著者
藤田 義嗣 大野 仁 酒本 貞昭 和田 瑞隆 花岡 雅秀
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.723-727, 2009-09-28 (Released:2009-11-17)
参考文献数
8

症例は58歳,男性.51歳時,糖尿病を指摘され内服加療を開始,54歳時,糖尿病性腎症による慢性腎不全のため血液透析導入.2008年5月初旬,陰茎先端の疼痛,潰瘍を生じ,徐々に症状増悪,虚血性変化の進行を認めたため同年7月9日当科紹介入院.入院時,陰茎に強い疼痛,圧痛を認め,潰瘍を形成した亀頭部は黒色に変化していた.疼痛,虚血性変化が強度であり保存的治療が困難と判断し,陰茎壊死の診断で同年7月17日陰茎部分切断術を施行した.術後,創哆開,感染を生じたがデブリードマン処置により治癒し,疼痛は消失した.病理所見にて悪性所見は認めず,血流障害による陰茎壊死および二次感染と診断した.糖尿病透析患者では下肢領域に壊死が好発するが,陰茎に壊死が発生することはまれで本邦では18例の報告があるに過ぎない.
著者
樫田 美雄
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.60, 2002-03-31 (Released:2010-11-18)

「共依存」は, 標準的には, 嗜癖者を可能にする, 正のフィードバック・システム (あるいはそのうちの1人の当事者) につけられた名前である。それは, 人間関係的には, 「嗜癖者-イネーブラー (嗜癖を可能にする者) 」両者間の「刺激-反応」連鎖の増幅システムであり, 子どもを「アダルト・チルドレン」にすることで, 世代間連鎖をなす永続的体系である。文化的には, 男性的な「自立・自律強制社会」において, 女性的な「依存・ケア的サブカルチャー」が, 非難される様式であり, 臨床的には, 「嗜癖者の配偶者 (しばしば女性) 」が, 「医療」的に「啓蒙・改善」の対象とされる際に, その「操作」の根拠となる「病名」である。わが国ではアメリカほど「大衆心理学化」された形では広がっていないが, すべての依存症 (薬物依存, 仕事依存, 愛情依存……) の基礎にこの「共依存」があると考えるなら, 裾野の広がりは巨大であるといえよう。本書はこのような多面性をもった「共依存」概念に関して, 臨床心理学・公衆衛生学・構築主義社会学・家族システム論等の各視点からの論考を集め, まとめたものである。実例と学史がバランスよく配置されているので, 「共依存」に関して, 現象としてのそれに関心をもつ社会学者にも, 諸議論の配置に関心のある家族心理学者にも有益な本になっている。また, アメリカの状況を集中的に紹介した章 (5章以下, とくに7章) と, 日本での実践を紹介した章 (3・4章) の両方があるため, 家族の日米比較に関心がある研究者にも読まれるべき本にもなっている。以下, 各論者の主張の簡単な紹介と評者からのコメントを行おう。まず, 序章から2章にかけては編者の清水新二が, 総括的な議論の整理をしている。「共依存」に関する近年の議論史は, 個人からシステムに関心の焦点が移動していったという点からは, 「精神分裂病」や「アルコール依存症者」に関する議論を基本的には後追いしていること, ギデンズが行ったような社会評論的な共依存論と個人を焦点とした臨床的共依存論は区別すべきこと, 治療が必要な共依存とそうでない共依存を仕分けるために, 共依存の文化社会的適合度などに基づいた「共依存スペクトラムモデル」に基づいた思考をすべきこと, などを主張している。判断の論拠はもっと知りたいが, 結論には実感的妥当さがあり, 理論と実践の架橋はこのような臨床的知によってなされるのだろうと思われた。3章と4章は, 臨床家の遠藤優子と猪野亜朗が, (「共依存物語」内的視点から) 共依存の実像と臨床的対処の実際を述べている。事例が興味深くかつ身にしみる。5章と6章は, 構築主義社会学の立場から, 上野加代子が「共依存」概念の語られ方を解析している。3・4章の議論がなぜ説得力をもつのか, の謎解きになっている。7章と8章は, V.クラークと本田恵子が, アメリカにおける文化的少数者に定位した対策の紹介と, 文献レビューを行っている。これからは, 日本の社会学者もこういうシステマティックな仕事の仕方に慣れていくべきだろう。「共依存」議論の多様さに接近するために有益な書として, 本書を広く推薦したい。
著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008 (Released:2017-06-27)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.
著者
鹿野 洋 堀 洋一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.142-147, 2000-01-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10

