著者
河島 茂生
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-14, 2019-06-30 (Released:2019-07-10)
参考文献数
18

本論文は,AIやロボットが社会に普及している状況下において,また複数のAIが通信ネットワークにおいて接続していく状況下において,いかに倫理的責任の帰属を位置づけるかを検討している。ネオ・サイバネティクスの理論に依拠しつつ,EU議会における電子人間の提言への懸念を示し,AIネットワーク環境下の集合的責任ともいうべき考え方を支持した。電子人間確立の提案は,オートポイエティック・システムでないものに人格という位置を与えることであり,それは,実情に合わないのに加えて倫理的問題を引き起こしかねない。電子人間を制度的に確立しなくとも,集合的責任の制度構築により補償は可能である。近年のコンピュータ技術の動向を鑑みるに,特定の人や組織に責任を帰属できない場合が想定される。その場合は,被害者を救済し,開発者・利用者の萎縮を引き起こさないために集合的責任の導入が求められる。ただしAIネットワーク状況下における責任のありようは,集合的責任のみだけは不足である。特定の人や組織の瑕疵が明確である場合は,そこに責任を帰属させることが望まれる。これは近代以降の慣習になっており容易に変えることが難しいうえ,開発者・利用者の故意の過失もしくは怠慢,責任感の減退を防ぐためには,また技術を改善する動機の維持のためには必要であると考えられる。
著者
太田 淳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.827-831, 2008-06-01 (Released:2010-06-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2
著者
上野 邦一
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.389, pp.125-135, 1988-07-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1

There are two drawings of great fires at 1832 in Takayama local museum. In two drawings, I can get many informations on Takayama at 1832, for example, a shape of the town, a site of house, a distribution of "Kashiya" (houses of rent) and its owners. Three south-north roads were main streets and there were some esat-west paths that connected them. Along even three main street, there were "Kashiya" s over fifty percent, and "Kashiya" s made a row in both sides of east-west paths. There were fields on the west side of Katahara-machi, however they were not found in the map at 1873. There were seven merchants who had more than ten "Kashiya"s. There were some "Kashiya" owners who lived outside of Takayama. Some "Kashiya" owners employed "Yamori", the person who managed lands and building instead of the owner. I can not find "Yamori" in two drawings, however, I can find "Yamori" in a kinds of cencus register contemporary with drawings. After the great fire, it is often found the case that the renter rebuilt the houses. The big fire was the opportunity that owners disposed of lands and houses. Almost part of Takayama was destroyed again by the great fire at 1876. After twice great fires, Takayama kept the former road pattern and the former shape of house. This had maken Takayama into the traditional town. I think that Takayama kept the shape of the town till the end of the second War.
著者
松浦 健治郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.583-588, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
13

本稿では、巡行型祝祭の代表例として日本三大曳山祭の一つである岐阜県高山市の秋の高山祭りを対象として、都市空間と祝祭空間との関係性を都市形態学的に明らかにすることを目的とする。明らかとなったのは、第1に、都市空間の変化に応答するように祝祭空間も柔軟に変化してきたこと、第2に、高山祭の特徴のひとつとして、建築の内部空間と街路空間とを簾や垂れ幕により明確に分離することにより、ハレの空間(街路空間)とケの空間(建築の内部空間)を演出していること、第3に、祝祭空間を都市空間と祭行事の内容により類型化することにより、特徴的な都市空間に合わせて効果的に祝祭空間を演出していることを理解できること、第4に、都市空間整備の一部は祝祭時の利用も考慮して行われていたこと、である。
著者
吉田 郁政
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.93-104, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
21
被引用文献数
1 3

波動伝播から破壊現象までを一貫して解析できる地震応答解析手法としてMPS法に注目しその開発を行った.MPS法は波動方程式を粒子を用いて数値的に解く方法であるが,その定式化は結果的にDEMに極めて近いという特徴をもつ.DEMにおいて粒子の配置が破壊挙動に影響を与えることが知られており,同様のことがMPS法においても確認されたため乱数を用いて粒子をランダムに配置する方法について提案を行った.また,せん断,引張に関する破壊基準の導入,初期状態から大きく変形して新たに接触する粒子の扱い方についての提案を行った.落下や自重による崩壊解析,圧縮による破壊解析を行い,これら提案した定式化の有効性を確認した.
著者
浜名 克己
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.29-38, 1989-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
151
被引用文献数
2 3
著者
YUHJI SAITOH KENICHI AOKI MICHIYA OKAZAKI TAKAHIRO HIRAMA TSUYOSHI ISOSU MASAHIRO MURAKAWA
出版者
THE FUKUSHIMA SOCIETY OF MEDICAL SCIENCE
雑誌
FUKUSHIMA JOURNAL OF MEDICAL SCIENCE (ISSN:00162590)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.61-69, 2009 (Released:2013-10-04)
参考文献数
27

