著者
奥谷 文乃 藤田 博一 村田 和子
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

うつ病の患者では食欲が低下し、体重が減少することが知られている。味覚・嗅覚機能の異常を来している可能性を検証するために本研究を実施した。同意の得られたうつ病患者さんに、嗅覚検査を実施したところ、ほぼ全例で嗅覚機能は正常であり、functional MRIにより中枢性の嗅覚情報処理機能を検索すべき症例が得られなかった。しかしながら、同様に抗うつ剤で治療を受けている「パニック障害」の患者さんでは嗅覚閾値が検知・認知いずれもきわめて低いことがわかった。以上より、「うつ病」に限らず、各種精神神経疾患における嗅覚機能の検索が診断・治療の重要な情報を提供する可能性が示唆された。
著者
牧園 清子
出版者
松山大学 総合研究所
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.55-92, 2018-02
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会研究大会発表論文集
巻号頁・発行日
pp.65-68, 2015-10

第63回日本図書館情報学会研究大会:2015年10月17日(土)~18日(日),学習院女子大学2号館(東京都)
著者
志茂 碩敏
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.456-405, 2001-09

Faced with imminent dissolution of the Ilkhanate, Ghazan Khan determined that he would reflect on the strong unity of the tribal confederation and embarked on the compilation of a dynastic history simultaneously with the expedition against Syria. Ghazan himself recounted in detail the long-term ties between the hereditary retainers, nokor, amir-ibuzurg, of the various Mongol tribes and the Chinggisid house in the Persian language History of the Mongols, Tarikh-i Mughul. The work is an utterly unique and extremely valuable source providing first-hand knowledge of the inner workings of the nomadic tribal confederation of the Mongol empire in the voice of a Mongol emperor himself, but the various scholars who have gone through the Persian text have failed to comprehend the fundamental structure of the tribal confederation. This has been due to the fact that they proceeded to consider the entire work without comprehending the meaning of the terms buzurg, the Chinggisid house, and amir-i buzurg. hereditary retainers. A close analysis of the long-term ties of the hereditary retainers and the Chinggisid house across the breadth of the Mongol empire reveals the following points. ・The strength of the bonds between the Chinggisid house and individual Mongol tribes was common to each urus of the Mongol empire, and the structure of the Mongol ruling class in each urus was nearly identical. ・Those who served the qa'an and khan, the Chinggisid house, and who held high-ranking and vital posts inherited from their ancestors, and were charged with the management of the urus were retainers from particular lineage groups within special tribes with especially strong bonds to the Chinggisid house, such as fictive kin, fathers-in-law, sons-in-law, tutors (atabek), adopted children, the children of wet-nurses (kukaltash), and subjects who came from families of hereditary vassals who had served Chinggis Khan's ancestors for generations. If Persian language historical sources and those written in Chinese are read with care and insightfully, it will surely become clear that in other nomadic states as well as the Mongol empire and in its successor states, tribal confederations were formed, and the royal family and their fictive kin occupied the core of the political regime.
著者
菅 良樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.287-311, 2012-09

本稿では、幕末期における大坂町奉行の動向について初めて具体的に検討し、幕臣川村修就の「家」についても論じた。使用した主な史料は、川村自筆の「日新録」と称する町奉行在任中の「日記書抜」である。この記録が、新潟市歴史文化課に残存していたことは、幕末期の大坂を考察するにあたり僥倖であったといえよう。川村は、両町奉行所での御用日、内寄合と、城代上屋敷での宿次寄合を軸に、町奉行所行政を統括していた。町奉行は宿次寄合開催日以外にも、「触書」の作成や刑罰の決定に関して城代土屋寅直と用談をしていた。川村と相役の佐々木顕發は、大坂の経済復興を期するため、城代をとおして老中阿部正弘に「伺」を立て、「取調書」作成に腐心していた。さらには、欧米列強の軍艦に対する海防費が増大するなかで、町奉行にとって大坂の富裕者からの上納金徴収が重要な責務となっていたが、この嘉永七年(安政と改元)には、プチャーチン来航問題や津波被害からの復興に取り組むことも喫緊の課題であった。このため、川村は御用日、宿次寄合などに出席できなくなっていたのである。川村は荻野流砲術免許皆伝の技能を有し、和歌や書画にも精通していた。川村家は「将軍家御庭番」の家筋で、少禄の幕臣ではあったが、修就は軍事を核に、外交、民政をはじめ幅広い分野に通暁する俊才であったので、大坂町奉行に抜擢されていたと解される。ロシア軍艦来航問題については、城代の土屋が老中の阿部に「伺」を立て、その「差図」に従い、町奉行の川村が最前線で対処していたと認識できた。その一方、被災地復興については、大坂町人の自治能力に依拠しつつも、非常時であるので、川村は「自立的・主体的」に活動していたと論じた。川村自身が大坂市中を頻繁に見廻り、復興の手順を直接指示し、その費用には、川浚冥加金が割り当てられていたことが明らかとなった。修就が同伴していた孫の清雄は、在坂時田能村直入の弟子となり画法を磨き、その後明治洋画草創期の指導者になった。日本の近代化に際し諸分野で貢献した幕臣の子弟に注目する必要があるであろう。