A lot of researches on chaos have been made. However, most of them are just investigation using computer simulation, and researches on actual chaotic system is very few. It is well known that double pendulum is a representative chaotic system. This paper deals with an actual handmade double pendulum and stabilize its chaotic motion by the extended OGY method, which we propose. First, by using reconstructed attractor which is a state space to express chaotic time series, the motion of the pendulum is analyzed. Next, the proposed new control method is applied and proved that very small control input can stabilize the system. Finally, it is compared to the disturbance observer method, and shows the superiority of the proposed control method.
著者
石原 康成 水池 千尋 水島 健太郎 三宅 崇史 稲葉 将史 久須美 雄矢 堀江 翔太 立原 久義 橋本 恒 山本 昌樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1028, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】小・中学生の投球障害肩・肘症例の中には,棘下筋(以下,ISP)の筋力低下や筋萎縮が生じている例が存在する。これらISPの機能不全は肩甲上腕関節の不安定性に影響をもたらし,永続的な障害の一因となりうるため,早期発見の重要性が高い。しかし,投球障害肩・肘症例の中でもISPの筋力低下や筋萎縮を生じているものと,生じていないものが存在する。そこで今回,小・中学生の投球障害肩・肘症例におけるISPの状態を明らかにすることを目的として,小・中学生の野球選手を対象として調査を行った。併せて投手と投手以外のポジション(以下,野手)で比較し,ISPの状態の差が下肢タイトネスに由来している可能性を考え,これに関しても分析を行ったので,ここに報告する。【方法】対象は,少年野球団,シニアリトル,中学校野球部に所属している小・中学生の男子66名(平均年齢12.7±2.2歳)。肩もしくは肘に疼痛があり病院を受診した障害群は33名(以下S群,平均年齢12.9±2.3歳),で内訳は投手17名,捕手4名,外野手3名,内野手9名であった。投球障害のない対照群は33名(以下C群,平均年齢12.6±2.2歳)で,内訳は投手13名,捕手1名,外野手6名,内野手13名であった。方法は,対象者に対して,ISP筋萎縮の有無,下肢のタイトネスの指標として両側の下肢伸展挙上角度(以下,SLR),股関節内旋角度(以下,Hip IR)を測定した。SLR,Hip IRは投球側と非投球側に分けて検討を行った。ISP筋萎縮の有無の判定は,ISPの触診と視診により行い,投球側上肢と非投球側上肢で比較し判定を行った。統計解析には,ISP筋萎縮の有無についてはχ2検定,2群の測定値の比較には対応のないt検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【結果】全体におけるISP筋萎縮は,S群では20名(60.6%),C群では9名(27.2%)であり,有意にS群での割合が高かった。投手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち11名(65%),C群13名のうち3名(23%)で,有意にS群での割合が高かった。野手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち6名(35%),C群13名のうち10名(77%)で,両群間に有意差は認められなかった。投手のSLRは,投球側のISP筋萎縮ありで69.3±9.2°,筋萎縮なしで72.8±8.4°,非投球側の筋萎縮ありで71.1±8.6°,筋萎縮なしで71.6±8.3°と,有意差を認めなかった。Hip IRは投球側の筋萎縮ありで17.9±11.6°,筋萎縮なしで26.3±9.8°,非投球側の筋萎縮ありで17.9±11.9°,筋萎縮なしで26.3±10.1°と,両側Hip IRともに筋萎縮あり群が有意に低値を示した。野手のSLRは,投球側の筋萎縮ありで65.7±11.2°,筋萎縮なしで63.6±11.8°,非投球側の筋萎縮ありで64.3±10.8°,筋萎縮なしで64.2±10.6°と,有意差を認めなかった。Hip IR(投球側)は筋萎縮ありで19.7±7.1°,筋萎縮なし20.1±8.7°,非投球側は筋萎縮ありで20.3±9.7,筋萎縮なしで21.9±9.6°と,有意差を認めなかった。【考察】本調査の結果,小・中学生の投球障害肩・肘症例において,ISP筋萎縮は投手に多いことが明らかとなった。次に,筋萎縮のある選手の下肢のタイトネスは,SLRにおいて投手と野手とで両群間に有意差を認めなかったが,Hip IRにおいて投手が有意に低値を示した。投球動作は全身の運動連鎖から成り立つため,上肢帯だけでなく下肢の柔軟性が必要とされる。投手は野手に比べて投球数が多い。ISPはフォロースルー時に加速された上肢の減速のために遠心性収縮を強いられることが要因として考えられた。ISPの負担を軽減するには,フォロースルー時の上肢の減速に非投球側のHip IRが関わる可能性が考えられる。したがって,股関節の内旋制限のある投手は,投球動作の中で生じるISPへの負担が大きい可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】小・中学生の野球選手に対して潜在的に投球障害肩・肘を評価する方法としてISPの筋萎縮の有無が有用である可能性がある。SLRとHip IRは投球障害の機能的検査法である原テストの検査項目でもある。本研究により小・中学生の投手における投球障害肩・肘症例に関してはSLRよりHip IRを優先的に改善する機能強化やアプローチが投球障害をより早期に改善させる一助になる可能性がある。
著者
Maryam MOSHAVERINIA Ali BORZABADI-FARAHANI Abdi SAMENI Alireza MOSHAVERINIA Sahar ANSARI
出版者
The Japanese Society for Dental Materials and Devices
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.817-821, 2016-09-29 (Released:2016-10-01)
参考文献数
25
被引用文献数
6 24