We investigated the differences between males and females in the reversal effect of neostigmine on neuromuscular blockade. Thirty male and 30 female patients undergoing elective general anesthesia were studied. Vecuronium was given in all patients anesthetized with nitrous oxide, oxygen, and sevoflurane. After the surgical procedure, when Tl (1st response in train-of-four (TOF))/control returned to 0.25, neostigmine 40 μg/kg in combination with atropine 20 μg/kg was given to antagonize residual neuromuscular blockade. Three, six, nine, 12, and 15 minutes after neostigmine reversal, Tl/control or TOF ratio (T4/Tl) did not significantly differ between the sexes. Also, 15 minutes after neostigmine administration, the number of patients in whom recovery from neuromuscular blockade was sufficient to guarantee good respiratory function, i.e., TOF ratio >0.74, did not significantly differ between the sexes. In contrast, 15 minutes after neostigmine, the number of patients in whom recovery from neuromuscular blockade was adequate to ensure satisfactory recovery from neuromuscular blockade including the return of the faculty of sight, i.e., TOF ratio >0.9, was significantly less in the males than in females (6 vs 14, P=0.028). In conclusion, 15 min after neostigmine, TOF ratio less often returns to a value of more than 0.9 in males than in females.
著者
安原 浩
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.12-15, 2012 (Released:2017-06-02)

刑事裁判実務に長年携わった経験からは、取調べの科学化、あるいは高度化がいかに困難かを指摘せざるを得ない。日本では密室の取調べが定着し、裁判所もこれまでその結果を尊重してきたからである。しかし裁判員裁判をきっかけに、これまでのような供述調書依存の刑事裁判が構造的に変化しつつあり、可視化が進展する素地が生まれつつある。
著者
榎 孝浩
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.382-386, 2019-08-01 (Released:2019-08-01)

日本,米国,欧州,中国の科学技術・イノベーション政策の動向を調査するときに,便利な資料を紹介する。まず,公的機関の刊行資料を中心に,日本語資料を紹介する。続いて,国際機関,米国,欧州,中国の外国語資料を紹介する。最後に,日米欧の議会と科学技術・イノベーション政策の関わりを説明しながら,議会資料を紹介する。
著者
Kazuya Nagasawa
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.151-156, 2014-11-25 (Released:2018-03-30)
被引用文献数
1 2

An adult male specimen of the amphibian acanthocephalan Acanthocephalus lucidus Van Cleave, 1925 was isolated from the intestine of a whitespotted char, Salvelinus leucomaenis leucomaenis (Pallas, 1814), collected from a stream in Aomori Prefecture, northern Japan. This represents the second record of fish infection by this species of acanthocephalan. The life cycle of A. lucidus is discussed, and the char is assumed to have become infected by preying on a frog harboring the specimen. The known vertebrate hosts of A. lucidus and the geographical distribution of this species in Japan and East Asia are tabulated.
著者
吉田 悦子 小比類巻 美穂
出版者
Japanese Society for Mastication Science and Health Promotion
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.11-23, 2005-05-31 (Released:2010-07-21)
参考文献数
13

著者らは1990年より, 当院において口腔筋機能療法Myofunctional Therapy (以下MFT) を行ってきたが, 小児期に舌癖があり, 誤った嚥下パターンをもちMFTの対象となるような患者が, 適切な訓練やアドバイスを受けずに成長するとどうなるのか疑問をもつようになった.そこで, 健常者に対し, 一般の診療所で簡便にできる水飲みテストを考案し, 2000年11月からの1年間に当院に来院した患者から無作為抽出し, 健常者に誤った嚥下パターンをもつ者がどの程度存在するのか統計調査を行った.その結果, 以下の通り被検者数662名の健常者において, 各年代に誤った嚥下パターンをもつ者がいた.・4~9歳68 .3%, 10~19歳42.7%, 20~29歳41.4%, 30~39歳36.3%, 40~49歳36.0%, 50~59歳49.2%, 60歳以上56.8%また, 誤った嚥下パターンをもっているとQOLの低下を招くこともわかった.今後は, 健常者に対しても, 誤った嚥下パターンもつかどうかスクリーニング検査を行い, 必要な場合は, 正しい嚥下パターンを獲得し, 正常な咀嚼・嚥下ができるようMFT等のリハビリテーションを行う必要があると考えられる.
著者
川端 成彬
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ (ISSN:09153594)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.3-9, 1994-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
井上 彪夫 松浦 達雄 長野 準
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.97-101, 1996-02-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
2