4 0 0 0 OA 丙寅連城漫筆

著者
小寺玉晁 [編]
出版者
日本史籍協会
巻号頁・発行日
vol.第1, 1919
著者
米地 文夫
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.257-261, 2001-12-21 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8
著者
鍋島 茂樹
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

麻黄湯は古来よりインフルエンザに効果があることが知られていたが、そのメカニズムについては解明されていない。我々は、A549細胞にインフルエンザウイルス(PR8株)を感染させ、同時に麻黄湯を添加した際に、麻黄湯によりウイルス増殖が抑制されるかどうかを検討した。培養24時間後、培養液中の感染性ウイルス価、ウイルスRNAおよびウイルス蛋白は著明に減少した。次に麻黄湯の添加時期をずらして検討したところ、前処置、または感染6時間以内で最も効果が高いことがわかった。麻黄湯は、インフルエンザウイルスの感染初期に、何らかの機序でウイルスの侵入または、増殖を抑えていると考えられた。
著者
中西 眞知子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.224-239, 2013 (Released:2014-09-30)
参考文献数
65

再帰性 (reflexivity) については社会学では多様な議論が展開されてきた. 再帰性論を社会学の主要テーマにしたのは, アンソニー・ギデンズであった. 彼は, 再帰的近代化論において, 自己再帰性や制度的再帰性など認知的再帰性を論じた. それを批判的に継承し, 独自の再帰性論を提示したのがスコット・ラッシュである. 本稿ではラッシュの再帰性論を基軸に, 再帰性の変化と新たな展開を明らかにする.ラッシュは, ウルリッヒ・ベックやギデンズの再帰性を, 認知的, 制度的な再帰性で, 単純な近代化に結びつくと批判する. 脱組織化した社会において, 非認知的で模倣的な象徴やイメージに媒介された美的再帰性や, 実践の解釈を反映した共有の意味や慣習に媒介された解釈学的再帰性を提唱する. またグローバル情報社会では, 他者との相互反映性において知を行動に結びつける現象学的再帰性の働きに注目する. ラッシュによれば, 社会の変化を反映して再帰性は, 啓蒙思想を源とする合理的な認知的再帰性や制度的再帰性から, 芸術の近代化を源として美意識や共感を重視する美的再帰性や解釈学的再帰性へ, さらにグローバル情報社会で相互反映性において知と行動を結びつける現象学的再帰性へと変化する.情報化や市場化の進展によって再帰性は変化し, 新しい再帰性も生まれつつある. そのなかで筆者は, ラッシュやジョン・アーリらの再帰性論から導かれる新しい市場再帰性に注目した.
著者
倉持 武 クラモチ タケシ Takeshi Kuramochi
雑誌
松本歯科大学紀要
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-27, 1999
著者
大杉 昭英
巻号頁・発行日
2017-03

目次本プロジェクト研究の目指すもの ………………… 1目次 ……… 3研究組織名簿 ………………………………………… 5研究成果の概要 ……………………………………… 9第Ⅰ部 校長の資質・能力と職能成長に関する調査研究 …………………………………… 191.本調査の概要 …………………………………… 21(1)本調査の目的 ……………………………… 21(2)調査日程・調査対象者の概要 …………… 222.資質・能力習得度,資質・能力必要度,今後特に必要とされる資質・能力 ………… 27(1)資質・能力習得度 ………………………… 27(2)資質・能力必要度 ………………………… 43(3)今後特に必要とされる資質・能力………… 503.校長を志望した時期・動機,成長機会の有益度,メンター,キャリア・ステージごとの大学院での学習に対する期待 ……………… 54(1)志望した時期・動機 ……………………… 54(2)成長機会の有益度 ………………………… 57(3)メンター …………………………………… 62(4)キャリア・ステージごとの大学院での学習に対する期待 ………………………… 634.リーダーシップ効力感 ………………………… 69(1)リーダーシップ効力感 …………………… 695.職務満足度 ……………………………………… 73(1)職務満足度 ………………………………… 736.主幹教諭,事務職員による校長の補佐体制及び教育委員会の支援体制 ……………… 82(1)主幹教諭による校長の補佐体制 ………… 82(2)事務職員による校長の補佐体制 ………… 85(3)教育委員会の支援体制 …………………… 927.学校改革で直面している課題 ………………… 96(1)学校改革で直面している課題 …………… 968.資質・能力習得度,リーダーシップ効力感,職務満足度に関連する要因 …………… 101(1)資質・能力習得度 ………………………… 104(2)リーダーシップ効力感 …………………… 107(3)職務満足度 ………………………………… 111参考文献 … 115回答者の属性 ………………………………………… 120調査票 …… 1294第Ⅱ部 学校の役割・教職員等指導体制の海外比較研究 …………………………………… 1431.本調査の概要 …………………………………… 145(1)本調査の目的 ……………………………… 145(2)本調査の対象国と調査対象 ……………… 146(3)調査結果 …………………………………… 147<各国の分析>・アメリカ合衆国 ………………………………… 179・イギリス(イングランド)……………………… 191・中国 … 205・シンガポール …………………………………… 217・フランス ………………………………………… 225・ドイツ ……………………… 233・韓国 ………………………… 245