Present study evaluated effects of addition of Nanoparticles fluorapatite (Nano-FA) on microhardness and fluoride release of a Glass Ionomer Cement (GIC, Fuji IX GP Fast). Forty-eight specimens prepared, divided equally into 4 groups (2 with Nano-FA); after 24 h and one week Vickers microhardness (HV) was measured. Nano-FA specimens were made from addition of nano-FA to Fuji IX powder (glass powder/Nano-FA ratio=20:1 wt/wt, 3.6:1 P/L ratio). At 24 h, mean (95% CI) HV for GIC and Nano-FA GIC were 40.59 (39.51–41.66) and 46.89 (45.95–47.82) kg/mm2, and at one week 44.98 (44.23–45.72), 53.29 (52.58–53.99) kg/mm2, respectively. Findings indicated higher HV in Nano-FA specimens (F=221.088, p<0.001). Twenty-eight days weekly cumulative fluoride release in both groups was not different (p>0.05). MTT assay exhibited no inhibition of cell proliferation or reduction in metabolic activity in experimental [84.0 (3.3)] or control groups [85.1 (4.7)] with no difference between groups (p>0.05). New nano-FA GIC was biocompatible and showed improved surface hardness. Future clinical trials can verify the usefulness of Nano-FA GIC.
著者
坂西 雄太 大内 啓 玉井 美恵子 長田 晴香 石橋 悟 杉岡 隆
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Supplement, pp.108-112, 2015 (Released:2015-03-27)
参考文献数
15

東日本大震災時の石巻医療圏において医療的避難所「ショートステイベース」が2011年4月上旬に設置され, 同年5月下旬より日本プライマリ・ケア連合学会東日本大震災プロジェクト (Primary Care for All Team ; PCAT) が運営した. 多職種で協働し, 「避難所以上入院未満」の要治療・要処置患者および集団避難生活が困難な被災者を受け入れ, 包括的医療支援を行った. 石巻医療圏内の保健師や医療・福祉・介護機関と連携し, 圏内ネットワークの再構築も試みた. 105日間の運営で, 入所者は32名, 平均年齢59.6歳, 平均入所期間12日間, 入所理由は要治療・処置75%, 要感染症隔離15.6%, 社会的入所9.4%であった. 今後の災害時の医療計画においては, 災害慢性期から復興期まで含め, 様々な背景の被災者を支える避難所や被災地域の医療・福祉連携を支えるシステムの構築が必要である.
著者
川端 浩
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第36回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.59, 2008 (Released:2008-10-06)