気管支喘息に対する漢方治療について, 鼻症状を合併する気管支喘息患者に着目し, 膿性鼻汁や後鼻漏などの症状を呈する慢性副鼻腔炎様の合併した喘息患者に対して辛夷清肺湯を投与した自験10例の有効性を検討, 一方, くしゃみ, 水様鼻汁や水様痰などの症状を呈するアレルギー性鼻炎様の合併した喘息患者75例に対する小青竜湯の有用性を, 多施設open trialにて検討した. その結果, 前者では60%に鼻症状の改善と喘息発作の減少を認め, また後者では53%に喘息の改善とともに鼻アレルギー症状の改善が特徴的であった. 両方剤での構成生薬の薬理作用を検討し, 前者では解熱, 鎮痛, 排膿, 抗炎症あるいは鎮咳などの作用による化膿性鼻炎症状の改善と喘息症状の改善を, 後者では解熱, 抗炎症, 抗アレルギー, 鎮痙あるいは鎮咳などの作用によるアレルギー性鼻炎症状の改善と喘息症状の改善をするものと理解された.
著者
植田 育代 富田 誠 田中 香津生 工藤 拓也 有賀 雅奈
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.500-501, 2018 (Released:2018-06-21)

近年、研究者は市民など様々な人たちに対して、研究活動を伝達し、対話をしながら研究を進めることが求められている。しかし、高度で複雑な研究内容を研究者自身やデザイナーがわかりやすく視覚化することは容易ではない。 本研究は、研究者とデザイナーが協働で研究内容を視覚化する手法を目的に、研究組織における研究活動の視覚化をおこなった。 デザインの制作においては、研究者にとっても描くことが容易な等角投影図を基本図法として、研究者とデザイナー間でイラスト交換を繰り返し表現の正確性やデザインの質を段階的に高めていく手法を用いた。本稿ではそれらの制作過程の記述し、研究者からの評価を通して本手法の可能性を考察したい。
著者
宮崎 さやか 山田 静雄 東野 定律 渡邉 順子 水上 勝義
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.301-311, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
27

目的:高齢者の排尿障害にはポリファーマシーが関連すると言われているものの,ポリファーマシーによる排尿障害のリスクに,薬剤数あるいは種類のいずれが影響するのかは明らかではない.また薬剤と排尿障害の関連について,尿失禁のタイプ別に検討した報告はきわめて少ない.本研究では,これらの点を明らかにすることを目的とした.方法:在宅医療受療中の65歳以上で要介護1~5いずれかの認定を受け,処方薬5剤以上,抗がん剤による加療を受けていない者を対象とし,訪問看護ステーションに質問紙調査の回答を依頼した.また,排尿チェック票を用い排尿症状を判別した.結果:167名(女性97名,男性70名,平均年齢83.8歳)を分析対象とした.5~9剤処方が59.3%,10剤以上が40.7%であり,男性の10剤以上で,排尿障害のリスクに有意傾向を認めた.排尿障害と薬剤の種類の関連については,女性の場合,腹圧性尿失禁では,αアドレナリン受容体拮抗薬が,切迫性尿失禁ではベンゾジアゼピン系薬剤が有意なリスクであることが示された.機能性尿失禁では,αアドレナリン受容体拮抗薬が有意なリスク低下を認め,コリンエステラーゼ阻害薬は有意なリスクであることが示された.αアドレナリン受容体拮抗薬とベンゾジアゼピン系薬との併用で,腹圧性および切迫性尿失禁のリスクはそれぞれ単剤投与時より高値を示した.またαアドレナリン受容体拮抗薬とコリンエステラーゼ阻害薬の併用で,腹圧性尿失禁のリスクが著明に高まることが示された.男性ではいずれの排尿障害に対してもリスクとなる薬剤は抽出されなかった.結語:本研究結果より,薬剤による排尿障害には男女差がみられる,排尿障害のタイプによって関連する薬剤が異なる,リスクのある薬剤の併用によりリスクが著明に高まるなどの可能性が示唆された.
著者
Shintaro KOIKE Toshiki TAKAHASHI Naoki MIZUGUCHI Osamu MITARAI
出版者
The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research
雑誌
Plasma and Fusion Research (ISSN:18806821)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1203008, 2018-02-09 (Released:2018-03-05)
参考文献数
12

Three-dimensional resistive MHD simulation was carried out in order to develop a method to fuel the plasma core by merging two Spherical Torus (ST) plasmas. A relatively small ST plasma was translated into the axial direction by external magnetic field control and made to collide with the larger ST. In this calculation, ballooning instability occurred in both plasmas during translation, while the magnetic surface was observed to collapse from the Poincare plot of the magnetic lines. It was observed that the magnetic lines in the core regions of the two STs were connected to each other and that the merging was completed.