆撃と呼ばれる38-40億年前に起きたと考えられている.著者らはこの現象を実験室で再現し,鉄,ニッケル,アモルファス炭素,水,窒素から有機物が生成するかどうかを明らかにするための衝突回収実験を行った.実験の結果,多種のカルボン酸,アミンおよびグリシンが生成することが明らかになった.この結果と衝突実験条件および有機物生成過程から隕石の後期重爆撃による生物有機分子の生成という,生命起源物質の新たな生成過程を示唆することとなった.
著者
遠藤 博樹 柴田 浩明 渡部寿基 加藤由花
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.151-156, 2008-03-06

複数の携帯端末で構成されるアドホックネットワークを利用し,場に応じて様々に変化するコンテンツを共有する音楽配信システム JAMS の研究を進めている.本稿では,JAMS を対象に効率的な音楽配信を実現するためのキャッシュ管理方式を提案する.提案方式では,キャッシュ配置の最適化を行わず,各ノードからの要求に従って適応的にキャッシュを配布することにより,JAMS に適したロバストなキャッシュ管理方式を実現する.本稿ではさらに,シミュレーション実験により,様々な環境下でのファイルへのアクセス要求に対する失敗率を測定し,提案方式が,場の変化を利用したシステムにとって適切な方式であることを示す.We have proposed a music delivery system JAMS (JAMais vu System), which uses ad hoc networks with mobile devices for the localization services. In this paper, we focus on a cache management scheme for JAMS to deliver music files efficiently. The proposed scheme makes it possible to manage cache files robustly by using adaptive cache delivery according to each node request. In addition, we conduct, a simulation experiment, and obtain access failure ratio of music files under various system conditions. The simulation results indicate that the proposed scheme is suitable for the system using localization services.
著者
布川 雄大 花野 博司 孫 為華 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.325-330, 2009-02-26

2006年から地上デジタル放送の携帯端末向けサービス(ワンセグサービス)が提供されている.一般的にワンセグ放送は移動受信に強いと言われているが,ショッピングセンタや駅構内,ビルの陰となる場所では,電波が遮られてしまう難視聴エリアが発生する.本研究では,近隣の複数携帯端末がアドホックネットワークを形成し,ワンセグ放送の電波受信品質の良い端末から悪い端末に対してデータ中継を行うことで難視聴エリアにいる端末でのワンセグ視聴品質を向上させる方法を提案する.本稿では,無線通信帯域の制約,リアルタイム性を損なわないための伝送遅延の制約を満たした上で,難視聴エリアにおいて救済される端末数を最大化する問題を定式化し,その問題を解くヒューリスティックアルゴリズムを提案する.また,これまでに得られたシミュレーションによる評価結果を報告する.The 1-segment broadcasting service, a digital TV broadcasting service for mobile/cell phone terminals has been provided in Japan since 2006. In general, 1-segment broadcasting is likely to achieve stable radio reception at user terminals even with strong mobility. However, there are still some areas where it is difficult to view a high quality videos (e.g., in train stations, shopping centers, etc) due to weak radio wave attenuation in those areas. In this paper, we propose a method to salvage user terminals in those weak 1-segment radio wave areas by transmitting videos from terminals in good radio wave areas through wireless multi-hop paths. For this purpose, we first formulate the problem to maximize the number of salvaged terminals in weak radio wave areas under constrains of wireless bandwidth and latency in watching videos in real-time. We propose a heuristic algorithm to solve the problem, and evaluate the algorithm with computer simulations.