炎症性貧血(anemia of inflammation)は自己免疫疾患、感染症、悪性腫瘍などでみられ、その病態には炎症性サイトカインによる造血前駆細胞の増殖抑制、造血微小環境の変化、赤血球寿命の短縮、脾腫などの様々な要因が複合して関与しているものとされてきた。また、炎症性貧血には、消化管からの鉄吸収率の低下、網内系で保持される鉄の増加、血清鉄の減少などの鉄代謝異常が共通してみられるが、その原因については不明であった。近年、肝臓由来の鉄代謝制御ホルモンであるヘプシジン(hepcidin)を中心とした生体の鉄代謝制御機構の解明が進み、炎症性貧血も鉄代謝異常の側面から見直されるようになった。 多中心型のキャッスルマン病は、炎症性貧血を呈する代表的な疾患の一つである。この疾患は、全身性のリンパ節腫脹、炎症反応、高IL-6血症を特徴とし、難治性で、しばしば高度の貧血を伴う。最近この疾患の治療に、IL-6経路を遮断する抗IL-6受容体抗体トシリツマブが用いられるようになった。我々は、キャッスルマン病患者5例において、トシリツマブ投与前後における血清ヘプシジンをモニターして、炎症性貧血におけるIL-6およびヘプシジンの関与を調べた。全例において、トシリツマブ投与により血清ヘプシジンのすみやかな低下がみられ、引き続いて血清フェリチンの低下と貧血の改善がみられた。トシリツマブを継続投与した症例では、ヘモグロビン値が正常化した。これらの結果は、炎症性貧血の病態に、高IL-6血症⇒肝臓におけるヘプシジン産生の増加⇒諸臓器における鉄輸送蛋白フェロポルチン発現の低下⇒腸管からの鉄の取り込み減少+網内系からの鉄の放出抑制⇒造血系で利用可能な鉄の減少、という機序が深く関与していることを示している。また、キャッスルマン病のみならず、他の炎症性貧血の治療にもトシリツマブが有用である可能性を示唆している。
著者
鹿園 直建 荒川 貴之 中野 孝教
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.123, no.3, pp.323-342, 2014-06-25 (Released:2014-07-03)
参考文献数
26
被引用文献数
2 6

Water samples (number of samples = 52) were collected from the vicinity of the southern foot of Mt. Fuji, central Japan, and were analyzed for major elements (Si, Al, Fe, Mg, Ca, Na, K, Cl-, HCO3-, NO3-, etc.) and other chemical properties (pH, EC, ORP, etc.). The results show that major element concentrations increase with decreasing elevation, particularly at a low-elevation site. In the Yoshihara area, located at the southwestern foot, anion and cation concentrations vary widely and increase from west to east. In this area, water samples with a high total concentration tend to contain a high NO3- concentration, suggesting NO3- pollution of the groundwater. By contrast, in the southeastern area, NO3- pollution was not recognized. Based on nitrogen isotopic and ionic concentration data, the high NO3- concentration in the southwestern area is considered to be due to inorganic fertilizer (e.g. (NH4)2SO4) used at tea farms. Analytical results show two groundwater flows in a high-elevation area along the Urui River and in the direction from a high-elevation site at the southwestern foot toward Susono City, and that they mix together at a low-elevation site. In the southeastern foot area, two groundwater flows derive from a high-elevation site on Mt. Fuji along the Gotenba mudflow and the Mishima lava flow. The latter groundwater mixes with groundwater derived from Ashitaka and the Hakone mountains.

2 0 0 0 OA 肝不全

著者
垣花 泰之 岩倉 雅佳 谷口 賢二郎
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.327-333, 2016 (Released:2017-04-12)
参考文献数
25

急性肝不全・劇症肝炎では,安静時エネルギー消費量の増加,グルコースおよび遊離脂肪酸利用率の低下,BCAA/AAA 比の低下が特徴であり,一方,慢性肝不全・肝硬変では,貯蔵グリコーゲン減少に伴う飢餓状態,アミノ酸代謝異常による肝性脳症が特徴的である.栄養状態の悪化を防ぐため,肝性脳症の急性期以外に蛋白質制限を行わないことや,肝硬変例には1.2 g/kg/日を目安に十分量の蛋白質を投与することが推奨されている.さらに,肝不全用アミノ酸製剤は肝性脳症に限定され,経口分岐鎖アミノ酸製剤の積極的な投与が,生存率やQOL 向上につながることが報告されている.グリコーゲン貯蔵量が少ない慢性肝不全・肝硬変例に対して,早期飢餓状態の軽減や栄養状態改善に対する夜間就寝前捕食の有効性,ビタミンB1, 亜鉛,脂溶性ビタミンなどの欠乏症に対するアセスメントなどの推奨項目が提示されている.本稿では,エビデンスに基づいた肝不全の栄養管理法を示すとともに,肝性脳症に対する急性血液浄化療法の最新の知見に関しても解説した.
著者
櫻井 和朗
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.218-225, 2015-07-25 (Released:2015-10-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

siRNAやCpGDNAなどの核酸医薬を抗原提示細胞へ選択的に送達するDDSツールとして実用化を目指して開発研究が進んでいる、多糖核酸複合体に関して、その発見から現在にいたる過程を、著者のDDSとの出会いにさかのぼって概説する。
著者
小林 潤平 新堀 英二 川嶋 稔夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.J241-J246, 2017 (Released:2017-09-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1

文章を読み進める目の動きを効率化することで,読み心地や理解度を維持したまま読み速度の向上を図るための,電子リーダー上での日本語表示方式を提案する.読者が読みやすいと感じる一行の長さは20~29文字程度であるが,既存方式では行長が短いほど読み速度は低下するため,最大速度で読むためには一行40文字程度の行長が必要という課題があった.そこで本研究では,文節にもとづく改行位置の調整および文字ベースラインを文節単位で階段状に下げていく既存手法に加えて,新たに「隔行単位の背景着色」「行間隔の拡張」「階段状の行頭インデント」「行頭文節の微振動」の4手法を組合せた表示方式を考案し,その効果を読み速度や眼球運動の点から検証した.その結果,提案方式では,読者が読みやすいと感じる一行20~29文字の行長でも,一行40文字の場合と同等の最大速度で読めることがわかった.また,読み速度の向上は,停留数の減少に起因していることがわかった.
著者
小林 憲弘 杉本 直樹 久保田 領志 野本 雅彦 五十嵐 良明
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.65-70, 2013 (Released:2014-05-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

We have identified the cause of the formaldehyde pollution that occurred in the Tonegawa River system in May, 2012. We analyzed 10 river water samples that were collected in the Edogawa River using a liquid chromatography/ tandem mass spectrometry (LC/MS/MS) and a liquid chromatography/ ion-trap time-offlight mass spectrometry (LC/IT-TOF-MS). As a result, hexamethylenetetramine was detected in all the water samples. Further, significant relationship was observed between the hexamethylenetetramine and the formaldehyde concentration in the same sample (r2=0.9576). Furthermore, formaldehyde concentration calculated by the reaction formula was very similar to the measured formaldehyde concentration in each sample. Therefore, we concluded that the cause of the formaldehyde pollution was the inflow of hexamethylenetetramines in the river system. Further, we focus the future issues on the management of unregulated chemicals in drinking water.
著者
石坂 正大 石川 良太 伊藤 詩峰 遠藤 沙紀 君島 未紗 鯉沼 夢 佐藤 克己 関 健吾 田野 勝也 千明 龍太郎 淵田 悟
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.581-584, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
10

〔目的〕コンプレッションウェアの着用が酸素摂取量および心拍数に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕対象は健常男性26名とした.対象者に対しトレッドミルでの心肺運動負荷試験を行い,裸とコンプレッションウェア着用の2つの着衣条件で酸素摂取量,心拍数,呼吸交換比,呼吸数を測定した.〔結果〕心肺運動負荷試験の運動前,中,後の心拍数(回/分)はそれぞれ,裸で84.4±11.8,156.9±12.3,110.2±22.1,着用時で81.2±11.9,151.7±14.7,102.0±10.4となり,後者の着衣条件で有意に低い値を示した.酸素摂取量,呼吸交換比,呼吸数では着衣条件間の有意な差がみられなかった.〔結語〕コンプレッションウェアの着用は酸素摂取量には影響しないが,運動時の心拍数を低下させる.
著者
栗原 まな 高橋 佳代子 小萩沢 利孝 山内 裕子 井田 博幸
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.294-298, 2009 (Released:2016-05-11)
参考文献数
11

知的障害以外の症状が認められなかった時期より長期経過観察をした歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) の28歳女性を報告した. 本例の遺伝子診断に家族の了承は得られなかったが, 母と兄が剖検病理診断でDRPLAと診断されていたため, 頭部MRI・脳波・歩行分析・心理検査などを行いつつ経過を観察した. 頭部MRIでは10歳代後半より小脳萎縮が出現し, 脳波では14歳の初診時より全般性棘徐波複合が認められた. 臨床的には歩行障害とてんかんが発症した15歳をDRPLAの発症と考えた. 歩行分析では20歳代後半になって明らかな異常が認められるようになり, その後1年で歩行不能となった. 経過観察において歩行分析は有用なツールであった.